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TAHITI 80

『PUZZLE』
フランスの男性4人組ギターポップ・バンド、タヒチ80のデビュー作。僕がソフトロックやギターポップを聴き漁ってた時期に某レコード屋の視聴機で見つけて『HEARTBEAT』っていう曲に一目惚れならぬ一聴惚れ。だけど、その時はお金がなくてスルー。1週間後、今日こそ買ってやるとお金を握り締めて行くんだけど売り切れ。その時はまだフランス盤しか出てなかくて数が少なかったんだよね。それからレコード屋巡りをするも、なかなか見付からず。やっと見付けた!と思ったらボッタクリ価格3500円。バカな僕はそれでも買ってしまうのでした。数ヶ月待ったら安い日本盤が出るとも知らずに。

そんなこんなで思い出深いこの作品だけど、個人的には後にコーネリアスもリミックスしてたスマッシュヒットシングル『HEARTBEAT』と1曲目の『YELLOW BUTTERFLY』、それとタイトルトラックの『PUZZLE』以外はあまり好きになれなくて結局ほとんど聴かなかったんだよね。お洒落お洒落にしようって感じが鼻についたり、デジタルな感じがあまり好きになれなかったり。ボーカルの声がゾンビーズに似てるんだけど、これだったらゾンビーズ聴いてるほうがいいやって感じでね。今聴くとアナログとデジタル、ボッサなんかの融合が面白いなって思ったけど、やっぱりイマイチ好きになれない。『HEARTBEAT』と『YELLOW BUTTERFLY』は文句なしの名曲だと思うし、このナヨナヨお洒落ポップな感じが好きな人はいっぱいいるだろうけどね。そういうのが好きな人は聴いてみるといいかも。


TAHITI 80

『FOSBURY』
タヒチ80の3作目。1作目の延長線上っぽい2作目は個人的にアレだったんだけど、掲示板で薦められて、この3作目を聴いてみました。これは良い作品ですね。今作は前作までと少し作り方を変えたそうで、その影響もあってか、お洒落なフレンチポップ感は減少。持ち前の甘いメロディはそのままにソウルやヒップホップ寄りのサウンドプロダクションで、ありそうでなかった独特のポップサウンドを聴かせてくれます。聴けば聴くほど響いてきます。いやはや、良くできた作品だなあ。

ちなみにクレジットを見ると今作のプロデューサーはアウトキャストを手掛けたNEAL POGUEやNERDを手掛けたSERBAN GHENEA。なるほど納得です。この新鮮で凝りに凝りまくったサウンドと極上のスイート・メロディの融合。これまでのファンは好き嫌いあるだろうけど、「タヒチ80?お洒落気取りのギターポップでしょ?」って馬鹿にしてた人にも聴いてもらいたい良質のポップ作品だと思います。
TAICHI

『AM I』
タイチさんのファーストアルバム。セカンドに比べるとブレイクビーツ色が強いです。豊富なアイデア、巧みなカット&ペースト、洗練されたエディット、計算され尽くされたような構成。とってもやわらかくて開放感があって、どちらかというとリスニング向けの作品だと思うけど、リズムも凄く凝ってて素敵です。もう何ていうかセンス良すぎ。ああああ、心地よいなあ。

もう入手困難っぽいけど、ヒップホップ〜エレクトロニカ好きな人は是非、聴いてみて欲しい作品です。あ、あのブルーハーブのボスさんも絶賛してたらしいですよ。
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TAICHI

『WEEKEND CONTROL』

僕の大好きなポストロック・バンド、GROUPのドラマーとしても活動しているTAICHIの2ndアルバム。

TAICHIのソロとGROUPではコンピューターとドラムという違いはあるけど、GROUPに通じるエモーショナルで美しい音世界を構築している。嵐のようなドラムの乱れ打ちのM-2『×2』みたいな激しい曲も、M-3、M-4『HIGHWAY IN THE CLOUDS』みたいなピアノを使った美しい曲も良かった。

また名曲『FROM THE TRAIN WINDOW』の内田直之によるダブ・ミックスもボーナストラックとして収録されているんだけど、これがまたメチャクチャ良い。お薦めです。



TAICHI

『MIXED BY TAICHI 001』
JAGA JAZZISTやMICE PARADE、TORTOISE、HIM、サンガツなどなど、ポストロックと呼ばれるような音楽をジャズも交えながらミックス。ポストロックと呼ばれてる音楽のミックスCDって僕が知らないだけなのか他に全然見たことないんだけど、これ1枚あれば十分。そう言い切ってしまうのも大げさじゃないほど素敵なミックスCDに仕上がっています。自分もこんな感じの選曲でミックスCDもどきを作ったことあるけど、このセンスには敵わないや。全体の流れも素晴らしい。TAICHIのソロはもちろん、彼も所属するGROUPや最初に名前を挙げたようなアーティストが好きな人は是非、聴いてみてくださいな。ポストロックと呼ばれてるような音楽に興味がある人も是非是非。お薦めです。

TAKAGI MASAKATSU

『PIA』

京都のエレクトロニカ・ユニットSILICOMの映像担当、高木正勝の初のソロアルバム。映像のCD-ROMとの2枚組。リリースはCARPARKから。

サウンドは繊細なノイズ混じりの電子音響。MEGOレーベルっぽい音。暖かくて、どこか懐かしい。電子音とともに何語か分からない子供達の声が延々と流れる18分の大曲M-13『VIDEOCAMERA』が凄く良かった。質の高い電子音響作品。

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TAKAGI MASAKATSU

『OPUS PIA』

SILICOMの片割れ、高木正勝のソロアルバム。リリースはCARPARKから。

これまでに彼が旅した世界各地の12以上の国々の街角での会話や自然の音を録音し編集したアルバム。シンセのフレーズやピアノが街のざわめきや子供などの声などと混ざり合って絶妙のハーモニーを作っている。ところどころに異国を思わせるような音やメロディが登場して、目をつぶって聴いていると世界中を旅したような気分が味わえる。

アンビエント・ミュージックが好きな人は是非、聴いてみてください。

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TAKAGI MASAKATSU

『EATING』

前作、『OPUS PIA』はCARPARKからのリリースだったんだけど3枚目の今作はKARAOKE KALKからのリリース。

なんと高校生の頃に録音した素材をメインにした作品らしいんだけど非常に質が高いです。サウンドはサンプリングを主体とするアンビエント・ミュージックだったんだけど、今作はKARAOKE KALKらしい、ゆるやかでメロディアスで生音を多用した暖かいエレクトロニカ。純粋な子供のような音楽になっている。

mumやKARAOKE KALKを好きな人にお薦めです。

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TAKAGI MASAKATSU

『JOURNAL FOR PEOPLE』

SILICOMの映像担当の高木正勝のソロ。1st、2ndはCARPARK、3rdはKARAOKE KALK、そして今作の3rdアルバムは元YMOの細野晴巨のレーベル、デイジーワールドからのリリース。

打ち込みを使用せず、ピアノをメインに生楽器と電子音、そして公園に遊ぶ子供たちの笑い声や、動物や虫の声などをコラージュして、とても美しい世界を作り出している。

SILICOMの片割れなんだけど、リズムはほとんどなくて、SILICOMとは全く正反対の音になっている。ほとんど環境音楽なエレクトロニカ。僕はSILICOMよりも好き。

TAKAGI MASAKATSU

『REHOME』
W+K東京LAB/felicityの第一弾リリースの高木正勝の5枚目のアルバム。

今作は女性シンガー、当真伊都子を迎えて、ほとんどの曲が“うたもの”。前作『JOURNAL FOR PEOPLE』のポップな部分により焦点を当てたエレクトロニカ作品。いままでの作品よりもビートが前に押し出されたトラックに、キュートな女性ボーカルやヴォコーダー・ボイス。高木正勝流のポップミュージック世界が広がっています。エレクトロニカで女性ボーカルと言ったら、竹村延和や、ツジコノリコ、CHA PARIなんかを思い出すけど、今作は竹村延和よりもエレクトロニック、ツジコノリコよりもカジュアル、CHA PARIよりもキュート。決して分かりやすいサウンドではないけど、凄くポップ。

付属のDVDもポップな3Dアニメーションで、なかなかいい感じ。コム・デ・ギャルソンとコラボレーションしたりもしている古武家賢太郎もいい感じ
いい感じの“うたもの”エレクトロニカ作品。
TAKAGI MASAKATSU

『EATING 2』
W+K東京LAB/felicityの『REHOME』とほぼ同時期に、ケルンのKARAOKE KALKから発売された作品。エレクトロニックな要素が強く、“うたもの”的アプローチをしていた『REHOME』とは一転、KARAOKE KALKらしいフォークトロニカ作品。アコーディオンやストリングス、アコギ、ピアノなどの生楽器を使った暖かい作品。

さすが高木正勝。楽器それぞれの音色が良い。曲調も、ジャズや民族的なエッセンスが絶妙に織りまぜてあってて、いい感じ。あと、完全に計算された立体的な音の配置が素晴らしいね。これはヘッドホンで聴くべきだよ。『REHOME』とはまた違った秀作だと思う。
TAKAGI MASAKATSU

『SAIL』
かなりのハイペースで作品をリリースしている高木正勝、今年になってもう3枚目のアルバム。今作はデイジーワールドよりリリース。

今までの作品よりもエレクトロニックでラブリー、ハートウォームでピースフルな音。ほとんどの曲で女性ボーカルもフィーチャーしていて、『REHOME』をさらにポップにしたような感じ。音は本当に細部まで丁寧に作りこまれている。ただこれはもうエレクトロニカって言うより上質なポップス。なんか昔の渋谷系サウンドを現代風に、エレクトロニカ風味で仕上げた感じ。M-1『DIG DOWN』はメロディ、トラック、ボーカル、どれも素晴らしくて今作の高木正勝サウンドの完成系だと思う。あと最後の12分以上に及ぶインスト曲、M-11『RAMA』がメチャクチャ良い。春の日差しにそっと包み込まれるような心地良さ。最高にピース。ボーナストラックで、この曲のコーネリアス・リミックスも収録。

決して悪くはないけど、リリースペースが早すぎるせいか、正直じっくり練りこまれてないように感じるんだよね。最初と最後の曲以外は個人的にはちょっとイマイチかなあ。
TAKAGI MASAKATSU

『COIEDA』
高木正勝、前作から約1年ぶりのフルアルバム。最近の作品では歌物に多く挑戦してポップス的な曲が多かった高木正勝だけど、今作はほとんどがインスト。エレクトロニカやフォークトロニカというより室内音楽的なサウンドに素通りできない美しく切ないメロディ、そして歌物を通過した経験から生まれたであろう絶妙のポップ感。音の配置や構成のうまさは「さすが!」と言わずにはいられないです。大音量で聴けば聴くほど心地良い。これまでの集大成と呼んでもいい作品かもしれないね。

生音も増えて『REHOME』や『SAIL』で高木正勝を知った人にとっては「あれ?」ってなる作品かもしれないけど、個人的にはこれまでの高木正勝の作品の中で一番好きだね。付属のDVDの映像もいい感じです。
TAKERO OGATA

『PERPETUAL MOTION』
あの竹村延和が率いるスピリチュアル・ヴァイブスのパーカッショニストだったオガタタケロウの2枚目となるソロアルバム。彼の叩く軽快で躍動感のあるパーカッションを核として広がるジャズ〜フュージョン〜ボッサ〜ラウンジ〜エレクトロニカの音世界。

ちょっと例えが下手かもしれないけど、満天の星空の下、気持ちいい風が吹く海岸沿いを自転車で散歩してるような音。キラキラ美しくて心地良い疾走感と清涼感、そして高揚感があって、もう本当に素敵なんだ。絶妙のポップ感もいいね。アン・サリーもゲスト参加でいい仕事してます。


TAKUJI
a.k.a.
GEETEK

『音遊び〜沖縄民謡ベスト・アコースティック・リミックス・セレクション〜』
沖縄出身のDJ、リミキサー、サウンドクリエーターのTAKUJI a.k.a. GEETEKが、平安隆と吉川忠英のふたりによる沖縄民謡のアコースティック・インストゥルメンタル名盤『音遊び』をリミックスした作品。

収録されている曲は、『恋の花』、『ハイサイおじさん』、『童神』、『花』、『てぃんさぐぬ花』など沖縄民謡の名曲ばかり。原曲は、三線、ウクレレ、アコースティック・ギターなどのインストなんだけど、その原曲の良さを活かしつつ、ダブ処理を加えたり、ダウンテンポ・ビートを加えたりして、浮遊感漂う心地良いリミックスを行っています。何と言っても、三味線、アコースティック・ギターの音色が本当に良い。

ノスタルジックかつセンチメンタル。そして美しい。満天の星空な沖縄の夜を思わせます。あと、何故かMORR MUSICのエレクトロニカ・アーティスト、MANUALを思わせたりも。同じく、沖縄音楽とクラブ・ミュージックの融合を試みたアーティストでは琉球アンダーグラウンドがいるけど、個人的にはこっちのほうが断然好きだな。ただただ心地良い作品。沖縄好きな僕には本当にたまらない。まったり島気分を味わいたい人は是非。フォークトロニカ好きな人も気に入るかも。

TALKING HEADS

『REMAIN IN LIGHT』
ここ数年、80年代のニューウェーブやポストパンクのリバイバルみたいなバンドが流行したりしてるけど、それらのバンドが少なからず影響を受けてるであろうニューヨークのニューウェーブ・ポストパンク・バンド、トーキングへッズの80年発表の4thアルバム。プロデュースはブライアン・イーノ。ギターにはキングクリムゾンでお馴染みのエイドリアン・ブリューが参加。アフリカン・ビートとロックを奇跡的に融合させた名盤です。

コード変更のほとんどないミニマルで原始的なビートと、ブリブリの重低音ベース、その上を浮遊するエイドリアン・ブリューのエフェクティブで変態的なギターとデビッド・バーンの呪術的なボーカル。アフリカン・ビートによるファンキーさに高揚され、イーノならではの奥行きのある音響世界に陶酔させられる。ひたすら心地よい。後半のイーノ度の高いアンビエント曲もいいんだけど、とにかく最初の3曲がヤバすぎ。体だけじゃなく、脳細胞の1粒1粒まで踊りだす勢い。よく80年代を代表する1枚みたいな企画に選ばれてるこのアルバムだけど、全く申し分のない出来の作品です。

そして、これは今、聴いても全然古臭く感じない新しい音。まさにニューウェーブ。今の時代でも、なおニューウェーブです。RADIO4やRAPTUREなんかのリバイバル・バンドやZAZEN BOYSを好きな人でこれを聴いてない人がもしいたら是非聴くことをお薦めします。あと、トムヨークが『KID A』を作ったときによく聴いていたのもこのアルバムらしくて、『KID A』に通じる部分もチラホラと。RADIOHEADファンの人も聴いてみると、より『KID A』の世界が広がるかも。
TANAKA AKIRA

『NEW TOWN』
名古屋出身のTANAKA AKIRA(田中彰)の1stアルバム。リリースは日仏共同で設立されたレーベル「+CroSs」から。

キラキラした音像でメロディアスなエレクトロニカ。MANITOBAの1st、竹村延和、レイ・ハラカミなんかに通づるようなサウンドなんだけど、それらのアーティストの曲に比べて、凄くビートがたっていて軽快なスピード感やドライブ感がある。キラキラした音色、暖かいメロディもメチャクチャいい。MORRやKARAOKE KALKなどのエレクトロニカをもっと踊れるようにした感じの作品で最高。1曲だけ、ヴォコーダ・ボーカルの入った曲もあるんだけど、それもまたいい。メチャクチャお薦めのアルバムです。

MORRやKARAOKE KALK、MANITOBA、TELFON TEL AVIV、竹村延和、レイ・ハラカミなどを好きな人にお薦め。
TAPE

『OPERA』
スウェーデンの3人組、TAPEの1stアルバム。

アコースティックギター、メロディカ、アコーディオン、オルガン、トランペットなどのアコースティックな楽器の音とフィールドレコーディング、パルス音、グリッチノイズなどがノスタルジックに空間を浮遊する。ゆらゆらキラキラ浮遊感。使ってる楽器は似ているけど、ありがちな暖かく切ないだけのフォークトロニカとは違う。空気感も冷たい。冷たく澄んでいる。冷たい北国の夜、満天の星空をゆらゆら飛んでる気分。暖かい楽器を使っているのに冷たかったり、ラップトップ音なのにアコースティックだったり、時間が止まってるように感じたり、なんだかとても不思議な感覚。それでいて凄く心地よい。メロディも良質だし言うことなし。傑作です。

t.A.T.u

『200 PO VSTRECNOJ』

t.A.T.uのロシア語によるオリジナル・アルバム。

英語盤に比べるとトラックは少しチープなんだけど、ロシア語の不思議な響きと凄く合ってて個人的にはこっちのほうが良かった。
曲順もこっちんほうが、断然いい。でも、ロシア語バージョンは流通の関係でなかなか手に入らない・・・。

アメリカは英語以外の言語で売るのは難しいから英語にしたのは分かるけど、日本で売るのはロシア語バージョンでも良かったんじゃ?って思う。ロシア語の響きが日本人の僕からすると不思議な呪文みたいで、いい感じ。

t.A.T.u

『200KM
/H IN THE WRONG LANE』

日本でも大ヒット、全世界で大ヒットしたt.A.T.uのアルバム。このアルバムは、現地ロシアでリリースされたロシア語バージョンのアルバムを英語で歌いなおして、新曲やTHE SMITHSのカバー曲、ロシア語バージョンを2曲、そしてリミックスを加えた企画盤っぽいアルバム。この英語バージョンを作るにあたって、あのBUGGLESの『ラジオスターの悲劇』などをプロデュースしていたトレヴァー・ホーンをプロデューサーに迎えています。そのせいか、ロシア盤のチープさが消えて、所謂売れ線のポップスとして聴けるような音になっています。サウンドは、PET SHOP BOYSとかDEPECHE MODE辺りに通じるような感じ。メロディは凄くポップ。ロシア盤のほうが面白いけど、こっちのほうが音楽的には上だし、一般受けもする感じ。

M-1『NOT GONNA GET US』は、少しPRODIGYを思わすようなレイブ風のトラックにマイナー調のメロディ。M-2『ALL THE THINGS SHE SAID』は、世界中で大ヒットした曲。ポップなエレクトロ・ロックチューン。畳み掛けるようなボーカルがいい。M-3『SHOW ME LOVE』は、DEPECHE MODEっぽい曲。メロディがR&Bっぽいなって思った。M-4『30 MINUTES』は、ピアノと女の子の笑い声をサンプリングしたアンビエント風の曲。トラックもボーカルの声も美しい。M-5『HOW SOON IS NOW?』は、ご存知、THE SMITHSのカバー。PET SHOP BOYS的なアレンジ。THE SMITHSのファンは怒りそうだけど、これはこれでハマってたと思う。
M-6『CLOWNS(CAN YOU SEE ME NOW?)は、PET SHOP BOYS的。M-7『MALCHIK GAYも、タトゥらしい切ないメロディの歌を畳み掛けるような曲。M-8『STARS』は、他の曲とは少し雰囲気が違う。バイオリンの入った神秘的なトラックに切ないメロディのボーカル、そしてラップ。個人的には、この曲が一番好き。M-9『Я сошла с ума』は、M-2のオリジナル・ロシア語バージョン。個人的にはタトゥのボーカルのメロディにはやっぱりロシア語のほうが合ってると思う。英語バージョンより、断然こっちのほうが好き。M-10『Нас не догонят』は、M-1のオリジナル・ロシア語バージョン。この曲もこのバージョンのほうが好き。M-11『SHOW ME LOVE(EXTENDED VERSION)』は、その名の通り、M-3の長いバージョン。M-12『30 MINUTES(REMIX)』は、シタールを使った幻想的なリミックス。これは結構好きな感じ。

全曲、メロディの質は普通にいいと思う。ポップスとして見ると良質。

te

『ならば、意味から解放された響きは『音』の世界の深淵を語る。』

残響レコードよりリリースのインストロックバンド。構成はギター×2、ベース、ドラム。初期モグワイを速くした感じというかPELEをもっとロックっぽくした感じというか、まあ、toeとかに近い感じのエモ、ポストロック系のインストロックです。轟音ギター、静と動、エモーショナルみたいな。ギターが主役な感じで結構メロディアス。曲展開も分かりやすくドラマチック。難解そうなアルバムタイトルや曲名とは裏腹にあっさりしてます。このテのバンドにしては聴きやすい感じ。このアゲガゲな感じと疾走感はこのテのバンドの中でもピカイチだね。

ただ、このあっさり感で好き嫌いが大きく分かれる作品かもしれないですね。ジャズ的な感じやもっと落ち着いた深みを求める人には向いてないかも。良くも悪くもロックだね。好きな人はホント好きだろうなあ。アシッドマンのインスト曲が好きな人とかも聴いてみるといいと思うよ。インストロック入門編としてもお薦め。
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TELEFON TEL AVIV

『FAHRENHEIT FAIR ENOUGH』

HEFTYからのリリース。ジャジーで暖かい生音系のエレクトロニカ。

MORR MUSIC系のエレクトロニカとCHILDISC系のエレクトロニカの中間な感じ。メロディが凄く良いです。ほどよくジャジーで、美しいメロディの上ものが乗って、リズムも丁寧で細緻。凄く質が高いです。

TERIYAKI BOYZ

『BEEF or CHICKEN』
リップスライムのRYO-Zとイルマリ、m-floのVERBAL、新人WISE、APEのDJ NIGOといった豪華メンバーで結成されたラップ・グループのデビュー作。アホみたいにプロデューサー陣が豪華です。ダフト・パンクにネプチューンズ、DJシャドウ、ジュラシック5のカットケミスト、ビースティーボーイズのアドロック、ゴリラズのプロデュースでもお馴染みのダンジオートメーター、そしてコーネリアスまで!ここまで集まることって向こうのヒップホップ作品でもあまりないんじゃない?コーネリアスのヒップホップトラックとか貴重だね。

小倉優子をフィーチャリングした曲があったり、『今夜はブギーバッグ』のパロディがあったり遊び心も満天。全員ラップも激ウマ!トラックは中には手抜きしたんじゃない?ってやつもなくはないけど、やっぱさすがにかっこいいです。ただ、リップスライムやm-floみたいな歌謡ヒップホップは期待しちゃ駄目ですよ。良くも悪くも日本らしくないヒップホップしてます。(ジャパンマネーは炸裂しまくりだけど!)
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THA BLUE HERB

『STILLING STILL DREAMING』

名前は似ているがブルーハーツとは関係無い(念のため)。

札幌のBOSS THE MCとONOによるヒップホップユニット。BOSS THE MCのメッセージが聴く者の心に深く突き刺さる。トラックも既存のヒップホップの音にとらわれないONOの生み出す深いトラックも素晴らしい。最近、巷で氾濫しているゴミヒップホップなんて比にならないよ。彼らなら時代を変えることができるかもしれないな。
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THA BLUE HERB

『SELL OR SOUL (SOS)』

札幌のTHA BLUE HERBの2ndアルバム。

前作より、ますますONOのトラックはドープに、BOSS THE MCのリリックはよりリアリティを増した。ディスも内省的なリリックも凄い。小学生の作文みたいなディスをしていい気になってる某クソ・ラッパーとは全然比べ物にならないです。トラックとリリックが一体となって凄まじいアルバムになってます。

このアルバムは最後の言葉、「生きろ」がいい。こんな世の中だけど歩み、生きていくんだ。

THA BLUE HERB

『未来は俺等の手の中』
1字違いの名バンド、ザ・ブルーハーツのオマージュ作。曲名も、ブルーハーツの名曲『未来は僕等の手の中』の1字違いの『未来は俺等の手の中』。

これはブルーハーツのトリビュート企画アルバムに収録される予定だった曲らしいんだけど、歌詞やメロディーを全く使ってなかったためか、その企画から外れてしまった曲です。ソロ活動を経て、ますます深くなったO,N.Oのダビーでアブストラクトなトラックに、『未来は僕等の手の中』の歌詞から受けた魂をBOSS THE MC流に完全に昇華させた力強いリリック。個人的には今までのブルーハーブの作品で一番好きかも。リリックもトラックもやばすぎ。
THA BLUE HERB

『HEAT-灼熱- ORIGINAL SOUND TRACK』
武論尊×池上遼一コンビの人気漫画が原作の映画「HEAT-灼熱-」のサウンドトラックをTHA BLUE HERBが担当。映画の主題歌である『MY HEAT』を含む3曲をTHE BLUE HERBが書き下ろし、残りの10曲はトラックメーカーのO.N.O.がソロ名義で書き下ろしています。

O.N.O.の作るトラックはこれまで以上にシンプルに研ぎ澄まされていて、やたらとストイックであまりにもドープ。BOSSのラップはサントラということもあってか主張も少なく、ちょっと控えめに感じた。決して悪くはないんだけど、その辺が個人的にはちょっと物足りなかったかな。今作ではソロアルバムを通過して深みを増したO.N.O.のインスト曲のほうが良かった。僕は映画のほうはまだ観てないけど、O.N.O.の音は想像を沸きたてるような感じで、きっと映画の中でいい役割をしてるんじゃないかなって思う。THA BLUE HERBの新作としてはちょっと物足りないけど、サントラという観点から見ればこれはこれで良いのかもね。
THE ADVANTAGE

『THE ADVANTAGE』
生誕20周年を迎え、ゲームボーイアドバンスでファミコンのソフトを復刻した“ファミコンミニ”が発売されたり、ファミコンの音楽を集めたCDシリーズ“GAME SOUND LEGEND”が復刻されたり、ゲーセンのプライズやガチャガチャでもファミコン・グッズが出てたりと、リバイバル・ブームっぽいことになってるファミコンだけど、ファミコンの曲のみを生演奏するバンド、THE ADVANTAGEがセルフタイトルの作品でデビュー。

メガマン(日本ではロックマンね)で始まり、ダブルドラゴン、グーニーズ、バブルボブル、ボンバーマン、バイオニック・コマンドー(ヒットラーの復活)、マリオUSA、コントラ、ゼルダ、キャッスルバニア(悪魔城ドラキュラ)、ニンジャ・ガイデン(忍者龍剣伝)、ゴースツン・ゴブリンズ(魔界村)、メタルギアなどなどファミコン世代にはお馴染みの名曲たちが次々と演奏されていきます。このTHE ADVANTAGEは実はこのサイトでもレビューしているカナダのインスト・ハードコア・バンド、HELLAのギタリストによる覆面バンド。

HELLAほど攻撃的ではなくて基本的にはファミコンのキャッチーなメロディーを前面に押し出した演奏になっているんで肌触りは凄くキャッチー。メロディアスなPELEっていう印象かな。実はとんでもない美メロ揃いなファミコンのメロディーを活かした作品になっています。ダブを取り入れたM-7『ボンバーマン2』みたいなアレンジの遊び心が他の曲にも、もうちょっとあっても良かったような気がするんだけど、ファミコン世代の僕にとってはPELEやTOE、GHOSTS AND VODKAなどのポストロックに通じるような演奏で次々と懐かしく極上なメロディーが登場するだけで涙モノ。完全に企画の勝利だね。
THE ADVANTAGE

『ELF-TITLED』
アドヴァンテージの2作目。ファミコンの名曲をインストロックでっていうコンセプトはそのまま。今作はコントラやメトロイド、グーニーズ2やロックマン2をやってます。

1作目に比べると若干、選曲がマニアックになったけど、それは仕方ないことかなあ。てか、1作だけの企画モノかと思ってたけど2作目を出しちゃうなんてね。HELLAの人だけあって演奏は凄くかっこいいです。ファミコンの曲は音数が少なかっただけあってメロディがしっかりしてます。悪くないです。ファミコンもポストロックも好きって人は買いです。ただ、どうしても1作目ほどのインパクトはないよね。
THE ALBUM LEAF

『IN A SAFE PLACE』
トリステザでの活動も知られるJIMMY LAVALLEによるユニット、アルバム・リーフの3作目。今作はアイスランドで録音ってこともあってシガーロスのメンバーや元ムームのギーザもレコーディングに参加。それっぽい音になっています。トリステザでも見られた美しいギターの音色にシガーロスの美しいメロディーとサウンドスケープ、初期ムームのような遊び心も加えて、ポップかつキャッチー、そして感動的に仕上げたようなインストゥルメンタル。どの曲もメロディーを全面に出して凄く聴きやすい感じ。ギターの音色もストリングスもメロディーも全部真っ直ぐに“泣き”に向かってます。

もうちょっとヒネリが欲しかった気がしないでもないけど、ポップでキャッチーで、それでいて泣けて、これはこれで好きだな。捨て曲とかないしね。ムームとか好きな人は気に入りそう。ただ、トリステザやシガーロスを好きな人にとってはキャッチーすぎるかも。
THE APPLESEED CAST

『THE END OF THE RING WARS』
カンザスの男性4人組バンド、THE APPLESEED CASTの1stアルバム。

PELEやGHOSTS AND VODKAにも通じるようなポストロック、音響系を通過した、切なくエモーショナルな演奏に、感情むき出しのボーカル。ドラマチックな曲構成。そして泣きメロ。とにかく「泣き」の音。歌、演奏、メロディ、空気感、どこを切っても、どこを切っても「泣き」。「泣き」しか出てこない。

ストレートでエモーショナルな曲も凄く良いんだけど、サックスやピアノを使ったスロウ・チューンM-5『STARS』もホントに良かった。(個人的には、この曲が一番好きかも。)ホント傑作のエモ作品。MINERALやMINUS THE BEARからREACH、POPCATCHERなんかを好きな人にお薦め。


THE APPLESEED CAST

『MARE VITALIS』
THE APPLESEED CASTの2ndアルバム。

今作は前作よりもスロウで実験的な作品。ただラウドにギターをかきならしてエモーショナル風に振舞ってるだけのバンドなんて比にならない、本物のエモーショナル。内から来るエモーショナル。パッと聴きは前作より落ち着いた感じに聴こえるかもしれないけど、今作のサウンドは前作以上に胸を打つ。感情が伝わってくる。進化かつ深化。起伏の激しい曲展開に、キラキラと美しいギター、切なすぎるボーカル。それぞれが深く複雑に絡み合って最高にエモーショナルなサウンドを作り出している。今作も音のタイプは少し違えど、本当に泣ける作品。前作も良かったけど、今作も傑作です。

エモコア好きな人にもスロウコア好きな人にもお薦め。あと、NAHTやブッチャーズを好きな人にも。

THE APPLESEED CAST

『LOW LEVEL OWL VOL.1』
『LOW LEVEL OWL VOL.2』
2ヶ月連続でリリースされたTHE APPLESEED CASTの2部作。

2部作と聞いて僕はGUNS N' ROSESの『USE YOUR ILLUSION』や日本のラルク・アン・シエルの『RAY』&『ARK』を思い出したけど、それらとは違い、この作品たちはすべての曲、そしてVOL.1の終わりとVOL.2の始まりは全部繋がっている。2枚で1つ。途切れることのない1つの壮大かつ、美しい美しい物語が繰り広げられています。そんじょそこらの映画よりも、ずっと物語的。

歌はこれまでよりも透明感を増して、どこか遠くで鳴ってるような感じ。インスト曲も多め。ツインギターとドラムの絡みが本当に美しいです。そして、これまでよりも更に遥かに実験的。複雑で難解な構成の中を混沌と様々な感情がぶつかり合う。この作品はエモコアよりもMOGWAIやRADIOHEAD、SONIC YOUTHなんかを引き合いに出したほうが良さそう。

そんな実験的になった今作だけど、相変わらず泣きのメロディは健在。それが壮大な世界感と相まってもうメチャクチャ感動的です。ホント素晴らしい作品。ただ、深く重く長く、VOL.1とVOL.2を全部通して聴くにはカナリ体力が必要。疲れてる時には聴けないな。

あと所謂、エモコア!って感じのサウンドが好きな人には受け入れられにくいかも。
MOGWAIやRADIOHEAD、SONIC YOUTH辺りやスロウコアを好きな人にお薦めです。
THE APPLESEED CAST

『TWO CONVERSATIONS』
THE APPLESEED CASTの5枚目のアルバム。プロデューサーはGET UP KIDSなども手がけるエド・ローズを起用。
今作は前作の繊細でガラスのような透明感を残しつつも、歌を前に出した原点回帰とも言える作品。

幻想的で夢見心地。透明で繊細。美しく壮大。哀愁そして哀愁。限りなく泣きメロ。
相変わらずの切なさを見せるツインギターの旋律に、これ以上ないほど切ないボーカル。

ずるいよ、これは。これまでのどの作品よりも切ない。もうコレは泣くしかないです。
これまた傑作です。毎作、少しずつカタチを変えながらも素晴らしい作品を作り続けるTHE APPLESEED CAST。ホント凄いです。
GET UP KIDSやDEATH CAB FOR CUTIEを好きな人にお薦め。
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THE AVALANCHES

『SINCE I LEFT YOU』

オーストラリアのメルボルン出身のAVALANCHESの1stアルバム。

900もの素材を元にしたサンプリング技術を駆使したアルバム。マドンナの曲みたいな有名な曲から昔のソウルミュージックまでを元に、ヒップホップ、ファンク、ロック、テクノなどを飲み込んだ現代のソウルミュージックを作り出している。

もう甘くて、ゆるくて最高に気持ちいいです。2001年NO1の名盤。本当に最高。

あと、この人達のDJはビーチボーイズからジャクソン5、UNDERWORLDの『REZ』とケムズの『IT BEGAN IN AFRIKA』の2枚かけやガンズの『WELCOME TO JUNGLE』まで飛び出してめちゃくちゃヤバイ!機会があったら是非体験してみてください。

THE BACK HORN

『甦る陽』

THE BACK HORNのインディーズ時代の2枚目のアルバムをミックスし直した作品。

基本はロックなサウンドにエモーショナルなボーカル、文学的な歌詞。イースタンユース、そして初期エレファントカシマシのフォロワーって感じのサウンドなんだけど、凄くダーク。80年代後半〜90年代前半のへヴィロックにあったダークさが感じられます。

曲調はアップテンポの曲からスロウテンポの曲まで、へヴィロックからパンク、レゲエまでと意外と幅広い。個人的にはアップテンポで攻撃的な曲よりも、スロウな曲のほうが良かったかな。そういう曲のほうが言葉や感情がよりストレートに伝わってくる。個人的に1番好きなM-3『新世界』もスロウテンポな曲。エモーショナルな歌も良いし、間奏での攻撃的なラップ風ボーカル、口笛なんかも良い。泣ける。あと、止まるようなスピードなんだけど、攻撃的かつエモーショナルなM-7『茜空』、感情を抑えた穏やかなレゲエとエモーショナルなギターロックを行き来するM-6『甦る陽』も良かった。他にも良曲が多く、なかなかの傑作ロック・アルバム。

THE BACK HORN

『人間プログラム』
THE BACK HORNのメジャー1作目。

前作よりもボーカル、演奏力は向上、演奏のヘヴィーさ増した。だけど前作以上に歌謡ロックさが強くなった印象。
THE BACK HORNの暗い、重い、痛い、深い・・・ちょっと入り込みにくいサウンドに、いい塩梅で歌謡ロック的なポップさが加わることによって、結果的にこのバンドの世界に入り込みやすくなっていると思う。ただ、全体的に見ると曲は前作のほうがいいかも。個人的に今作の中で良いと思ったのはM-7『ひょうひょうと』、M-9『雨』、M-10『空、星、海の夜』くらい。前者2曲は、どこか昭和を感じさせるメロディにストレートでエモーショナルなサウンド。後者のM-10『空、星、海の夜』はエモーショナルなミディアム・バラード。どこかで聞いたことあるようなメロディ・ラインだったけど、この曲が1番良かった。このバンドの歌、歌詞、演奏にはこういうエモーショナルでテンポを落としたメロディアスな曲が1番向いてるような気がするな。もっとメロディを前に出して行ってもいいかも。
THE BACK HORN

『心臓オーケストラ』
THE BACK HORNのメジャー2作目。

前作のレビューでもっとメロディを出していったらいいかもって書いたけど、このメジャー2作目は前作よりもよりメロディを前に出した作品になった。エモーショナルでヘヴィーなサウンドとメロディのポップさのバランスが絶妙。静と動の使い方も巧い。このアルバムの10曲は本当にどれも良い。傑作だと思う。個人的に残念なのはCCCDだったことくらいかな。この調子でこれからも頑張って欲しいな。そして、出来れば次はCCCD回避の方向で・・・


THE BACK HORN

『イキルサイノウ』
THE BACK HORNの3rdアルバム。前作もCCCDだったんだけど、今作もCCCD。本当に最近CCCDが増えてきた。CCCDなんて、ちゃんとCDを買ってるリスナーには何のプラスもない。マイナスだらけだ。本当はこんなもの買わないでレコード会社に反対の姿勢を見せるのが一番なのかもしれないけど、どうしても聴きたい作品はアーティストにも印税は入るんだし、ついつい買ってしまったりする。はあ・・・すっかりレコード会社の思惑通りだな。本当にやるせない気分。この作品が最高なロック作品なだけにCCCDになってしまってることは本当に残念。ほんとレコード会社がやってることは音楽への冒涜、リスナーへの冒涜だよ。本当に腹が立つ。どうすることもできない自分にも腹が立つ・・・。

前置きが長くなってしまったけど、この作品は本当に素晴らしいロック作品だ。基本はこれまでとあまり変わってないんだけど、サウンドにより深みが出た。そして何よりも曲がいい。メロディは結構キャッチーなんだけど、しっかりロックしてる。

感情的で攻撃的、バックホーン流ハードコアなM-1『惑星メランコリー』、M-2『光の結晶』、M-6『プラトニック・ファズ』、M-7『生命線』、M-9『赤眼の路上』なんかは凄く良いし、今までのバックホーンには無かったタイプで、優しく切ないM-4『幸福な亡骸』、アルバム1キャッチーでメロディアスなカントリーポップM-5『花びら』、名曲『空、星、海の夜』をちょっと思わせるようなバラードM-8『羽根〜夜空を越えて〜』なんかも凄くいい。そして最後のM-11『未来』。感情がココロにダイレクトに深く深く突き刺さる。感情が感動に変わる。そして涙。本当に素晴らしい曲だ。名曲。アルバム全体の流れもいいし、もう言うことなし。こんな素晴らしいロック作品がCCCDってことでスルーされる可能性が高いのは本当に残念でならない。
THE BACK HORN

『夢の花』
バックホーンの『イキルサイノウ』から9ヶ月ぶりとなるシングル。今回はCCCD回避してます。タイトルトラックはちょっとファンク・テイストで後半にはスキャットが登場したり、彼らの新境地を見せるポップ・ナンバー。全体的な印象がこれまでの作品と比べて随分、爽やかなんだよね。ボーカルの歌い方にしても歌詞にしてもメロディにしても。一般受けは良いかもしれないけど、初期のドロドロした感じや攻撃的な感じが好きな人にはちと物足りないかも。ボーカルのいつも以上にセクシーな歌い方やセクシーなベースライン、間奏やスキャットの部分など、聴きどころもいっぱいあると思うけどね。

カップリングの『針の雨』は攻撃的に、激情的に疾走するアグレッシブなナンバー。小技が効いたアレンジも良い。『レクイエム』はドロドロでメタル色の強いヘヴィ・ナンバー。とりあえず、以前からのファンにはカップリングの2曲のほうがグッとくるかもね。ただ、それらが自己ベスト盤を作るときに入ってくるような曲かと言うと・・・。このバンドの秘めたパワーはまだまだこんなもんじゃないよね。
THE BACK HORN

『ヘッドフォンチルドレン』
バックホーンの4作目。メタル調の演奏に言葉遊びを巧みに使って「死」を描いた『墓石フィーバー』や、跳ねるようなリズムにスキャットも飛び出す歌謡ジャズロックナンバー『パッパラ』みたいな少し変わった曲もあるけど、基本は深く重い歌詞とキャッチーなメロディを前面に出したギターロック。たぶん、これまでのキャッチーなシングル曲が好きだった人にはたまらない作品なんじゃないかな。全体的に凄くキャッチー。

独特の歌詞世界は相変わらずだし、その辺の文学ロック・バンドなんかに比べると、演奏も全然ヘヴィだけど、初期の作品にあったようなトゲトゲしさ、触ったら火傷するような熱気は少し薄れて来たような印象です。悪く言えば売れ線、良く言えば、より多くの人に受け入れられるような作品。個人的には重い詞世界を伝えるには、このくらいキャッチーでもいいと思います。


THE BAD PLUS

『THESE ARE THE VISTAS』
チャド・ブレイクのプロデュース。ピアノ、ベース、ドラムのジャズ・トリオ。

「RADIOHEADがジャズをやったような感じ」っていうポップに惹かれて試聴したんだけど、メチャクチャかっこよくて即買い。ロックのダイナミックさを持ったピアノ・ジャズ。ジャズのテイストを持ったロックは割とよく見かけるけど、ここまでロックをうまくジャズに取り込んだバンドは数少ないんじゃないかな。フリージャズだとそういうのもあるけど、このバンドが鳴らしてる音はそこまでフリーキーではなくキャッチーなメロディーがある。頑固なジャズ・ファンの人から見たらと「この邪道が!ジャズというものは・・・」って感じだろうけど、純粋にただただかっこいいし、それですべてOK。ピアノやベースも素敵だし、何よりもドラムがかっこいい。

あと、面白いのが、言わずと知れたNIRVANAの超名曲『SMELLS LIKE TEEN SPIRIT』やテクノ、エレクトロニカ界の重鎮、APHEX TWINの『FILM』、そしてBLONDIE'S『HEART OF GLASS』のカバーも収録。それらのカバーもかっこいいし、他のオリジナル曲も凄くいい。ロック、典型的なジャズ、フリージャズ、シカゴ音響派・・・いろんな人に聴いてもらいたい大傑作です。クラムボンのジャムセッション、cjammbonが好きな人にも是非、聴いて欲しいです。逆にこのバンドが好きな人はcjammbonもチェックしてみるといいかも。
 
THE BAD PLUS

『GIVE』
チャド・ブレイクのプロデュースによるピアノ・ジャズ・トリオ、THE BAD PLUSの2ndアルバム。もう前作がとにかく大好きだったんだけど、今作も期待を裏切らない素晴らしい出来。

ジャズとロックの融合はますます堂に入ってきているし、彼らの大きな魅力のひとつであるロック的なダイナミズムと緊張感は健在。今作では、そこに叙情性も加わって、よりドラマチックな音世界を展開しています。時折見せるフリー性もいい感じ。アルバムの大半を占めるダイナミックでロック然としたナンバーは前作を好きだった人は、きっと気に入るはず。やっぱりカッコいい。ただ、これは前作にも言えることだけど、M-5『FROG AND TOAD』やM-10『NEPTUNE (THE PLANET)』みたいな静かに聴かせる曲は、それほど魅力的なものではなかったかな。まあ、アルバムの流れの中では外せない曲だけどね。

既に恒例となりつつあるカバーは今作はピクシーズの『VELOURIA』やブラック・サバスの『IRONMAN』などに挑戦。前作のニルヴァーナ、エイフェックス・ツインに比べると衝撃は少ないけど、ピクシーズのカバーなんて笑っちゃうくらいかっこいい仕上がりになってます。ピクシーズを超えてるかもってくらいのダイナミズムと叙情性。ブラック・サバスのほうはあの有名曲がドラマチックなジャズに変身。いやはや痛快。ちなみに僕は未聴だけど日本盤にはポリスの『見つめていたい』のカバーも収録してる模様。

今作も前作同様、ジャズ〜ポストロック〜ロック、幅広い人に聴いて欲しい作品。前作を好きだった人も目新しさを求めないんだったら安心して楽しめるんじゃないかな。
THE BAND APART

『FOOL PROOF』
THE BAND APARTの1stEP。僕がこのバンドを知ったのはディズニーのパンクカバー・アルバム『DIVE INTO DISNEY』。正直、たいしたカバーはなかったんだけど、このバンドのカバーがダントツにかっこ良かった。で、このEPを聴いてみたんだけど、やっぱり良い。

まず歌&演奏のレベルが高い。メロディもいい感じ。そしてアレンジが絶妙。HUSKING BEEなんかに通じるようなエモーショナルでポップなパンク・サウンドに、ボサノバやフレンチ、ジャズ、メタルなどをバランス良く織り交
ぜている。パンク的なサウンドにボサノバなんかを織り交ぜると無理矢理っぽくなりがちだと思うんだけど、このバンドは違和感なく自然に織り込んでいます。アレンジは本当にうまい。M-1『FOOL PROOF』なんて、穏やかなボサノバで始まって、メタルっぽいギターリフ、そしてボーカルの掛け合い、サビはポップでエモーショナル。ベースやドラムもかっこいい。最高。

パンクバンドっていうより、これはロックバンドだな。ハイスタやHUSKING BEE、POPCATCHERなんかを好きな人にお薦めだけど、普段そういうのを聴かないロック好きな人にも聴いて欲しい作品。
THE BAND APART

『ERIC W』
THE BAND APARTの2ndEP。

そして、今回もいちいち歌や演奏がかっこいい。特にギターのカッティング、2本のギターの絡み、ベースラインが最高。アレンジもいちいちツボ突いてます。ポップ感やロック感は前作以上。今作はボサノバやジャズに加えて、ディスコ・ファンクまで飛び出してます。(その曲M-4『ERIC W』がまた良い!)あと、シークレット・トラック。これが、またメチャクチャ良い。彼らの曲にはハズレなし。最初から最後まで楽しくて、ついつい体が動いてしまいます。

演奏も歌もアレンジもメロディも上質。これはメロコア、エモコア好きな人だけに聴かせとくのは勿体無いな。ポップなロックが好きな人は是非。


THE BAND APART

『K AND HIS BIKE』
THE BAND APARTの1stフルアルバム。

先に出たEP2枚はどちらも凄くカッコよくて期待してたんだけど、まさに期待通り、いや期待以上のロックアルバム。全体的にパンク色は薄くなってロック色が強め。既発曲も再録でさらにカッコよくなっています。時にはエモーショナルに、時には優しく、演奏もカッコいいし、ボーカルの声も本当に良い。ボサノヴァ、ディスコなどからメタルやPELE系のポストロックまで、様々なジャンルを効果的に取り入れたアレンジも最高。そして何よりもメロディが良い。捨て曲もなくてアルバムの流れも良い。ボーナス・トラックにはあの曲も。もう文句なしの出来です。しいて言うなら、M-8のラジオ風のSEは無くても良かったかなってくらいかな。

僕がこのCDを買ったときもパンク・コーナーにあったし、世間でもパンク・バンドとして括られることが多いみたいだけど、これは良質なギターロック。キャッチーなギターロックが好きな人にお薦め。個人的には大傑作です。世間じゃ、どれもこれも同じような青春パンクが大流行だけど、こういう良質なバンドがもっと世間に広がっていくといいのにな。
THE BAND APART

『RECOGNIZE ep』
バンドアパートの限定生産キューブリック付き8センチシングル。本当に大好きなバンドのひさびさの音源なんで楽しみにしてたんだけど、少し期待はずれかな。メロウな『HIGHER』とダンサブルな『AMPLIFIED MY SKIN』、どちらの曲もバンドアパートらしい曲でかっこいいんだけどね。特に『HIGHER』の映像的なアレンジや『AMPLIFIED MY SKIN』のギターのカッティング、曲展開なんかは「さすがだなあ」って思わせてくれる。だけど、特別、キャッチーなわけでもなく、特に新しい一面が見れるわけでもなく、これをシングルで出す意味はあったのかなって。この2曲だけじゃ物足りないです。せめて3、4曲は欲しかったなあ。アルバムかキューブリック好きな人は商品として満足度が高いかもしれないけどね。僕は正直、キューブリックはどうでもいいんです。バンアパもキューブリックも好きっていう人は限定生産なんでお早めに!


THE BAND APART

『QUAKE AND BROOK』
バンアパの2作目。ジャズ、ソウル、ディスコ、パンク、ポストロックなどなど、あらゆるジャンルを柔軟に飲み込んだ雑多性に相変わらずの変態っぷり、相変わらずのポップ感。複雑なんだけど不思議とポップなメロディやアルバム全体の構成はますます洗練された感じがします。全10曲で38分と少し短めの内容だけど聴きどころ満天。演奏もうまいなあ。特に超絶テクで動きまくるベースは必聴です。ガンガンに踊っちゃってください。揺れてください。普段、パンクだけしか聴いてないような人や歌しか聴いてないような人には響きにくいかもしれないけど、ホントにかっこいい作品だと思います。普段、いろんな音楽を聴いてる人にお薦め。アシッドマン好きな人も気に入るかも。

ちなみに、このアルバム、オリコンアルバムチャートで5位だったみたいだけど決して売れ線な作品ではないよなあ。同じ週にランクインしてたビークルやエルレガーデンは分かりやすいしメロディがアホみたいにキャッチーだし、まだ売れるのは分かるけど、この作品は曲展開もアレンジも複雑で分かりにくいし、メロディもポップではあるけど、どちらかと言うと聴き込めば聴き込むほど染み入ってくる感じ。前作と比べてもモッシュ!ダイブ!な感じの曲は減ってるし売れ線な要素は決して多くない。メチャクチャかっこいいけど決して一般受けするような作品じゃない。それでも、この作品が売れてるのはなんか嬉しいことだなあ。
THE BAND APART

『ALFRED & CAVITY』
バンアパの3作目。やっぱり今作でも賢いギターロックを聴かせてくれます。聴けば聴くほど凝ってる。それでいて踊れる。特に大きく変わったことはないけど、今作は前作まで以上に穏やかでメロディがポップになったような印象。最初からそんな感じはなかったけど、さらにモッシュやダイブする音楽じゃなくなったね。

ギターとか個性的なんだけど個性がキッチリありすぎて多少マンネリ感もある気もするけど、やっぱり今作も素晴らしいんです。日本のロックバンドなんてって思ってるような人や売れ線のメロコアだと思ってスルーしてる人も是非、聴いてみてください。
THE BAND APART

『FADEOUTS (FOR JUSTICE)』
もともとバンアパはシングルを出すようなタイプのアーティストではないと思うけど、内容のほうも全然シングルっぽくないです。音のほうは新境地!って感じでそれを見せたかったのかな。1曲目の『SHINE ON ME』は曲展開もコード進行も狂ってます。それなのに気持ちいい!ベースやばすぎ!フュージョンやポストロックの色が強くてバンアパにパンクを求めてる人にはきついかもなあ。でも、これホントにクセになります!

2曲目も素晴らしいし、これは次のアルバムに期待せずにはいられないのです。この人たち、凄いわ。


THE BEACH BOYS

『PET SOUNDS』
ロック史に残る名盤を紹介。ビートルズの『RUBBER SOUL』に衝撃を受け制作され、今度は逆にビートルズの『Sgt. PEPPERS』に影響を与えたというビーチボーイズの大傑作。ビーチボーイズと言っても、この作品は実質的にはリーダーのブライアン・ウィルソンのソロみたいな感じの作品なんだけどね。

これ以前のビーチボーイズはソリッドでキャッチーなロックンロールにファルセットのコーラスをミックスさせたサーフィンミュージックで60年代初頭にヒットを連発してたみたいなんだけど、そのイメージからあまりに逸脱した難解なイメージのこの作品はセールス的には惨敗だったらしいです。だけど、これが今聴くとメチャクチャ素晴らしいんだよね。ため息が出るくらい美しいメロディーとコーラスワーク。前衛的なアレンジとハープシコードやギロなども用いた凝りまくりの演奏。今聴いても新鮮な音響処理。どれをとっても完璧。今でも後を絶たない実験的な音響ポップのハシリであり、それと同時に既にひとつの完成形でもあると思う。

実験的なポップサウンドが好きでまだ聴いたことないって人は是非聴いてみることをお薦めするよ。初期のビーチボーイズしか知らないビーチボーイズ=サーフィンミュージックって思い込んでる人も聴いてみるといいかも。聴けば聴くほど染み入る名盤です。
THE BEATLES

『LET IT BE...NAKED』
ビートルズの最終アルバム『LET IT BE』は知ってる人も多いと思うけど、1969年1月にレコーディングされながら、ビートルズの空中分解によって未発表のままになっていたアルバム『GET BACK』の音源を、フィル・スペクターが手を加えてリリースされたものだ。ポールがそのフィル・スペクターによるオーケストラを多用したアレンジを気に入ってないって話も有名だ。僕はオーケストラうんぬんより、もともとこの作品がそんないい作品とは思ってない。中には好きな曲もあるけど、アルバムとしてはイマイチ。やっぱりビートルズは『アビーロード』の時点で終了してたんだと思う。『LET IT BE』は未完成の作品でしかない。まあ、僕みたいな若造にビートルズを語る権利はないのかもしれないけど・・・。

そして、今作『LET IT BE...NAKED』はそのフィル・スペクターの手によるオーケストラやコーラスなどをそぎ落とし、ビートルズの演奏の部分だけを取り出した作品。つまり、もともとビートルズが思い描いえて作品に近い音らしい。リマスタリングによって音は良くなってるし、オーケストラやコーラスをなくし、シンプルになった『ACROSS THE UNIVERSE』はなかなかいいなとは思った。だけど、正直、まだ未完成感はいなめない。いや、むしろ『LET IT BE』のほうを聴き慣れてる僕には、この『LET IT BE...NAKED』のほうがより未完成っぽく感じてしまった。未発表の貴重な音源がボーナスCDに付いてたり、やっぱりお金の匂いもプンプンと。ビートルズの熱烈なファンな人は聴く価値があると思うけど、これ聴くんだったら、他の未完成じゃない数々の素晴らしい作品たちを聴いたほうがいいなっていうのが正直なところ。

ちなみに日本盤はCCCD。US盤は普通のCD。US盤のほうが安いし買うんだったら是非そっちを。


THE BLUE HEARTS

『THE BLUE HEARTS』
今更、説明する必要はないと思うけど、現ハイロウズのヒロトとマーシーが在籍していたロック・バンド、ブルーハーツの1stアルバム。僕が日本のロック作品で一番は?って聞かれたら、まずこのアルバムが頭に浮かぶ。この作品は彼らの最高傑作であり、日本のロックの最高峰だと思う。この後もブルーハーツ、ハイロウズとして沢山の作品を残しているけど、残念ながらこの作品を超えるものは、僕の中ではまだ登場していない。

『未来は僕らの手の中』、『終わらない歌』、『NO NO NO』、『街』、『少年の詩』、『爆弾が落っこちる時』、『ダンスナンバー』、そして『リンダリンダ』など、「ロックの衝撃」を感じまくりな名曲だらけ。最近、ブルーハーツに影響をモロに受けたようなバンドがゴロゴロいるけど、それらのバンドにはこの「ロックの衝撃」が足りないような気がする。あと歌詞。
「生きてる事が大好きで 意味もなくコーフンしてる 一度に全てをのぞんで マッハ50で駆け抜ける(『未来は僕らの手の中』)」、「誰の事も恨んじゃいないよ ただ大人たちにほめられるような バカにはなりたくない(『少年の詩』)」、「カッコ悪くたっていいよ そんな事問題じゃない 君の事笑う奴は トーフにぶつかって 死んじまえ(『ダンスナンバー』)」、「ドブネズミみたいに 美しくなりたい 写真には写らない 美しさがあるから(『リンダリンダ』)」・・・くさい夢や希望ばかり歌ってる最近のバンドとは詩の深みやセンスが圧倒的に違う。

あと
「どこかで誰かが泣いて 涙がたくさんでた 政治家にも変えられない 僕たちの世代 戦闘機が買えるぐらいの はした金ならいらない NO NO NO・・・ 笑い飛ばせばいいさ(『NO NO NO』)」、「僕は自由に生きていたいのに みんな幸福でいるべきなのに 爆弾が落っこちる時 僕の自由が殺される 爆弾が落っこちる時 全ての幸福が終わる いらないものが多すぎる(『爆弾が落っこちる時』)」。この2曲は今の時代に再び聴かれるべき曲だと思う。

もし日本のロックが好きな人でこれを聴いたことない人がいたら是非、聴いてみて欲しいな。本当に素晴らしい作品だから。あと、若い子で175RやB-DASH、GOING STEADY、太陽族、ガガガSP、スタパンあたりを好きな人は是非是非、聴いてみて欲しい。きっとぶっ飛ぶよ。
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THE BOOKS

『THOUGHT FOR FOOD』

ドイツのTOMLABからリリースされたTHE BOOKSのフルアルバム。

TVの音などのカット・アップ・コラージュ、ノスタルジックな電子音とアコギをメインにしたアコーステック・サウンドが織り成すエレクトロニカ。フォーク、ブルース、カントリー、ジャズ、スイングなど、あらゆるジャンルの要素があって、他の生音系のエレクトロニカとは一味違うサウンドになっています。全体的にアコギが凄くメランコリックで良い。アルバム全体の構成もしっかりしていて、いい感じ。

THE BOOKS

『THE LEMON OF PINK』
TOMLABの32番はTHE BOOKSの2ndアルバム。カントリーやブルーグラス・テイストの軽やかで、ちょっとメランコリックなアコギのアルペジオと、テレビのナレーションや駅のナレーション、人々の話し声、笑い声、呟き、口笛、水の音など、さまざまな生活音のコラージュの連続と、チープな打ちこみが絡み合う不思議な音世界。

たまに外でポータブルプレーヤーを使って音楽を聴いていると、ふとした時にヘッドホンから流れてる音と現実の音が絶妙に絡んで、まるで魔法のように素敵な音楽が生まれる瞬間がある。この作品では、その瞬間がずっと続いてるような感覚が味わえる。これは魔法の音楽。素朴で暖かくて、ちょっぴり切ない魔法の音楽。
THE BOOKS

『LOST AND SAFE』
ブックスの3作目。アコギやバンジョーなどの生音にドリーミーな電子音、プチプチノイズ、生活音が混ざり合ってっていうのはこれまで通りなんだけど、今作はこれまで以上に歌が前面に出て泣きメロ度もアップ。

もともと生音や電子音、生活音をコラージュするバランス感覚は優れたものをもってる人なんで、あとは歌が入って、よりポップになったことをどう思うかで好き嫌い分かれる作品だと思います。作品の出来自体は相変わらずの素晴らしいし、きっと今作みたいにポップス寄りの作品のほうが、より多くの人に受け入れられるんだろうけどね。個人的には前作のほうが想像する余地というかスキマがあって好きだったなあ。
THE CARIBBEAN

『HISTRY'S FIRST KNOW-IT-ALL』
TOMLABからリリースのTHE CARIBBEANの2ndアルバム。TOMLAB 24。

フォーキーでアコースティックな楽曲に軽くエレクトロニカな音響処理を施した、センチメンタルな歌物ポップ・アルバム。ELLIOT SMITH的なサウンドに、エレクトロニカ的な味付けがいい感じです。TOMLABレーベルはこういうのもいいな。夢見心地の極上ポップ。

エレクトロニカ的な味付けはあるけど、基本的にはロック、ポップなんで、エレクトロニカを期待して買うと失敗するかも。フォーキーなのが好きな人にお薦め。
THE CORAL

『THE CORAL』
立ち読みしたSNOOZERで、大プッシュされてて、このバンドを知った。リバプール出身のロックバンド、THE CORALの1stアルバム。

サウンドは古き良きサイケデリックなロック。なんか全編怪しげな雰囲気。LA'Sをもっとサイケデリックに、もっとロックにしたようなサウンド。ゾンビーズ、ヤードバーズ、ビートルズなんかにも通じるサウンド。ロックを基調にブルースからケルト、ドゥワップまで、曲調も結構バラエティに富んでいる。

60年代ロックの焼き増しやん!とか思ったりもするんだけど、そんなことを気にさせないくらいカッコいい。同じくSNOOZERでプッシュされてるロックバンドは他にもいくつかあったけど、このTHE CORALはダントツでよかった。
THE CORAL

『MAGIC AND MEDICINE』
前作から約1年でリリースされたTHE CORALの2ndアルバム。

今作は前作と比べて、内省的、フォーク、ブルース寄りのサウンドになっている。やたらと渋い。キンクス、ラブ、ドアーズ、キャプテンビーフハート、ザ・バンド、ボブ・ディラン・・・なんかを思わせるようなサウンド。THE CORALは、それらの先人バンドに混ざっても決して埋もれない。

いい曲がいいアレンジで存在する。ロックなんて、それだけで十分なのかも。今作も普通に良いロック・アルバム。
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THE FOX

『NU-BATIK』

山本精一(BOREDOMS、ROVO、羅針盤 etc.)と三沢洋紀(LABCRY)が運営するレーベルUMMO RECORDSよりリリース。

大阪のインディーズのバンドです。どこか知らない国の不思議な民族によるミュージカルみたいな音楽。おもちゃ箱をひっくり返したような音世界と天真爛漫な女性ボーカルによって作り出された不思議なポップミュージックです。ちょっと1stのころのOOIOOにも似ているけど、こちらのほうが、より不思議なサウンドになっている。「エリーゼのために」をわざと音程を外して弾いたピアノに民族楽器を重ねてたり、遊び心満点で楽しいです。

ちなみに山本精一がライナーノーツを書いています。ボーカルのへたうまな歌い方に好き嫌い分かれてしまうかもしれないけど、個人的には大好きなバンドです。お薦めです。

ainu.jpg THE FOX

『AINU CLASSICS』

THE FOXの2ndアルバム。ジャケット通り、南国ムード満天。ジャズ、ボサノヴァ、カリプソ、ラテン、スカなどを詰め込んだスウィートでドリーミーな南国バカンス気分のアルバムです。DETAMINATIONS、BUSH OF GHOSTSよりトランペットやピアニカも参加して、楽しげなバカンス・ムードを盛り上げています。

前作に比べると遊び心は少し減って、歌のメロディが普遍的になって“うたもの”の要素が強くなった。進藤ユカのボーカルは、へたうまな感じなんだけど味があって凄く惹かれる。スカなM-6『WONDER BEACH』がカッコよかった。ひねくれポップが好きな人は前作のほうがいいかもしれないけど、このアルバムは凄くマッタリできていい感じ。

THE FOX

『HABANA DREAM』
フォックスの前作から2年半ぶりの3作目。ジャズやラテン、ボッサやカリプソなどを独自のゆるい感覚で甘くポップに鳴らしてます。いろんな音楽のミックス具合と進藤ユカの可愛くて味わい深い歌声が絶妙にマッチ。心地良くとろけさせてくれます。これは千円札2枚でおつりがくるバカンス旅行だね。ウォークマンとかiPodに入れていけば、もうどこでもリゾート地ですよ。

カッチリしたのが好きな人には向いてないかもしれないけど、まったりゆるりと脱力したい人はどうぞ。ちょっと欲を言わせてもらうと・・・たった6曲じゃ物足りないよー。もっと聴きたい!
frames.gif THE FRAMES

『FOR THE BIRDS』

アイルランド出身のバンド、THE FRAMES。このアルバムはスティーヴ・アルビニがプロデュース。

一言で言うと、GODSPPED YOU BLACK EMPEROR!に枯れた声のボーカルが乗った感じ。静から動。ストリングスを要所要所に配して静かに展開していって、後半に向かうに連れて、ギターノイズと共にエモーショナルに高まっていく。最高潮に達するクライマックスは感動的。哀愁たっぷりのメロディと枯れた声のボーカルもいい。

まず、冒頭のピアノとストリングスが美しく絡むインスト曲『IN THE DEEP SHADE』が素晴らしい。2曲目以降は歌入り。静のまま進む曲はまあまあだったけど、やっぱり後半にエモーショナルに爆発するM-4『HEADLONG』、M-7『EARLY BIRD』、M-9『SANTA MARIA』などが良かった。特にM-9の後半のカオスは圧倒的でカッコよかった。



THE GET UP KIDS

『SOMETHING TO WRITE HOME ABOUT』
アメリカのカンザス州出身のゲットアップキッズの99年にリリースされたセカンド・アルバム。エモコアの代表格みたいに言われてるバンドなんだけど、激情!轟音!ハードコア!って感じの音を期待して聴くとアレ・・・!?ってなるかも。いいメロディーといい歌、いい演奏でひたすら前へ転がっていく。そんな感じのギターロック。彼らは2004年現在で4枚のアルバムをリリースしてるんだけど、個人的にはこの作品が一番お薦めかな。いいメロディーをゆったりしっとりと聴かせる最近の2作も悪くはないんだけど、やっぱり僕はこの作品にあるパンキッシュな感じというか心地良い疾走感が好き。ファーストにも疾走感はあるんだけど、ちょっと荒削りすぎる。ファーストにはなかったキーボードが大活躍しているのもセカンドのいいところだね。

とにかく楽曲にしてもアレンジにしても演奏や歌にしても、疾走する曲とゆったりした曲の割合にしても、この作品が一番バランスがいいと思うんだよね。名曲も多いし。こりゃ名盤だね。
THE GO FIND

『MIAMI』

MORRの47番目はベルギー出身のTHE GO FINDのデビュー作。早い話がエレクトロニカとギターポップの融合。タヒチ80(歌声もちょっと似てる気がする)をエレクトロニカでコーティングしたような感じというか、アコースティック寄りのポスタルサービスというか、そんな感じです。

爽やかなアコースティックにエレクトロニクスが柔らかく溶け込んで、哀愁いっぱいのボーカルと胸キュンなメロディが胸に響いてきます。アコースティックとエレクトロニクスの融合も、ボーカルも、メロディも申し分なし。ジャケットも含めて全編に漂うマイアミ気分なリゾート感がとっても素敵です。

THE GO! TEAM

『THUNDER, LIGHTNING STRIKE』
05年のフジロック参戦も決定してるイギリスのバンド、ザ・ゴーチームのデビュー作。なんか「ソニックユース・ミーツ・ジャクソン5」とか評されてるらしいけど、もっともっと雑多でごちゃ混ぜハッピーな音楽です。ソニックユースって言っても時々、轟音ギターが登場するくらいなんで、ソニックユースを期待して聴くと「あれ!?」ってことになっちゃうかも。ジャクソン5の現代形ではあると思うけどね。モータウン風ソウルを軸にパンク、オールドスクール、ニューウェーブ、ハウス、カントリー、サーフロックなどなどあらゆる音楽を吸収したとびっきりポップでソウルフルでハッピーなダンスミュージック。ちょっと昔だったらビッグビートって言われてそうね。ファットボーイスリムやビーツインターナショナル、ミントロワイアル、トムトムクラブ、あとアヴァランチーズやジュニアシニアとか好きな人はきっと気に入るんじゃないかな。

リズムに対する意識がもっと高くなったら、もっと良くなるような気がするけど、これでも十分ハッピーなんで満足です。メロディがキャッチーで分かりやすいのもいいね。ハッピーに直結!って感じで。
THE INCREDIBLE MOSES LEROY

『BECOME THE SOFT LIGHTS』
RON FOUNTENBERRYのユニット、INCREDIBLE MOSES LEROYの2枚目の作品。いかにもUSのインディーらしいローファイで遊び心いっぱいのポップ作品。

タヒチ80が1stアルバムで鳴らしていたようなキラキラ・ソウル・ポップにHER SPACE HOLIDAYのようなメランコリックなエレクトロニカ感をプラス。中国の民族音楽の要素を取り入れたようなブレイクビーツで始まり、清涼感満天なタヒチ80以降の極上ギターポップ、元チボマットのハトリミホをゲスト・ボーカルに迎えたブラジルの香りもするクールなポップ・ソング、ジェイムズ・イハのソロを思わせるような暖かいミディアム曲、ポスタル・サービスやスーパーカーを思わせるようなピコピコ曲まで、バラエティに富んだ曲が並んでいます。どの曲にも共通して言えるのは、とびっきりポップだってこと。素敵な素敵なギターポップ作品です。


THE LANGLEY SCHOOLS MUSIC PROJECT

『INNOCENCE & DESPAIR』
音楽教育の一環として行われた60人の子供たちによる体育館での合唱を2トラックのテープデッキで録音したもの。アコギやピアノ、タンバリンなどのシンプルな演奏をバックに子供たちがビーチボーイズからビートルズ、ベイシティーローラーズ、イーグルス、デビッドボウイなどの名曲を歌ってます。

プロでもない子供たちが体育館で合唱、それをテープに録音。それだけ聞くと聴くに耐えないものになりそうなんだけど、これがとっても素晴らしいんです。とにかく子供たちの純粋な音楽愛が伝わってくるし、彼らの澄んだ歌声には心洗われる。しかもカバーされた曲はロックの名曲ばかり。狙ってやってるのか偶然の賜物なのか分からないけど、60人の合唱によるユニゾン効果と体育館によるリバーブ効果はまるでブライアンウィルソンやフィルスペクターの作り出していた音響世界のようだしね。

収録曲にビーチボーイズの曲が多いところを見ると、この凄い音響世界は偶然の賜物ではなく、仕掛け人であるハンス・フェンジャーの仕業なのかもね。ロリコンな人は・・・じゃなかった。ブライアン・ウィルソンやフィルスペクターの作り出す音が好きな人は騙されたと思って聴いてみてくださいな。感動しますよ。素晴らしい作品ですよ。ちなみにジョンゾーンも絶賛してます。


THE LA'S

『THE LA'S』
リバプール出身のロックバンド、ラーズの今のところ(2005年現在)唯一リリースされてるフルアルバム。最近じゃ、オアシスやくるりもまんまラーズな曲を作ってたりしてたけど、発売から10年以上経った今聴いても十分に輝き続ける名盤です。ビートルズやビーチボーイズ、初期フーなど60年代のロックとネオアコが融合したようなサウンドにキラキラメロディ、そして美しいコーラスワーク。フロントマン、リー・メイヴァースのソングライティングは天才的だね。名曲いっぱい。映画ややテレビなどでも使われ、クラブでも大人気、最近ではビートクルセイダーズもカバーしてたヒット曲『THERE SHE GOES』も収録。

アルバムとしてはボーナストラックはないほうがバランスがいいけど、ボーナストラックにも名曲が多いんで個人的にはボーナストラックの入った日本盤をお薦めします。
THE LOCAL ART

『KOTODAMA』
ドラムがボーカルをとるというちょっと変わった編成の日本語エモーショナル・ロック・バンド、THE LOCAL ARTの1stフルアルバム。力強い演奏に哀愁メロディ、熱く情熱的な歌声。エモコアらしい要素もいっぱいなのに、あまりそう感じないのはボーカルがカナリ前に出てるからかな。どの曲も演奏よりも歌を聴かせるような感じでメロディーはキャッチー、そして曲展開もベタベタなせいかエモというよりJ-POPっぽい印象を受けた。J-POPっぽいエモって言うかエモっぽいJ-POPと言うか。ブッチャーズとミスチルの間を埋める音。ブッチャーズやイースタンユースなんかを好きな人にも響く部分があると思うし、うまく行けばミスチルを好きなような人にも受け入れられるような可能性を秘めてると思う。

あと、個人的なことだけど僕はこのバンドの男臭さ全開のボーカルにはあまり魅力を感じなかった。もうちょっと何処かに少年っぽさがある歌声が好きだな。きっと好き嫌いの分かれる歌声だと思う。それにしても、ドラム叩きながら歌うって凄く大変だよね。ライブはどんな感じなんだろ。ちょっと観てみたい。
THE LOCAL ART

『NEIRO』
ローカルアートのセカンドアルバム。前作のレビューでブッチャーズとミスチルの間を埋める音って書いたけど、今作はよりミスチル寄りというかJ-POP寄りの音になってます。演奏だけ聴いたらエモコアと呼ばれるような人たちに近い音なんだけど、メロディもアレンジもボーカルも歌詞も凄くキャッチー。

メロディや演奏は良いと思うんだけど、僕がいまいち入り込めなかったのは青春パンクか安いホストばりに赤面系な歌詞のせいかな。「すべての友達よ、ありがとう」、「友情の素晴らしさを知ることができた」、「すべてをあなたに捧げたい」、「愛すべき人よ、終わりなき道を行こう」、「涙拭いてそばにおいで」などなど、青春まっさかりな少年少女にはストレートに響いてくるのかもしれないけど、二十歳すぎの変態オッサンな僕(誰がやねん!)にはちょっと辛いです。でも、そういう言葉たちが歌詞カードを見ないでも一言一言ちゃんと耳に入ってくるように歌われてるのは好感が持てたよ。エモーショナルなギターロックが好きで、そういう歌詞が好きな人は聴いてみるといいんじゃないかな。
THE MAD CUPSULE MARKETS

『1990-1996』
今や、海外で最も認められてる日本のロックバンドかもしれないマッドカプセルマーケッツ。最近はデジタルハードコア的なサウンドの印象が強いけど、そういうスタイルになる前の時代の音源で構成されたベストアルバムです。最近のマッドしか知らない人が聴いたら、あまりのサウンドの違いに驚いちゃうかもね。今よりも日本語の歌詞が多くて、曲ももっとパンクっぽい感じ。パンクといってもピストルズの物まねやメロコアではなくて、もっと独特な感じね。また、速くて激しい曲だけじゃなくて、『公園へあと少し』なんていうミディアムテンポでメロディと歌を聴かせる名曲もあります。この頃の彼らが後の日本の音楽シーンに与えた影響は計り知れないと思うね。hideのソロなんかもマッドの影響を強く受けたようなサウンドでした。

あー、最近の曲はあれはあれで良いけど、この頃の曲もかっこいいなあ。個人的には高校のときに、この頃のマッドをコピーしてたりで思い入れが強いんだけど選曲も凄くいい感じだと思います。最近のマッドしか知らない人も機会があったら聴いてみて欲しいな。あとhide好きな人も是非是非。それでもし気に入ったならば、『MIX-ISM』と『PARK』の2枚のオリジナルアルバムも聴いてみてください。どちらも傑作です。
THE MAD CUPSULE MARKETS

『1997-2004』
マッドカプセルマーケッツの最近の曲を集めたベストアルバム。この頃の曲はデジタルハードコアっていうのかな。ハードコアテクノやドラムンベースとハードコアパンクを合わせたような音楽。海外ではアレック・エンパイアがやってたような音をマッドなりの解釈で。パッと聴いた感じでは演奏も激しいし、テンポもやたらと速いし、ボーカルはシャウトしてるし、打ち込みを駆使して少しマニアックなことやってるし、近寄りがたい印象があるかもしれないけど、実はメロディは凄くキャッチーで日本人ならではの哀愁いっぱい。その辺が海外も含めて多くの人に受け入れられた大きな要因のひとつかな。そういう激しい中にキャッチーで哀愁漂うメロディっていうスタイルはもう1枚のベストアルバムのレビューでちょこっと名前を出した『MIX-ISM』や『PARK』を作ったからこそ、うまく作用してるんだと思う。

そんなこんなで僕はビクターの回し者でもなんでもないけど、やっぱりもう1枚のベストアルバムも併せて聴くと、より今作を楽しめるんじゃないかなと思います。さらにさらに回し者みたいな発言になっちゃうけど、今作に収録されてる曲ももちろん全部、文句なしにかっこいいです。他にはない魅力でいっぱいですよ。


THE MARS VOLTA

『DE-LOUSED IN THE COMATORIUM』
元アット・ザ・ドライブ・インのセドリック・ビクスラーとオマー・ロドリゲスを中心とするマーズ・ヴォルタのデビューアルバム。ドラマチックでエモーショナルって感じのバンドはいっぱいあると思うけど、このマーズ・ヴォルタはそこに高度な実験性をプラス。プログレやポストロック、ニューウェーブに通じるような実験性を前面に押し出しつつもロックの持つダイナミズム、スリリングさはしっかりあって、それでいて歌物としても機能してるという、とんでもない作品になっています。

仕掛けいっぱいで聴けば聴くほど面白いし、表情豊かなセドリック・ビクセラーの歌も高度な演奏もホントかっこいいです。特にUTADAの作品にも参加していたジョン・セオドアのドラムがヤバイ。ベースでゲスト参加してるレッチリのフリーとの相性も抜群。こりゃ、21世紀のレッド・ツェッペリンか?
THE MARS VOLTA

『FRANCES THE MUTE』
マーズ・ヴォルタの2作目。性別は違えどビョークの圧倒的な表現力にも匹敵するようなセドリックの歌声、変態的に暴れまくるオマーのギター、超絶テクなジョンのドラム、そこに今作もレッチリのフリーが参戦!変拍子や転調のA・RA・SHI!ポストロックもエモも通過したプログレというか、もう完全に他のロックバンドとは違う次元に行っちゃってます。普段、いろんな音楽を聴いてる人向けの作品だね、これは。

最近のロックは刺激が足りないよ!って人は聴いてみるといいかもしれないです。ただ、組曲っぽい作りになってるんだけど、アルバム全体のまとまりは前作のほうが上のような気も。濃すぎて78分通して聴くにはちょっと体力がいるね。でも、その分、聴き終わったときの興奮度、感動は計り知れないものがあります。
THE MATTHEW HERBERT
BIG BAND

『GOODBYE SWINGTIME』
レディオ・ボーイ名義など、さまざまな名義で活動するマシュー・ハーバートによるビッグバンド。その名もTHE MATTHEW HERBERT BIG BAND(そのまま)の1stアルバム。

基本は普遍的なボーカル入り(曲によって男女色んな人が歌ってる。アート・リンゼイもボーカルで参加)のスウィング・ジャズ、ところどころにレディオ・ボーイ名義にも通づるような「破壊」が行われていたり、エレクトロニカ的要素が軽く加わったりしています。アダルト&スウィートなサウンドに絶妙のバランスで棘があって、カナリいい感じです。カッコいい。さすがマシュー。個人的には、彼の作品の中で一番好きかも。お薦め。ほとんどの曲でボーカルが入ってるし、メロディはポップなんで普段ジャズを聴かない人にもお薦めです。ただ、これは基本的にジャズ・アルバムなんで、エレクトロニカを期待している人は聴かないほうがいいかも・・・
THE MICETEETH

『CONSTANT MUSIC』
大阪発、総勢11名のオーセンティック・スカ・バンド。

このアルバムは、2枚の7インチ・シングルに新曲を1曲プラスした編集盤。オーセンティック・スカな演奏に、日本語の歌謡曲テイストの歌が乗る、甘く切ないサウンド。スカとか関係無しに、とにかく良い歌がいっぱい。インスト曲もいい。

とびっきり至福のスカ・アルバムです。DETERMINATIONSや、ROCKING TIMEを好きな人は是非是非。
THE MICETEETH

『いくつかの春の光』
『CONSTANT MUSIC』に収録されていた名曲『春の光』のリミックス、リアレンジEP。

M-1は原曲にトロンボーンを加えた新バージョン。原曲にますます「春の光」が差し込んだようで、より暖かい音になっています。M-2はHAKASE-SUNによる、HAKASE-SUNらしいオルガン・レゲエ・インスト。暖かいオルガンの音色にピアノやフルートも絡んできて泣ける。M-3はメンバーによるギター・インスト。アダルトなAOR。M-4もメンバーによるピアノ・インスト。「夕方MOOD」バージョンなんだけど、まさに名前の通り、夕方を思わせるようなセンチメンタリズム。そしてM-5はDETERMINATIONSの高津さんが歌う、より甘い甘いラヴァーズ版『春の光』。これがオリジナルの次松さんの歌とは、また違う良さ。ホント良い。M-6は大阪在住のジャズトランペッター道下克己によるフリューゲルホルン&トランペット&水の音によるインスト。M-7はメンバーによるインスト・バージョンでGERONIMO BLOODをちょっと彷彿させるようなピアニカ・ダブ。堪らなく良い。M-8はメンバーによる切ない切ないギター・インスト。

元のメロディが凄く良いのもあって、どのインスト・バージョンも素晴らしい。中でもDETERMINATIONSの高津さんによるM-5、ドラマー金澤義さんによるM-7は秀逸。


THE MICETEETH

『MEETING』
僕の大好きなインスト・アンビエント・ダブ・バンド、GERONIMO BLOODのメンバーの本バンド?、マイスティース。GERONIMO BLOODのダブ・サウンドと違って、このマイスティースは日本語による歌物スカ。スカを中心に、軽やかなカリプソ、渋いスウィングまで、ゆる〜くて、どこか楽しい演奏に、ボーカルの次松大助の鼻にかかったような声の甘く切ない歌。ムード満天。最高にロマンチック。泣けるんだけど踊れる。そんなサウンドです。

1曲目のアップテンポな英詩歌物スカ・ナンバー『PLEASE,PLEASE TAKE ME DOWN』からもう最高。渋いインストを挟んで、甘く切ない日本語の歌物曲が2曲続く。M-3『ONE SMALL HUMMING TO BIG PINING <夜明けの小舟>』と、M-4『素晴らしい日々』。どちらも名曲って言っても差し支えのない内容。歌が最高に良い。続くインスト曲、M-5『HASH』がまた甘く切ないメロディ。こんな甘く切ないメロディが続くと思わず泣いてしまう。もう1曲渋めのインストを挟んで、軽やかな歌物カリプソ・ナンバー、M-7『GUILTY BOY』。これは楽しい楽しい。M-8『SING IT AGAIN』は、アダルトな雰囲気の英詩歌物スカ。これがまた切ないメロディで凄くいい。また1曲インストを挟んで、M-10『ムーンリバー』。アダルトでゴージャスなスウィング・サウンドにやっぱり甘く切ない歌。良い良いって褒めてばかりだけど、これまた本当に良い曲。インストをまた1曲挟んで、渋いミディアム・バラード、M-12『朝のあいだ』で幕を閉じる。至福の12曲。インスト曲も本当に良いんだけど、とにかくボーカル曲がいい。名曲いっぱい。名盤です。

DETERMINATIONSを好きな人は気に入ると思う。あと、スカパラやROCKING TIME好きな人も。LITTLE TEMPO好きな人や、はっぴいえんど を好きな人なんかにも聴いて欲しいな。
THE MICETEETH

『ネモ』
僕が2003年に出会ったバンドの中でも一押しの大阪の歌物スカ・バンド、THE MICETEETHの5曲入りEP。日本のスカの聖地は間違いなく大阪だと勝手に思ってるけど、その大阪のスカ・バンドの中でもTHE MICETEETHは異質な存在だ。他がルーツのスカに近付こうとモノマネばかりしてる中で、彼らはルーツに近付きつつも、非常に歌心に溢れる唯一存ニのスカ・サウンドを作り出している。優しく包み込むような演奏と、とろけるような次松大助の歌声。何とも言えないロマンチックな世界がたまらなく良い。前作までと比べて特に目新しい部分は感じられないけど、今作も“素敵”って言葉がピッタリな曲たちが詰まっている。特にM-1『ネモ』は心地よくも切ない名曲。ホーンやボーカル、ピアノが一体となって甘く切なく響く。唯一のインスト曲M-5『salvian melodicca』はM-1『ネモ』のピアニカ・バージョンなんだけど、これがまたとっても良い。このバンドはスカって括りは関係なしに多くの人にも聴いて貰いたい。普段、スカを聴かないような“うたもの”好きな人も是非是非。
THE MICETEETH

『霧の中』
フィッシュマンズのトリビュート・アルバム『SWEET DREAMS for FISHMANS』でもやっぱり素敵な歌を聴かせてくれたマイスティースの5曲入りシングル。

タイトルトラックはサビでの次松くんの女言葉も妙にグッとくるメロウなスロウ・ナンバー。これまでの曲よりもさらに次松くんの素敵な歌を前面に押し出したような感じかな。全編を彩るキーボードとホーンも素敵だし、やっぱりスカ的な味付けはされてるものの、例えば平井堅を好きなような人にもアピールできるような、いい意味で普遍的な歌物になっています。

タイトルトラックもいい曲なんだけど、カップリングのM-2『アイ ラブ ユー、ベイビー』がまたいい曲なんだ。次松くんの素敵な歌声と胸キュン・メロディー、ピースなホーンに軽快なパーカッション、口笛も加わって、最高に幸せ。程よく力が抜けてるんだけど、程よくドリーミーで程よく切ない。個人的にはタイトルトラックよりも好きだったり。インストのM-3『カノジョトダンス』もいい感じだし、そのダブ・バージョンやタイトル・トラックのダブ・バージョンはもっといい感じ。次松くんの歌声も捨てがたいけど、GERONIMO BLOODや後期フィッシュマンズを思わせるようなふわふわして叙情的な切ないインスト・ダブに生まれ変わったタイトル・トラックのダブ・バージョンはホント泣けます。

タイトルトラックとM-3『カノジョトダンス』はアルバムにも収録されるみたいだけど、マイスティース好きな人はそれぞれのダブ・バージョンとM-2『アイ ラブ ユー、ベイビー』のために買っても損はしないと思う。
フィッシュマンズ好きな人にも聴いてもらいたいな。マイスティースは良いよ。
THE MICETEETH

『BABY』
マイスティースの2枚目のアルバム。相変わらずの素敵な歌物スカ・サウンドを展開。前作と比べると、より次松くんの歌声を前面に出した音作りになったかな。ゆるやかなスカのリズムと甘く切なく胸に響くホーン隊、そこにやっぱり甘く切ない次松くんの歌声が絡み合って、なんとも素敵な音世界を作り出しています。スカとかロックステディとかレゲエとか関係なしに、ただただ単純にいい歌がいっぱい詰まってるよ。『レモンの花が咲いていた』や『霧の中』なんてホントに名曲だと思う。

一人で聴くも良し、友達と聴くも良し、家族と聴くも良し、恋人と聴くともっと良し。お酒との相性も抜群。どんなときもいい気分にさせてくれる素敵な作品です。スカを好きな人はもちろん、スカなんて知らないけどいい歌が聴きたいんだって人は是非是非。


THE MICETEETH

『from RAINBOW TOWN』
マイスティースの3作目。心地良いスカの裏打ちリズムにまろやかなホーン、ちょっと鼻にかかった哀愁いっぱいの歌声、切ないメロディ。ボーカル次松くんの歌声は凄く独特で好き嫌い分かれるかもしれないけど、ハマる人はとことんハマる歌声だと思います。大滝詠一とか田島貴男の歌声が好きな人は是非是非。

今作は6人のメンバーが作曲してるおかげもあってか、タイトル通り、虹みたいにカラフル。虹を見たときみたいな感動と幸せを与えてくれる作品に仕上がってます。全体的に見ると、よりポップになったような印象かな。歌謡色が強くなって、いい意味で本場ジャマイカのスカとはかけ離れたマイスティース独自のスカを聴かせてくれます。本場の音楽から離れても偽者っぽくなるどころか極上のポップスになってるところが凄いね。今作も名曲揃いです。スカ好きから昔の歌謡曲を好きな人、普段、Jポップばかり聴いてる人にも聴いてもらいたい素敵な作品です。甘くてロマンチックな音が聴きたかったらマイスティースを聴いてください。
THE MUSIC

『WELCOME TO THE NORTH』
ミュージックのセカンドアルバム。前作もストーンローゼスがスーパーサイヤ人になって戻ってきたような独特のサウンドで、ガレージっぽいのやレディオヘッド以降な音ばかりの若手の中では頭一つ抜けてるような印象があったけど、今作はもっと上を行ってます。ボーカルと演奏が一体となってうねるうねる。最高のロックンロールであるのと同時に、最高のダンスミュージックでもあるというか、グルーヴ感いっぱいでメチャクチャかっこいいです。なんかのバラエティ番組でポルノグラフィティのボーカルが「こいつらメチャクチャかっこいいんですよ。」って言ってたけど、ロック・オタクやクラブ好きを満足させるだけじゃなくて、普段ヒットチャート音楽ばかりを聴いてるような人にもアピールできるようなキャッチーさも兼ね備えてるのが凄い。

個人的にはストーンローゼスのあの名盤と肩を並べれるくらい素晴らしい作品だと思うよ。ストーンローゼス好きな人から、プライマルスクリームを好きな人、オアシスやストロークス好きな人も気に入るんじゃないかな。バンド名の「ミュージック」って一番シンプルでありながら一番大げさな名前だと思うんだけど、全然、名前負けしてないね。さあ、踊れ踊れ。


THE NEPTUNES

『THE NEPTUNES present...CLONES』
ビヨンセのソロ・デビュー曲からケリス、ジェイ・Z、シェーン・ポール、スヌープ・ドッグ、TLC、そしてブリトニー・スピアーズまでのプロデュースを手掛け、今のアメリカのメインストリームの音楽はほとんど彼らが作り出してると言っても過言じゃないプロデュース・チーム、ネプチューンズの立ち上げたレーベル「スター・トラック」の旗あげとなるコンピ盤。コンピ盤といっても2曲のロックナンバー以外の曲はネプチューンズがプロデュースしていてネプチューンズのアルバムとも言える内容。この人たちの魅力は何と言っても、キャッチーでいながらも立ち止まらず、実験的で斬新な音を作り出していくところ。彼らの作り出す音はMCやメロディーしか聴いてないようなライトなリスナーにはキャッチーさで、耳の肥えたヘヴィなリスナーには実験性と斬新さでアピールできる。ここ数年間ずっとヒットチャートの常連プロデューサーなのも十分に納得だ。

今作はそんな彼らと「スタートラック」のレーベルアーティストの作るトラックにゲストのジェイ・Z、バスタ・ライムズ、リュダクリス、ネリー、スヌープ・ドッグ、ナズ、ジェイダキなどのラップが絡み合う贅沢な作品。曲によって多少クオリティに差があるけど、PILを彷彿とさせるようなスカスカながらも硬質なトラックの上でバスタがライムするM-2『LIGHT YOUR ASS ON FIRE』、プリンス以降の密室ファンクなトラックの上でネプチューンズの片割れファレルのへたうまファルセットで歌い、ジェイ・Zがラップで絡むM-5『FRONTIN』なんかは名曲だと思う。10、11曲目のロックナンバーは賛否両論あるだろうけど、別に流れを壊してるとも思わなかったし、SPYMOBのM-10『HALF STEERING』はソウルの匂いもするパワーポップ・ナンバーで個人的には大好きだったり。

セルアウトだとか言って、彼らを嫌がる人もいると思うけど彼らはそれなりの音をちゃんと作り出していると思うな。R&Bやヒップホップを好きな人はもちろん、普段はそういう音楽を聴かないような人にもお薦め。今のアメリカのメインストリームの音を知るのにも、もってこいの作品なんじゃないかな。
THE NETWORK

『MONEY MONEY 2020』
GREEN DAYのビリー・ジョーのレーベルからデビューするバンド、THE NETWORKの1stアルバム。このTHE NETWORKはFINK、VAN GOUGH、THE SNOO、CAPTAIN UNDERPANTS、Zと怪しい名前の5人組。全員が経歴不詳で覆面をしている。GREEN DAYの変名か?って噂されているけど、このボーカルの声は紛れもなくビリー・ジョーだと思う。てか、覆面してるけど顔も明らかにビリー・ジョーだ(笑) 80年代っぽいエレポップ感が全体に漂っているとは言え、メロディももろにGREEN DAY。ちなみにCATAIN UNDERPANTSってメンバーがいるけど、これはGREENDAYのドラムのトレ・クールが以前に在籍してたバンドで使ってた名前らしい。

サウンドはさっきもちょっと書いたけど、エレポップ感漂うGREENDAY。曲のほうは悪くはないし、いいとは思うんだけど、『BASKET CASE』、『HITCHIN' A RIDE』、『MONIRITY』ほどの名曲はないかな。あくまで、お遊びって感じ。
newdeal.gif

THE NEW DEAL

『THE NEW DEAL』

トロントのベースとドラムとキーボードの3ピース・バンド。人力ブレイクビーツ。

ハウスやトランス的な解釈を取り入れた軽快なジャズをやっています。シーケンサーやサンプラーを使ってなくて日本のROVOより生っぽいです。あとオルガンっぽいキーボードの音が目立っています。

全体的に疾走感があって気持ちいいアルバム。

THE OFFSPRING

『SMASH』
1994年に発表され、850万枚以上を売り上げたTHE OFFSPRINGの3rdアルバム。THE OFFSPRINGはアメリカのパンク、メロコア・バンド。このアルバムと同じ年にリリースされたGREENDAYの『DOOKIE』の2枚が後のメロコア・ブームを作り出したと言っても過言じゃない。それくらいロック史において重要な作品。

GREENDAYと並べて書いたけど、THE OFFSPRINGとGREENDAYの音は全然違う。どちらもキャッチーでテンポが早いってところは同じだけど、GREENDAYのルーツがビートルズなどのブリティッシュロックにあるのに対して、THE OFFSPRINGのルーツはメタル。デクスター・ホーランドのハイトーンで伸びやかなボーカルなんてメタル・バンドで歌っても全く違和感のないような声&歌唱法だし、アレンジやギターリフにもメタルを感じることがしばしば。こんなことを言ったらTHE OFFSPRINGファンに怒られちゃいそうだけど、僕はTHE OFFSPRINGは「カジュアルなHALLOWEEN」だと思ってる。

ストレートな曲も好きなんだけど、個人的には
中近東っぽいM-7『COME OUT AND PARTY』とスカの要素を取り入れたM-11『WHAT HAPPENED TO YOU?』が特に最高。
嫌な気持ちもどこかに飛んで行っちゃう爽快さ。
THE OFFSPRING

『IXNAY ON THE HOMBRE』
オフスプリングの4thアルバム。前作まではエピタフからリリースしてたんだけど、今作はメジャーよりリリース。前作よりも様々な音楽要素が見え隠れするようになって、疾走感も増した。前作の方が世間的に評価が高いような気がするけど、僕はこっちのほうが好きだったりする。

このアルバムはとにかく1曲目の元デッド・ケネディーズのジェロ・ビアフラによるMCから2曲目の疾走パンク・ナンバー『MEANING OF LIFE』の流れと10曲目の『ALL I WANT』がメチャクチャかっこいい。もうこれだけでオナカイッパイ。スッキリしたいときや車をとばしたい時はこのアルバムがお薦め。

ちなみに『ALL I WANT』は「クレイジータクシー」ってゲームに使われているんだけど、そのゲームもお薦めだったり。
THE OFFSPRING

『AMERICANA』
オフスプリングの5thアルバム。前作のレビューでは3枚目のアルバムより好きって書いたけど、今作はそれよりももっと好き。前作までよりも陽気度アップで楽しい楽しい。メロディも突き抜けるくらいキャッチーで演奏はとことんストレート。ストレートなんだけど、よく聴くとアレンジも凝ってて言うことなし。

このアルバムは何と言ってもM-4『PRETTY FLY(FOR A WHITE GUY)』。この曲はクラブや有線でもかかりまくってたし知ってる人が多いんじゃないかな。「アハー!アハー!」ってやつ。思わず体が動いちゃうこと間違いなしな、陽気で遊び心満天のミディアム・ナンバー。もうこれが名曲中の名曲。楽しくて仕方ない。陽気なこの曲から一転、シリアスで疾走感のあるM-5『THE KID'S AREN'T ALRIGHT』に雪崩れ込む瞬間も最高。あと、ただただ陽気に突っ走るパンク・ナンバーM-8『WALLA WALLA』やホーンや鉄琴も入った陽気なミディアム・ナンバーM-11『WHY DON'T YOU GET A JOB?』あたりも最高。個人的には最後のシークレット・トラックを除くと完璧なアルバムです。CD-EXTRAも充実してていい感じ。

これはパンクに変な偏見を持ってるロックファンにも聴いて欲しい傑作。
THE OFFSPRING

『CONSPIRACY OF ONE』
オフスプリングの6thアルバム。前作と同じような感じのアルバム。陽気で、とってもポップ。

それなりに良いんだけど、前作と比べるとどうしても見劣りしてしまうのが正直なところ。各曲のクオリティも前作の方が遥かに上だし、新鮮度も前作には到底かなわない。なんか、ロングセラーになった前作と同じようなのを作っとけばいいやって、適当に作ったような感じがする。いや、本人達はそんな気は全然ないかもしれないし、悪い出来ってわけでもないんだけどね。

シングルにもなってたM-3『ORIGINAL PRANKSTER』なんかは好きなんだけどな。前作に収録の『PRETTY FLY(FOR A WHITE GUY)』の延長線上にある、ラテン調のミディアム・ナンバーなんだけど、パーカションの使い方や絶妙でとっても楽しい。楽しいんだけど、『PRETTY FLY(FOR A WHITE GUY)』と比べちゃうとやっぱり・・・。
THE OFFSPRING

『SPLINTER』
オフスプリングの7thアルバム。前作や前々作にあった陽気さはちょっと減少。全体的に見ると『SMASH』や『IXNAY ON THE HOMBRE』の頃のようなシリアス路線の作品になっている。だけど、『SMASH』や『IXNAY ON THE HOMBRE』の曲ほどガツンと来ない。『PRETTY FLY(FOR A WHITE GUY)』や『ORIGINAL PRANKSTER』路線の曲もあることはあるんだけど、いまいちピンっとしない。良かったと思ったのはGREENDAYの『MINORITY』を彷彿とさせるようなアコギのストロークが軽快なポップ・ナンバーM-10『SPARE ME THE DETAILS』くらい。

なんか批判的なことばかり書いたけど別に駄作ってわけじゃないと思う。これはこれで良いんだけど、もうマンネリ感いっぱい。まあ、7作もリリースしてるんだし、それも仕方ないのかな。

THE OPUS

『FIRST CONTACT 001』

RUBBERROOMやTHAWFORの作品を手掛けたTHE OPUSの1stアルバム。

凄く革新的。宇宙的で音響的な深いヒップホップ。ストリングスや生楽器、エレクトロニクスを駆使して圧倒的な構築美を作り出している。 ただただ美しい。民族音楽的なコーラスが登場したり、ストリングスとスクラッチが絡む曲があったり、ドラムが嵐のように乱打される曲もあったりと曲調もバラエティに富んでいる。アルバム全体の流れも良くて、カナリ高品質のアルバムです。

ポストロックやエレクトロニカ好きな人、ブルーハーブが好きな人、あとレディオヘッドの『KID A』なんかを好きな人にもお薦めです。

THE OPUS

『002 BREATHING LESSONS』
THE OPUSの2ndアルバム。

前作はボーカル曲も結構あったんだけど、今作はインストが多め。よりディープで、よりフロア・ライクな作品。
美しく退廃的、硬質でメランコリックなインスト・ヒップホップ。
前作でも、思ったけど日本のブルーハーブやDJ KRUSHに通じるところがあると思う。
こっちは、もっとドラマチックだけど。感動的なくらいにドラマチック。
とにかく今作はアルバム全体の流れが凄く良い。特にM1〜M5までの流れは最高にかっこいい。
アルバム1枚で1つの大きなファンタジ-物語が構成されています。
前作も凄く良かったけど、今作もお薦め。めちゃくちゃカッコいいです。
これはヒップホップ好きな人はもちろんポストロックやエレクトロニカを好きな人にも聴いて欲しいな。
THE PHENOMENOLOGICAL BOYS

『MELODY,MELODY,MELODY & MORE MELODY』
TOMLAB 23。アメリカのTHE PHENOMENOLOGICAL BOYSの1stアルバム。

おもちゃの楽器を武器に、ヨーデルにオールディーズ、ソウル、カントリー、ジャズなどをゴチャマゼにしてエレクトロニカに放り込んだような作品。ストレンジ・エレクトロニカ・トイポップ。アレンジは凄くストレンジ。メロディは凄くドリーミーで、そこにへなちょこ男性ボーカルや、キュートな女性ボーカルが乗ります。SEやコラージュを散りばめて、アメリカのアニメのサントラみたいな雰囲気もあります。もうジャケットのイメージ、そのまんま。メチャクチャ楽しいです。

こういうの大好き。チープなねじれポップが好きな人は是非是非、聴いてみてください。お薦めです。
THE PILLOWS

『FOOL ON THE PLANET』
結成12年のときにリリースされたピロウズのベスト盤。ずっとブレイクするブレイクすると言われ続けてきて結局まだブレイクしてないピロウズだけど、バンプとかアジカンとかレミオロメンとかエルレガーデンが売れまくってる今だからこそ個人的にはブレイクして欲しいバンドです。最近ロキノンジャパンとかに載ってる若手のバンドってピロウズの模倣みたいなバンドが多いじゃん。だったらオリジネーターともいえるピロウズももっと評価されてもいいと思うんだけどなあ。

最近の若手のギターロックバンドが好きな人はピロウズも是非、聴いてみて欲しいです。で、アルバムいっぱい出てて、どれから聴いたらいいか分かんないよって人はこのベスト盤から聴いてみるといいかと。かっこいい曲いっぱいです、ホントに。
THE POLYPHONIC SPREE

『THE BEGINNING STAGE OF』
テキサスのダラス出身、20数人!のグループ、THE POLYPHONIC SPREEの1stアルバム。

20数人のうち10人が聖歌隊、他はピアノ、チェロ、トランペット、フルート、ハーブ・・・
オーケストラ・サウンドに、大合唱。まるで、ゴスペル版SPIRITUALIZED。ビーチボーイズやマーキュリー・レヴ、フレーミングリップスを思わせるようなサイケデリア。圧倒的なサイケデリア。ジャケットは20数人全員で白いローブを着て立っていて、なんか天国に向かう感じがするんだけど、音のほうもそんな感じ。
そして、30分以上の大作M-10『A LONG DAY』が凄い。ゴスペルコーラスの声をエレクトロニクス加工したループが延々と30分以上続く。これはトリップできます。って言うか頭がおかしくなりそう・・・(笑)

M-10以外は、基本的にメロディは凄くポップで聴きやすいです。サイケな音が好きな人は聴いてみては?
THE POP GROUP

『Y』
イギリスはブリストルで結成された5人組バンド、ポップグループの1979年に発売されたデビューアルバム。僕が生まれたのも1979年。当然、リアルタイムでは聴いてなくて、僕がこの作品を知ったのはレディオヘッドが『KID A』を発表した際に雑誌か何かで通じる作品として紹介されたたのがきっかけ。『KID A』も衝撃的だったんだけど、僕にとってはこっちのほうが衝撃的だった。

ダビーな音像の中で、パンクを基調としつつも、ファンク、現代音楽、フリージャズなどを取り入れた狂気のサウンドが混沌と浮遊。不協和音と予測不可能な曲展開。もう脳みその中をグチャグチャにかき混ぜられる。ポップグループっていうバンド名に騙されちゃいけない。ポップさなんてほとんど皆無。ポップとは正反対の音だ。ここまでバンド名と音楽のギャップが激しいのはポップグループかポルノグラフィティくらい(笑)

ポップとは正反対なところにあるピアノやサックス、フリーキーなギターなどの使い方が本当に絶妙で、ただただアヴァンギャルドな音世界に圧倒される。一度ハマるとなかなか抜け出せないです。アヴァンギャルドな音が好きな人は聴く価値があるん