『はらぺこあおむし』

エリック・カール
もりひさし 訳

様々な色で薄葉紙に彩色して、その紙を切ってボードに貼り合わせながら作られたカラフルで暖かい独特の絵が最高に素敵なエリック・カールの最高傑作。

あおむしはいつもおなかがぺっこぺこ、たべてもたべても、まだたべたい!
たくさん食べたあおむしはふとっちょになり、さなぎになって、最後には・・・?

可愛いお話とワクワクするようなリズミカルな文章。そして心までカラフルにしてしまう美しい色彩。
素敵な素敵な絵本です。個人的には絵本作家の中で彼の絵が一番好き。
もし見たことない人がいたら、1回見る価値はあるんじゃないかな。

子供はもちろん大人の人にもお薦めの1冊です。

エリック・カール公式サイト(英語)

『しょうぼうじどうしゃ・じぷた』

渡辺茂男 さく
山本忠敬 え
消防署のすみっこに、古いジープを改良した、ちびっこ消防車のじぷたがいた。けれども、だあれも、じぷたのことなんか気にかけない。じぷたは、はしご車ののっぽ君と、高圧車のばんぷ君、救急車のいちもくさんが大きな火事で大活躍するのをうらやましく思うばかり。しかし、じぷたにも山小屋の火事を消し止めて、山火事を防ぐという大仕事がやってきた。

1966年に出版されて以来、多くの「はたらくくるま」好きな子どもたちに愛されてきたロングセラー絵本。「くまくん」シリーズなどで知られる渡辺茂男と、乗り物絵本の第一人者である山本忠敬が手を組んだ一冊で、全国学校図書館協議会選定「必読図書」に選ばれるなど評価も高いみたいです。これはホント泣ける絵本。

自分は何のために生まれてきたのか。自分には何ができるのか。周りと自分を比べたときに自分をつまらなく思ったことのある人にお薦めの絵本です。目立つ大活躍だけがすべてじゃない。ちっちゃい自分にもできることがある。頑張るじぷたに共感し、最後のじぷたの笑顔に涙。そして読み終わった後には、自分も頑張ろうって気になれる。うーん、絵本って本当にいいもんだね。

世界がもし100人の村だったら』

池田 香代子

社会現象にもなった本なんで説明しなくてもいいかもしれないけど・・・。この本は一つの電子メールがもとになり、世界中の多くの人たちがそのメールに一言だけ自分の想いとなる 言葉を付け加え、親しい友人へとメールの転送を繰り返しながら出来た物語。ゆっくり読んでも一時間もかからないほどの短い物語だ。

クラムボンのLIVEでキーボードに貼っている絵も描いてる山内マスミさんのクレヨンタッチな絵も素晴らしい。そして文章も、短い文章で分かりやすく、それでいて深く考えさせられる。

この本は、世界を100人の村に例えながら、いま世界中で 起きているさまざまな事柄を紹介している。人口問題、宗教、貧困、食糧問題、戦争、飢餓、政治、病気、南北問題、、差別、 人権問題など。100人の村に日常的に起きている問題として置き換えることで、よりリアルに強く感じられる。世界の中で、いま起きているさまざまな事柄の本質が、よく解る本だ。

アメリカのご都合主義(京都議定書、市場自由化の協定、地国への戦略 など)は弱い国を事実上支配してしまっている。そして、貧しい人々との格差はどんどんと広がっていく。経済発展国と格差が広がり、弱い国、貧しい国はテロというかたちでしか抵抗できない状況に追い込まれてしまっている。貧しい人々にテロを起こさせ、自分たちのまいた種に対して、犯罪と言い切って報復攻撃を行う。情報操作によって正当化・・・。自分達のために周りの邪魔な物、有益でない物を簡単に切り捨てるアメリカの独裁には正直、僕は憤慨する・・・。報復攻撃を行う際、どの国も反対せず、我先にと賛同してしまったのにも憤る気持ちでいっぱいになった。

アメリカへの同時多発テロの背景に何があるのか。アメリカは何故、狙われたのか。なぜ、よく調べもしないで黒幕をビンラディンと決め付けたのか。なぜ、あんだけの被害の中で犯人のパスポートだけが綺麗な形ですぐに見付かったのか。ハイジャックされた飛行機のうち一台は本当に墜落だったのか。国連はなぜ何も言わないのか。報復攻撃の際、近代兵器を使って何であんなに誤爆が起こるのか。不思議がいっぱいだ。しっかりと正しいことを見つめていかなければならない。しっかりと考えねばならない。もちろん、たくさんの命を奪ったテロも悪い。テロが起こらざるを得なくしたアメリカも悪い。問題なのはテロの起きない社会を作り上げることだ。アメリカをはじめ、日本も含む経済発展国の自由のためではなく、地球規模ででの自由考えなくてはならないと思う。

報復は行ってはならない。今回の報復攻撃の結果、タリバンが壊滅した。だからといって、アメリカがアフガニスタンを助けたのだとは思えない。タリバンを追い詰めたのは反タリバン勢力だ。確かに反タリバン勢力が行動を再開したのは報復攻撃がきっかけだが、アメリカのおかげではない。多くの国々はアフガニスタンの行く末を静かに見守り、難民たちを勇気づけながら、手助けする必要がある。

僕達は、この本を読むことができる。本を買うだけの金も持っている。ネットをすることができる。普通に教育を受けることができた。そして、生きている。この本を読んで自分自身が生きていることを、生きている意味を考えさせられる。素直にありのままに生きる。本当の自分にもどること。そんなことを思わせてくれた本だった。一人でも多くの人に読んでほしい。


『うろんな客』

エドワード・ゴーリー
柴田元幸 訳
アメリカのイラストレーターにして作家である、エドワード・ゴーリーの絵本。
2000年75歳でこの世を去ってるんだけど、生前は日本ではあまり有名じゃなかった。この作品も2000年になって、やっと翻訳されて日本でも発売されたもの。

ペンギンに似た不思議な生き物が、ある一家の生活の中に突然入り込んで来る。
家族の通行のじゃまをしたり、蓄音機のらっぱ部分を外してしまったり・・・いろんな悪さをする人騒がせな生き物の物語。

どこかシュールな内容とコミカルなオチがなんとも言えない、楽しくて、どこか不思議な作品。

ゴーリーの文章は独特の韻を踏んだ対句形式の文。こういう文章を翻訳するのは凄く難しいと思うんだけど、短歌形式にして、最後の句を四字熟語でまとめることで、不思議でレトロ感漂う世界を表現するのに成功しています。
この本には、その素晴らしい翻訳と、ゴーリーの原文が両方載っているのも嬉しいです。

また、白黒のタッチの強いペン画も素晴らしい。どのページも名場面。
もうとにかく1回読んだら、この主人公の生き物の虜になっちゃいます。
子供も大人も楽しめる絵本。

『きみの行く道』

ドクター・スース さく・え
   いとう ひろみ やく 

映画にもなった絵本「グリンチ」の原作者、ドクター・スースが、晩年の86歳の時に発表した作品。アメリカでは1990年に発売されて、300万部以上の、ミリオンセラーになった作品です。

この絵本は、ストーリー性はあまりありません。そのかわりに人生のヒントがいっぱい詰まってます。人生の浮き沈みや、人生のスランプの乗り越え方、人生の孤独について・・・

ひとり道に迷ってしまったときに読みたい作品です。人生の成功は僕たち自身の中にあると励ましてくれます。下に少し文章を引用します。

>まよったり、こまったり、さみしくなることもあるでしょう。でも、きみはすすむ、きみのみちをゆく。

>それで、君は成功するかって?もちろん、しますよ、そりゃもうぜったい!(98と3/4パーセント保証します)きみのみちを どんどん すすみなさい。

外国の本なんで、元の文と翻訳の文では多少意味合いが変わってしまってるかもしれないんだけど、この作品の訳文はとても素晴らしいと思います。ファンタジックな世界観の絵もいい。人生に迷ったときに是非、読んで欲しい絵本です。

あと、同じドクター・スースの作品(スースは文のみで、絵はスティーブ・ジョンソン&ルー・ファンチャー)で、「いろいろいろんな日」も深くて素晴らしい作品で、お薦めです。


『あおくん と きいろちゃん』

レオ・レオーニ 作・絵
藤田圭雄 訳

「スイミー」でも知られる、レオ・レオーニの作品。

この作品の挿絵は、すべて表紙のような、単純で抽象的な絵で構成されています。ほとんど絵の具を垂らしただけのような絵。それだけに想像力が凄くかきたてられる。

ストーリーは、あおくんときいろちゃんは、とても仲良し。ある日、あおくんはお母さんに留守番を頼まれるんだけど、言いつけを破って、きいろちゃんと遊びに行きます。あおくんときいろちゃんは、仲良く遊んでいるうちに、身体が一緒になってしまい緑になってしまいます。遊び疲れたあおくんときいろちゃんは、それぞれ自分の家に帰ります。しかし、緑になった、あおちゃんを見たお母さんは「これは、あおちゃんじゃない」、緑になった、きいろちゃんを見て、お母さんは、「これは きいろちゃんじゃない」と言うばかりです・・・。

途中、凄く切ない場面もある。でも最後はハッピー。

読み終わったあとには、「自分らしさ」や「愛」、「人と人の心」など色んなことを考えさせられます。

抽象的でアート的な絵も凄くいい。結構、有名な本なんで読んだことのある人は多いかもしれないけど、お薦めの絵本です。

『やさしいライオン』

やなせたかし 作・絵
愛と勇気だけが友達。食パンマンは友達ちゃうんかいな「アンパンマン」のやなせたかしの描いた絵本・・・だけど、そんなこと忘れて是非、読んでみて欲しい絵本。

犬のお母さん、ムクムクとライオンの赤ちゃんブルブルのメチャクチャ切ないけどメチャクチャ心温まる物語。ムクムクと、ムクムクに我が子のように育てられたブルブル。ムクムクの愛情をいっぱい受けて成長したブルブルは、ある日サーカスに入れられることになり、はなればなれに・・・。

親の子に対する愛、子の親に対する愛。周りが変わっても変わることのない普遍的な愛を描いた作品です。あんまり泣ける泣ける言ってる作品は変に構えてしまって泣けないことが多いけど、これは本当に泣ける。僕の大好きなドキンちゃんはでてこないけど(笑)、やなせたかしの哀愁漂う絵も涙を誘うのよ。

親の大切さ、子の大切さ、愛することの大切さ。いろんな大切なことを教えてくれる絵本です。最後の2ページがいいなあ。
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