TAMALA2010

■監督■
t.o.L.

■声の出演■
武田真治
加藤武
ペアトリス・ダル
佐藤54-71


故hideのアートディレクションなどを行っていた映像・音楽のアーティスト集団t.o.L(trees of Life)によるCGアートアニメ。

まず主人公の猫、TAMALAがやたらと可愛い。可愛いのに、そのルックスからは到底想像も付かない暴言、暴動を繰り返す。可愛らしい声でオスネコをナンパしたりするかと思えば、一転、ネコキックで物を破壊しまくったりする。そのギャップがたまらなくキュート。ちなみに僕はそういう女の子が好きだ(笑)

そして、何よりも素晴らしいのは映像と音楽。基本は白黒の平面的な2次元なんだけど、時にはフルカラーの炎や空が挿入されたり、時には3次元CGが交差する。このコントラストが不気味で不思議な未来都市をうまく構築している。そこに絡むエレクトロニカ、ジャズ、グランジ、パンク経由のヘンテコな音楽も良い。凄くPV的。長い長いPVって感じ。

ストーリーも意外と作りこまれてる・・・と思うんだけど哲学的すぎて僕には理解できないです。
現代社会への皮肉が盛り込まれてたり、古代ギリシア文学が引用されてたりしてアイデアは良いと思うんだけど、もっと分かりやすい話にしても良かったんじゃないかなって思う。どうしても映像や音楽ばかりが印象に残る。

「映画」らしくはない「映画」ってことで星は1つにしたけど、映像的には素晴らしいと思う。BGVみたいなのが好きな人は是非是非。

ダンボール・ハウスガール

■監督■
松浦雅子

■出演■
米倉涼子
伴杏里
桜田宗久


★★★
退屈なOL生活に見切りを付けた桜井杏(米倉涼子)は、貯金した500万円で彼と2人でアメリカへ旅立とうとしていた。しかし、全財産を盗まれ、彼とも別れることになってしまう。「金」、「男」、「家」、「仕事」、すべてを無くし、ダンボールの家での生活が始まる・・・

萱野葵原作の小説を、米倉涼子主演で映画化。監督も知らない人だったし、個人的に米倉涼子は顔もキャラも苦手なんで期待はしてなかったんだけど、米倉涼子の感情豊かな演技はカナリうまいし、お話のテンポも良く普通に面白かったです。

ただ、心に強く残るものがあるかといえば・・・。ホームレス社会の実情みたいなものが描かれてそうで、全然描けてないんだよね。もっとホームレス生活や外の世界との関わりを描いて欲しかった。その辺が薄いから、それらしいセリフがあっても、いまいち説得力がないんだよね。その辺はちょっと残念。どうせなら家庭教師のエピソードを入れるより、ダンボール村の個性豊かな住民達との交流をもっと描いて欲しかったな。せっかく話を広げれそうなキャラクターがいっぱいいるのにさ。

そういうメッセージ性を期待せずに御伽話として観たら普通に楽しめるんじゃないかな。
TUVAL

■監督■
ファイト・ヘルマー

■出演■
ドニ・ラヴァン
チュルパン・ハマートヴァ


★★

この作品は、「OK!」や「STOP」など、誰でも知っているような言葉が少し出てくるだけで、それ以外はジェスチャーや意味不明の言語などで物語が進んでいきます。
「世界中の、どの国の人たちも字幕無しで観れる映画」です。
また、この作品は、白黒フィルムを、少しずつカラーで色を付けることによって、独特の暖かい映像美を作り出しています。

↑こんな感じ。もう、ずっと夢の中みたいで素敵。どのシーンも、そのままポストカードにしたいくらい。

ストーリーは・・・遥か遠い昔の、とある寂れた室内プール。そこで働く少年・アントンは外の世界を見たことがなかった。ある日、彼は初めて見る若い娘・エヴァに一目惚れ。船長になる夢を持つアントンは、エヴァの父親が残した地図に描かれている遥か彼方の島・ツバルへ旅立つ決心をするが・・・

セリフもほとんど無くて、モノクロ。難しく思うかもしれないけど、ドタバタなコメディ・タッチの冒険ファンタジーって感じで凄く観やすいです。
この世界観最高。

鉄塔 武蔵野線

■監督■
長尾直樹

■出演■
伊藤淳司
内山眞人
田口トモロヲ


★★★★

第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作になった銀林みのるの原作を映画化。

東京の保谷に住む小6の見晴(伊藤淳史)が主人公。見春は、両親の離婚で、新学期から長崎に転校する事になっていたんだけど、友達には言えないまま憂鬱な夏休みを過ごしていた。ある日、見晴は近所の鉄塔に「武蔵野線71」、その隣の鉄塔に「武蔵野線70」・・・と、数字が続いていることを発見した。そして、舎弟のアキラ(内山眞人)を誘い出して、その数字の先に何があるのか、確かめる冒険の旅に出る・・・

大人にとっては何でもないことでも、子供の目からすればわくわくするような発見がある。あったと思う。
僕も小さい時は、子供なりの大冒険をしたりしてた。
あの時のドキドキ感はもう味わうことは出来ないけど、この映画は、そのドキドキ感を思い出させてくれる。
日本版『スタンド・バイ・ミー』って感じなんだけど、こっちのほうが目的が身近なんで感情移入できる。
舞台が日本なのもあるしね。あと、限りなく続く青い空と緑の田んぼのコントラスト、蝉の声。夏休みの情緒。切なくなる。
小学校の夏休みって良かったなあ。

本当に凄くいい映画です。小さい時に冒険したことのある人は絶対はまると思う。
あと、『スタンド・バイ・ミー』が好きな人は是非、見て欲しいです。

天空の城ラピュタ

■監督■
宮崎駿

■声の出演■
田中真弓
 横沢啓子


★★★★

宮崎駿監督の最高傑作のひとつで、僕がたぶん今まで最も多く観た映画。セリフを覚えちゃうくらいに本当に何回も何回も観た。

見習いの機械工パズーと、空から降ってきた謎の少女シータが、謎の飛行石をめぐって繰り広げる冒険活劇。

冒険心をくすぐるストーリー、壮大な世界観、個性的なキャラクター設定、細部まで丁寧に作られた映像、躍動感、テンポ、音楽・・・どれも最高。ワクワクドキドキ。シッカリと、人間の愚かさと素晴らしさ、自然の恐ろしさと偉大さも描かれてるんだけど、気楽に何も考えずに楽しめる。ただただ楽しい。純粋に面白い。もう完璧。

所詮、アニメ映画なんて子供だまし。そう思ってる人も是非観てほしいな。本当に素晴らしい作品。どんな映画、アニメ、漫画、小説、ゲームなんかにも負けない最高の冒険活劇。

海外でも絶賛されたり、日本のマスコミでも『千と千尋の神隠し』が評判が高いみたいだけど、個人的にはこの『天空の城ラピュタ』のほうがずっとずっと面白いと思う。僕の宮崎駿作品のランキングは、ラピュタ>トトロ>ナウシカ>魔女の宅急便>おもひで>>>もののけ姫>>>>千と千尋の神隠し。最近の作品はどうも好きになれない。もっと、この作品みたいに純粋に楽しめる作品を作っていって欲しいな。
地下鉄のザジ

■監督■
ルイ・マル

■出演■
カトリーヌ・ドモンジョ
フィリップ・ノワレ


★★★
初めに言っておくけど、この映画は、ちゃんとした起承転結はないです。普通の、所謂ハリウッド映画的な映画を好きな人にはお薦めできません・・・でも、個人的には大好きな映画。

あらすじは・・・
母親に連れられてパリにやってきた10歳の少女ザジ(カトリーヌ・ドモンジョ)は、地下鉄に乗ることを心から楽しみにしていた。ところが、ストライキのせいで地下鉄は全く運行していない。悔しくてたまらないザジは、ひとりこっそりとパリの街を徘徊することに・・・

ザジは、ちょっぴり狂った連中に次々とぶつかりながら、ハチャメチャな喜劇的に展開します。ザジはメチャクチャ可愛い。ザジの笑顔を見ると、こっちまで笑顔になります。ファッションも可愛い。ザジが遭遇するキャラクターも、個性的(すぎ)で楽しいです。

1つの画面にザジが2人も映っていたり、倍速をかけてみたり、エッフェル塔の長い階段を下りていくのを長回しでとらえたり、実験的な映像も面白い。エッフェル塔に意味もなく白熊がいたりするシュールさも堪らないです。
あと、現代JAZZの使い方も上手い。映像が素晴らしくて、音楽もいい感じなんで、部屋で垂れ流ししとくのもいいかも。

早回しを多用したスラップスティック調の前半と、前衛的な後半の展開は観る人によって好みが変わりそうだけど、個人的には前半のほうが好きかな。楽しい楽しい。そして、ラストのザジのセリフ。これが素晴らしい。是非、最後まで観て、このセリフを聴いて欲しいです。
ドニーダーコ

■監督■
リチャード・ケリー

■出演■
ジェイク・ギレンホール
ジェナ・マローン


★★★★
17歳の主人公、ドニーの家に飛行機のエンジンが落下、彼のまえに現れた銀色のウサギが、「あと28日で世界が終末を迎える」と予言する。社会からの疎外感を感じ、あらゆる苛立ちや苦悩に追い込まれたドニーはタイム・トラベルの概念に取り憑かれるようになる・・・

SFのようでもあり青春映画のようでもありサスペンスのようでもあり風刺映画のようでもあり、謎がいっぱいでちょっと難解な映画。謎が気になって、ついつい何度も観てしまう。考えてしまう。1回目を観たときは???って感じだったけど、2回目以降観るとあるわあるわ複線の数々。関係ないようなエピソードや小物やセリフにもラストへの複線が張ってある。そして、また考えてしまう。赤いジャージの男はなんだったの?あれも複線?みたいなのもいっぱい。わかんない。全部妄想なのか、周りが気付いてないだけなのか、タイムトラベルしたのか、薬の仕業なのか、それとも夢?・・・わかんない。

いや、これはわからないように作ってあるんだよね。観た人それぞれの解釈があると思う。答えはひとつじゃない。DVDの特典映像の監督のインタビューで、観終わった後に皆が話題にしてくれる映画にしたかったって言ってたけどホントにそんな映画。あそこはああだ、いや、こうだ・・・そんな感じに楽しむ映画だと思う。いろいろ考えるのも楽しい。そこから感じられることもいっぱいある。

ちゃんとした答えがない映画はクソだ!って人は観ないほうがいいかもね。この映画は大きく好き嫌いが分かれそう。好きな人は凄く好きだと思うけどね。デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ』なんかを好きな人にお薦め。僕は好きだよ。ただただ???だけで終わらせない、引き込む魅力を持った作品だと思う。出演者の演技も抜群だしね。答えがひとつじゃなくてもいいじゃない。劇中でドニーも言ってた“FEER”と“LOVE”だけじゃないんだから。

ちなみに僕はやっぱりドニーの最高の○○だったと解釈してる。最後に流れる『MAD WORLD』(ティアーズ・ フォー・フィアーズの名曲のカバー)の歌詞がすべてを物語ってる気がする。
ドラゴンヘッド

■監督■
飯田譲治

■出演■
妻夫木聡
SAYAKA
山田孝之
藤木直人

修学旅行帰りの高校生テル(妻夫木聡)らを乗せた新幹線が、突如の事故でトンネルに閉じ込められる。奇跡的に生き延びたテルは、密室内で狂気の行動に走るノブオ(山田孝之)の魔手から逃れ、同じく生き延びたアコ(SAYAKA)とともに地上へ脱出する。しかし、そこで彼らが見たものは、世界崩壊後の地球の姿であった・・・

 望月峯太郎の同名漫画を『アナザヘブン』の飯田譲治監督が映画化。僕は原作に関しては終わり方には少し不満があるものの、結構好きな作品なんだよね。飯田監督も嫌いじゃないし、どんな風に映画化してくれるか楽しみにしてたんだけど・・・

とにかくCGを多様した映像は凄い。そこだけは見る価値があると思うんだけど、ホントにそれだけ。役者の演技も微妙なのが多いし、音楽もしょぼいです。ホントにCGだけ。このCGを見せたいがために原作の表面的な部分(大まかなストーリー)をなぞっただけな印象だよ。原作の表面だけを薄く描いてるだけで何も残るものがなかったよ。

原作とはチョコチョコ違う部分があるんだけど、納得がいかない部分が多すぎ。ノブオが狂気に走るのが唐突過ぎるし、テルに迫る闇についてもあまり描かれていないし、自衛隊の仁村のキャラも結局、他の狂った人と同じになってしまってる。全体的に心理描写が薄っぺらなんだよね。原作は恐怖に追い込まれた人間の心理描写が素晴らしいというか、それがこの作品の主題だと思うのに、それが薄っぺらになってしまってるのはあんまりだと思う。こんなんじゃ、あのエンディングにもグッとくるものがないよ。原作を知らない人からしてみたら「は!?それで・・・?」ってなりそう。

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