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赤犬

『ばかのハコ船』
大阪1のエンタテインメントを提供してくれる13人編成のビッグバンド、赤犬の2ndアルバム。

サウンドは、なんて言うか日本国民が持ってる大阪のイメージをそのまま音にしたような感じ。アイリッシュ、スカ、歌謡曲、ダブ、パンク、ディスコ、ジャズ、現代音楽、そしてアニメソングまでをゴチャマゼにして、それを高い演奏力でポップに昇華。昔のアニメソングを思わせるような曲を真面目にやってたり、変拍子に乗せて演歌風の歌を歌ってたり、アイリッシュ・サウンドに乗せて2昔前のポップスを歌ってたり、女性ボーカルをフィーチャーして、もろにキョンキョンっぽいディスコ・テイストのアイドルポップがあったり・・・真面目なんだけど滅茶苦茶バカ。遊び心満天。いや、遊び心しかないかも(笑) とにかくメチャクチャ楽しい。最大限にエンタテイメントを追求した作品です。

ちなみに本編7曲の他に、ROMZのJOSEPH NOTHINGのリミックスとCOM.Aのリミックスも収録。どちらも普段の彼らとはちょっと違う赤犬の良さを残したバカバカ・リミックスになってます。あとは、カラオケや、映画「ばかのハコ船」のサントラ(シュールなセリフも収録、曲のほうは本編と違って、しっとりとしたアコギ・インストやピアニカ・ダブなど)、さらには赤犬特製のシュールな双六ゲームまで収録(CD-EXTRA)。こういう何でもいっぱい詰め込んどけ感も凄く大阪っぽい。ただただエンタテイメント。

本気か冗談か分からないけど、本人達もどこかのインタビューで言ってた通り、このエンタテイメント感、過剰っぷり、つんくの持ってる大阪感なんかはモーニング娘。に通じる部分もあるな。あと氣志團なんかにも。そう言うと変な偏見を持っちゃう人がいるかもしれないけど、ホント素敵なバンドです。菊池成孔周辺の音を好きな人なんかにもお薦めです。あと余談だけど、あの森下○るみも赤犬のライブに行ったりしてるらしい。公式サイトを見ると好きなCDがCOCCOからカルメン・マキ、陽水、キース・ジャレット、ビョーク、ジェフ・バックリー、キングクリムゾンまであって、なんか好感が持てる。
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アキツユコ

『音楽室』

1997年、竹村延和のアルバム『子供と魔法』に記載されていたヴォーカル募集に応募し竹村と知り合う。しかしヴォーカルと同じくらいアキツユコのオリジナル曲が素晴らしいことから竹村が作曲家として歩むようアドバイスをし、チャイルディスクからリリースした1stアルバム。

彼女は竹村延和の作品にはボーカルとして数多く参加してるんだけど、この作品では、あえてボーカルを排除したらしく、全編インストになっています。エレクトーン、フルートなどを使っていて、音数は少なく、幻想的で悲しいエレクトロニカ。繊細でどこか懐かしい、美しいアルバムです。ただ、ちょっと使ってる楽器も少なくて同じような曲が多いんで飽きやすいかも。

明星

『STONED TOWN』
神奈川出身、リヴァプール在住の明星嘉男によるソロユニット、明星(AKEBOSHI)の1枚目のミニアルバム(マキシ?)。僕は下で紹介している2ndのほうを先に聴いたんだけど、この1stは思ってたサウンドとは少し違っていた。エレクトロニカな要素はほとんど皆無、2ndでも残ってたアイリッシュ・トラッドの影響が強い歌物サウンド。フォークテイストのサウンドにバイオリンやパイプリードが絡み合う。英語詩の曲と日本語詩の曲があるんだけど、個人的には英語詩のほうが良かった。

英語詩の曲と日本語詩の曲では歌い方も違うんだけど、日本語詩のバラード、M-2『秋風のうた』は、なぜかB'zのバラードが思い浮かんだ・・・。M-1『WIND』はケルト・ミュージックを大幅に取り入れた英語詩のミディアム・チューン。こういうのって日本人がやるとケルトの仮面を被ってるだけでメロディは日本的っていうのが多いと思うけど、これはしっかりしてた。

この曲はアニメ『NARUTO -ナルト-』のEDテーマに使われてたらしいんだけど、こんな非J-POP的な曲をEDテーマに使うって凄いな。しかも、このアニメのOPテーマはアジアン・カンフー・ジェネレーション。選曲いい感じ。
明星

『WHITE REPLY』
神奈川出身、リヴァプール在住の明星嘉男によるソロユニット、明星(AKEBOSHI)の2枚目のミニアルバム。

アイリッシュ・トラッドからの影響が濃いノスタルジックなメロディーにエレクトロニカ以降のサウンド・プロダクション。そして、美しく力強い男性ボーカル。全4曲中、日本語詩が1曲、英詩が2曲、インストが1曲。トラックはmumなんかに通じるようなフォークトロニカ的サウンドなんだけど、この人の作品はあくまでも歌が主役。曲によって、ちょっと歌い方が違うんだけど、どの歌も素晴らしい。

M-1『TALL BOY』なんてサウンド・プロダクションもそれっぽいせいか、男性版ビョークのよう。かと思えば、M-2『MORNING HIGH』では、優しく甘い。ちょっとSUPERCARを思わせたり。日本語の曲M-3『WHITE REPLY』は、ちょっと男らしい渋さも見せたり。
M-4『MONEY』は、インスト(声は少し入ってます)だけどジャズが見え隠れしたりして面白い。意外と男性でこういうサウンドの人ってなかなかいないし、これからが楽しみ。


朝崎郁恵

『うたばうたゆん』
奄美出身のベテラン歌手、朝崎郁恵のメジャーデビューアルバム。

この人を知ったのは、CSの音楽番組でUAがお薦めのCDを紹介してたのがきっかけ。UAはあまりの声の素晴らしさに感動して涙が出たと言ってたけど、僕も一瞬聴いただけで感動。こんな言い方はちょっと嫌だけど、まさに神の声。本当に素晴らしい。このアルバムはほとんど全編、その神のような歌声と高橋全の弾くピアノのみによって構成されているアルバムです。島唄とピアノ、意外な組み合わせだけど、これが最高に感動的。圧倒的に美しい。

M-3『徳之島節』ではUAも掛け合いで参加。いい仕事をしてます。ちょっとでも多くの人に聴いてもらいたい本当に素晴らしい作品。特に神秘的な音が好きな人は是非、聴いてみてください。
朝崎郁恵

『うたあしぃび』
朝崎郁恵の2ndアルバム。

前作は高橋全のピアノのみをバックに歌ってたんだけど、今作は姫神、ゴンチチのチチ松村、exLUNASEAのSUGIZOなどが参加。前作より彩り豊かな作品になっています。もう今作も凄く良い。特にM-3『行きゅんにゃ加那』。この曲は高橋全のピアノをフィーチャーした今作中最も前作に近い曲なんだけど、えま&慧奏のニ胡も加わって、ますます感動的に。もうホント泣ける泣ける。アンビエントなトラックにSUGIZOの美しいフィードバックギター、そして朝崎郁恵の美しすぎる歌が絡むM-4『塩道長浜』、チチ松村のシンプルだけど、どこか切ないアコギをバックに朝崎郁恵の暖かく優しい歌声が鳴り響くM-7『ティクテングワ』なんかもホントに良かった。ウォン・ウィンツァンのピアノをバックにした曲やルーツに近い三味線をバックにした曲、アカペラの曲も良かった。いいアルバムだ。

ただ、打ち込みレゲエなM-2『豊年節』、ドラムンベースなM-8『曲がりょ高頂』、打ち込みを使ったニューエイジ風M-11『六調』はちょっと微妙。クレジットを見ると前者2つは美音志さんが編曲だった。『六調』は姫神が編曲。M-2『豊年節』は打ち込みの音が安っぽい。全部生にして、もっとルーツ・レゲエっぽい音にしたら、きっと最高だったのにな。M-8『曲がりょ高頂』も狙いは悪くないだけど、なんかトラックと歌が離れすぎな気がした。別のところで鳴ってる感じ。M-11『六調』は姫神らしいと言えばらしいんだけど、打ち込みの音、シンセの音が古っぽすぎる。凄くチープな印象。打ち込みなどを島唄に合わせる試み自体は凄く好きだけど、やっぱりピアノやアコギなどのシンプルでナチュラルな音のほうが島唄なんかには合ってるのかも。琉球アンダーグラウンドを聴いたときにも思ったけど、トラディショナルな音と現代的な音を合わせるのは、本当に難しいな。
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浅野達彦

『GENNY HANIVER』

アレック・エンパイアのレーベルGEISTよりリリースの日本人。と言ってもデジタル・ハードコアとは遠く離れた南国感の漂うモンドでエキゾチックな生音系エレクトロニカ。心地よいアコースティックギター、暖かなシンセやオルガン、スチールドラムのリズムが絡み合って、何とも言えない夢見心地なサウンドを作っている。そして、どの曲にも夏の苦い思い出にも似た寂しげなムードがある。とにかく気持ちのいい作品。最高の室内音楽。

また、この人は任天堂の64DDのゲーム『巨人のドシン』のサントラ『ドシンの跡を追って』でも音楽を担当していて、トロピカルで心地良いサウンドを聴けます。このアルバムを気に入った人はサントラのほうも気に入るはず。あんまり売ってないけど…。

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朝日美穂

『THRILL MARCH』

朝日美穂の2ndアルバム。エクスペリメンタルなうたもの。アコースティックな曲もグリッチ・エレクトロニカ的なトラックの曲も凄く良い。勝井祐二がアヴァンギャルドなバイオリンを弾いている曲もある。メロディも全曲凄く切なくて良い。ミックスはZAKが行ってます。この人の音空間はやっぱり凄いなあ。

ジム・オールクが1999年のベスト10に選んだのも頷けます。
MEGOレーベルのエレクトロニカやTUJIKO NORIKO、クラムボン、FISHMANS、マリマリなどを好きな人にお薦め。

朝日美穂

『ホリアテロリズム』
朝日美穂の前作から約5年ぶりとなるサードアルバム。ジム・オルークも絶賛したという前作の音響系的な音作りはそのままに、ファンクポップからポリス風、オルゴール、ミニマルなエレクトロニカ、ソウル、ダブなどなど、よりバリエーション豊かでポップな音世界を展開しています。歌声は5年経っても、まだまだキュート。ポップスの範囲内でヘンテコなアレンジが次々に登場して楽しいです。歌詞もユーモアいっぱい。

ただ、ここまでボーカルが前に出た作品を作るんだったら、もっとポップでキャッチーなメロディに挑戦しても良かったような。岡村靖幸が書き下ろした楽曲『秘密のフランボワーズ』は良い曲です。ちょっと川本真琴っぽいけど。
アネモネ

『クラシックス.』
ボーカルはもちろん、ソングライティングからプログラミングまでこなす女性シンガーソングライター、アネモネ(anemone)の1stアルバム。

基本はBJORKやmumに影響を受けたようなエレクトロニカ・ポップなんだけど、同じようなサウンドのACOなんかに比べると歌がもっとポップス寄り。歌だけ聴くと普通のポップスなんだけど、トラックはエレクトロニカって感じかな。メロディは普通にいいし凄く聴きやすい。エレクトロニカ的なエッセンスが振りかけられているとは言え、うまく行けば浜崎あゆみを聴いてるような人にもアピールできるようなサウンドだ。歌の力自体はBJORKやACOには敵わないし、エレクトロニカを聴き込んでるような人には全然物足りないと思うけど、こういう音楽の入り口としてはもってこいなんじゃないかな。こういうのって、なかなかありそうでなかった。あと、これだけのものを他に頼らずにほとんど一人で作り出してることは評価できる。まだ1stアルバム。これからの成長が楽しみ。
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あぶらだこ

『月盤』

東京のパンク・ハードコアシーンから登場した、あぶらだこ5枚目のアルバム。録音は内田直之。

変拍子だらけ、転調しまくりな曲構成に、文語的な詩、独特のへたうまなボーカルで唯一無比のサウンド。エネルギッシュで緊迫感のあるギターインストM-1『ど宴会錦』、中近東っぽいメロディで、中盤以降、怒涛のギター・トランスに突入するM-5『捜獏な信号』、パワフルで転調しまくりなM-10『過去過去未来』が良かった。

NUMBER GIRLを好きな人に聴いて欲しいな。

あふりらんぽ

『A』
大阪出身のオニとピカの女の子2人組、あふりらんぽの自主制作盤。あのサーストン・ムーアもベタ惚れしてソニック・ユースのヨーロッパ・ツアーのオープニング・アクトとして抜擢したり、ヴィンセント・ギャロも虜だったり、プラダのパーティーからもオファーが来たり、今年はフジロックにも出演決定とまあ、凄いことになってきてる2人です。

そこまでキテるのはドぎついメイクや衣装で暴れまくるライブとメディアの力もあると思うんだけど、やっぱり音のほうもかっこいいんです。音的にはメルトバナナや初期ボアダムスの流れにあるノイジーでアヴァンギャルドなガレージ・ロックサウンドなんだけど、ただノイズをやかましく鳴らしてるだけじゃなくて、曲構成は意外としっかり、絶妙のポップ・センスが光ってて、ちゃんと“音楽”をしてるなって印象。
あふりらんぽ

『あふりらんぽ』
あふりらんぽの5曲入りミニアルバム。ワケわからんノイズギターとワケわからん暴走ドラム、そしてもっとワケわからん女性ボーカル・・・いや、ボーカルというより叫びか。歌詞も意味不明。奇妙奇天烈。これは何も考えずに楽しむのが一番だと思うね。脳みそすっからか〜んで聴きましょう。

「最近、刺激が足りないわ・・・」、「あいつぶっ殺してやりてえ!」、「こんな仕事やってらんねえ!」、「何が受験だよ!」、「私より、あややを取るなんて!きいいいいい!」、「俺のムスコ、大事なときに立たなくてさあ・・・」、「今年のジャイアンツ弱えええ!」などなど、嫌なことや悩みなんて全部ドドドドドっと吹っ飛びます。痛快!


あふりらんぽ

『URUSA IN JAPAN』
あふりらんぽのメジャーデビューアルバム。フルアルバムってことで13曲も頭の中すっからかんで楽しめるあふりらんぽワールドを堪能できます。こうやって聴いてみると、やっぱりあふりらんぽは“音楽”してるね。というか確信犯。一歩間違えば、子供のイタズラみたいな演奏も実はしっかりしてるし、ボーカルはキーキー叫んでるだけのようでポップなメロディを奏でてる。歌詞も適当のようで、さりげにメッセージがあったり。見た目通りにエグい曲もあれば、ちょっとキュートな一面を見せる曲やプログレチックな曲もあったりで曲調も意外とバラエティに富んでいる。

雑音を鳴らしてるだけでしょ。メディアに持ち上げられてるだけでしょ。いかにも芸術してますって感じのジャケットがアートワークが嫌。そう思って聴かず嫌いしてる人がいたら聴いてみて欲しいです。ホントかっこいいから。まあ、どうしても好き嫌いが分かれる音だとは思うけどね、例えばミッシェルガンエレファントやGO!GO!7188なんかを好きな人にも響くようなポップ性を持ってると思うんだよね。灰野敬二、中原昌也、メルトバナナ、初期ボアダムス、ソニックユース、少年ナイフなんかを好きな人も是非是非。純粋にガレージロックの傑作です。
あふりらんぽ

『KOREGA MAYAKU DA』
メジャーデビュー盤からわずか2ヶ月、ジョンゾーンのレーベルから海外リリースされた11曲入りフルアルバム。こういうのって契約大丈夫なの?メジャー契約が1枚だけだった?まあ、そんなことどうでもいいけど。

いや、どうでもいいは言いすぎか。全体的に見るとこの作品よりもメジャー盤『URUSA IN JAPAN』のほうが若干キャッチーに仕上がってるように感じました。たまたまそういう気分なのか、たまたまそういう曲が集まったのか、メジャーのほうはメジャーを意識したのか、分かんないけど、まあ、そんな細かいことを気にして聴く音楽じゃないなと。爆音で聴いてぶっ飛んじゃってください。普段、ノイズものとかあまり聴かない人は『URUSA〜』のほうから入ることをお薦めします。で、ハマったらこっちの作品も聴いてみてくださいな。いままで気持ち悪く感じてたものが気持ち良くなるかもしれないです。より深い世界にどっぷりハマって抜け出せなくなるかもしれないです。うん、これが麻薬だ。
あふりらんぽ

『バカがきた!!!』
あふりらんぽが「2004年春に、アフリカ、カメルーン奥地の森でピグミー、バカ族と約一ヶ月暮らした時にドンチャかワンチャか歌って踊った音源を、とっても苦労してまとめた 珍珍ミラクルアルバム!こんなんないで!一家に一枚!by オニ」だそうです。バカって馬鹿じゃないよ!?バカ族。

前半はバカ族とあふりらんぽがワイワイと騒ぎながらアカペラで歌ってるだけ。途中、水でパシャパシャする音をリズムに歌ったり面白いこともやりつつ、「あふりらんぽ可愛い」とか「あふりらんぽ臭い」、「バカのキ○ガイ」とかバカ族に輪唱させるなんてアホなこともやりつつ、バカ族のパーカッションとコラボしたり。虫の鳴き声を録るのは全然分かるけど、ついにはバカ族の葬式の演説まで録音する始末。やっぱりさっき書いたことを撤回します。この作品は馬鹿だ(笑)

でも、ラストはアコギ弾き語りのいい歌で締め。この人たち、面白いわ!あ、バンドサウンドやノイズを期待してこの作品を聴いちゃ駄目だよー!てか、これアマゾンに置いてないみたい。
荒井由美

『SUPER BEST OF YUMI ARAI』
荒井由美のベスト盤。荒井由美って誰って人もいるかもしれないから一応言っておくとユーミンこと松任谷由実の結婚前の名前ね。今の高校生はもしかしたらユーミン自体あまり知らなかったりするかもしれないけどヒット曲『春よ、来い』や『恋人はサンタクロース』なんかは一度は聴いたことあるかも。まあ、実は僕もあまり詳しくないんだけどね。松任谷由実名義のアルバムは何枚か聴いたけど自分にはなんか合わないし、荒井由美名義の作品=昔の作品もこのベストを聴くまでまともに聴いたことなかったり。

たぶん同じような人もいると思うけど、荒井由美時代の曲はなんか良いですよ。歌詞も少し青い感じが等身大に伝わってくるし、歌声も今みたいに機械っぽくなくてナチュラル。アレンジも古臭いどころか、変に流行りを意識してない分、色褪せてない。そして、なんといっても良いメロディが多いです。

椎名林檎がカバーしてた『翳りゆく部屋』も二階堂和美がカバーしてた『卒業写真』もAMADORIがカバーしてた『中央フリーウェイ』も小谷美紗子がカバーしてた『ひこうき雲』も収録してます。その辺のアーティストが好きなら聴いてみるといいかもね。あと「魔女の宅急便」で使われてた『ルージュの伝言』や『やさしさに包まれたなら』も収録。後者を聴いてると何故かハナレグミを思い出しました。アレンジが似てるのかな。ハナレグミとかキリンジとか好きな人にもお薦めです。2枚組30曲で全部一気に聴くと疲れるけどね。iPodとかに入れて歩きたい。


あらかじめ決められた恋人達へ

『釘』
関西を中心に活動する池永正二のソロユニット、あらかじめ決められた恋人達への初音源。山本精一やシローザグッドマンも絶賛の彼だけど、音のほうは何ていえばいいのかな。ブレイクコア発、大阪〜ダブ経由の宇宙行き音楽とでもいえばいいかな。テクノもドラムンベースもエレクトロニカもラガも飲み込んだブレイクコア的な壊れたビートとノイズに哀愁いっぱいにむせび泣くピアニカ、そしてダビーな音像。ピアニカのノスタルジー心を刺激する音色とストレートに涙腺と心を刺激するメロディ、それが壊れたビートや複雑でいてドラマチックな曲展開、ぶっ飛んだ音響処理と交わることによって、ここではないどこかへ連れて行ってくれます。狂って陶酔して踊って泣ける作品。

泥臭いダブが好きな人にはちょっと叙情的すぎるかもしれないし、ガンガンのノイズを求めてる人には物足りなく感じてしまうかもしれないし、エレクトロニカを聴き込んでる人には打ち込みが少し安っぽく感じてしまうかもしれないけど、この唯一無二の音世界は一回触れてみる価値があると思う。ブレイクコアやノイズものが駄目な人も全体的にメロディが結構ポップなんで入り込みやすいんじゃないかな。個人的には大好きな作品です。後期フィッシュマンズを好きな人も聴いてみて欲しいな。
あらかじめ決められた恋人達へ

『ブレ』
あらかじめ決められた恋人達への2作目。表情豊かなブレイクビーツに哀愁いっぱいのピアニカの音色。前作と比べると全体的に凄くポップになったような印象です。前作にあった壊れた感じはほとんどなくて終始穏やか。全編インストだけど、常に切なくキャッチーなメロディが鳴ってる感じ。曲展開も豊富で飽きさせないです。

きっと前作を好きな人でも好き嫌い分かれちゃう作品だと思うけど、より多くの人に聴かれるような作品にはなってるんじゃないかな。哀愁メロディとピアニカの音色が素敵です。普段はレゲエやダブを聴かない人やポストロック好きな人も聴いてみるといいかもね。
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アルファ

『エンドルフィン』

アルファの初のフルアルバム。全編テクノ的なトラックのヒップホップ。ユニークさも盛り沢山で、DJ TASAKAが参加してることもあって、電気グルーブがヒップホップをやってるような感じのサウンドになっている。

EMFの『アンビリーバブル』をサンプリングしたアッパーでキャッチーなテクノ・ヒップホップM-1『39DMP』。TASAKAとのコラボ曲。グルーヴィーなテクノ・ヒップホップでかっこいいM-2『ALIEN24』。トロピカルなテクノポップなトラックの楽しい曲M-3『アクティマン』。マッドカプセルマーケッツっぽいデジタル・ロックっぽいM-4『エレキテル』。TASAKAと宇多丸をフィーチャーした中華風テクノポップ・ヒップホップで、ミニモニの「自分を信じて生きるのだピョン」っていうリリックも登場するM-5『イーアル雀拳』。ヒップホップ・ブギーなM-6『ポンマーチ』。テクノ的なパーティーラップM-7『DO DIG DO!』。シングルにもなったTASAKAをフィーチャーしたテクノ・ヒップホップの名曲M-11『エクスタシー温泉』、メロディアスでスペーシーなM-12『BLUN』などが良かった。

全体的にキャッチーで楽しい。テクノ好きな人にもヒップホップ好きな人にも、メロディアスで聴きやすいんで普段、ヒップホップを聴かない人にもお薦め。CCCDなのが残念・・・

アルファ

『SUSHI BOMBER』
1年3ヶ月ぶりとなるアルファの2ndフルアルバム。前作でもテクノ的な要素がかなり強かったんだけど、今作はさらにテクノ度がアップ。前作がヒップホップ>テクノだったのに対し、今作はヒップホップ=テクノくらいの割合になった感じかな。トラック・メイカーのDJ SUZUKIの占める割合が大きくなった印象。

ファンクやディスコなどを飲み込んだエレクトロクラッシュ経由のビキビキなテクノ・トラックの上でTSUBOIとWADAのラップが縦横無尽に駆け巡る。リリックは皮肉たっぷりユーモアたっぷり。“和洋折衷”をテーマに曲からジャケット、歌詞カードに至るまでナンセンスな世界を作り出しています。このテクノ・サウンドとナンセンスさは『フラッシュ・パパ』、『UFO』、『KARATEKA』の頃の電気グルーヴを思わせたり。全体的にビキビキでアッパーな曲が多いんだけどリリックの内容がおバカだったり、南国風チル・ナンバーや、適当すぎる弾き語りによる過去の曲のパロディなんかもあって、いい意味で肩の力が抜けまくり。リップスライムやケツメイシ、KICK THE CAN CREWなんかを好きな人ような人にもアピールできるようなキャッチーさもあって気楽に楽しめます。それでいて、ところどころピリっと皮肉が効いてるのもいい。最近の電気グルーヴはストイックすぎて駄目って人もこれは満足できるかも。ただ、前作に続いて今作もCCCDなのは残念。
アルファ

『宇宙ハワイ feat ハナレグミ』
ハナレグミをゲストに迎えたアルファのマキシシングル。タイトルトラックはその名の通り、宇宙的で南国テイストもあるヒップホップナンバー、いや、でもハナレグミのメロディアスな歌パートが占める割合多し。スペーシーなトラックとハナレグミの歌声の相性も意外にいいし、ヴォコーダーの使い方やトラックの構築、曲構成が絶妙。いい感じのポップナンバーに仕上がってます。カップリングもスペーシー。電気グルーヴの声の入った曲が好きな人にもお薦め。

てか、この曲を聴くと何故か、久保田利信の『LA LA LA LOVE SONG』を思い出すのは僕だけ?
安藤裕子

『サリー』
女優もやってて、あのドラマ『東京ウエストゲートパーク』にも出演。最近はファッション雑誌なんかでも見かけることが多い、安藤裕子の1枚目のミニアルバム。生楽器の響きを大切にした温かみのある演奏と元々、女優志望だったとは思えない安藤裕子の魅力的な歌声、そして、いい感じのメロディー。いい感じのポップソングが並んでいます。特に本人が作詞作曲したタイトルトラックがいい感じ。

ただ、これは2枚目でもそうだったんだけど、1曲1曲にそれぞれボニーピンクとか椎名林檎とかチャラとか色んな女性アーティストの影が見え隠れ。それを気にしなかったら普通に良く出来たポップ作品なんだけどね。良いものは良いんです。可愛いから何でもOKなんです(笑)
安藤裕子

『AND DO, RECORD』
シンガーソングライター、安藤裕子の2枚目のミニアルバム。カーネーションのメンバーやBAZRA、スカパラの北原雅彦などをゲストに迎えた今作はミニアルバムながらも、バイオリンやチェロも加えた爽やかなポップスからローファイなアコースティック・ナンバー、轟音ロック、ピアノ弾き語りまでバラエティに富んだ内容。

1曲1曲のクオリティは高くて良質なポップス集だと思うけど、チャラ風だったりクラムボン風だったり椎名林檎風だったり小谷美紗子風だったり、詞以外で安藤裕子ならでは!って部分があまり感じられなかったのは残念かな。どんな曲を歌っててもスーッと入ってくる歌声は凄く魅力的だしメロディセンスもいいと思うけどね。あと一番いいなって思ったM-1『ドラマチックレコード』が唯一、他人から提供された曲だったのも少し残念。CCCDなこともやっぱり残念。・・・って“残念”な部分ばかり書いたけど、良質なポップスが詰まってることに変わりはない。なんだかんだ言って、声と曲がいいから、ついつい聴いてしまうんだな。ルックスも抜群だし、本人が手掛けたジャケットもいい感じ。
安藤裕子

『MIDDLE TEMPO MAGIC』
安藤裕子のファースト・フルアルバム。全12曲中8曲が安藤裕子による作曲。他の作家による曲もいい出来なんだけど、もう全部本人が作曲しても良かったんじゃないの?ってくらいに安藤裕子も素晴らしい曲を連発してます。

スカパラのリズム&ホーン隊、カーネーションのリズム隊、GREAT3の白根賢一、カセットコンロスの安藤健二郎、原田郁子のソロアルバムでもベースを弾いてたTOKIEなどなど、分かってるゲストたちによるバックの演奏も素敵。捨て曲なんてなし。ミニアルバムやシングルに収録されてた曲が多いんで少し物足りなさはあったけど、現時点でのベストアルバム的な作品になってるんじゃないかな。チャラや椎名林檎、ボニーピンクやクラムボン、そしてユーミンまで新旧ガールズポップスの美味しいトコ取りって感じもするね。CCCDなのが残念。
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和泉希洋志

『ORANGE SUNSHINE』

和泉希洋志の初のフルアルバム。竹村延和のレーベルChildiscからのリリース。98〜2000年にかけてのストックからセレクトされた音の数々は、一貫してマジカル&キュートだが、Childiscにしては珍しくフロア向けの踊れる曲も収録している。エイフェックス・ツイン以降のキラキラ感がたまらないエレクトロニカ。きれいな空みたいな音。かなりクオリティが高いです。BOREDOMSのEYEちゃんが絶賛しているのも頷けます。

また和泉希洋志はそのEYEちゃん(DJ)とBOREDOMSのYOSHIMI(ドラム)とATR(ドラム)、そしてYO2RO(ドラム)とV∞REDOMSというトリプルドラム!のバンドをやっています。和泉希洋志の担当はエレクトロニクスです。V∞REDOMSのライブも凄まじくて、早く音源が聴きたいです。

和泉希洋志

『PROTOCOL A』
エイフェックス・ツインも認めるという和泉希洋志の4年ぶりとなる2枚目のフルアルバム。このアルバムはインターネットで集められた素材やプログラムを解体、そして編集して作られたものらしいんだけど・・・そんなことを知らなくても、「凄い!」と思わせるような新しい音が鳴っています。カットアップ・エレクトロニカのようであり、ジャズのようでもあり、アンビエントのようでもあり、それでいてグルーヴィー。前作はエイフェックス・ツインから抜け出せてない音だったように思うけど、今作はそこから完全に離脱。「○○以降」とか「○○meets○○」とか、そういう表現では表しきれない音世界が広がっています。ある意味、エイフェックス・ツインも追い越したかも。

しかも、ただ、新しいだけじゃなくてメチャクチャ心地良い。あまりキャッチーではないんで聴く人は選ぶかもしれないけど、複雑でエレクトロニックなジャズとか好きな人は聴いてみる価値はあるんじゃないかな。
1★狂

『1★狂』
99年に結成された大阪のダブバンド、1★狂(一番星クルー)のファーストアルバム。大阪ならではの「ごった煮ダブ」というか、頭の悪いアジアン・ダブ・ファウンデーションというか、レゲエやダブ、ジャングルを基調としながらも昭和歌謡や演歌なんかも飲み込んだごった煮サウンドに意味不明なMCが乗っかって非常に個性的な音世界を構築しています。「狂」ってバンド名に付いてるだけあって、この人たちの音は狂ってるね。

もうこの作品はアントニオ猪木じゃないけど、「バカになれ!」。難しいことなんで考えないで、お酒をガンガン飲んでガハハと笑いながら楽しむと良いかと。一緒に狂ってくださいな。
犬式

『LIFE IS BEAUTIFUL』
「Doggystyle」から「犬式」に改名してのファーストアルバム。ロックでレゲエなサウンド。KEYCO、上でレビューしてる1☆狂のメンバー、スペシャのスタジオグロウンで三宅洋平と共演してるSOILのタブゾンビなんかもゲスト参加してます。ボーカル、三宅洋平の歌声は好き嫌い分かれそうだけど、存在感のある歌声だと思います。『「草の葉」第32節』でのちょっとボス・ザ・MCを思わせるようなポエトリーもうまくハマってる。

サウンド的には本場のレゲエ独特の「黒さ」がうまく出せてると思います。その辺がたまらない人にはたまらないはず。レゲエといってもダンスホールやラバーズみたいなのを期待しちゃ駄目。日本発の男臭くて土臭くて渋くてロックなレゲエ。他じゃ、これは味わえないね。
今野英明 meets パードン木村

『UKE!TIME』
突然解散しちゃったロッキンタイムのボーカル、今野英明のソロアルバム。ソウルやジャズの名曲からフォーククルセイダーズの『悲しくてやりきれない』や民謡の『遠き山に日は落ちて』まで色んな曲をカバー。パードン木村と一緒にやってます。今野英明がウクレレを弾いて、歌って、パードン木村がダブ以降な絶妙の音響処理。

シンプルなアレンジでロッキンタイムの時以上に彼のあったかくてあま〜い歌声を堪能できます。ウクレレの音もいい感じ。音の鳴り方がいい。パードン木村がいい仕事してます。のんびりした音と素敵な歌声が聴きたい人は是非是非、聴いてみてくださいな。
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イルリメ

『イるreメ短編座』

エレクトロニカのアーティストとも交流の多い関西のヒップホップ・ユニット、イルリメの1stアルバム。散文詩的でマシンガンのような早口ラップにエレクトロニカを通過した変態トラックで全く新しいヒップホップを作り出している。2ndではモユジュニモのMCのみなんだけど今作ではカゴメとの2MCになっている。

オリジナル5曲に本人も含む、スッパ・マイクロ・パンチョップ、DJ雨雲、YABEMILK、MATSU&TAKEなど10人によるリミックスを収録。オリジナルもリミックスも凄くかっこいいです。そして何よりもジャケットが大好き。

ヒップホップ好きな人はもちろん、SPOTLIGHT、CHILDISCなどのエレクトロニカが好きな人にお薦めです。

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イルリメ

『QUEX』

関西発。エレクトロニカを通過したヒップホップユニット。DJ雨雲、スマーフ男組、リョウアライなどが参加している。エレクトロニカ、テクノ、ファンクなどの要素をゴッタ煮にした遊び心満天のバックトラックにモユニジュモの型破りなMCが絡んで面白い仕上がり。

最後を飾る曲『流星より愛をこめて』が特にいいです。長い曲なんですけど面白い曲で飽きません。中盤から終わりまでの怒涛のラップがやばすぎ。

ヒップホップ好きはもちろん、新しい音を求めている人にも聴いて欲しいです。
ryusei.jpg イルリメ

『流星より愛をこめて』

アナログで出てた『流星より愛をこめて』のリミックス、リアレンジ集に、『QUEX』収録曲のモユニジュモ本人によるDUBミックスや、ライブ音源を加えたもの。参加してるのは、レイハラカミや、CHILDISCのHYU、二階堂和美など。

1曲目の「流星メドレーVer.」は、レイハラカミがリアレンジ。レイハラカミらしいトラックに、スッパ・マイクロ・パンチョップ、カゴメ、モユニジュモによる掛け合いラップ。かっこいい。それにしてもレイハラカミの音は、いつも1聴して彼の音だってすぐに分かる。凄くいいことだと思う。

そして、個人的に1番お気に入りなのは、2曲目のMOUGHQUAL、RUBYORLAのリアレンジ『流星に愛をこめてVer.』。グリッチノイズな前半と、パイプオルガン(たぶん)のループ、バイオリンなどを使った後半。最初から最後までカッコいい。

BAKAYOKOのリミックスとHYUのリミックスは、どちらも壊れ気味なエレクトロニカ・リミックス。4曲のモユニジュモのDUBミックスはどれもMCは無し。ライブ音源はちょっと音が悪いのが残念。『流星ライブ』好きなんだけどな。あと、アコギに二階堂和美の歌とモユニジュモのMCが乗る『レゴブロック〜今日を問う』も良かった。


イルリメ

『鴨インザハウス』
イルリメの3rdアルバム。新曲を14曲収録のDISC1と、独自のダブ・インスト12曲を収録したDISC2の2枚組。

前作までの実験的な部分はそのままに、よりキュートにメロディが今までより分かりやすくなって、ポップさが増した。結果的に、実験性とポップさが絶妙のバランスで同居した素晴らしい作品になっています。個人的には、今までのアルバムの中でダントツに好き。リリック、トラック、アレンジ・・・どれも素晴らしいです。エレクトロニカ・ヒップホップの大傑作。DISC2のほうはダブと言ってもレゲエ寄りの音ではなくて、テクノ、エレクトロニカ的なインスト・リミックス。2枚組で、合計26曲も入って、2700円くらいという価格設定もいいな。SPOTLIGHT、CHILDISCなどのエレクトロニカ好きな人、クリックハウス好き、ヒップホップ好き・・・いろんな人に聴いて欲しい作品。かなりお薦めです。
イルリメ
(名義はmoyunijumo & mikirov)

『mix』
イルリメの自主レーベル「expoi」よりリリースの第2弾は、moyunijumo(イルリメ)とmikirovによるミックスCD。
これがタダのミックスCDじゃない。ソウル、エレクトロニカ、ジャズ、ニューウェーブ、民族、ダブ・・・様々なジャンルを縦横無尽するDJ MIXの上にイルリメのラップが乗ってる。使われてるネタもJACKSON○の『I WANT YOU BACK』や、MAX TUNDRAの『INK ME』、○SGの『ESG』、○置シヅ子の『ラッパと娘』、立○ハジメの『バンビ』、細野○臣の『第3の選択』、SI○ICON TEENSの『CHIP'N ROLL』などなど大ネタ揃い。他にも、戸○大輔、THE ○ABRES OF PARADISE、SWEET ○XORCISTなど渋いところも。そんなネタたちにイルリメのベスト的選曲なあの曲この曲が乗ってる。トラックとの掛け合いもバッチリで楽しい楽しすぎ。じっくり聴くとちょっと強引だなってトコがあったりもするんだけど、そんなことどうでも良くて、とにかく楽しい。

JACKSON○『I WANT YOU BACK』に乗せて歌う『提供かもメ座東洋』や、○SGの『ESG』に乗せて歌う『内緒&ロール』、立○ハジメの『バンビ』に乗せて歌う『流星に愛をこめて』、SI○ICON TEENS『CHIP'N ROLL』に乗せて歌う『RPg』あたりなんて最高すぎ。他にもMAX TUNDRAのエレクトロニカに、戸○大輔のオリエンタルなギターインストに、THE ○ABRES OF PARADISEのドープなダブにイルリメのラップが絡み合う。もう最初から最後まで最高。
これ凄くお薦めなんだけど、たった限定100枚。気になった人は急いで!
イルリメ

『LIVE AT NET』
2003年2月1日、関西のヒップホップサイト「7387web」でのネットライブを収録したCD。ベスト的選曲の15曲を収録。(元々カセットでリリースする予定だったらしくトラック数は2つ)。

ライブと言っても客の声が入ってるわけじゃなくてライブ・アルバムって感じはあまりしない。全曲、既発音源とは違うトラック、ラップで再録ベスト、もしくはセルフ・リミックスって印象かな。全体的に原曲よりもシンプルでアグレッシブ。曲によってはオリジナルのほうがいいなっていうのもあったけど、『今日を問う』なんかは、このライブアルバムのバージョンのほうが数倍かっこよかった。


イルリメ

『www.illreme.com』
イルリメの4作目。メルトバナナの轟音ノイズで始まって、壊れまくりエレクトロ・トラックの連続連続、スピードメーターと一緒に切なく宇宙旅行に飛び出したかと思ったら、ジョセフナッシングのトラックと正面衝突、ラストは小沢健二ばりにラブリー&ソウルフルに。多種多様実験精神溢れまくりなトラックに情感豊かなリリックと奇妙奇天烈なモユニジュモのラップ。前作よりもパワーアップしたトラック、リリック、ラップに程好いポップ感も加わって、向かうところ敵なし。1曲1曲の出来もさることながら曲順が凄く良いね。前半の攻撃的な曲に打ちのめされたところに、不意打ちのようにやってくる叙情的なナンバーの連続には思わず涙。大傑作です。個人的には2004年に聴いたヒップホップ作品の中では文句なしのナンバーワン。
イルリメ

『HATTARI BROKER VOL.1』
イルリメの300枚限定のライブCD-R。2004年2月20日に東京で行われたライブを収録してます。これまでの作品でお馴染みのリリックやライムなんだけど、バックトラックがなんと最初から最後までブラッ○サバス!!!ブラッ○サバスってのは、伝説的なヘヴィメタ・バンドね。メタリックなトラックとモユジュニモのラップの絡みだけで新鮮で楽しいんだけど、元ネタのブラッ○サバスを知ってると楽しさ倍増。

スタジオ録音したら、もっと完成度が高くなるだろうし、音も決して良いとは言えないけど、楽しいから全然OKです。このナイスなアイデア、そして、こんな即興的なこともサラリとこなしてしまう圧倒的なラップのスキルに乾杯。
イルリメ

『イルリメ・ア・ゴー・ゴー』
イルリメの5作目。前作もポップだったけど、今作はもっともっとポップで全編ハイテンションなパーティーチューン!他の実験的なヒップホップアーティストが内省的な方向に向かう中、この人は実験性も残しつつ正反対の方向に突っ走ってます。イルリメ流のダンス天国あり、遊び心いっぱいな数え歌あり、スウィンギンな歌謡ヒップホップ(二階堂和美とデュエット)あり、ECDとのラップバトル、イルリメ自身がドラムを叩きながらラップする曲、高速ブレイクビーツに美メロで突っ走る曲、YOUR SONG IS GOODのゴキゲンな演奏との競演・・・もう楽しいのなんの。

どこかで日本版ビースティーボーイズって言われてたのを見たけど、ホントにそんな感じだね。楽しいのが好きな人にお薦めです。
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韻シスト

『ONE DAY』

大阪の生演奏によるヒップホップ・バンド、韻シストの1stミニアルバム。

ゴキゲンなジャズ・ヒップホップが詰まっています。ジャジーな演奏もMCも良い感じです。全編、ハッピーかつピースなヴァイブが満ち溢れていて凄く楽しいね。最高。

ヒップホップ好きはもちろん、ジャズ好きな人にもお薦め。凄くポップで聴きやすいんで普段、ヒップホップを聴かない人にもお薦めです。リップスライムを好きな人とかにも聴いてほしいです。

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韻シスト

『RELAX ONESELF』

大阪の3MC、ギター、ベース、ドラム、サックスの7人組の生ヒップホップ・バンド、韻シストの2枚目のミニアルバム。ジャジーかつファンキーな生演奏に2MCが絡んで独特のスタイルを披露してます。

大阪の最強ファンク・バンド、オーサカ=モノレールがホーンで参加したアグレッシブな『LET'S☆DANCE』が特にいい。他にも声だけでビートやスクラッチを表現した『アンタラハドウヤ?』など幅広いサウンドで楽しいです。

オレオレ的なヒップヒップが嫌いな人にもお薦め。素敵です。

韻シスト

『HEREEE WE GO』
大阪の生演奏をフィーチャーしたヒップホップ・バンド、韻シストのメジャーデビューEP。

メジャーデビューってことで変に売れ線になったりせず、相変わらずの渋くジャジーなヒップホップ。ジャジーでグルーヴィーなトラックに、日常を綴った軽快なリリック。トラックと3MCのコンビネーションもバッチリ。しっかりジャジーで程よくキャッチー。とっても素敵です。M-3『HEREEE WE GO』は名曲。他の曲も良くて、曲数は5曲と少ないけど凄く質の高い作品。

ちょっとリップスライムに似てる感じなんだけど、もっと生演奏ならではの躍動感があって、個人的には最近のリップスライムよりも好きかも。リップスライムやJURASSIC 5あたりが好きな人にお薦め。


韻シスト

『ROCK ON』
大阪の7人組生演奏ヒップホップ・ユニット、韻シストのメジャー2枚目となるミニアルバム。インディーズから通算すると4枚目のミニアルバムかな。日本のヒップホップも多様化してきたけど、ギャングスター的なオレ自慢ノリには閉口ぎみ、ブルーハーブやSHING02も良いんだけど、もっとジュラシック5やジャングルブラザーズ、ア・トライブ・コールド・クエストみたいな楽しいのが聴きたい。かと言ってハルカリはポップすぎるし、リップスライムやキック・ザ・カン・クルーはパンチ不足だし・・・っていう人にピッタリなのが、この韻シスト。

特に今回のタイトルトラックは韻シストの魅力を詰め込めまくり、パンチ効きまくりなアッパーチューンで最高に楽しいです。アカペラに掛け合い、ヒューマンビートボックスまで入ってパーティー!パーティー!グルーヴィーかつファンキーに跳ねるジャズ演奏と、フックの効いた3MCの応酬がとってもいい感じ。タイトルトラック以外の4曲もオールドスクールな曲から、ちょっとアダルトな曲、メロウかつメロディアスな曲までバラエティに富んでて、たった5曲だけど凄く充実した作品になってます。タイトルトラックも最高だけど、メロウかつメロディアスで韻シストにはありそうであまりなかったタイプのM-4『YEAH STOP!』も最高。

恒例になりつつあるデハラユキノリのフィギアを使ったジャケットも良い感じだし、CCCDじゃなかったら声を大にしてお薦めするんだけどね・・・。とりあえず声を小にしてお薦めしときます(笑) でもやっぱ良いものは良いよ。
韻シスト

『GROBAL SPEAKER』
韻シストのメジャー初となるフルアルバム。このアルバムの収録曲『My style your style is... 』がキューピーマヨネーズのCMに使われたりして、いきなりブレイクするかと思いきや、そうでもなかったね。

この人たちも十分キャッチーだけど、ケツメイシとかSEAMOとかに比べたら世間的にマニアックに感じるのかな。裏返すとしっかりヒップホップしてるってことだったりするものかもしれない。まあ、何がヒップホップで何がヒップホップじゃないとか分からないけど、ジャジーな生演奏と3MCのリレーが絶妙にマッチした心地よい音楽が聴けることは間違いないです。リップスライム好きな人はきっと気に入るんじゃない?ジャジーなリップスライムって感じ。
韻シスト

『FONKY & LOVE』
韻シストの2作目。この作品からギターの人が変わったのも影響してるのか、メロウな曲がかなり増えてます。ファンキーな曲も韻シストの魅力だと思うんで個人的にはちょっと残念・・・

これだ!って感じのキラーチューンもないし、なんかパッとしない印象。ベースはところどころカッコいいなって思ったりするし、シンガーno-booをフューチャリングした和風の曲やAFRAが参加した曲なんかも悪くないけど、何かもうちょっと足りない印象。やっぱりファンキーな曲もあったほうがバランスもいいと思うんだけどな・・・
韻シスト

『GOURMELOGIC』
韻シストの3作目。タイトルはGURMETな韻シストがMELODYにこだわり、LOGICを乗せたっていう意味らしいけど、そんなにメロディアスな印象はない。いや、そう感じるのはKREVAやケツメイシを聴いた後に聴いてるからかな。裏返せば、彼らがメロディにこだわってもあそこまで臭くないってこと。

このくらいのほうがジャジーな生演奏にはピッタリだね。ただ、個人的には初期みたいなファンキーな曲が欲しかったなあ。前作を聴いたときにも同じようなことを感じたけど、アルバム全体の完成度は今作のほうが上のような気がします。なんて言うか今作のほうが音に深みがあるんだよね。大人になった韻シストって感じ。
韻踏合組合

『クリティカル 11』
CHIEF ROKKA、HEAD BANGERZ、NOTABLE MC、イルミントとDJ keywoなどの計11人からなる韻踏合組合の1stアルバム。

韻踏合組合は
大阪のアメ村を拠点に活動しているヒップホップ・ユニット。アメ村であったイベントで少し見たことあって、その時も個性的で一際、印象に残ったけど、この作品も個性的。ちょっとチープでユーモアのあるトラックに、名前の通り韻を踏みまくり、ユーモア溢れるリリック。
中毒性あり。クセになる作品です。

イルリメ、韻シスト、瘋癲などタイプは違えど関西のヒップホップはいいアーティストが揃ってる。
韻踏合組合

『ジャングル』
韻踏合組合の2ndアルバム。

ジャケットのようなジャングルっぽいトラックから祭囃子まで。前作よりもトラックがますますユーモアを増していて楽しい。あと各MCのキャラクターも際立って、楽しい楽しい。トラック、リリックにどこか「和」を感じるところがいいな。黒人ラップの真似ではない、完全に独特な韻踏合組合ワールド。これはカッコいいです。

前作以上にクセになるヒップホップ作品。
宇多田ヒカル

『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1』
宇多田ヒカルといえばファーストアルバム『FIRST LOVE』が800万枚の大ヒット。作品は聴いてなくても名前くらいはみんな知ってるよね。たぶん今の日本で一番有名なシンガーソングライター。これは宇多田ヒカルのこれまでにリリースされたシングルをリマスタリングして集めたもの。早い話が東芝さんの決算対策だね(笑)

この人の作品はよくマスコミで米国仕込みの和製R&Bなんて言われてたけど、こうやってシングル・コレクションを通して聴くと意外にもR&B然とした曲は少ない。R&Bっぽい色付けがされてる曲も確かに多いんだけど、あくまでこれは歌謡曲。まずは宇多田ヒカルの天才的なソングライティングによるメロディアスな歌ありきで、例えば、2003年に米国で大ヒットしたビヨンセのR&Bナンバー『CRAZY IN LOVE』の弾き語りアレンジはちょっと想像できないけど、宇多田ヒカルの大半の曲は弾き語りアレンジでも違和感ないと思う。根本にあるのは歌謡曲。お好み焼き味でもピザ味でもポテトチップスはポテトチップス。それと同じで根本が歌謡曲ならR&B味でも歌謡曲なんだよね。

まあ、別にそんなことはどうでもいいんだけど。ただ、このR&B味は結局のところ流行に乗って売れるための味付けなのかなって思って。確かにどのシングルもそれなりに良い曲だと思うけど正直、ここまで宇多田ヒカルが売れたのはそういう戦略の力も大きいと思うしね。ビヨンセの『CRAZY IN LOVE』みたいなトラックと歌が一体となって響いてくる感じはここにはないし、ネプチューンズが手掛けた作品みたいな面白みもあまりない。結局、お好み焼きの味が楽しみたかったら、お好み焼き味のポテトチップスを食べるんじゃなくて本物のお好み焼きを食べるのが一番。変にR&Bな味付けをしなくてもいいと思うんだけどな。そんなことしなくても宇多田ヒカルは光輝くようなメロディーと歌を聴かせてくれるよ。普遍的なアレンジのバラード『FIRST LOVE』なんか、ため息が出るくらい素敵じゃん。

このシングル・コレクションの中で最も歌謡曲らしいアレンジな『光』も素晴らしいと思う。突然パッと光が差し込んだような冒頭、一瞬のブレイクを挟んで再び静かに光が差し込むようなのAメロへの入り方・・・最初から最後まで一瞬の隙もない。名曲中の名曲だよ。個人的には現時点で宇多田ヒカルの最高傑作だと思う。この曲がタイアップで使われてたTVゲームをやってたから思い入れが強いっていうのもちょっとあるかもしれないけど、R&B的な味付けの薄いこの曲が一番、宇多田ヒカル本来の光り輝く魅力が出てると思うんだ。
宇多田ヒカル

『PASSION』
UTADA名義に通じるような雰囲気の曲。ファーストアルバムは800万枚だっけ?その反動か、全力で売れ線に逆らった曲だと思います。あそこまで売れるメロディを書けるのに敢えて、このメロディ。敢えて非歌謡曲な曲展開。なんか優等生がヤンキーぶってるようなそんな印象もあったりするけど、これがインディーズの無名アーティストの曲だったらカナリ高い評価をされるんじゃない?

バックトラックの出来とか秀逸すぎるよ。抑えて抑えて1瞬だけ爆発する曲展開もたまらない。歌声はもちろん素晴らしい。売れ線の曲を書いたら売れ線売れ線って叩かれて、こういう曲をやればきっとビョークのパクリだパクリだと叩かれるんだろうけど、1回あそこまで売れてしまったらもうそれは仕方ないのかもしれないね。ビョークと比較されるのは分からないでもないけど、こんなのパクリでもなんでもないです。聴く人を選ぶけどこれはこれで単純にかっこいい曲だと思います。エイフェックスツインとか好きな人にも聴いてもらいたいなあ。
宇多田ヒカル

『KEEP TRYIN'』
個人的には宇多田ヒカルベスト3に入る『PASSION』に続くシングルはバックトラックのエレクトロニカな雰囲気はそのままにメロディは売れ線をちょっと意識した曲だと思います。カップリングにカラオケが入ってたりするしね。

『PASSION』もそうだったけど曲の構成が凄く絶妙だなあ。オレンジレンジみたいに1分以内に派手なサビがくる日本流の売れ線ポップスとは一線を画した曲展開。最後の大サビに突入したときの興奮度といったらもう!!

ただ、『PASSION』や『光』に比べるとどっちつかずの中途半端な印象が。どうせ売れ線にするんだったら、ちょっと売れ線じゃなくガンガン売れ線にしちゃえばいいのになあ。
宇多田ヒカル

『ULTRA BLUE』
宇多田ヒカルの3作目。1曲目の『THIS IS LOVE』から飛ばしてます。エレクトロニカ経由の圧倒的なサウンドプロダクションに高揚感のある曲構成に美しいメロディ、絶妙なコーラスワーク、そして、伸びのある歌声。最高だね、これ。2曲目に収録されたシングル曲『KEEP TRYIN'』もここで聴くと輝きが増す。後半の畳み掛けるような展開がたまんないね。3曲目の『BLUE』も絶品。個人的にここまでの流れは完璧だと思います。最後に収録された『PASSION』はアルバムで聴いてもやっぱり名曲。神がかってるー!

ただ、中盤『誰かの願いが叶うころ』や『COLORS』はシングルで制作時期も違うこともあってか、少し浮いてる気が。あと、未来的な音作りの中で日常的すぎる歌詞が浮いて聴こえることがしばしば。今は刺激的だけど、数年後に聴いたときにエレクトロニカ的な音作りを古臭く感じるんじゃないかって不安もあったり。いやでも、素晴らしい作品だと思いますよ。売れ線からは少しズレてるけど、分かる人は分かると思う。
ウリチパン郡

『せん』
オオルタイチ名義でも活動する森口太一と、ウタモ名義でも活動する荒木良子による大阪発奇妙奇天烈ポップス・ユニット、ウリチパン群の初のフルアルバム。実はこの作品を買ったのは結構前で、これまでに何度もレビューを書こうとしたんだけど、なんかうまく書けないんだよね・・・。

簡単にいえば民族音楽、民謡、フォーク、エレクトロニカ、アンビエント、自然、テクノロジー、日常、非日常、喜怒哀楽などなど、あらゆるものを全部ゴチャマゼにして独自のポップスを作ってみましたっていう感じになるのかもしれないけど、もうこれは実際に音を聴いてみないと分からないと思う。既存の音楽とは違いすぎて何とも形容しがたいんだよね。僕が言えるのは、全く新しいポップスがここで鳴ってるっていうことだけ。既存のポップスに飽きかけてる人、新しい音を求めてる人、変態な人にお薦めです。
ウルフルズ

『ええねん』
『ガッツだぜ』や『バンザイ』、CMで大量オンエアされてヒットした坂本九のカバー『明日があるさ』などウルフルズは何曲かのヒット曲があるんだけど、最近では世間の人は1発屋、もしくは過去の人的扱いのように思う。このアルバムの先行シングルで、このアルバムのリードトラックでもある『ええねん』もオリコンシングルチャート初登場20位と、お世辞にも売れてるとは言い難い状況だった。でも、この『ええねん』はホント良い曲。個人的には2003年ベストシングルかもってくらいに。

ウルフルズは単なるオモシロ・バンドみたいに思われがちな面があるけど、彼らはアメリカの古き良き、ロック、ソウル、ブルースに忠実なサウンドに日本語のまっすぐな歌詞を乗せるのが非常に巧いバンドだ。根本にあるのは本物のロックやソウル。そして、ボーカルのトータス松本の熱くソウルフルな歌。彼のソロアルバム『TRAVELLER』を聴いた人は分かると思うけど、彼の歌はどこまでもまっすぐで人の心を激しく突き動かす力がある。ウルフルズを単なるオモシロ・バンドって思ってる人は騙されたと思って、彼らの作品をちゃんと聴いてみて欲しい。ベスト盤『ベストだぜ』も出てるしね。

話はちょっとずれたけど『ええねん』って曲はこれまでのウルフルズのどの名曲よりもまっすぐにグッと心に刺さる。これまでのどの曲よりもまっすぐ。これ以上ないくらいのストレートなロックサウンドに、日本のロック史上、最もストレートで前向きな歌詞。全肯定。何十回も登場する「ええねん」って歌詞が胸に響く響く。世の中、辛いことや悩み事もいっぱい。でも、前を向いて、自分を信じて、何かを感じていれば、それだけで「ええねん」。何かにつまずいた時は是非、この歌を聴いて欲しいな。ホント名曲。

M-1『ええねん』でスタートする、このアルバムは、ひたすらアホでひたすらまっすぐ、ウルフルズの良さがギュッと凝縮されたようなM-2『たった今!』M-5『クルマン』、マーヴィンゲイや小沢健二も彷彿とさせるようなハッピーなソウル・ナンバーM-3『愛がなくちゃ』、モンキーズなんかを思わせるようなミディアムなソウルロック・ナンバーM-4『男の中の男』、ソウルフルなトータス松本の歌声が感動的なバラードM-6『手をつないで』M-12『そばにいるのは誰』、並んだタイトルに思わず「え!?」ってなるけど、グッとくるM-8『忘れちまえ』M-9『思い出せ』、ハイロウズにも全然ヒケをとらないロックンロール・ナンバーM-10『アニマル』、M-14『いっさいがっさい(恋泥棒編)』、最後にまた泣かせてくれるソウルフルでロックなミディアム・ナンバーM-15『夕方フレンド』などなど、ロック、ソウル、ブルース、アホな曲からまっすぐな曲、感動のバラードまでウルフルズの魅力がいっぱい詰まったアルバムになっている。
欠点はM-1『ええねん』が良すぎて、後の曲が少し霞んで見えることかな。裏返せばM-1『ええねん』を超えるような曲はなかった。

ちなみに奥田民生、YO-KING、ハル(The ピーズ)、草野マサムネ(スピッツ)、コザック前田(ガガガSP)、上中丈弥(THE イナズマ戦隊)、伊東ミキオなどなど豪華ゲストを迎えてのビーチボーイズの日本語カバー『SLEEP JOHN B』を収録したオマケCDも付いてます。上述したゲストのバンドを好きな人はこのアルバムもきっと気に入るんじゃないかな。
ウルフルズ

『9』
ウルフルズの通産9作目。先行シングル『暴れだす』では、いつもと少し違うシリアスなウルフルズを見せてたけど、このアルバムはこれまで通り、ファンキーでおバカでポップでハッピーな音を存分に聴かせてくれます。曲調やアレンジはとってもシンプル。歌メロは全曲シングルカットできるくらいキャッチー。若手がシンプルでキャッチーな曲に挑戦すると薄っぺらになってしまいがちだけど、さすがアルバム9枚もリリースしてるベテラン。いい味が出てます。歌にしてもバンドアンサンブルにしても、ウルフルズはいい感じに成熟してきたなあ。

個人的にウルフルズって凄く過小評価されてると思うんだよね。世間的にはもう過去の人みたいに思われてるかもしれないけど、むしろ今が断然かっこいい。たまにルーツがまんま見えちゃうところはご愛嬌。ファンク、ソウル、ブルーズ、ロックンロールなどなど、自分たちのルーツにある大好きな音楽を独特のポップ・フィルターに通して鳴らす彼らの音は唯一無二の魅力があると思います。今作は非バカな『暴れだす』や『大丈夫』がまた良いんだなあ。名曲。個人的にはウルフルズのここまでの最高傑作だと思います。ファンキーでおバカでポップでハッピー、この言葉にピンと来た人は聴いてみることをお薦めするよ。
ウルフルズ

『YOU』
ウルフルズの10作目。今作は全部ラブソング。ヒットチャートの流行の歌ってほとんどラブソングだなー。でも、なんかいまいちピンとこないんだなー。年を取ったからかなー。男だからかなー。僕がロクな恋してないからかなー。だって、振り回されるのが好きなんだもん(笑)

でも、なんかウルフルズのラブソングにはグッときちゃうんだなー。なんていうかウソっぽくないんだよなー。まっすぐなんだなー。男なんだなー。サムライなんだなー。トータス松本の歌うますぎなんだよー!

個人的にアルバム全体では前作のほうが好きだけど(前作が良すぎた)、素敵なラブソングが詰まってます。『サムライソウル』は名曲だー。
映糸

『AWAAWA』
WORLD'S END GIRLFRIENDやテニスコーツ、棗などをリリースしてきたレーベルnobleの第7弾は、ボーカル&アップライト・ベース奏者のmujika率いる大阪在住の3人組、映糸(えいし)のデビュー・アルバム。

ゆらゆらとしたギターのアルペジオに深い響きのアップライト・ベース、電子変調による歪んだトランペット、そして哀愁漂う女性ボーカルが織り成す音世界。どの音も本当に美しいんだけど、mujikaの歌声の美しさと言ったらもう。ただただ感無量。

タイトルは「あわあわ」だけど、音のほうも水面に浮かぶ泡のような感じ。青く透き通り、ふわふわ漂っている。どちらが前でどちらが後ろか分からない。手で掴もうとしても掴みきれない。時間の流れとは無関係。気が付いたら、どこか遠くへ流されてきちゃった。彼女達の奏でる音は時間の流れを忘れさせ、遠くへ連れて行ってくれます。行き着いた先はひたすら美しい場所。

とっつきやすさは少ないけど、どっぷりと浸りたい人には最高の作品だと思うな。TSUKI NO WAや棗、NEUMAなんかを好きな人にお薦めです。M-6『そして、欲する』は名曲。
オーサカ=モノレール

『WHAT IT IS...WHAT IT WAS』
大阪のファンクバンド、オーサカ=モノレールの1作目。ジャジーでソウルフルなファンク・サウンドを聴かせてくれます。曲もボーカルも演奏も何もかもJB(ジェームス・ブラウン)っぽいです。ライブも見たことあるけど、ボーカルのパフォーマンスもJBっぽいです。

まあ、僕はJBマニアってわけじゃないし、本気のJBマニアからしたら「こんなのJBじゃねええ!」ってことになっちゃうかもしれないけどね、素人耳には十分JB。正直、オリジナリティはほとんどないけど、JBの新曲を聴くようなつもりで聴くのは良いかも。
オーサカ=モノレール

『RUMBLE’N STRUGGLE』
オーサカ=モノレールの2作目。70年代あたりのソウル・ファンクを思わせるようなサウンド。JBと共演したり、エゴラッピンやブッダブランドの作品のバックで演奏したりもしてるだけあって、グルーヴ感抜群。大阪らしくとっても濃いです。ねばりっこいリズムがクセになります。骨太ホーンにうねるようなボーカルが熱いです。てか、やっぱりJBっぽいです。所詮、真似事かもしれないけど、かっこいいもんはかっこいい。もう腰が動きまくり!よく黒人の血がどうとか言う人がいるけど、これを聴くと血なんて関係なくない?って思っちゃいます。

このテの音楽って結構ミニマルだしキャッチーなメロディがあるわけでもないんで、好き嫌いは分かれちゃうだろうけど、そういうのが駄目じゃない人は一度聴いてみるといいかもしれないね。
オーサカ=モノレール

『THANKFUL』
前作から2年半ぶりとなるオーサカ=モノレールの3作目。メンバーが少し変わったみたいだけど、相変わらずコテコテでドロドロのファンク・サウンドを聴かせてくれます。文句なしにかっこいい!

確かにかっこいいんだけど、3作目にもなれば、もう少しオリジナリティも欲しいところ。今作では曲のバリエーションも微妙に広がってるんだけど、やっぱり60〜70年代ファンクの完コピを抜け出してないというか。別にそれは悪いことじゃないし、そういうバンドがあってもいいと思うし、この作品自体の出来は素晴らしいんだけど、ここまで来たんだったら完コピのもう一歩先を見たいなって。日本語で歌ったらりするだけで大分違うと思うんだけどな。でも、それだとこのバンドのコンセプトから外れるのかなあ。うーん、偉そうなこと言ってごめんなさい。
大塚愛

『桜ノ花ビラ
2枚目のシングル『さくらんぼ』のヒットで一躍有名になった大塚愛のデビューシングル。まるでポップスの見本のように、あざといくらいに完成されたメロディーとコード進行。夢の世界をゆらゆら漂ってるようなドリーミーなサウンド・プロダクションとビーチボーイズばりのコーラスワーク。サビでは大塚愛の甘い歌声の後ろで三味線が鳴ってたりして実験的な要素もバッチリ。とろけるような甘さの中にちょっぴり毒の効いた極上ポップ・サウンドにもうメロメロ。この感じ、どっかで経験したことあるような。わかった!これって2003年のジェリーフィッシュだ。

本人も意識してるのか歌い方やメロディーラインにはaikoに似てる部分があって、パクリだとかゴチャゴチャ言う人もいるかもしれないけど誰が何と言おうと、これはジェリーフィッシュ。これはもしかしてアンディ・スターマーが関わってるんじゃって思って歌詞カードを見たら作詞作曲は大塚愛、アレンジは大塚愛とikomanなる人物がクレジットされていた。このikomanっていう人のことは詳しく知らないけど、ちょっとタダモノじゃないかもね。とにかく大塚愛の作る完成されたポップスとikomanの毒のあるアレンジのコンビネーションは抜群。ビートルズ〜ビーチボーイズ〜ジェリーフィッシュあたりを好きな人は騙されたと思って聴いてみて欲しいな。名曲だよ。
大塚愛

『さくらんぼ』
この大塚愛の2枚目のシングル『さくらんぼ』は有線やラジオでも流れまくりなんで聴いたことがある人も多いと思うけど『桜ノ花ビラ』から一転、スカのリズムを取り入れたアッパーなポップ・パンク・ナンバー。ジュディマリみたいなキュートさと元気のよさ、ハロプロや上戸彩のシングルでも取り入れられてたりして流行ぎみなスカコアの要素、そして、これでもかってくらいにキャッチーなメロディーを兼ね備えたこの曲がヒットしたのは十分頷ける。

パッと聴いた感じではタダの売れ線のポップスかもしれないけど、この曲にもやっぱりちょっぴり毒が効いてるんだよね。曲の後半はひたすらキャッチーなサビをひたすら繰り返すんだけど、そこに登場する「もう一回!」っていう掛け声、エフェクト処理(テープ早回し?)された奇妙なコーラスや「ウーイェイウー♪ウーイィイウー♪」っていうキュートなコーラスがアクセントになってて全然くどさを感じさせない。上には毒って書いたけど、もうこれはむしろ魔法かもね。このikomanによるものと思われる魔法がタダのポップスをタダモノじゃないポップスにしている。これまた名曲だよ。PVのほうもとってもキュートでいい感じ。元ブルーハーツの梶原徹也のドラムプレイも観ることができるよ。
大塚愛

『甘えんぼ』
大塚愛が所属してるレコード会社はエイベックス。なんて言うか大塚愛のこれまでの2枚のシングルはエイベックスらしくない作風だなって思ってたんだけど、この3枚目のシングルは凄くエイベックス的。バンド・サウンドにピアノとストリングスも導入したラブ・バラードで、予定調和の曲展開に過剰なストリングスと大げさなギターソロがいかにも売れ線と言うかJ-POP的と言うかエイベックス的。前2作にあったような毒はここでは見られない。まあ、『さくらんぼ』みたいな曲の後にこういう本格風なバラードをリリースするのは戦略的にはいいのかもしれないけど、個人的に特に惹かれる部分はなかったかな。

てか、『桜ノ花ビラ』のところでaikoじゃないと書いたけど、この曲はほとんどaiko。大塚愛は大塚愛だと分かってるんだけど、この歌詞と歌い方とメロディーラインにこのアレンジじゃ、aikoの2番煎じだと言われても仕方ないような。影響を受けるのは悪くないけど真似事してるだけじゃ、やっぱり本家には敵わないよ。
大塚愛

『LOVE PUNCH』
3枚のシングルを経てリリースされた大塚愛の初のフルアルバム。DVD付きと絵本付きの2種類がリリースなんていう商業戦略はどうでもいいんだけど、このアルバムの出来のほうはいい感じ。シングル3曲に加えて、アルバム用の曲が8曲あるんだけど、どれもとにかくメロディーが極上だしアレンジにはやっぱり遊び心があって毒が効いている。チープでローファイなトラックの上で大塚愛が関西弁ラップするM-7『石川大阪友好条約』はちょっと遊びすぎな気がしないでもないけどね。まあ、可愛いし面白い音になってるから良しとしよう。

『さくらんぼ』の流れにあるスカのリズムを取り入れたパワーポップ・ナンバーM-1『pretty voice』はエモーショナルなバンド・サウンドの中にバンジョーを取り入れてたりコーラスが凝ってたりして楽しいし、シングルになってたM-2『桜ノ花ビラ』とM-3『さくらんぼ』の名曲2連発を挟んだ後のM-4『GIRLY』はモータウンっぽいリズムを取り入れてたキュートなバブルガム・ポップで心がウキウキ。バラードのM-5『雨の中のメロディー』ではジェリーフィッシュばりのドリーミーなサウンド・プロダクションと切ないピアノのフレーズ、凝ったコーラスワークと予想外の転調、そして甘いメロディーにメロメロ。続くM-6『しゃぼん玉』もバラードなんだけど切ない歌と東洋的なメロディーを奏でるピアノのフレーズとバックで流れるテルミンみたいなヒュルヒュル音が相まって涙を誘う。このバラード2連発が個人的には一番のハイライトかな。

そして上述したM-7『石川大阪友好条約』である意味、カオス的なぶっとんだ音世界を味わった後は、四つ打ちっぽいリズムのテクノポップ・ナンバーM-8『片想いダイヤル』で体を揺らす。ちょっと音がハイファイすぎるのが気になるけどキュートでポップなメロディーが癖になるね。次のM-9『ハニー』は甘い甘いバラードなんだけど、わざと「ズベって」外すところなんか凄く好きだな。アルバムの中で聴いても、やっぱり微妙なM-11『甘えんぼ』に続くラスト・トラックM-12『always together』のドラマチックなゴスペル・コーラスから転調してレゲエっぽいリズムが登場するところなんかもたまんない。この曲なんかもやっぱりちょっとジェリーフィッシュっぽい。同じ日に発売したPUFFYのミニアルバム『59』はジェリーフィッシュのアンディ・スターマーがプロデュースしていたけど、甘くドリーミーなポップ・サウンドの中に毒が効いてるっていうジェリーフィッシュっぽさはこのアルバムのほうが上かも。ちょっと大げさかもしれないけどジェリーフィッシュが放ってたポップの魔法「もう一回!」。

欲を言えばもうちょっと柔らかい音の質感で聴きたかったけど凄く良質のポップ・アルバムだね。別に冗談でも何でもなくなくて真面目に傑作だと思う。J-POPだとか言ってバカにしないでパワーポップ〜USインディーポップ好きな人は聴いてみるといいかも。あんまりレコード会社に搾取されずにこのままの路線で頑張っていって欲しいな。

大塚愛

『LOVE JAM』
前作から、わずか8ヶ月でリリースされた大塚愛のセカンドアルバム。『さくらんぼ』もう一回!な勢いで遊び心たっぷりのメロコア風ナンバー『HAPPY DAYS』、夏の終わりの切ないあの感じをキュンと閉じ込めたような叙情性たっぷり、ちょっぴり『戦場のメリークリスマス』風味のバラード『金魚花火』、薄いaikoというか売れ線というか遊び心皆無で真面目なバラード『大好きだよ。』というスマッシュヒットシングル3曲に、タイアップされたアニメ「ブラックジャック」に不似合いなタイトルでありながら、そのタイトルには不似合いなシンプルな純愛バラード『黒毛和牛上塩タン焼735円(アルバムバージョン)』も収録した全11曲。

アルバム曲もキャッチーなガールズロックあり、槇原敬之やKANなんかに通じるような正統派ポップスあり、キュートなテクノポップあり、疾走しまくり暴走しまくり遊園地経由のパンクナンバーあり、ボサノヴァ風ポップスありとバラエティに富んだ曲を聴かせてくれます。どれもシングルカットできるようなキャッチーさがあるのはさすがだね。前作と比べると遊び心が控えめで真面目な曲の割合が増えたことは賛否両論あるかも。ちょっと守りに入ったような印象。個人的にはもっともっと遊んで欲しかったなあ。まだ2枚目でしょ。でも、今作は意外にも『STRAWBERRY JAM』や『ふたつ星記念日』みたいな正統派ポップスが良かったです。
大塚愛

『HAPPY DAYS』
大塚愛のファースト・アルバム『LOVE PUNCH』から、わずか3ヶ月というエイベックスらしいペースでリリースされたシングル。最初に聴いた印象は『さくらんぼ』その2。レコード会社から『さくらんぼ』みたいな曲を作れと言われて作ったような、そんな印象。アップテンポのロック風味で元気いっぱい、『さくらんぼ』の「もう一回!」を彷彿とさせるような「どないやねん!」っていう関西弁ツッコミが登場したり、キュートなサビに野太い男性コーラスが絡んだりと遊び心もいっぱいなポップ・ナンバーです。ボーカルはほとんど全編に拡声器によるエフェクト(hideや椎名林檎がやってたアレね)がかかってて、その辺は好き嫌い分かれそう。宇多田ヒカルとか平井堅とかしか聴かない人にとってはこんなの歌じゃない!とか言われるかもね。ぶっちゃけ歌声自体にはそこまで魅力を感じないし、僕は全然アリだと思うけどね。こういう歌もあっていいじゃない。同じようなR&B風バラードばっかじゃ、つまんないよ。

ただ、今回の『HAPPY DAYS』は『さくらんぼ』レベルまでは届いてないかな。アレンジ先行でいろいろと狙いすぎて逆に安っぽくなってしまったような。楽曲自体は悪くないと思うし、演奏(特にリズム隊)はかっこいい。狙いも面白いと思うんだけどなあ。あと一歩、いや二歩くらい。
大塚愛

『LOVE COOK』
大塚愛の3作目。ごめんなさい。音楽好きな人は大塚愛を嫌う人が多い気がするけど僕は好きなんです。大好きとまでは言わないけど好きなんです。ルックスはどうでもいいです。音楽作品が純粋に好きなんです。

エレクトロニクスとロックの融合、静と動のコントラスト、エモーショナルなメロディ、この作品の1曲目を飾る『5:09a.m.』は『KID A』期のレディオヘッド風味。続く『羽ありたまご』はノスタルジックなアコースティックバラード、3曲目『ビー玉』はチープなキーボードが可愛いポップナンバー、4曲目『SMILY』は思わず笑顔になっちゃうような楽しいポップナンバー、その後も大塚愛流メロコアや壮大なバラード、遊び心いっぱいのニューウェーブ、スカポップナンバーなどなど1曲1曲が個性いっぱいでゴチャマゼポップな感じがとっても楽しいです。

どっかで聴いたことあるようなアレンジが多かったり、打ち込みなんかはもうちょっと深みが欲しかったりするけど、遊び心いっぱい、ゴチャマゼでかつポップなのが好きな僕にはたまらない作品なんです。下手にロキノンのプッシュアーティストを聴くより楽しいです、はい。
大友良英

竹村ノブカズ

『TURNTABLES AND COMPUTERS』
2003年3月29日に六本木のSUPER DELUXEで行われたイベントに出演した大友良英と竹村ノブカズによるデュオの即興ライヴを収録した作品。1トラック46分。大友良英のターンテーブルと、竹村ノブカズのコンピュータによるストイックでスリリングなインプロゼーション。ポップさのかけらもないし、間口はメチャクチャ狭いけど、一度この音響世界に迷い込んでしまうとなかなか外へは出られない。即興ならではの緊張感と、即興とは思えないくらい完成された構成。もう、さすがとしか言いようのない完成度だ。

大友良英ニュー・ジャズ・クインテットやタツヤ・オオエの作品や竹村ノブカズのアブストラクトな作品が好きな人は十分納得できる作品だと思う。ただ、竹村ノブカズの『ソングブック』みたいなポップなものを求めてる人にはちょっと駄目かも。
大西ユカリと新世界

『レッドdeハッスル』
和田アキ子ばりのハスキーボイスで「平成のゴッドネーチャン」とも言われる大西ユカリ率いる大阪の昭和歌謡ユニット、大西ユカリと新世界の歌う近鉄バファローズ応援歌。曲のほうは応援歌ってことでひたすらハイテンション。大阪コテコテ風味。「ドカンと一発!不景気ぶっとばせ〜 フルスイング!いてもたれ!それが猛牛、レッド球団♪」

ニュースでもガンガンにやってるから、みんな知ってると思うけど、大西ユカリの「不景気ぶっとばせ〜」という叫びは届かず、近鉄バファローズは経営難を理由にオリックスブルーウェーブとの合併が決まってしまったんだよね。それで合併承認に反発した選手会は今日(04年9月18日)、それに反発した選手会は今日、日本のプロ野球初となるストを決行。楽しみにしてた試合がなくなって暇になった僕は今これを書いてるわけです。僕はストには断然、賛成なんだけどね。合併とかホントありえない。友達で「合併したら強くなるんやからいいやん」とか言ってる人がいたけど、今のところ合併したチームが残せる選手(プロテクト)の数は28人。1チームあたり、たった14人だよ。主力選手や複数年契約してる選手でそれはほとんど埋まっちゃうだろうし、これから伸びそうな大西や阿部健太あたりの1、5軍レベルの選手はみんな他のチームに持っていかれちゃう可能性が高いんだよ。これまで育ててきたのは何だったの?みたいな。そんなんじゃ一時的に強くなったとしても先が知れてる。てか、それ以前に合併なんてしたら実質は両チームとも消滅するようなもんだからね。ふざけんなよ。どっかのバカがストはファンに対する裏切りとか言ってたけど、合併のほうが遥かに裏切りだから。プレーオフをかけて盛り上がってる中、ストをやっちゃうのは寂しいけど、球団が消滅することよりはずっとマシだね。

僕は球場に行くし、今年もCSで100試合近くは観てて、2軍の試合の放送が昼間にあればビデオに録ってまで観るくらい西武ライオンズが好きなんだけどね、もし西武が合併してなくなってしまうと思うと・・・。実際にスポーツ新聞に「西武とロッテ合併!」って記事が出たときは失恋したときよりも酷いくらいノイローゼっぽくなったしね。ファンにとっては球団が消滅することほどショックなことはないと思う。今回は西武は合併しなかったけど、ライバルだったバファローズやブルーウェーブがなくなっちゃうのは本当に寂しいよ。シーズン中は「なんで岩隈が投げる時はこんなに北川が打つねん!お前ら、ホ○か!」とか「谷はなんであんな球をヒットにするねん!早く家に帰ってヤワラちゃんに寝技でもかけてもらえよ!」とか心の中でヤジってるけど、本当はバファローズもブルーウェーブも好きなんだよね。バファローズもブルーウェーブもあってのライオンズなんだよ。6球団あってのパリーグなんだよ。パリーグあっての日本プロ野球なんだよ。日本プロ野球やってのファンなんだよ。金のことばかりを考えて、ファンの声や気持ちを無視した合併は本当に許せない。音楽界でも金のことばかり考えたレコード会社が消費者の気持ちを無視したCCCDを販売してたけど、状況は少し良くなってきたみたい。(エイベックス:CCCDの採用を弾力化へ、ソニーミュージックも追従の方向[WEB毎日新聞]) 野球界もいい方向に向かうといいんだけどなあ。


おおはた雄一

『すこしの間』
クラムボンの『imagination』ツアーのオープニングアクトを務めていたシンガーソングライター、おおはた雄一のデビュー・アルバム。ちょっと絵本の世界みたいな言葉たちと温かく優しい歌声、そしてスティール・ギターの心に深く染み入る音色。クラムボンのライブの本編でも数曲サポートでギターを弾いてたけど、この人の弾くアルペジオはとっても素敵。温かくて優しくて美しくて深くて淡くて切なくて愛しくて・・・言葉じゃうまく説明できないけど、とにかく素敵なんだ。おおはた雄一みたいにギター1本で弾き語るアーティストは星の数ほどいるけど、ここまで素敵なギターを聴かせてくれる人ってなかなかいないんじゃないかな。

そんな素敵なギターと絡み合う、ちょっとハナレグミの歌声をまろやかにしたような彼の歌声がまた素敵なんだ。そこにほんのり色を添える管楽器の音色もなんともニクイ。心を刺激しまくりだよ。まさに至福だね。なんかね、ドコで何をしてるときでも、おおはた雄一のギターと歌声が聴こえてくると目の前の景色が素敵に見えてくるんだ。この素敵な景色、見てみる価値があるんじゃないかな。
おおはた雄一

『ラグタイム』
おおはた雄一の2作目。とってもあったかいギターの音と歌声は相変わらず。今作ではチェロやフルートやサックスも加わって前作よりもちょっぴりカラフルな物語を作り上げています。クラムボンのミトくんプロデュースの曲もあり。きっとハナレグミとか原田郁子ソロなんかが好きな人にはたまんない作品なんじゃないかなって思います。

それにしても、2曲目の『おだやかな暮らし』が素敵すぎるなあ。ハナレグミの『家族の風景』と並ぶくらいのあったかい名曲。歌声や演奏、メロディはもちろん歌詞が良いんだなあ。「欲しいものは おだやかな暮らし あたりまえの太い根を生やし 好きな人の手のひらがすぐそこにある そんな毎日」。うんうん、これは“そんな毎日”にちょっと近づける、そんな作品。ああ、“そんな毎日”を送りたいなあ。
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岡部洋一

『SATITION』

ROVOやBONDAGE FRUIT等のドラマー、数々のセッション・ドラマーとしても活躍する岡部洋一のソロアルバム。

アフリカン・ビートの曲から、民族っぽい曲、クラブ・ミュージック経由の上モノの曲、鬼怒無月、福岡ユタカが参加したアヴァンギャルドな曲、ROVOの勝井祐二が参加したROVOっぽい曲までバラエティに富んでいます。ブラジリアンギターの神様バーデン・パウエルをして「岡部でなくては」と言わしめただけあって、このグルーブはかなりヤバイです。

まぼろしの世界ファンやROVO好きな人にオススメのカッコいいアルバムです。
岡野弘幹 with 天空オーケストラ

『RAINBOW TRIBE
日本のニューエイジ・ミュージックの先駆者で、「風の楽団」として活躍していた岡野弘幹と、シタール、タブラ、フィドル、ディジュリドゥなどで構成される天空オーケストラによるトライバル・ロック・ユニットの2ndアルバム。

世界中の民族楽器で奏でられる、独特の岡野弘幹 with 天空オーケストラの音楽は、地球のあらゆる民族を経由して宇宙に飛び出している。
限りなくトライバルで限りなくサイケデリック。それでいてメロディは意外とポップだし、ほとんどの曲で歌も入ってるんで、入り込みやすい。
気がついたら完全に岡野弘幹 with 天空オーケストラの世界に入り込んでいます。
民族っぽい歌の曲も、羅針盤なんかを思い出すような“うたもの”フォークっぽい歌の曲もインスト曲も良かった。
個人的にはカナリの傑作。全曲好き。
岡村と卓球

『THE ALBUM』
岡村靖幸と石野卓球という夢のコンビによる最初で最後のアルバム。テクノ、ディスコ、エレクトロクラッシュ、ファンク、ダブなども吸収した80年代ニューウェーブ的トラックと岡村靖幸のセクシーな歌声が妖しく絡まり合う。ダークでディープで硬質、そしてエロな音世界がこれでもか!ってくらいに展開。シングルになったM-9『COME BABY』と数曲を除くとキャッチーさも低く、非常にマニアックで濃い作品になっています。

それなりに出来は良いし、それなりに気持ちいいんだけど、岡村靖幸らしさも石野卓球らしさもあまり感じられないのが残念。なんだか中途半端で、どちらもお互いに遠慮してるんじゃないかなって思ってしまう。“1+1”が“2”じゃなくて、“1,5”くらいになってる印象。個人的にはアルバムの中で最も岡村靖幸色が強く、そこにうまい具合に石野卓球エッセンスが加わったファンク・ナンバーM-3『NEW WAVE BOY』がダントツで良かった。この曲に関しては“1+1”が“4”くらいになってる。その他では、「笑っていいとも」のテーマ曲『ウキウキWATCHING』のキュートなニューウェーブ・カバーが良かったかな。もうちょっと、この曲みたいに、お遊び要素も欲しかったな。

全体的に見ると決して悪くはないんだけど岡村靖幸と石野卓球という組み合わせにしては物足りないなっていうのが正直なところ。


岡村靖幸

『家庭教師』
岡村靖幸、90年の作品。今から13年前。僕はまだ10歳やそこらで岡村靖幸の存在自体知らなかった。もちろん曲を聴いたこともなかった。それから川本真琴やCHARAなど、彼がプロデュースした曲やトリビュート・アルバムは聴いてたんだけど、岡村靖幸本体はちゃんと聴いたことなかった。興味はあったんだけど、なかなか聴く機会がなかった。それが最近、ウチのHPのBBSでこのアルバムを薦められて聴いてみた。今まで聴いてなかったのを後悔。本当に素晴らしい作品だ。

M-1『どぉなっちゃてんだろ』から本当にかっこいい。いきなり名曲だ。アッパーなファンク・ロック。ただただかっこいい。もう「どうなっちゃってんだろ」ってくらいにかっこいい。興奮興奮。興奮が冷めやらないうちに、今度はとてつもなく切ないアルペジオの音色が聴こえてくる。M-2『カルアミルク』は胸をギュッと締め付ける名曲バラード。これがもう本当に良い曲で泣ける。涙涙。てか、この1、2曲目の流れは反則的な連続技。これにやられない人はいないんじゃないかな。M-3『(E)NA』はキャッチーな歌物ファンク。凄くポップなんだけど、アウトロがやたらとカオティック。続くM-4『家庭教師』はますますカオティック。6分間のドロドロ変態ファンク。黒い黒いエロい。一転して、M-5『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』はストリングスも導入した突き抜けるようにキャッチーなポップ・ナンバー。ところどころでノスタルジックな子供の声のコーラスが登場するんだけど、その子供のコーラスとストリングスとアコギのストローク、そして岡村靖幸のフェイクの絡みがグッとくる。これまた名曲。M-6『祈りの季節』はアダルトでなソウルバラード。最近、ヒットチャートじゃ結構ソウルバラードを見かけるけど、あんなのよりもずっとずっとソウルフルでセクシーだ。そして、続くM-7『ビスケットLOVE』では、またしても子供のコーラスを導入してのミディアム・ファンク。M-8『ステップUP↑』は、軽快でポップなファンク・ナンバー。文句なしにかっこいい。最後は切ないバラードM-9『ペンション』。最後にまた、こんなに素敵なバラードを持ってこられたら、もう泣くしかない。

笑ったり踊ったり泣いたり。何回も何回もリピートして聴いている。捨て曲なんてない。全部名曲。まさに名盤だと思う。小沢健二の『LIFE』と張るくらいに名盤。もう13年も前の作品なんだけど全然古臭くないし色あせてない。やっぱり、いい音楽はずっと残るんだなって実感。
岡村靖幸

『ME-IMI』
岡村靖幸、9年ぶりとなるニューアルバムが2004年にリリースされました。ほぼ一人で作詞作曲プロデュ−スをやってる今作はとにかく濃厚。歌もトラックも濃厚。音の作り込みが半端ないです。

個人的にはファンク!ファンク!ファンク!と強烈なファンク3連発の後に絶妙のタイミングでやって来る胸キュンなバラード『ファミリーチャイム』〜原点回帰な青春ポップ『ミラクルジャンプ』までの流れが最高。ただ、最後まで通して聴くとちょっと疲れるかな。音が作り込まれすぎてて、ちょっとクドイというか。もうちょっと曲数が少なくても良かったような気がする・・・とはいえ、9年間のブランクは無駄じゃなかったんだって思わざるを得ない力作に仕上がってます。てか、この毛が抜けまくりな初回盤はどうにかならないもんかね。神経質な人には通常盤をお薦めします。
奥田民生

『29』
ユニコーン解散から1年経った94年。奥田民生はシングル『愛のために』でソロデビュー。この曲はユニコーン時代にも達成できなかったミリオンを達成。次にリリースされたシングル『息子』もスマッシュヒット。そして95年にはこのファースト・アルバムが発売されました。

『息子』はそうでもなかったけどヒットした『愛のために』はユニコーン時代の後期の名曲『与える男』にも通じるシンプルでキャッチーなロックンロールだったんで、聴く前はこのアルバムもキャッチーなロックンロールが満載なのかなって思ってたんだけど、フタを開けてみたら暗いというか渋いロックンロール満載で肩透かしをくらったのを覚えてる。10年経った今聴いてもやっぱり渋いです。『愛のために』はちょっと浮いてる気がしないでもないけど、やっぱり一番好きな曲。7曲目の『愛する人よ』も良いね。あとやっぱり『息子』。奥田民生版『ヘイ・ジュード』って感じのバラードで息子を応援するような内容なんだけど、10年前に聴いたときよりも染み入ってきた。別にまだ息子ができたわけじゃないのにね。年を重ねれば重ねるほど響いてくる曲だと思う。あ、それは『息子』に限ったことじゃないね。このアルバム自体も年を重ねれば重ねるほど響いてくる気がする。
奥田民生

『30』
奥田民生の2枚目のソロアルバム。前作は29歳だったから『29』、今作は30歳になったから『30』。音と一緒でいい感じに力が抜けてます。最近、つじあやののカバーアルバムに収録されてた『結婚しようよ』を聴いて吉田拓郎に興味を持って初めてちゃんと聴いてみたんだけど、なんかこの2人には通じるところがあるような気がした。別にメロディーや歌い方が似てるわけじゃないけど、のんびりした感じや魂の歌、バックグラウンドにビートルズがあるなど共通する部分は多い。この頃の奥田民生を好きな人は吉田拓郎の若かりし頃の作品も聴いてみてはいかが?

音的には特に前作と変わったところはなくて、相変わらずいい感じに力の抜けた渋いロックンロールを聴かせてくれます。アルバム全体で見ると、こっちのほうがよく出来てるかな。シングルになった『コーヒー』は個人的には奥田民生の中でも1、2位を争うくらいの名曲だと思うし、シングル以外の曲も派手さはないけどよく出来てる。全体の流れが凄く良い。ただ無音時間とシークレットトラックが入ってるせいでリピートしにくいのはギモンだ。大ギモンだ。この作品で不満なのはそこくらいかな。いい作品です。
奥田民生

『FAILBOX』
井上陽水とのユニット、井上陽水奥田民生を経て97年にリリースされた6曲入りミニアルバム。ミニアルバムだからか、井上陽水と一緒にやった影響か、PUFFYに曲を提供してた影響か、今作はおちゃらけた感じの曲は皆無。凄く真面目な印象を受ける作品です。派手さはないけど聴けば聴くほど味が出る曲ばかり。

特に1曲目の『カヌー』と3曲目の『野ばら』が素晴らしいです。この頃の奥田民生は歌詞も凄く良いね。『野ばら』なんてラブソングなんだけどなんだけど売れ線ラブソングにありがちなウソ臭さというか、わざとらしさが全然なくて、いい感じに響いてくるんだよね。奥田民生が歌うからこそっていうのもあるかもしれないけど、妙な説得力がある。アイドルと不倫してる人が真面目に『抱きしめたい』なんて歌ってもね。『野ばら』は有線で流れまくってるようなラブソングなんかよりもずとグッとくる。やっぱ今作もいい作品です。
奥田民生

『股旅』
奥田民生、98年発表の3作目。これまではバックを外国人のスタジオミュージシャンが務めてきたんだけど、今作はツアーメンバーのドクター・ストレンジ・ラブが務めています。楽器1つ1つの深みみたいなものは前作までのほうがあるような気がしないでもないけど、ツアーメンバーならではの楽しい感じが伝わってきて凄く心地良いです。今作はそのバンド演奏の心地良さと「旅」について歌った歌詞が、なんだか無性に『さすらい』たい気持ちにさせてくれる作品。僕の中では10曲目に収録されてる『さすらい』は小沢健二の『僕らが旅に出る理由』、くるりの『ハイウェイ』を抑えて「旅に出たくなる曲」第1位です。

『さすらい』の他にもビートルズのパロディみたいな『リー!リー!リー!』や『愛のために』をちょっと彷彿とさせるようなシンプルなロックンロール・ナンバー『恋のかけら』など良い曲が多いです。ただ、最後に収録されてる名曲『イージュー★ライダー』のスロウ・バージョンはちょっとイマイチ。たぶん『さすらい』とちょっとかぶるからこういう形になったんだと思うけどシングル・バージョンのほうが遥かに良いです。シングル。バージョンを聴きたい人は『CAR SONGS OF THE YEAR』に収録されてるんでそちらを。


奥田民生

『GOLD BLEND』
2000年発表の4作目。これまでとは少し雰囲気を変えて、遊び心いっぱいでポップでバラエティに富んだカラフルな作品となっています。これまで以上に力を入れて作りこんだ感じ。そんなこんなでこれまでのソロ作品が好きな人には賛否両論あると思うんだけど、個人的には大好きな作品です。なんていうかユニコーンっぽいんだよね。

タイトル通り荒野を駆け抜けていくようなイメージの『荒野を行く』から、中身ゼロでただただロックンロールしてる『マシマロ』、のびのびと心地良い疾走感で突っ走る『彼が泣く』、ちょっぴり切ないホノボノ・ソング『羊の歩み』、名曲『息子』を思わせるようなシンプルなアコースティック・ナンバー『たったった』、奥田民生にしては異色なアンビエント風のトラックの上で世の中のアホに付いて歌う『ウアホ』、ブルージーなインスト『GOLDENBALL』、歌詞の内容はビフィズス。曲調はお得意のシンプルなフォークロックかと思いきやプログレ的な展開を見せる面白い曲『KING of KIN』、シンプルなミディアム・バラード『イオン』、ヘヴィなロックサウンドとテレビゲーム風の歌詞のコントラストが楽しい『ときめきファンタジー3』、ブルージーなバラード『ふれあい』、シンプルでキャッチーなロックンロール『近未来』、そして最後のスケールの大きいロックバラード『トロフィー』まで、抜かりなし。

やや硬派な前半〜実験性と遊び心に溢れた中盤〜正統派ロックな名曲連発の後半とアルバム全体の流れが秀逸。曲それぞれ、メロディーがポップなのも良い。個人的には、くるりの2作目『図鑑』とイメージがかぶるかな。実験性と遊び心が溢れてるんだけど凄くポップ、それでいてロックしてるところが。こっちのほうが聴きやすい作品ではあると思うけどね。くるりを好きな人やユニコーンは好きだったけど奥田民生のソロはちょっとっていう人も聴いてみるといいかも。お薦めです。
奥田民生

『CAR SONGS OF
THE YEAR』
奥田民生の車に関する曲ばかりを集めた企画アルバム。井上陽水奥田民生の曲、PUFFYやユニコーンの曲のセルフカバー、書き下ろし曲、アルバム未収録だったシングル、ライブ音源などバラエティに富んだ内容です。

これまでのアルバムには収録されてなかった名曲『イージュー★ライダー』が収録されてるのも嬉しいけど、『ガソリンガタリン』や『トランスワールド』、『AND I LOVE CAR』など書き下ろし曲がとってもいい感じです。どれも良いんだけど個人的にはちょっとオアシスを彷彿とさせるような『トランスワールド』が大好き。あとPUFFYに提供した曲のセルフカバーM-9『サーキットの娘』もいい感じ。

企画盤なんだけど、車に関する曲っていうテーマのおかげか、意外と統一感があるし曲順も良かった。僕は免許持ってないけど、たぶんドライブに持っていくといい感じなアルバムです。


奥田民生

『E』
奥田民生、02年発表の5作目。前作『GOLDBLEND』は遊び心いっぱいのアルバムだったんだけど、今作は一転して凄くシンプルでストレートなロックンロール・アルバム。なんていうか多くの人がロックンロールって言葉を聞いて思い浮かべる音をそのまま鳴らしてるような印象の作品。個人的には『GOLDBLEND』は凄く好きな作品だけど、こういう作品のほうが奥田民生っぽいよね。

インタールードっぽい曲を入れると全19曲。同じような曲が結構多いせいで中だるみするような気がしないでもないけど、良い曲がダダダっと並んでます。躍動感のあるロックンロール・ナンバーもいいし、壮大なロックバラードもいい。特に後半のM-16『CUSTOM』〜M-19『ドースル?』の流れが最高です。どれも名曲。ロックンロールが好きな人はその後半の流れだけのために聴いても損しないと思うよ。傑作。
奥田民生

『LIVE SONGS』
奥田民生のソロデビューから2003年に至るまでに行われた、全国各所でのライブ音源から選りすぐったベストテイク・トラックをCD2枚組に収録した作品。全32曲。『愛のために』、『イージュー☆ライダー』、『さすらい』、『マシマロ』などなどシングル曲はほとんど収録。『たばこのみ』、『ワインのばか』、『近未来』などなどアルバムに入ってた名曲たち、さらにはPUFFYに提供した『とくするからだ』や『海へと』のセルフカバーも収録。もうまさにベスト選曲。

テンポを上げた『コーヒー』がメチャクチャかっこいいとか、『103』がアチョー!バージョンで最高だとか、『海へと』のカバーが完璧に民生流ロックンロールになってて、ますます名曲になってるだとか、ジャジーな『ワインのばか』が激渋だとか・・・いちいち、この曲がどうとか言ってたらキリがない。とにかく全編楽しい。これぞ、ロックンロール。曲によっては、ちょっと失敗してるとことかあったりで、もっと良いテイクもあったんじゃないの?って思ったりもするけど、楽しいから問題ない。そんないい加減なところもロックンロール。ロックンロールと言えばやっぱりライブ。今作は名目上はライブ盤なんだけど、普通のベスト盤以上にベスト盤だと思う。
奥田民生

『サウンド・オブ・ミュージック』
ファンやスタッフの努力も実らず、結局CCCDでリリースされた奥田民生のソロ10周年となる2曲入りシングル。ジャケットに曲名やアーティスト名と同じ大きさの文字でCCCDと書いてあるのはCCCDに対する皮肉みたいなものかな?とりあえず、このシングルはDVDやアナログでもリリースされてるんでCCCD買わない派の人は是非そちらを。曲のほうは『マシマロ』に通じるようなシンプルで奥田民生らしいロックンロールでかっこいいです。

だけど、『サウンド・オブ・ミュージック』の歌詞の「どこでも楽しめるぜ たとえばカーステレオ」ってどうなのよ。いや、リリース形態が決まる前に歌詞は出来てただろうから仕方ないのかもしれないけど、これがCCCDでリリースされたのは、どうしても納得がいかないよ。
奥田民生

『LION』
残念なことにCCCDでリリースされちゃったシングル3曲を収録した奥田民生、通産6作目のCDアルバム。なんとかギリギリセーフで普通のCDでリリースされました。これでもうホントに「どこでも楽しめるぜ!」

前々作『GOLD BLEND』が捻くれたロックンロール、前作『E』がポップなロックンロール、そして今作は渋くロックンロール。やっぱりロックンロール。前作ほどのポップさはないけど、聴けば聴くほど味の出るスルメ作品に仕上がっています。相変わらず民生節全開だけど、これまでのどの作品よりも骨太な印象かな。歌だけじゃなくて一つ一つの楽器の存在感が強いんだよね。「奥田民生」というソロ名義だけど、音のほうは完全にバンドしてます。7曲目の『サプリメン』〜『プライマル』〜『サウンド・オブ・ミュージック』あたりが「最高潮のエクスタシー!」 その後に続く10曲目のバラード『フェスティバル』がまたグッとくるいい曲なんだな。M-ONのロックインジャパン・フェスの放送でいっぱい流れてた曲はこの曲です。うん、いいロックンロール作品だ。
奥田民生

『COMP』
奥田民生のフルアルバム『LION』から、たったの半年でリリースされた7曲入りミニアルバム。収録曲の中に『快速ギター』なんていうゴキゲンなロックンロール・ナンバーもあるんだけど、この作品はギターが主役。特別うまいとは言わないけど、いい感じに円熟した痛快ロケンローなギターサウンドがめちゃくちゃかっこいいです。1曲目の『光と影の季節』のギターの躍動感といったらもう!いつもに増して骨太なロックンロール・ナンバーだけじゃなくて、『細胞』や『スタウダマイヤー』みたいなアコギを使ったバラード・ナンバーも哀愁いっぱいでいい感じです。

女子高生が着メロにするようなコマーシャルな曲はないけど、奥田民生にしか鳴らせないロックンロールがギュウギュウに詰まった作品だね。リリース間隔が短いから適当に作ってるんじゃないかっていう心配はご無用。元から、ある意味、適当な人だしね(笑) いやはや、充実のミニアルバムです。
奥村愛子

『いっさいがっさい』
新人女性シンガーソングライター、奥村愛子のデビュー作。どっかで見たキャッチコピーは「昭和ノスタルジー、ごちゃまぜ妄想オシャレ歌謡」。妄想オシャレ歌謡ね・・・。ジャケットなんかのアートワークにしてもそうだけど、なんかあざとい感じ。奥村愛子1人による作曲は1曲だけで、あとはハロプロの童謡ポップス・シリーズなどを手掛ける作編曲家の熊谷憲康や、椎名林檎、矢井田瞳を手掛ける西川進との共作になってるのも、ちょっとアレな感じ。音のほうはジャズ寄りの椎名林檎というか、派手な小島麻由美と言うか、まあ、そんな感じ。あとCCCD。

曲はキャッチーだし、奥村愛子の歌は普通にうまい。金井克子の『他人の関係』のカバーもいい感じ。そしてジャズからスカ、ファンクまで、バックを務めるTHE THRILL、渋さ知らズ、鈴木正人、BLACK BOTTOM BRASS BANDの演奏は当たり前のようにかっこいい。特にM-3『わたしはずるい』での渋さ知らズの力強く混沌とした演奏と奥村愛子の感情的なボーカルとのぶつかり合いは聴き応えあり。どの曲も普通に良いよ。

だけど、思い込みかもしれないけど、なんていうか個人的には「昭和歌謡っぽいのが売れるみたいなんでやってみました」感が凄く感じられて、どうも好きになれない。なんか薄っぺらい。まあでも、最初に書いたキャッチコピーにピン!と来た人はきっと気に入るんじゃないかな。良くも悪くもキャッチコピー通りな感じ。
奥村愛子

『蝶』
奥村愛子の2枚目のミニアルバム。今作のキャッチコピーは前作からちょっと変わって「昭和ノスタルジー、ドキドキおしゃれ歌謡」。まあ、そんな感じです。昭和のキャバレーを思わせるような(行ったことないけどね)、猥雑なジャズ歌謡に小島麻由美〜椎名林檎ラインにある奥村愛子の歌声。タイトルトラックの『蝶』はスパイ映画風味のビックバンド・ジャズに奥村愛子のセクシーな歌声が情熱的に絡み合ってドキドキ。相変わらず曲はキャッチーだし、奥村愛子の歌声は迫力があります。ところで、「おしゃれ」な「歌謡」って何なんだろうね。音をお洒落に感じるのって本能的なもの?いや、結局は昭和歌謡がお洒落だっていうマスコミによる刷り込みだよね。この作品は、その刷り込みにあざとく乗っかったって感じかなあ。

それにしても倉橋ヨエコだとかジムノペディだとか、最近こういう昭和歌謡なのが多い。個人的にはこういうのは食傷ぎみです。昔の曲の複製じゃ面白くないし、それだけでは終わらない何かが欲しい。奥村愛子の場合はビックバンド・ジャズを配した豪華な感じが大きなウリのひとつのような気がするけど、もうプラス1が欲しいところ。


小沢健二

『LIFE』
元フリッパーズギターの小沢健二の2ndソロアルバム。
誰が何と言おうと、これは日本の音楽史に残る名盤。名盤中の名盤。
何百回、何千回も聴いた。
初期のモータウンに通じるような、ストリングスを多用したハッピーでスウィートでソウルフルな作品。
歌も演奏も全部いい。捨て曲なし、全部名曲。全部ハッピー。
スチャダラパーをフィーチャーした『今夜はブギーバッグ』も収録。
94年の作品なんで、最近の若い人は聴いてないかもって思って紹介したんだけど、これは聴いたほうがいいよ。
小沢健二

『刹那』
小沢健二の作品には名曲がいっぱいある。シングルには収録されてるけど、アルバムに収録されてない名曲もいっぱい。『強い気持ち・強い愛』、『戦場のボーイズ・ライフ』、『さよならなんて云えないよ』、『痛快ウキウキ通り』、『流れ星ビバップ』、『夢が夢なら』、『BUDDY』、『ある光』などなど。今作はそんな、これまでのアルバムに未収録の名曲たちを小沢健二自身がセレクトしてリマスタリングした作品。もうシングルは廃盤になってて入手困難だったのもあって、このアルバムの発売が決定したときは嬉しかった。アルバム未収録の名曲たちを全部詰め込んだベスト盤的作品になると思ってた。

ところが、フタを開けてみると収録されているのは、たった9曲で、そのうち1曲はカラオケ。さらに1曲はアルバム『LIFE』にも収録されていた『いちょう並木のセレナーデ』のライブ・バージョン。『戦場のボーイズ・ライフ』も『BUDDY』も『ある光』も入ってない・・・。

最初はその選曲に不満だったんだけど、聴いてるうちに許せるようになった。これはベスト盤じゃなくて、『LIFE』と『球体の奏でる音楽』の間に入るべき、遅れてやってきた小沢健二のひとつの作品だ。収録曲が10曲前後なのは小沢健二のアルバムではいつものことだし、何よりもアルバム全体の流れが凄く良い。最後に収録されている『流星ビバップ』のカラオケも聴く前は、ふざけんなって思ってたけどリプライズみたいな感じで立派なエンディング曲になっている。1曲1曲の完成度はカナリ高いし、彼らしいひとつの作品だ。素晴らしい。彼の天才具合を改めて実感した。

僕も『戦場のボーイズ・ライフ』は個人的に大好きで、また何らかの形でまたリリースして欲しいし、シングルを持ってない人は絶対不満だろうけど、僕はこの作品はこの作品でいいと思う。次は『球体の奏でる音楽』と『ECLECTIC』の間に入るべき、つまり『BUDDY』や『ある光』を収録した作品も聴いてみたい。
小沢健二

『毎日の環境学』
小沢健二の5枚目のアルバムはなんと・・・ボーカルレス。インストになっても小沢健二らしいメロディは健在だし、目を閉じると小沢健二の言葉が浮かんでくる・・・

なんて書きたいところだけど、正直それはなかったです。ラウンジ音楽のようなジャズのような、でも、トータスみたいな雰囲気もあって今の音って感じのインスト。緻密なエディットでよく出来た作品なんだなーっていうのは分かります。聴いてて気持ちいいです。小沢健二の新作だと知らないで聴いたら才能のある人が作った良作だなーって思うと思います。でも・・・でも・・・僕が求めてる小沢健二はこんなのじゃない!!っていうのが正直なところ。
オシリペンペンズ

『猫が見たライブ』
これまでにCD-Rをリリースして一部で圧倒的な人気を誇ってたオシリペンペンズがついに正規CDをリリース。11曲がライブ音源、残り3曲が新録。ライブパフォーマンスがとんでもないバンドなんで映像付きで観たいところだけど、音だけでなんとか我慢。って言っても録音はあまり良くないです。まあ、いい音でオシリペンペンズ聴いても逆に違和感だらけだろうけど。整った音楽やポップな音楽が好きな人、音楽理論がどうのこうのって人にはあまりお薦めできないね。

サウンドはベースレスでスカスカのドラムにへにょへにょのギター、そこに石井モタコの壊れまくり、下手したらキ○ガイなボーカル、クソみたいな歌詞。ポップさが抜けてサイケデリックな銀杏BOYZ??ぶっ飛んでます。よく、あふりらんぽやズイノシンと一緒にされることが多い彼らだけど、共通してるのは関西出身っていうのとライブのぶっ飛びっぷりくらいでサウンド自体は全然違いますよ。
小谷美紗子

『QUARTERNOTE THE BEST OF ODANI MISAKO 1996-2000』
京都出身のシンガー・ソングライター、小谷美紗子のデビューから2000年までのベストアルバム。イースタンユースの二宮友和や元ナンバーガールの田渕ひさ子、SUPER BUTTER DOGの池田貴史と結成したODANI MISAKO TA-TAの作品で彼女の声に叩きのめされて、このソロ名義のベストアルバムを聴いてみたんだけど、やっぱりこの人の声は素晴らしかった。時には優しく、時には激しく、いつも心を揺さぶる歌声。ほとんどの曲がピアノの弾き語りで派手さはないんだけど、内から来るエモーション