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『cai』

界の初音源となるミニアルバム。

ジャズ、ロック、トランスなどの要素を持ったインプロ・バンド。ROVOやPORTなんかに通じるような音なんですけど、この界にはヒップホップを通過した、ポエトリーリーディングのようなボーカルが入っているのが特徴です。

凄くいいんだけどCDの音が小さいのが残念・・・ROVOみたいなアッパーさはないんだけど、なかなかかっこいいんで、その辺の音が好きな人は是非、聴いてみてください。

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『観』
ジャズ、フュージョン、トランス、アブストラクト、ファンク、ヒップホップなどの要素が織り交じるポストロックバンド?界の初のフルアルバム。

ROVOやSOFTなんかにも近い音なんですけどトランス色は薄めでジャズやファンクやヒップホップ色が強いです。DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENなんかに近い印象です。『界』は曲によってはラップのようなポエットリーのような独特のボーカルが入って独特の世界を作っています。このボーカルがこのバンドの特徴であり、武器だと思うんだけど、好き嫌いは大きく分かれちゃうだろうね。

『にらめっこ』
界の2作目。今作はとにかく音の鳴り方が良いです。1つ1つの楽器の音が活き活きしてる感じ。パーカッシブでインプロゼーション的な演奏がグッと魅力を増したような印象だね。クレジットを見るとエンジニアのところに内田直之と益子樹の名前あり。ああ確かに“らしい”音だなあ。もちろん界のメンバーも成長してるんだろうけど、エンジニアの力でこんなにも変わるものなのね。これまでの作品と比べると圧倒的にバックトラックがかっこいいです。

界はどうしても独特の世界観を持ったボーカルに好き嫌いが分かれると思うんだけど、これまでの酔っ払いラップみたいな感じから若干、メロディを歌う感じにシフトしてるんで聴きやすさは増してるかな。これはいい変化だと思う。ダウンタウンでいうと松本人志の作り出す難解な笑いを分かりやすく翻訳する浜田雅功みたいな役目を果たしてるんだよね。界の難解で唯一無二な音世界が伝わってきやすくなってる

『YのFUNK』
界の3曲入りシングル。今作はやたらとアグレッシブかつファンキー。じゃがたらとトーキングヘッズとレッドツェッペリンとジェイムスブラウンが出会ったような音というか、オリエンタルな雰囲気いっぱいに緻密ながらもグルーヴ感満天の音を聴かせてくれます。これまでの作品はどちらかというと頭で聴くって感じが強かったと思うんだけど、今作は考える以前に思わず体が動いちゃう。聴きこむのもいいけど、それより踊りたい作品。

増田光則のリリックも鋭さを増して、ボーカルもこれまで以上にフットワーク軽やかで心地よくなった。リピートしたくなる度は個人的に過去最高です。どんどんカッコよくなってる。これは次のフルアルバムが楽しみだなあ。ザゼンボーイズとかじゃがたらとか好きな人にお薦めです。

カセットコンロス

『カプリソ』
フィッシュマンズのトリビュート盤にも参加していた5人組、カセットコンロスの2作目。なんかこれを書いてる時点では廃盤になってるみたいだけど、大阪のツタヤ戎橋店にはレンタル置いてあったりします。

ポンポコポンって感じで可愛いドラムに軽妙に動き回るベース、小気味良いテナーギターに陽気なホーン隊。そして、少しトボけた感じの人なつっこいボーカル。スカやカリプソを基調としながらも、ちょっとグッとくる等身大の歌詞と素敵なメロディ、味のある歌を前面に出した、暖かくてユルく切ない歌物ポップスになっています。少しトボけたロッキングタイムというか。ハナレグミとか初期フィッシュマンズ好きな人にもお薦めです。真夏の太陽の光とのどかな海、そしてヤシの木。ジャケットのイラストみたいな風景がピッタリの音だね。
勝井祐二

『VIOLIN SOLO』
ROVOやDEMI SEMI QUAVERなどで活躍、UAやYAEのバックでもバイオリンを弾いている勝井祐二の初のソロアルバム。

全4曲、すべてインプロヴィゼーションによる一発録音。レコーディング・エンジニアはROVOの益子樹が担当。彼独特のエレクトリック・バイオリンの音色とエレクトロニクス、そしてノイズが織り成す極寒の音響世界。4つのパートに分かれてるんだけど、それぞれ違う雰囲気で飽きさせない。ひたすら美しい。他の作品での勝井祐二のバイオリンが好きな人は今作も普通に気に入るんじゃないかな。

ただ、ROVOとして演奏しているときや、UAのライブで演奏してるときのほうが、他の音との相乗効果でより素晴らしいかなっていうのが正直なところ。
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割礼

『空中のチョコレート工場』

日本の80年代の伝説のサイケデリック・バンド、割礼の10年ぶりのアルバム。

マイ・ブラッディ・バレンタイン的なフィードバックノイズがサイケデリックでカッコいい。浮遊感漂う、延々と続くギターリフには鳥肌が立つ。こんなバンドが80年代から活動してたとは正直驚いた。MOGWAIやGYBE!なんかが好きな人や、ゆらゆら帝国が好きな人にもいけるんじゃないかと思う。7曲目の14分の大作『HOPE』は大名曲。泣ける。

いいアルバムなんだけど、ちょっとCDの音質が良くないのが残念・・・

金原千恵子

『PARADICE』
ACOや椎名林檎、元ちとせに中島美嘉やMISIA、サザンに井上陽水にパフィにラルクにキリンジに電気グルーヴにキンキキッズに、氣志團やモーニング娘まで、J-POPが好きな人なら誰でも1枚くらいは彼女が参加した作品を持ってそうなくらいに数多くの作品に参加してきたバイオリニスト、金原千恵子の通産3枚目のソロアルバム。

トム&ジョイスやファンタスティック・プラスティック・マシーンも参加、プロデューサーは井出靖ってことでサウンドのほうはクラブ風味。ボッサ経由の爽やかなハウス・トラックに金原千恵子の情熱的で存在感のあるバイオリンがポップに絡み合ってます。他のアーティストの作品に参加したときの金原千恵子はあくまでも脇役だけど、ここでの金原千恵子は主役。とにかく全編に渡ってバイオリンが歌いまくってます。その歌は、そんじょそこらのディーバたちの歌声なんかよりも情緒豊かでソウルフル。クラブ・ミュージックな視点から見ると、まだまだな部分もあると思うけど、とにかくバイオリンのポテンシャルの高さを実感できる作品だね。
カルカヤマコト

『カルカヤマコト』
和製ホレス・アンディー!大阪を中心に活動するシンガー、カルカヤマコトの初音源。

ルーツ・レゲエ、ダブ、ダンスホール、そしてジャズやブルースまでの素敵な演奏に、カルカヤマコトの素敵すぎる歌声が乗る。20歳にして色気タップリ、貫禄すら感じさせるその歌声はまさに「本物」。ベタにボブ・マーリィの『GET UP,STAND UP』や『REDEMPTION SONG』、そしてマーヴィン・ゲイの超名曲『WHAT'S GOIN ON』なんかをカバーしてるんだけど、どの曲も完全に自分のものにしている。そして井上陽水の『嘘つきダイアモンド』もカバー。これが鳥肌もののカッコよさ。歌、演奏、アレンジ、カバーの内容も素晴らしいけど、この選曲もバッチリ。どのカバー曲もホントに最高。巷で氾濫する糞カバーなんて足元にも及ばない。デタミネーションズのメンバーをフィーチャーしたオリジナル曲『LIFE IS ONE WAY』や、プロフェッサーチンネンをフィーチャーしたダンスホール『EVERY』なんかもカッコいい。次はもっとオリジナルが聴きたいな。最近、歌姫的なアーティストはいっぱいいるけど、その中でもカルカヤマコトはカナリいい感じ。EGO-WRAPPIN'好きな人は絶対気に入るはず。お薦め。
カルカヤマコト

『BLACK and BROWNY』
大阪が誇るレゲエ・シンガー、カルカヤマコトの2作目。今作も前作と同様、大阪のレゲエ・バンドのザ・ファンデイションズがトラックとプロデュースを担当。7インチ・シングルでリリースされたM-2『GAL ANTHEM』は本場ジャマイカでエレファントマンなどを手掛けるトップ・プロデューサー、Q45がプロデュース。前作よりもさらにレゲエ色の強い作品になっています。オリジナル曲の質も前作よりもアップしたような印象。

デタミネーションのメンバーが参加したルーツ・レゲエ・ナンバーM-1『YES, YES, YES』からカルカヤマコトのボーカルは絶好調。最高の歌を聴かせてくれます。上述のM-2『GAL ANTHEM』はダンスホール。現地のトップ・プロデューサーが手掛けただけあって文句なしにかっこいい。アルバム・タイトルは“ジャマイカ人”と“日本人”を表してるらしいんだけど、もうここには人種の壁なんてない。

全7曲全編が山場なんだけど、特に秀逸なのは5曲目からラストトラックまでの流れ。M-5『WHAT'S GOIN ON』はもちろん、あのマーヴィン・ゲイの名曲のカバー。前作ではジャジーで渋いアレンジだったんだけど、今回はレゲエ。これからの季節、これはたまらないね。お酒がもれなく5倍くらい美味しくなりそうな名カバー。M-6『YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO』はヘレン・メレルのスタンダードを渋くジャジーにカバー。これがまたいいんだ。名曲に全然顔負けしてない。そして最後のM-7『FAMILY PLAN』はオリジナルの素敵すぎる日本語ラヴァーズ。この流れがもう最高なのよ。ルーツ好きな人もダンスホール好きな人もラヴァーズ好きな人も、レゲエ好きだったら「日本人なんて」とか思わずに聴いてみて欲しいな。


カルメン・マキ&サラマンドラ

『カルメン・マキ&サラマンドラ』
あの『時には母のない子のように』で有名なカルメン・マキの新ユニット、カルメン・マキ&サラマンドラの初音源。サラマンドラのメンバーは、鬼怒無月(g)、勝井祐二(vln)、芳垣安洋(ds)、松永孝義(b)。もうこれだけ書けば演奏はどんな音か想像できる人も多いと思うけど、壮絶な即興的演奏が展開されています。サイケデリックでアバンギャルドでプログレッシブ、そしてダイナミック。彼らの非常にアクの強い演奏にカルメン・マキの歌が絡んでいくんだけど、彼女の歌はそれらに負けないくらいにアクが強い。強烈なアクのぶつかり合い。やばいことになってます。勝井祐二のバイオリンとカルメン・マキの歌のぶつかり合いは聴く価値ありだと思う。

6曲で60分。凄まじいテンションって突っ走るんだけど、意外とキャッチーでスーッと入ってくるのはやっぱり30年以上も歌物をやってきた真の歌姫が真ん中にいるのが大きいのかな。大傑作。サラマンドラのメンバーが好きな人やROVO好きな人は絶対に気に入ると思う。さかなを好きな人にもお薦め。
川上つよしと彼のムードメイカーズ

『MOODMAKERS』
東京スカパラダイスオーケストラのベーシスト、川上つよしを中心に、スカパラのメンバー、LITTLE TEMPOやROCKING TIMEのメンバー、HAKASE-SUNなどで構成されたプロジェクト、川上つよしと彼のムードメイカーズの1stアルバム。エンジニアは内田直之。日本のスカ、レゲエ・シーンの大物が大集合。

その大物達が集まって、ここで奏でられるのは、ゆるくて甘い、そしてプロジェクト名通りに、とびっきりムーディーなロックステディ。ボビー・コールドウェルの「風のシルエット」やホール&オーツの「ワン・オン・ワン」などをカバーしています。基本的にはインストなんだけど、個人的にはボーカル曲が良かったな。スカやロックステディなんて、ジャマイカの伝統的な音で、どうしても外国の人がそれをやると少しインチキっぽくなってしまいがちだと思うんだけど、日本のこの辺の人たちは本場顔負けのサウンドを作っていると思う。まあ、インチキっぽさがあったりするほうが面白かったりもするんだけど。これは普通に良質なロックステディが詰まった作品。まったりまったり。
川上つよしと彼のムードメイカーズ

『MOODMAKER'S MOOD』
川上つよしと彼のムードメイカーズの2ndアルバム。

今作はゲスト・ボーカルに高橋幸宏、古内東子、武田カオリ(TICA)を迎えて、ビート・バカラックからビートルズ、ビーチボーイズ、荒井由実まで幅広くカバー。前作もそうだったけど、やっぱりボーカル曲が良かった。それぞれゲストの持ち味が巧く
川上つよしと彼のムードメイカーズの演奏に溶け込んでいます。特に、古内東子が歌う荒井由実のカバー『きっと言える』、高橋幸宏が歌うビートルズのカバー『SOMETHING』が凄く良かった。

インスト曲も前作より、いい感じ。ビーチボーイズの『PET SOUNDS』も見事に南国テイスト満天のロックステディになってたりして楽しい楽しい。アレンジも今作ではロックステディを中心に、ラテン、ソウル、ジャズなどの要素も加わっていて、より音の幅が広がっています。もう、ただただ心地良い。たまらなく良いです。夏の夕方や夜に浜辺なんかで聴いたら最高だろうな。日本発、
夏にピッタリなロックステディの傑作。前作よりも断然良いです。でも、CCCDなんだな・・・。そこは残念。
川上つよしと彼のムードメイカーズ

『FLOATING MOOD』
夏だ!レゲエだ!ロックステディだ!東京スカパラダイスオーケストラのベーシスト、川上つよしが率いるユニットの7曲入りミニアルバム。前作に引き続き、武田カオリをゲストボーカルに迎えたラヴァーズから、お得意のカバー、ライブ音源、HAKASE-SUNによるリミックスまでミニアルバムならではのバラエティに富んだ内容。

最近、日本にもこういう感じの音が増えてきて、その中で特に何かが秀でてるってこともないんだけど、普通に心地良いです。これがあると夏の楽しさがちょっぴり増すね。寒いときに聴くと常夏気分がちょっぴり味わえるかも。スケッチショウもカバーしていた『THEME FROM A SUMMER PLACE』のロックステディなカバーが特にいい感じです。ライブ音源の2曲は若干、音が悪いのは残念かな。あと、今回もCCCDなのが残念。
川本真琴

『川本真琴』
岡村靖幸のプロデュースによる曲、『愛の才能』でデビューした川本真琴の1stアルバム。

岡村靖幸の関わった曲は『愛の才能』の1曲だけで、あとは彼女の作詞作曲によるもの。まず『愛の才能』は圧倒的に素晴らしい。もろに岡村靖幸って感じのポップで程よく変態な曲に川本真琴独特のロリータ・早口ボーカル。大ヒットした曲なんで詳しく説明はいらないと思う。ただ一言、名曲。

そして彼女が作詞作曲した曲たち。ねじくれたコード進行とメロディ展開、誰にも真似できない早口な歌、散文詩っぽい独特の言語感覚、フォークを基調としながらも様々な音楽の要素をうまくミックスしたアレンジ、凄く
変態的で個性的。『愛の才能』も決して浮いてない。岡村靖幸を呑み込んじゃうくらいの個性が彼女にはある。


『愛の才能』以外の彼女作曲の曲ではやっぱりシングルにもなった『DNA』、『1/2』が素晴らしい。どちらも『愛の才能』に劣るとも勝らない名曲。この名曲3曲以外の曲は正直言って少しクオリティが下がると思うんだけど、この個性はクセになる。個性のないクソ音楽ばかりのヒットチャートの中で、この個性は本当に貴重だったと思う。まさに唯一存ニのガール・ポップ作品。
川本真琴

『GOBBLEDYGOOK』
前作から4年ぶりの川本真琴の2ndアルバム。

前作とはまず川本真琴のルックスからして違う。前作のジャケットでは黒髪で素朴なワンピース姿だったんだけど、今作では金髪で、ちょっとMILK系のロリータっぽい服、ヴィヴィアンの靴を履いている。サウンドのほうも同じように変化している。前作の素朴な感じから、もっと装飾された感じに。前作には無かった、打ち込みや歪んだギター、シタールなどが飛び出す。グランジ、テクノ、ジャズ、ファンク、エレクトロニカ、そしてチンドンまで、様々なジャンルを吸収してるけど、根本は川本真琴。彼女の個性は健在だ。いや、それどころか個性はますます増している。前作以上の壊れっぷり。前作以上の変態っぷり。それでいてポップ。

相変わらずの早口ボーカルにチアーリーディング風のコーラス、そしてギターベイダーによるノイジーなギターサウンドがぶつかり合うM-2『ギミーシェルター』(ちなみにこの曲のシングルにはBOREDOMSのEYEによる圧巻のリミックスも収録)、TAHITI80の『HEARTBEAT』によく似たアコギのリフ(サンプリング?)と『POINT』期のコーネリアスを思わせるようなSE、そこに川本真琴の優しく穏やかな歌が乗って、ただただ心地よいM-4『OCTOPUS THEATER』、前作と同路線上にありながらもストリングスを導入して切なさ50%増しのバラード、M-6『ピカピカ』、このアルバム中唯一、川本真琴以外の作曲、岡村靖幸の変名、磯野栄太郎による作曲の10分以上に渡る壮大なソウル・バラード、M-7『FRAGILE』、元FISHMANSの柏原譲のベースをフィーチャー、どこかFISHMANSを思わせるような、M-8『ドライブしようよ』、前作に近い感じのポップ・ナンバー、M-9『微熱』&M-10『桜』、岡村靖幸も真っ青なファンク・ポップ、M-11『TOKYO EXPLOSION』など良曲揃い。前作のほうがヒットしたみたいだけど、個人的には今作のほうが傑作だと思う。唯一存ニかつ傑作のガール・ポップ作品。
菊地成孔 feat 岩澤瞳

『普通の恋』

2001年、デビュー直前のスパンクハッピーのライブの為に書かれた曲がスタッフやファンの熱意で音源化。名義は菊池成孔 feat 岩澤瞳ということでスパンクハッピー時代の頃とはアレンジが違うらしいんだけど、僕はスパンクハッピー時代の『普通の恋』は聴いたことないんで、そのへんの違いは分からないです。菊池成孔の歌謡ベクトル全開。スティーリー・ダンなんかに通じるようなAOR風の歌謡ポップ・ナンバー。DCPRG勢の安心できる演奏に菊池成孔のスウィートな歌声。そこにキュートな岩澤瞳のコーラスが絡み合う直球ポップ・ナンバー。菊池成孔の関わった作品はちょっと小難しいイメージの曲が多いけど、この『普通の恋』はカラオケに入ってても、さほど不思議じゃないくらいのメジャー感があったり。そのくらい直球ポップ。その辺はDCPRGや東京ザヴィヌルバッハのファンにはちょっと好き嫌いが分かれるかも。ただ、菊池成孔独特の詩世界はここでも健在。「カッターナイフが必要 総てを傷つける為に」なんて歌詞にはちょっとドキッとさせられるけど、チョコレートとカッターナイフを買いに来た2人の普通の恋の物語はなんか素敵な感じ。普通なんだけど素敵な恋。普通なんだけど素敵な曲です。

カップリングの『フロイトと夜桜』はグラムロック風味の歌謡ポップ・ナンバー。こちらも菊池成孔の歌謡ベクトル全開。歌詞はやっぱり菊池節全開。彼独特の詩の世界観や歌謡趣味が好きな人には堪らないシングルだね。

菊地成孔

『DEGUSTATION A JAZZ』
DCPRG(デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン)やスパンクハッピー、東京ザヴィヌルバッハなどで活躍する菊池成孔の初のジャズ・リーダー・アルバム。タイトルの“デギュスタシオン”っていうのは1皿が1口づつというフランス料理の“試食”スタイルのことらしいです。つまり今作はジャズの試食会。デュオ、トリオ、カルテット、アフロ、ブレイクビーツ・ジャズ、フリージャズ、ビッグバンド風、サンバ風、ダブ風、ロック風、DCPRG風、チャールズ・ミンガス風、名曲のカバー、先日リリースされた映画「10ミニッツ・オールダー」のイメージアルバムに収録されてた曲、菊地成孔クインテット・ライブ・ダブのライブ音源・・・全41曲、ありとあらゆるジャズの試食フルコースが味わえます。

岩澤瞳、カヒミ・カリィ、UA、大友良英、芳垣安洋、南博、坪口昌恭、パードン木村などなど、豪華なゲストを迎えての演奏はやはり秀逸。それは、これまで菊池成孔周辺の音を聴いたことある人はゲストの名前を見ただけで想像が付くよね。ひとつひとつの料理が美味美味。でも、問題なのはこのアルバムの1〜2分の短い曲が次から次へと目まぐるしく飛び出すスタイル。このザッピング感覚が楽しめるか楽しめないかで今作の評価が大きく変わってくると思うな。ひとつの料理をじっくり味わいたい人にはちょっと物足りないかも。個人的にはあらゆるスタイルのジャズが次々と飛び出すフリージャズ以上にフリーな展開が凄く新鮮で楽しかったけどね。
氣志團

『1/6 LONELY NIGHT』
古き良き(?)ヤンキー・ルックに身を包み、踊り歌う、木更津出身の6人組ロックバンド、氣志團の1stアルバム。彼らのサウンドはBOOWYやBUCK-TICKを思い出すような、80年代後半から90年代前半にかけてのバンドブームの頃の香りが非常に強いビートロック。曲中に暴走族の音が入ってたり、セリフなんかにヤンキー・テイストは感じられるものの、見た目からは想像が付かないほどストレートなビートロックだ。僕や、それよりもうちょっと上の世代の人には懐かしいサウンドだと思う。曲のクオリティは非常に高い。メロディも凄くキャッチー。アレンジも非常に練りこまれているけど、その辺はプロデューサーである元ユニコーンの阿部義晴の力が大きいのかも。そんな良質な古き良きビートロックを、見た目や曲にヤンキー・テイストを加えることによって、しっかり今の時代に対応できるものにしてしまっている。彼らは頭がいい。

僕が氣志團を好きなのは、そのパロディ精神。ジャケットからして、INU『メシ食うな』だし、曲のほうは歌詞にしてもフレーズ、メロディにしてもパロディだけで成り立ってるんじゃないの?ってくらいにパロディが盛りだくさん。BUCK-TICK、BOOWYから、X、ブランキー、マッチ、小沢健二、THE 虎舞竜、SHO-YA、CHAGE&ASKA、工藤静香、松本明子・・・元ネタを探す作業がホント楽しい。これだけ沢山の要素を盛り込みながらも、めちゃくちゃキャッチーに仕上げてるのが氣志團の凄いところだ。このキャッチーさとヤンキー要素で、元ネタを知らない若い子たちも支持を得てる。やっぱり彼らは頭がいい。

今作は1曲1曲が本当にクオリティが高い。ビートロックを基調としながらも、ジャパメタっぽい曲やアイドル歌謡、感動的なバラードまで、曲の幅も広くてアルバムとしてよくできている。素晴らしいアルバムだ。個人的にこれは名盤かも。いや、冗談とかじゃなくて。
氣志團

『BOY'S COLOR』
氣志團の2ndアルバム。ツアータイトルは「バクチク現象」からの「氣志團現象」だったり、ツアーパンフはジュンスカだったり、グッズがコーネリアスだったり、衣装がヴィヴィアン・ウエストウッドをもじってキシダンウレルトグッドだったり、相変わらずパロディ精神旺盛な彼らの2ndアルバムも当然、パロディがいっぱい。

今作のジャケットはBLONDIEの1stアルバムそのまんま。そしてM-1『ONE NIGHT CARNIVAL』からパロディ満載。工藤静香『MUGOん…色っぽい』なイントロで始まって、後は尾崎豊、B'Z、COMPLEX、アルフィー、チェッカーズなどから引用しまくり。それでいて、めちゃくちゃキャッチー。インディーズ時代からの彼らの代表曲だけど、これは彼らの持つ良い部分をギュッと凝縮した名曲だ。この曲ではディスコビートが取り入れられているけど、今作では他にも、ストリングスも導入した壮大なギターインスト曲があったり、レゲエな曲があったり、アコギ弾き語りな曲があったりと音楽的にもさらに広がりを見せている。前作でも少し感じたけど、今作はますますユニコーンっぽくなった印象。メインボーカルの綾小路翔じゃなく、星グランマニエが歌ってるM-5『330』なんてモロにユニコーンでEBIがボーカルをとってた曲を彷彿とさせるし。


今作はX、ブランキー、薬師丸ひろ子、光ゲンジ、岡村靖幸、ドリカム、細川ふみえ、チョーヨンピル、H JUNGLE with T、ラクリマクリスティ、さらにはドラゴンボールまで前作以上にパロディ精神がいっぱいで、曲調も幅広くなった。凄く楽しいんだけど、メロディの質は全体的に前作に劣るかなっていうのが正直なところ。その結果、せっかくギュウギュウに詰め込まれた沢山の要素が拡散してしまっている気がする。M-1『ONE NIGHT CARNIVAL』は名曲だし、M-4『恋人』、M-8『BOYS BRAVO!』なんかも良いし、インスト曲M-7『朝焼けBANZAI』なんかも好きなんだけどね。アルバムとしては前作のほうがいい出来だと思う。あと、前作は違ったんだけど、今作はCCCD。う〜ん、残念。


氣志團

『TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』
シングル『スウィンギン・ニッポン』が好きすぎて、僕のカラオケの十八番にもなりつつある氣志團の通産3枚目のフルアルバム。前作ではメロディーにちょっと不満があったんだけど、今作はメロディーのほうもバッチリ。僕が氣志團の最大の魅力だと思ってるパロディ精神も前作以上。そして、ジャケ写はあのユニコーンの『服部』のジャケ写のおじいちゃんがリーゼントで登場。何から何まで最高に楽しませてくれます。

氣志團ってただのおちゃらけたコミック・バンドと思ってる人もいっぱいいると思うけど、そんな人はまず6曲目の『PETERPAN EXPRESS』を聴いてみて欲しいな。パッと聴いた感じでは初期ユニコーンを思わせるようなビートロックなんだけど、PELEやTOEなんかに通じるようなエモさと疾走感を持った演奏や間奏でのダブ・アレンジを聴けば氣志團が高い能力を持ってることが分かると思う。この曲以外でもビートロックからハードロック、メタル、メロコア、ロックンロール、ニューウェーブ、プログレ、モータウン、そしてアイドル歌謡など幅広い要素をこれでもかってくらいに詰め込んで、それをとびっきりコミカルにポップに仕上げる氣志團の能力はもうホントに見事としか言いようがないよ。

歌詞もPUFFYやブルーハーツ、スチャダラパー、そして「ジョジョの奇妙な冒険」までパロディ精神いっぱいで楽しいんだけど、曲や演奏のほうではビートルズの『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』、ラモーンズの『電撃バップ』、イエスの『燃える朝焼け』(あの「バッファロー66」で使われてたあの曲)、プライマル・スクリームの『ROCKS』、ディープパープルの『BURN』、X JAPAN、アイアンメイデン、BOOWY、布袋寅泰・・・ロック好きな人はニヤリとするようなパロディがいっぱい。曲の出来もいいし(特にアルバム前半は秀逸)、これは今のところ彼らの最高傑作だと思うな。抜群のエンタテイメント作品。CCCDなことだけが残念。
氣志團

『死無愚流 呼麗苦衝音 +3』
BOOWY・・・じゃなかった、氣志團のベストアルバムです。シングル7曲にビデオシングル3曲を収録したCDとPVを収録したDVDの2枚組。ちょっとベスト盤を出すのが早すぎる気がするけど、これを最後に学ランを脱ぐって噂は本当ですか?なんにせよ、氣志團の魅力はシングルのバカキャッチーな曲と動いてる姿にあると思うんで、シングルとPVが詰まって、ついにCCCD回避した今作はやっぱりお薦めの作品です。

こうやって通して聴いてみると、怒涛のパロディ&つぎはぎの連続と実は豊富な音楽知識、そしてそれをキャッチーにまとめあげるポップセンスに改めて感服するよ。ただのイロモノとあなどるべからず。
氣志團

『愛羅武勇』
氣志團の4作目。相変わらずのヤンキーっぷりとパロディっぷり。氣志團はやっぱライブで楽しむのが一番だと思うけど、アルバム自体も普通によくできたビートロックとして聴けます。BOOWYとかZIGGYとか好きだった人はちょっとグッとくることがあるんじゃないかな。

新しいことにも結構チャレンジしてます。意外と音楽的には真面目なんです、彼らは。ただ、全18曲で約70分は詰め込みすぎじゃないかと。
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キセル

『ニジムタイヨウ』

京都出身、くるりの後輩バンド、キセルのインディーズ1枚目。キセルは辻村兄弟によるデュオ。

サウンドは浮遊感漂う、ゆる〜いフォーク。FISHMANSとさよストの頃のくるりを合わせたような感じ。LABCRYにもちょっと似てるかな。

悪くはないんだけど、なんかコレだ!というものが無いな・・・
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キセル

『ホロホロ』

キセルのインディー2枚目。

とにかくDRY & HEAVYの内田直之がミックスしたM-1『ほろほろ』が良い。めちゃくちゃダビーで現実世界の輪郭がにじんでいく浮世離れした音。最高。M-4『雨音』はくるりの岸田繁プロデュースでミックスは増子樹。岸田のバンジョーも入ったアコースティックな曲でこれまた凄く良い。

それからシンプルなうたものM-2『雪の降る頃』、アコースティックな感触の音響系のインストM-3『日暮里の夜』も良くて充実したマキシ。
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キセル

『夢』

キセルのメジャー1作目にして初のフルアルバム。

今作は全編、内田直之のミックスでダビーな質感。ベースやハイハットの鳴り方が凄く良い。ゆる〜くて時間が止まったような感覚に襲われる。M-5『夜間飛行(落下ダブ・バージョン)』なんて本当にやばい。時間の流れの止まった夜の空をふわふわと飛んでいるような感じでメチャクチャ気持ちいい。

でも、キセルのメロディ自体が今作ではちょっと弱い気がした。もっとメロディが良かったら凄いアルバムになったのにな・・・
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キセル

『近未来』

京都出身のデュオ、キセルの3枚目のアルバム。

ちょっとFISHMANSを思い浮かべるような浮世離れしたようなスローテンポなサイケでダビーな音世界。ノスタルジックな情感が心地よい。聴いていると懐かしいんだけど、どこか新しい不思議な世界、キセル流の「近未来」に連れて行かれる。

全体的に前作よりメロディが良くなっていて、曲の輝きが増している。特に『ギンヤンマ』はどこまでも広がっていくポップな曲で素晴らしい。
キセル

『方舟』
ROVOやASLNの益子樹をプロデューサーに迎えたキセルの3曲入りシングル。夜空のような水の中のような青く不思議な世界が広がるジャケットにしてもそうだけど、今回の曲はどれも、とってもファンタジック。ファンタジックと言っても中世的なファンタジーや近未来的なファンタジーとは違うキセル独特のファンタジー。遠い昔のようで未来のような音。純和風。時間の流れが止まっているみたい。純粋で美しく暖かい。

M-1『方舟』はアコースティックギターからバンジョーや口笛などの暖かい音とエレクトリックな電子音、そして優しく甘い歌声が柔らかく交わる。益子樹の影響か各音のバランスも素晴らしい。ふわっとココロの隙間に入り込んできて、しみじみとココロに残る名曲。M-2『柔らかな丘』も地味ながらも素敵な曲。間奏での柔らかくねじれた電子音と暖かい生楽器と雨や雷との共演部分が凄く好き。M-3『化石生活』はM-1やM-2とは違い、キセルのセルフプロデュースによるインスト・ナンバー。また新しいキセルの世界を見せているんだけど、益子樹プロデュースの曲に比べると電子音や打ち込みの使い方がチープ且つ、ちょっと甘いように感じた。そのチープ感も味があると言えばあるんだけど、個人的には益子樹のプロデュースした音の方が好きかも。


キセル

『窓に地球』
京都出身の兄弟デュオ、キセルの益子樹プロデュースによる通産4枚目の作品。まず、ジャケットがこれまでとはちょっと雰囲気が違う。『夢』や『近未来』での素朴で手作り感のあるファンタジー世界から、今作ではCGを使った都会的で整った感じのファンタジー世界に。音のほうもキセル特有の温かみや浮世離れ感なんかは健在なんだけど、これまでのアコースティックでチープさのあるものから、エレクトロニクスも積極的に導入したクリアな音に変化した。

ちょっと例えが悪いかもしれないけどファミコンからスーパーファミコンに移り変わったような感じ。ドット絵からポリゴンのような劇的な変化はないものの、ドット絵は綺麗になって音数も増え、ファミコンには無かった拡大縮小や透過などの機能も加わった。それによってゲームの表現力は増して、より多くの人に届きやすいものに変化してたように思う。今作でのキセルの音世界も根本は変わってないんだけど、音の質感が綺麗になって音数が増した。表現力も増した。それによって、より多くの人に届きやすい音に変化したように思う。

より多くの人に届きやすいものになったのは素晴らしいことだと思うけど、スーパーファミコンよりもファミコンのチープなドット絵が好きだったりシンプルなゲーム性が好きだって人も結構多いよね。表現力が増したことによって失うものって実は多いと思う。スーパーファミコンでも好きなゲームはいっぱいあるんだけど、スーパーファミコンのアクションゲームよりもファミコン初期のアクションゲームのほうが面白いものがいっぱいあるし、売り上げじゃ負けるけど僕はスーパーファミコンで出た「ファイナルファンタジー4」よりもファミコンで出た3作目のほうがゲーム内容は面白いと思う。ドラクエだってスーパーファミコン以降の作品よりもファミコン時代の作品のほうが好きだ。ちょっと話がズレたけど今作は確実にこれまで以上に多くの人に届きやすい作品だと思う。ただ、そうなったことで失ったものも多い。これまでのファンの中には昔のキセルのほうが良かったなっていう人が結構いるんじゃないかな。

この音の変化の一番の要因は益子樹によるプロデュースかな。これまでも益子樹プロデュース作品はいっぱい聴いたけど今作はかなり益子樹の色が濃い作品のように思う。益子樹のMPC3000をフィーチャーしたM-3『トカゲ走る』のサウンドなんて、同じく益子樹の色が強く出ていると思うスーパーカーの新作『ANSWER』に凄く近い。これまでの益子樹の音が好きか嫌いかでこの作品の好き嫌いは分かれそうな感じ。これまでの内田直之プロデュース作品のダブダブした感じが好きだった人には、ちょっと駄目な作品かもしれないな。

ただ楽曲の出来の良さはこれまでと比べ物にならないくらい良い。温かくて柔らかくてフワフワしてて、ちょっぴり切ないというキセルの良さが凝縮されたようなM-1『柔らかな丘』、辻村豪文の美しく切ないメロディと哀愁漂う歌声が堪能できるM-2『夢の手紙』、これまでのキセルには無かった心地良いグルーヴ感を持ったM-3『トカゲ走る』、キセルにしか出せない不思議なファンタジー世界を構築するM-4『海ねこと定食屋』、ノスタルジックなメロディとミュージカルソウのテルミンみたいなヒュルヒュル音が何とも切なく交わるM-5『砂漠に咲いた花』、ダブ・インストなM-6『金星9号』、シングルにもなっていたM-7『方舟』、伊藤ゴローのアコースティック・ギターもフィーチャーした中期ビートルズを思わせるようなサイケデリック・フォーク・ナンバーM-8『町医者』、管楽器を導入して色鮮やかな新しいキセル・ファンタジーを見せるM-9『鍵の絵』、早足で歩くようなテンポとグルーヴ感が新鮮なダブポップ・ナンバーM-10『エノラ・ゲイ』、勝井祐二のバイオリンとキセルの音世界が絶妙にマッチしたM-11『花の人々』、柔らかく穏やかなフォーク・ナンバーM-12『窓に地球』

捨て曲なし、曲順も良いし、これまでのキセルに捉われずに見ると本当に良く出来た素晴らしい作品だと思う。過去の作品もあれはあれで好きだけど、スーパーファミコンになったキセルも個人的には大好きだな。ビクターってことで今作は残念なことにCCCDだけど、そのことで敬遠すると勿体無いよ。大傑作。
キセル

『タワー』
キセルのベストアルバム。明和電機社長や村上隆、YUKI、柏原譲、しりあがり寿、細野晴臣、佐野史朗など10人のクリエーターが1曲ずつ選曲ってことで、ちょっとサブカル受けを狙ったのかな。てか、まだデビューして4年くらいですよ。ちょっとベストアルバムを出すのが早すぎでは?しかも、1曲入りの新曲シングルとの2枚組という意味不明の形式。まあ、これで2600円は確かに安いけどねえ。

入ってる曲に関しては文句ないですよ、曲順も悪くないです。CCCDだった『窓に地球』に収録されてた曲がやっと普通のCDで聴けます。でも、アルバムしか買ってないファンのためにシングルのカップリングを入れるとかさあ。せめて、この前出たシングル『君と旅』を入れるとかさあ。全曲ダブミックスしてみるとかさあ。正直、新曲『タワー』がそこまで凄い名曲かというとそうでもないし、個人的にはいまいち魅力を感じないベストアルバムです、はい。完全に新規ファン向けですね。キセルに興味あるけど聴いたことないって人は買って損しないと思います。
キセル

『旅』
キセルのセルフプロデュースによる5作目。前作『窓に地球』は個人的には好きな作品なんだけど、プロデューサー、益子樹の色が強く出すぎてたんだよね。つるつるした音の触感。今作は美しいストリングスを導入した曲や女性ボーカルとデュエットした曲、一緒に口ずさみたくなるようなポップなフォーク曲、スペーシーなインスト曲などなど、新しい側面もいっぱい見せてるんだけど、以前のざらりとした音の触感は戻ってきたような印象です。

前作のほうがポップで聴きやすくて一般受けする作品だと思うけど、今作のほうがキセルらしさが出た作品かもしれないね。まあ、セルフプロデュースだから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。並べて語られがちなフィッシュマンズやくるりとはまた違ったキセル独特の世界を旅したい人は是非是非。ふわふわ暖かみのある音にとろけます。
ギターウルフ

『ゴールデンブラック』
ビッグインジャパンならぬ、ビッグイン海外なギターウルフのベスト盤。

ズギャーーーーー!!!!ロケンローーーー!!!ベイベーーーー!!!!!!

って感じですね。典型的なロックンロール、言ってみれば古典芸能なんだけど、海外でそこまでウケてるのは日本語の面白さ?良くも悪くも日本らしくはないと思います。考えさせられるようなメッセージ性も分かりやすいメロディも皆無。爆音ギターとシャウトで突っ走る。これを騒音と取るか、痛快と取るか、聴く人を選ぶ音だとは思います。ただ、ハマったらヤバイよね。熱いよね。ロケンローーーーーー!!!!!!!
木村カエラ

『KAELA』
雑誌「セブンティーン」やバラエティ番組「堂本兄弟」でお馴染みのモデル、木村カエラのデビュー作。エルマロの曾田茂一らをプロデューサーに迎え、、元ハートバザールの鈴木玲史、元マルコシアスバンプの佐藤研二、ブッチャーズの小松正宏などなどが参加した元ピートベストの上総誠一郎などが参加した今作は下北系ギターロック風のアイドルポップがズラリ。なんかロックのファミレスっていう印象だね。メニューは豊富でUKロックもハードロックもメロコアもシューゲイザーもグランジも何でも揃います。それらを手軽で分かりやすい味付けでテーブルに。

僕はこの手のアイドルとは無縁のミュージシャンがプロデュースしましたよ的な作品は嫌いじゃなくて、むしろ好きなんだけど、今作はもう少し作り込んでも良かったんじゃないかって思う。會田茂一が手掛けた2曲は良かったけど、あとはあまりにも手軽すぎるような。曲は悪くないんだけど、演奏とアレンジにもっと力を入れて欲しかったよ。こういう感じの音に挑戦するんだったら特にね。狙ってるところはいいと思うんだけどなあ。次に期待。
木村カエラ

『リルラリルハ』
街やテレビでも流れまくりな木村カエラのサードシングル。作曲はアイゴンこと會田茂一、作詞は木村カエラ本人が手掛けてます。「リルラリルハ」とは「REAL LIFE, REAL HEART」のこと。思わず口づさんでしまうようなキャッチーなメロディに応援系の歌詞、着メロやCMに適した繰り返される短いサビ。こういうのに今の若い子は弱いだろうなあ。

アイゴンにGREAT3の高桑圭、元ミッシェル・ガン・エレファントのクハラカズユキというバックバンドの演奏はギターロック好きやロキノン読者のハートも掴む可能性あり。ミッシェル・ポルナレフの『シェリーに口づけ』、ビージーズの『スピックス・アンド・スペックス』、モンキーズ『モンキーズのテーマ』などなど、奥田民生ばりのオマージュっぷりも楽しいです。よく出来たポップソングだわ。
木村カエラ

『BEAT』
木村カエラの4枚目のシングルは奥田民生プロデュース。これはもうPUFFYが歌っても違和感がないというか奥田民生節全開。曲調も前作『リルラリルハ』のポップな感じから一転、硬派でロックンロールな雰囲気。ギターが奥田民生、ベースがTOKIE、ドラムがクハラカズユキ、キーボードが奥野真哉と今回もバックメンバーは豪華です。

最近の奥田民生のシングルもそうだけど、あんまり商業的な感じではないね。オレンジレンジみたいにすぐにサビに行ったりしないし、メロディもそんなにキャッチーじゃない。これはこれでかっこいいと思うけど、たぶん前作ほどは売れないでしょう。一体これからどういう路線でいくんだろうね。個人的にはtoeの柏倉隆史、スキャフルの4106、アスパラガスの渡辺忍っていうツアーメンバーでエモコアっぽいのをやって欲しいなあ。


木村カエラ

『CIRCLE』
木村カエラの2作目。先行シングルの『YOU』は個人的に2006年に出たシングルで一番好きかもしれないステキなポップロックナンバー。アスパラガスの渡邊忍が手掛けた曲なんだけど、アスパラガスに通じるようなエモーショナルでポップなメロディと凝った曲展開が最高です。アイゴンこと會田茂一による名曲『リルラリルハ』、奥田民生による『BEAT』も収録。アルバム曲もくるりのサポートでもお馴染みの堀江博久、GREAT3の高桑圭、ブッチャーズの吉村秀樹、くるりの岸田繁、クラムボンのミト、元ナンバガの田渕ひさ子などなど豪華すぎる作家陣が手掛けてます。

中でも岸田繁の『DANCING NOW』、ミトくんの『CIRCLE』、田淵ひさ子の『C-HILDREN』はそれぞれのファンも聴いて損しないんじゃないかな。『DANCING NOW』なんてくるりの『NIKKI』収録のどの曲よりも本来のくるりらしい曲だと思うよ。気持ち悪いんだけど凄い気持ちいいロックンロール。『CIRCLE』はクラムボンというよりミトくんらしいエレクトロニカポップ。昔、YUKIちゃんに提供した『惑星の乗れ』よりもエレクトロニカポップだったけど今回は大分、進化してるね。単調なんだけど不思議と心地良い良曲です。『C-HILDREN』はナンバガ好きにもお薦めなギターロック。

木村カエラの歌は普通にいい感じだし、GREAT3、ブッチャーズ、くるり、ナンバガ、クラムボン、あとYUKIちゃんとか好きな人にはたまんない作品なんだじゃないかな。作家陣が濃いのもあって、通して聴いたときにちょっとバラバラな印象も受けたけど、やっぱいい感じのポップロック作品だと思います。
木村カエラ

『MAGIC MUSIC』
木村カエラのニューシングルは知る人ぞ知るギターポップユニット、ライナスオブハリウッド作曲のポップナンバー。ライナス君自身の作品ではもっと60年代フレーバーたっぷりの曲をやってるんだけど、編曲をしてるアイゴンのせいも(おかげも?)あってか、今っぽい、あくまで普遍的なギターロックになってます。

口づさみやすい感じの曲でシングルにはもってこいかもしれないけど、歌詞にしてもアレンジにしても何か薄いかなー。なんだかんだで好きな曲なんだけどね、飽きちゃうのはちょっと早いかも。個人的にはジェリーフィッシュみたいなドリーミーで遊び心の効いたアレンジにして欲しかったなあ。ライナス君のメロディにもよく合う気がする。
清春

『MELLOW』
黒夢→SADSの清春の2枚目のソロアルバム。黒夢の時、ファンクラブにまで入ってた僕だけど、最近の作品はあまりちゃんと聴いてなかったんです。でも、今作は佐藤タイジ、土屋公平、エマーソン北村、あらきゆうこといった豪華なゲスト陣に惹かれて聴いてみました。後期黒夢やSADSみたいなパンキッシュな曲、ステレオタイプなロックンロール曲はほとんど皆無。地味ながらもガッチリとしたプロフェッショナルなバンド演奏をバックに彼の独特すぎるボーカリゼーションを最大限に活かした歌物作品に仕上がっています。彼にしか出来ないセクシーなシャウトが全開。ベタな表現だけど、この作品をジャンル分けするならば「清春」だね。

全体的にダークだし、歌い方も黒夢時代やSADS時代よりもクセが強くて、決してとっつきやすくないけど、たまんない人はたまんない作品だと思います。こういう作品が世の中にもっともっと増えて欲しい。


銀杏BOYZ

『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』
元GOING STEADYのメンバーたちで構成された銀杏BOYZ。彼らの2枚同時でリリースされたデビュー作のうちの1枚です。汚い音でグチャグチャの演奏でガムシャラに「フェラチオ」だとか「殺したい」だとか叫ぶボーカル。このアルバム前半の流れは前バンド時代のミーハーファンをふるい落すためなのかな。それとも、ただの照れ隠し?「君のパパを殺したい」、「僕のあそこがなんだかムズムズするんだ」、「フェラチオ」、「おま○こ」・・・アルバム後半の曲で見られる宮沢賢治的な純粋な歌詞とは一見、正反対のように見えるけど、実は歌われてることは一緒。この作品は「僕は君が好き」、きっとそれがすべてなんです。この過激な歌詞に拒絶反応をしめす人もきっといるだろうし、丸裸の歌詞を恥ずかしく感じる人もいるだろうけど、昔のアイドルじゃないんだから、セックスもオナニーもするわな、みんな。人は誰でも人を愛すわな。この人たちの曲はホントにリアルに心に響いてくる。人間らしい、人間らしさを取り戻させてくれる作品です。青春時代真っ只中の人もいいけど、それよりも青春時代を過ぎてしまった大人たちにこそ聴いてもらいたいな。


銀杏BOYZ

『DOOR』
銀杏BOYZのもう一枚のデビュー作。『君の僕の〜』のレビューでは歌詞のことばかり書いたけど、やっぱり峯田和伸は音楽家やメロディメイカーとしても優れた人だと思うんです。『君と僕の〜』の『トラッシュ』っていう曲でも「WEEZER ピーズ BUZZCOCKS じゃがたら聴いてグリーンデイ」、「森高千里 JELLYFISH スターリン聴いてPIXIES」なんて歌ってるけど、この2枚でも汚い音のガレージロック、ストレートなパンクソング、アコギの弾き語り、シンプルなギターロック、陽水風のフォークロックなどなど色んな音楽に挑戦してて、そのどんなタイプの曲でもメロディのポップセンスがキラリと光ってるんだよね。ところどころにTHE JAMやPIXIESなんかの曲のギターフレーズを盛り込んでたりして、そういう音楽的な遊び心もニクイ。『君と僕の〜』に収録されてるYUKIがゲストボーカルで参加した『駆け抜けて性春』なんかを聴くと、彼のプロデュース能力が優れてることもよく分かる。YUKIの歌声自体も凄いんだけど、その歌声の使い方が絶妙なんだよね。ヤバイよ、これ。鳥肌立ちまくり。

デビュー作2枚を比較すると、こちらのほうがアルバムとしてのまとまりがあるかな。でも、『君と僕の〜』も『トラッシュ』、『駆け抜けて青性春』、『若者たち』、『青春時代』、『東京』など1曲1曲のパワーが凄いし、どちらをお薦めしたらいいか分かんないな。うーん・・・リリースは別々だけど2つで1つ、実質的には2枚組みたいなものだと思うんで、両方の作品を聴くのがやっぱり一番だと思います。
□□□

『□□□』
WEATHERレーベルからリリースされた三浦康嗣と南波一海の2人組ユニット、□□□のファーストアルバム。ちなみに□□□は“クチロロ”って読みます。この人達、くるり主催のレーベル、ノイズマッカトニーのコンピ盤にも参加してたんだけど、とにかく音楽のスタイルが多彩。多彩さは、くるり以上かも。

コーネリアスの『POINT』以降の歌物から、ディストーションギターが暴れまくるロッキンなインスト、はっぴいえんど直系のアコースティックな歌物、小沢健二再び!なソウルポップ、PREFUSE73以降なヒップでホップなハウス・インスト、まんまエイフェックスツインなドリルンベース、ピアノ弾き語りの切ないバラード、10分に及ぶトータス〜モグワイ経由のポストロック、ドリーミーなローファイポップ、ノンビートのアンビエントまで1曲1曲ごとに全然違うサウンドが飛び出してきます。ロックやテクノ、エレクトロニカにヒップホップ、さまざまなジャンルを吸収してポップに昇華!って感じのバンドは割とよく見かけるようになったけど、1曲1曲がここまで違うのは珍しいね。彼らのことを知らない人に聴かせたら、ほとんど人はコンピ盤だと勘違いしそう。そのくらいにバラバラ。

ここまでバラバラだと節操がないとか言う人もいるかもしれないけど、1つ1つがよく出来てるし、全編に渡って独特のポップ感が貫かれてるおかげか、不思議とアルバムとしての統一感もあるんだよね。その辺はミックスを担当した益子樹の力も大きいかもしれない。とにかくJ-POPからロック、エレクトロニカやヒップホップなど幅広く音楽を聴く人にはお薦めの作品です。こういうMIXED BAG(ごちゃ混ぜ)でポップな作品って大好き。
□□□

『朝の光/渚のシンデレレラ』
クチロロの19曲入りシングル!まあ、19曲といってもそのうち16曲はワンフレーズのみなんだけどね。まあ、その話は後でするとして、まず1曲目の『朝の光』。4つ打ちのキラキラしたソウルポップでなかなか素敵です。『LIFE』の頃の小沢健二のハッピーなソウルポップを『ワールズエンド・スーパーノヴァ』以降の気分でアレンジしたらこうなるかな。途中にセリフがあったりするところも小沢健二っぽいなあ。2曲目の『渚のシンデレラ』は女性ボーカルが前面に出たポップナンバー。こっちも『LIFE』の頃の小沢健二ぽっかったり。

で、「クチロロのワンダーランド」と名付けられた16曲。こちらはソウル、ポップス、フォーク、メタル、ボッサ、牧歌、エレクトロ、ガレージ・・・色んなタイプの曲が次々、飛び出す飛び出す!本当はフルサイズもあってアルバムの予告編みたいな感じなんだろうけど、これはこれでクチロロのごちゃ混ぜな感じが出てて楽しいです。お得感いっぱいのシングル。ただ、全体的にどこかで聴いたことあるような曲が多いなあ。まあ、こんだけ幅広い曲が出来るのはクチロロの個性です。
□□□

『FANFARE』
クチロロの2作目。いろんな音楽の要素がポップに詰まった作品っていうのは同じだけど、前作ほどのバラエティ豊か&ゴチャマゼ感はなくて、ソウルフルでポップな歌物でまとまった作品になってます。エレクトロニカを経由した最新系のヒップホップナンバーが違和感なく混じってたりするけど、基本は小沢健二やビートルズ直系の歌物。女性ボーカルの曲もあり。男性ボーカルは意識してるのか歌い方や声が小沢健二に似てます。

カラオケで歌いたくなるような口づさみやすくてポップでハッピーな曲が多いなあ。弾き語りでも光るような単純に良い曲が多い。くるりのポップな曲が好きな人、『LIFE』の頃の小沢健二が好きな人はきっと気に入るんじゃないかな。個人的には音がキンキンしすぎというか、もう少し丸くて暖かみのある音のほうが良かったけど、キラリと光るものを持ってると思います。
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『20世紀アブストラクト』
クチロロのデビュー前の音源・・・20世紀に録音された曲たちらしいです。1作目のアルバムでポップな歌物の中に唐突にPREFUSE73みたいなヒップホップ経由のハウスナンバーが飛び出してきて驚いたけど、むしろこっちが本質だったのかな?全編インストで、PREFUSE73を思わせるような壊れぎみビートにカット&ペーストされた上ものがヒップに弾むブレイクビーツ集になってます。

実験的なのに適度にポップで、遊園地みたいな楽しさもあって、かつ踊れる。PREFUSE73の1作目のリリースが2001年だよ?ちょっと凄くない?才能のある人、素晴らしい音楽はどこに眠ってるか分からないもんです。まあ、今更、これが20世紀に録った音です、先行ってるでしょ?っていうのもちょっとずるい気がするけども。
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クラムボン

『くじらむぼん』

クラムボンのインディー盤。今、聴いても素敵な感じ。

M-1『パンと蜜をめしあがれ』は『JP』のバージョンと比べるとテンポが速いです。若い。M-2『ちいさなふたりのかくれんぼ』は変わったシンセが入ってニューウェーブっぽい可愛い曲。M-3『華香る』はミトくんのマンドリンのストロークやパーカッションの入った、ちょっと民族っぽさも感じるハッピーな曲。この曲はめちゃくちゃ好き。M-4『穴の中』は5拍子の曲。ウッドベースがいい感じ。アレンジがかっこいい。M-5『ゆれるゆれる』はスロウテンポで打ち込みっぽいリズムの曲。面白い音がいっぱい入っている。アウトロがめちゃくちゃカッコいい。この曲も大好き。

とてもインディーズ時代の作品とは思えないくらいクオリティの高い作品です。

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クラムボン

『JP』

クラムボンのメジャーデビューにして1stフルアルバム。ピアノ、ベース、ドラムのシンプルでグルーヴィーな演奏にちょっと矢野顕子を思わせるような原田郁子のボーカルというスタイル。ジャズ・ベースのとびっきりポップな作品。原田郁子のボーカルもテクニカルな演奏もメロディもちょっとひねくれたアレンジも凄く良い。

内容は『はなればなれ』、『タイムリミット』、『パンと蜜をめしあがれ』みたいなポップな曲もあれば、『ORENZI』、『GLAMMBON』みたいな激しめな曲、『波は』みたいなサイケな曲もあってバラエティに富んでいます。本当に名曲だらけ、捨て曲なしで名盤。ポップな音が好きな人は騙されたと思って聴いてみて欲しいな。ジャズ好きな人も。個人的には日本のバンドではクラムボンがダントツで好きだし、最高のバンドだと思ってます。

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クラムボン

『苦楽無凡』

『JP』収録の3曲をダブ風にアレンジし、限定3000枚発売されたアナログ版。

『はなればなれ』、『パンと蜜をめしあがれ』、『トレモロ』がダブ・アレンジされてるんだけど、どれも原曲より好き。凄く良い。特に『トレモロ』が8分の大作になっていて、めちゃくちゃ良い。

限定盤だったので現在は入手困難。僕はしっかり持ってるんだけど傷を付けてしまって音飛びしちゃうんだよね・・・。早めにCD-Rに焼いとけば良かった。ネットオークションでたまに見かけるけど結構高い・・・

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クラムボン

『まちわび まちさび』

クラムボンの2ndアルバム。雰囲気は前作より落ち着いた印象。

M-1『ドギー&マギー』は勢いのあるポップな曲。M-2『君は僕のもの』は切ない名曲。間奏のノイジーなベースがカッコいい。M-3『まちわび まちさび』は歪ませたピアノの激しい曲。間奏が好き。M-4『月食』も切ない曲。ドラムと間奏、曲の最後のキメがめちゃくちゃカッコいい。この曲は大好き。M-5『大貧民』は電子音とかが入って、ちょっとニューウェーブっぽい曲。かわいい曲なんだけど最後にノイズが入って面白い。M-6『シカゴ(病み上がり)』はシングル・バージョンとは全く違ってスロウテンポ。M-7『ミラーボール』も切ない曲。イントロのフレーズから泣ける。M-8『246』も凄く切ない曲。アウトロが凄く好き。M-9『EPIC』はアップテンポでポジティブな曲。M-10『090』は口笛も入る素朴な曲。とってもいい歌。

パッと聴いた印象は前作のほうが良いかもしれないけど、聴けば聴くほど染み入る名曲でいっぱいの作品です。曲や歌がいいだけじゃなく、演奏も凄く良くてイントロ、間奏、アウトロなんかもホントにカッコいいんだよね。歌物が好きな人は騙されたと思って聴いてみて欲しいな。今作も名盤です、ホント。これは是非聴いとくべき。

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クラムボン

『ドラマチック』

これまでジャズ、歌謡曲的なアプローチをしてきたクラムボンが広がりを持ち始めたアルバム。題名通りドラマチック。大空を突き抜けるような『サラウンド』、祝福に満ちた『心象21』、切なさ全開な『恋わずらい』、シンプルな弾き語りで行くと思わせて後半ドラマチックな展開を見せる『モノクローム』涙涙の大名曲『便箋歌』、そして静と動。ドラマチックな大作、個人的には2001年NO1の名曲『ララバイ サラバイ』、余韻を残して終わる『ドラマチック』。『残暑』からアルバムラストまでの怒涛の展開は凄まじいです。歌も詩も演奏も曲も本当に素晴らしいです。ちょっとプロデューサーの亀田誠治色が鼻につくところもあるけど、名曲がいっぱい詰まっています。賛否両論ある作品だと思うけど個人的にはファーストやセカンドと同じくらい好きな作品かな。2001年、最も聴いた1枚。ベースのミトくんはやっぱ凄いや。僕が最も尊敬するミュージシャンの一人です。

そしてクラムボンのライブはもっと凄い。圧倒的な演奏力とライブアレンジでCDを遥かに越えた音を体験できます。クラムボンのCDを気に入った人は是非、ライブに行くことをお薦めします。

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クラムボン

『cjammbon』

クラムボンのライブ会場で配布されたCD-R。ライブのSEとして使われたジャムセッションを収録したものです。ジャズや民族音楽、現代音楽、シカゴ音響派などを通過した1時間近くの即興演奏で、クラムボンのポップな側面ばかりを見てる人にはちょっと辛い内容かも。

だけど、クオリティは決して低くないです。ミニマルなパーカッションに壊れたピアノ、奇妙なシンセ、民族っぽい声、ノイズが重なり合い、50分間、静かにゆっくりと世界旅行していく1曲目もその辺のジャム・バンドにヒケをとらないと思うし、ピアノとドラム、ノイズ・ギターだけで『ドラマチック』に収録の『ララバイサラバイ』みたくドラマチックかつダイナミックに展開していく2曲目が素晴らしい。音質が悪いのは残念だけど、まあ、仕方ないね。

やっぱりクラムボンはその辺のただのポップバンドとは違うね。それを再確認できる作品だと思う。

cjammbon 2001 クラムボン

『cjammbon2001』
クラムボンのライブ会場で配布されたCD-R、クジャムボンの2001年版です。約1時間、時にはミニマルに、時には激しく、時には優しく、時にはオリエンタルに、時にはトライバルに、時にはスペーシーに、音響〜エレクトロニカ〜トランス〜テクノ〜ジャズ〜ロックと目まぐるしく展開。ポップなエッセンスこそ注ぎ込まれてないけれど、クラムボンのサウンドの1つの原点はココにあるって感じだね。

ちなみにクラムボンは外国のジャム・バンドが行っているようなテープツリーをやっています。ライブで本編の他にジャムセッションを行い、その部分は録音がOKで、録音したものを通してファン通しで交流を行おうというものです(金銭的取引はもちろんNG)。何度かジャムセッションを生で観たけど、やっぱり素晴らしいジャムセッション。テープツリーはとても素晴らしい企画だと思うんで是非、成功し定着してもらいたいな。
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クラムボン

『RE-CLAMMBON』

仲間ミュージシャンを集めて、過去の曲をリアレンジした曲を集めたアルバム。

『Re-雲ゆき』はリトル・クリーチャーズの栗原さん、ポート・オブ・ノーツの小島さんが参加でアコースティックな感じ。『Re-サラウンド』はスモーガスのアイニ、皆川真人が参加でシンプルなアレンジ。『Re-華香る』はBBB、ASA-CHANGが参加で、より華やかでハッピーな感じに。『Re-パン蜜』は高野寛参加でダビーに。『Re-モザイク』はROVOの勝井祐二や田渕ひさ子参加でちょっとROVOっぽく。『Re-はなればなれ』はTOKU参加で大人っぽくダビーに。『Re-トレモロ』はビッケとPOLARISのオオヤユウスケが参加。ビッケの言葉が入って凄く良くなった。『Re-残暑』はASA-CHANGと皆川真人参加で疾走するトランシーな曲に。『Re-タイムリミット』はHUSKING BEEの磯野さんが参加して優しくアコースティックな感じになった。

個人的には『Re-華香る』、『Re-パン蜜』、『Re-モザイク』、『Re-トレモロ』、『Re-タイムリミット』が良かった。そして『Re-残暑』がめちゃくちゃ良い。『Re-残暑』だけでも買う価値があります。全体的に良いんだけど、ライブでやってるアレンジのほうがもっと素晴らしい曲もいっぱいある。クラムボンの曲はライブでどんどん成長していくんで、このアルバムの続編みたいな作品はまた出して欲しいな。

ちなみにこのアルバムは裏ジャケットが2枚入ってて模様替えできるという遊び心のある仕掛けがあります。持っている人は是非、裏ジャケットのところを開けてみてください。

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クラムボン

『id』

MICE PARADEのアダム・ピアーズ、IVYのアンディ・チェイスと共同プロデュースによるアルバム。全体的に前作のキンキン感がなくなって、柔らかい音になった。ライブやジャム・セッションの成果の出た本当に素晴らしいアルバムになっている。

M-1の愛の溢れる『id』から名曲。とてつもなく優しいミディアム・ナンバー。M-2『雨』ではチャイルディスクのYABEMILKが参加。雨の音&エレクトロニカなトラックに、どこか昔の日本を感じる歌が乗って、ただただ美しい。M-3『adolescence』ではガットギターを用いた、ちょっとPELEっぽい疾走感のあるトラックに切ないメロディの歌が絡む。ここまでギターが前に出た曲はクラムボンではたぶん初で、初めは凄い違和感があったんだけど、聴き込むといい感じ。春の風をあびてるみたいに心地よい。M-4『海の情景』は一転、ピアノ、ベース、ドラム、ボーカルによるシンプルな曲。坂口大學の詩に曲をつけている。M-5『eel restaurant』はセッションをPRO TOOLSで編集して倍音ズのAYAYAがタブラなどを加えた曲。カッコいいんだけどライブでのセッションを聴いてるとクラムボンはもっと凄いものが作れると思う。M-6『ロッククライミング』は12弦ギターとオルガンが印象的なサイケな曲。『華香る』の進化形。M-7『くちぶえ』は全編英詩、童謡のようなメロディの大作。曲が進むにつれて盛り上がっていくアレンジがいい。M-8『小渕沢』はセッションから生まれた美しいインスト。めちゃくちゃ気持ちいい。M-9『charm point』は切なく疾走感のあるクラムボン流ロック・ナンバー。この作品中では最も『ドラマチック』に近いサウンドかな。クラムボン・ファンの人にはこういう曲はあまり評判良くないような気がするけど、僕はこういう曲も凄く良い。M-10『道』はバンジョーを用いた曲。突き抜けるようなメロディ。曲の途中で4つ打ちが登場したりしてアレンジがカッコいい。クラムボン1踊れる名曲。M-11『ハレルヤ』はMorr MusicのMANUALが参加した曲。クラムボンとMANUAL、お互いがうまく作用して感動的な名曲になっている。個人的には2002年トップクラスの名曲。M-12『コントラスト』はシンプルで感動的な曲。「すばらしいことだ あぁなんて すばらしいことだ」

全体的に音が凄く優しい。ノイズの入った曲もあるんだけど凄く優しい肌触りの作品です。聴けば聴くほど胸にスーッと染み入る。前作と比べると一般受けはしないかもしれないけど、本当に素晴らしい曲が詰まった作品です。ポストロックやエレクトロニカ好きで普段は歌物を聴かないって人にも是非聴いてもらいたい作品。アミイゴコイケのイラストのジャケットも良くて、これまた名盤。

cjammbon 2003 クラムボン

『cjammbon 2003』
クジャムボンの2003年版。これまでの2枚は1時間近くある長いトラックが収録されてたんだけど、今回は10分程度のコンパクトなジャムセッションを9曲収録。『id』はジャムセッションから曲を作っていったみたいなんだけど、『id』収録曲の原点みたいな曲も何曲か収録されてます。『id』ツアーの最後に流れてたあの曲も。

これまでの音響寄りのクジャムボンと比べて、今回はピアノとドラムとベース、ギターがメインのバンド・サウンドが多いのが印象的かな。『id』に収録されてても違和感のない感じというか、MICE PARADEなんかに通じる感じ。完成度高いです。これでお金を取ってもおかしくないくらいに。下手なポストロック系の作品を聴くよりずっと良いよ。僕なんか、これまでのクジャムボンはそこまで聴き込んでないけど、これは『id』と同じくらい聴き込んでたり。ミトくんの幅広い音楽センスと高いテクニック、クラムボンのサウンドの核である郁子ちゃんのピアノ、そして、2人の影に隠れがちだけど、いつも素敵すぎる大助くんのドラム。やっぱりクラムボンはいいバンドだわ。
クラムボン

『BEST』
僕は色々音楽を聴くけど、その中で1番好きなのはクラムボンだ。で、レコード会社移籍を機にベスト盤を発売。

未発表曲はなし(M-4『シカゴ』はアルバムには未収録)で僕は持ってる曲ばかりだったけど改めて、このベスト盤を聴くとクラムボンの音楽の移り変わりが見れて面白かった。音楽性を段々変えながらも、つねに素晴らしい作品を作り続けてきたクラムボンはやっぱり凄いと思う。

選曲のほうは無難な感じでクラムボン入門編にはピッタリだと思うけど、個人的には、『便箋歌』は『ドラマチック』っていうアルバムの中でM-8『モノクローム』〜M-11『ドラマチック』までの流れの中で聴いて欲しいなって思ったり、『id』からは『adolescence』より『道』なんかを入れたほうが良かったんじゃって思ったり、他にも入れて欲しかった曲がいっぱいあったり・・・これを聴いてクラムボンが気に入った人は是非是非オリジナル・アルバムを聴いて欲しいな。どれも本当にいいアルバム。オリジナル・アルバムはこのベスト盤以上に良いと思う。どのアルバムもベスト・アルバム。このアルバムの聴きどころをあえてあげるとしたら『シカゴ』かなあ。これまでのオリジナルアルバムには入ってないけど、クラムボンを象徴する、いいところが全部詰まった名曲だと思います。

ちなみに初回盤には今までのPV全部、全12曲が入ったDVDが付属。もうなかなか売ってないかもしれないけど見つけた人は400円くらいしか変わらないし、そっちを買うことをお薦めします。
クラムボン

『imagination』
クラムボン、レコード会社をコロムビアに移しての第1弾。小渕沢での合宿によって、ほぼ3人だけで作られた作品。前々作は亀田誠二、前作はアンディ・チェイスアダム・ピアーズにプロデュースしてもらってたけど、今作は久々のセルフプロデュース。『ドラマチック』や『id』での外部のプロデューサーとのコラボレートや『re-clammbon』での様々なミュージシャンとのコラボレート、そして小渕沢でのセッションなどを経験して、より進化したクラムボンの音がダイレクトに収められた作品。

M-1『いってらっしゃい』は、前作収録の『小渕沢』に通じるような美しいインスト・ナンバー。現実離れした音で「imagination」=「想像」の世界に連れて行かれる。辿り着いたのは誰もいない海。「波間で今日も揺れながら旅はまだ続く 雲間から光がさしたら旅はまた始まる」M-2『imagination』は旅の始まりを告げる曲。前作の『adolescence』に通じるような曲なんだけど、音の配置や音色、曲構成など明らかに前作より進化したクラムボンの音が響いてくる。続くM-3『tourist on the 未来'n』は前々作『ドラマチック』のような突き抜けたポップ感と前作『id』の落ち着いたポップ感を繋ぐようなポップ・ナンバー。「メッセージつなぐ 過去と未来 変わる世界 つなぐ」って歌ってるのは偶然かな。クラムボンの過去と未来、変わる世界をつなぐ曲だと思う。M-4『メロウトロン』は雪の結晶を思わせるような音像のとても美しい曲。演奏、音色、歌、詩、すべてが切ない。そしてM-5『Y・S・G・R』はCINEMA DUB MONKSの曽我大穂のブルースハープをフィーチャーしたクラムボン流ブルース。クラムボンの演奏力、アレンジ能力にただただ驚かされる曲。M-6『意味はない』はダブも取り入れたニューウェーブ・テイストのポストパンク風ナンバー。どんな音を取り入れても完全にクラムボンらしい音になってるのはさすが。M-7『タイムロス』は疾走感溢れるポストロックなセッション音源にミトくんのBIKKEに通じるようなポエットリーディングが乗る曲。BIKKEに通じるって言っても決してNATHALIE WISEっぽいわけじゃなくて、これまた完全にクラムボンにしかできない音になっている。気持ちよすぎ。一転、M-8『こだま』は郁子ちゃんの作詞作曲による、これ以上ないくらいにシンプルな“うたもの”。M-9『5716』も同じく郁子ちゃん作詞作曲なんだけど、こちらはグリッチやクリックを用いたエレクトロニカ・テイストの曲。「星が散らばってゆく」瞬間を音にしたような切なくも美しい曲。そして、続くM-10『FOLKLORE』はこのアルバムのハイライト。いらない飾りをなくしたシンプルなポップ・ナンバー。なんかグッとくる。そして、小渕沢 星と虹teamによるコーラスで拍車をかけたようにグッとくる。この曲に辿り着くまでの様々な音楽要素を取り入れた実験的な曲があるから、こういう曲が響いてくるし、こういう曲があるからこそ実験的な曲も響いてくる。これはホント名曲。生で聴いたら絶対泣いちゃいそう。そしてM-11『DON'T YOU KNOW』は英詩による普遍的なメロディで普遍的なアレンジの普遍的な名曲。きっと僕は10年後もこの曲を聴いてると思う。それくらい普遍的な名曲。そして最後、M-12『おかえりなさい』で現実の世界に連れ戻される。素敵な夢を見ていたような気分。素敵な音旅行。本当にいいアルバムだ。

クラムボンのライブに行ったり、いろんな掲示板なんかでファンの声を見ててよく感じることなんだけど、クラムボンって、歌しか聴いてないようなライトな音楽ファンにはちょっと小難しそうに思われたり、コアな音楽ファンにはただのお子様向けのポップスみたいに思われてたりで、敬遠されてることが多い気がする。だけど、彼らはライトな音楽ファンとコアな音楽ファン、そのどちらにも十分アピールできる数少ないバンドのうちのひとつだと僕は思う。純粋に素晴らしい音楽だ。もし、変な既成概念を持ってる人がいたら、それを捨て去って是非是非、クラムボンの音を聴いてみて欲しいな。こんなに素晴らしいバンドって世界中探しても、そういないから。
cjammbon 2004 クラムボン

『cjammbon 2004』
毎年恒例になりつつあるクジャムボンの2004年版です。『imagination』ツアーで配布。

『imagination』の1曲目のSE『いってらっしゃい』は本当はもっと長い曲で、その一部分だけを抜き出したみたいなことをメンバーが言ってたけど、ココに収録されてるのが、もともとの曲かな。1トラックで約38分。最初の20分くらいは電子音によるノイズだけでミニマルにスカスカに展開。次第に音が増えていって後半はピアノとギターとドラムでシンプルに美しく。決して万人受けするような音ではないし、クラムボン好きな人の内の何パーセントの人のココロに響くのか分からないけど、なんか、これを聴いたら自分の中で『imagination』の世界がポワーッと広がったよ。クラムボンあってのクジャムボンで、クジャムボンあってのクラムボン。2つの名義での活動を通して、ますます3人の世界が広がっていってる。クラムボン名義での活動はもちろん、これからのクジャムボン名義での活動も楽しみだね。


クラムボン

『てん、』
クラムボンの6作目。モノラル音源と益子樹によるスタジオ・ミックスの2枚組。最近はジャムセッションから曲作りをしたり、クジャムボン名義でトータスの前座も務めたりと、ジャムバンド化してきたクラムボンだけど、今作はますますジャムバンド然としてきたような印象かな。いつになく暴れまくりなミトくんのベースのかっこいいことかっこいいこと!ドラムもステキ!ピアノとベースとドラムだけでエフェクトもほとんど使ってないシンプルな演奏がホントにかっこ良くて、最初聴いたときは郁子ちゃんの歌がなくてもいいんじゃないかって思ったくらい。

てか、最初この作品を聴いたときは、クラムボンは大好きだけど今作は正直駄作かなって思っちゃったんだよね。でも、何度か聴いてるうちにハマってきた。所謂、スルメ作品?最初、演奏ばかりに耳が行ってたのが聴けば聴くほど、郁子ちゃんの歌が気持ち良くなり始めて、気が付いたら演奏と歌がひとつの点になって凄い熱量を!今ではすっかり『てん、』の虜です。浮遊感のあるステレオ音源もそれなりの魅力があるけど、個人的には音が直接的に点になってるモノラル音源のほうが楽曲の魅力をより引き出してる感じがして好きだなあ。

すっかりハマちゃってる今では、これぞ最高傑作!と言いたいんだけど、オススメ!とは少し言いにくいかな。少なくとも僕はここ3作の小渕沢セッションシリーズの中では一番好きなんだけどね。でも、郁子ちゃんのソロみたいな歌物やCMで流れてる『サラウンド』みたいな分かりやすいポップソングを求めてる人には正直、辛い作品だと思うんだよね。あと、歌しか聴いてないような人にとっては、モノラルとステレオの違い以外に大きな差異のない2枚組で3750円はボッタクリと感じちゃうかもしれないしね。そんなこんなで大きな声でオススメ!とは言わないけど、普段、ジャズやインプロ物やシカゴ音響系などなど、インストを好んで聴くような人や、あとソフトマシーンとか好きな人には聴いてみてもらいたい作品です。この演奏にこの歌、他では聴けない個性があります。
クラムボン

『LOVER ALBUM』
クラムボンのカバーアルバム。1曲目の矢野顕子『PRAYER』のカバーからJUDEE SILL『THAT'S THE SPIRIT』〜ソフトマシーン『AS LONG AS HE〜』〜スーパーバタードッグ『外出中』の流れが抜群に素晴らしいです。どれもピアノ、ベース、ドラム、歌によるシンプルな演奏だけど、それがクラムボンらしくて、またかっこいい。『PRAYER』の美しさは神がかってるし、『外出中』の後半のジャムセッションなんて、そこら辺のロックバンドよりずっとロック、ファンクバンドよりファンキー。

スモールサークルオブフレンズの『波よせて』のカバーは今までになかった感じだけど、これまたいい感じ。この曲やビートルズのカバー、ザ・バンドのカバーでもミトくんが結構歌ってます。前作の『アンセム』で味をしめた?郁子ちゃんの声との相性も良いし、これはいい変化だと思います。

後半はいろんなコンピに収録されてた既出曲が多し。フィッシュマンズ『ナイトクルージング』のカバーは傑作なんで未聴な人は是非是非。岡村靖幸『カルアミルク』のカバーはエレクトロニカアレンジで岡村靖幸のトリビュート盤がリリースされたときはそれなりに好きだったけど、やっぱりバンドアレンジのほうがいいなーってこの前、ライブでバンドアレンジの『カルアミルク』を聴いてそう思いました。エレクトロニカな音って劣化するのが早いよね。

『サマーヌード』はお遊びな感じで演奏ミスや会話もそのまま収録。ゆるい感じで悪くはないけど、ちょっとアルバムを通して聴いたときに浮いてるような。てか、6曲目以降は曲順が無茶苦茶。『ACROSS THE UNIVERSE』から『ナイトクルージング』の流れとかありえない。あと、2曲でハナレグミがゲスト参加して歌ってるけど・・・仲がいいのも分かるけど、ohanaがあるんだから別に参加しなくてもいいんじゃない?ってのが正直なところ。

って不満ばかり書いちゃったけど、『PRAYER』〜『波よせて』(&『ナイトクルージング』)は聴き応えあり。そこばかりリピートして聴いてるけど、それでも十分、元がとれたかな。そこの流れは本当に素晴らしい。
クラムボン

『THE NEW SONG』
クラムボンの約5年ぶりとなるシングル!疾走感に溢れ、突き抜けるようなメロディのポップナンバー。今までになかったタイプの曲だし、世間的に見てもあまりないタイプの曲だと思う。これって凄く分かりやすいようで分かりにくい曲のような。3曲目に収録されてる2003年のファーストテイクはちょっとWEEZERみたいなパワーポップというか普通のロックで凄く分かりやすいのにね。聴き比べると面白いね。2006年の完成形は歌とストリングスとベースの絡み方がちょっと複雑、曲展開も少し複雑。その辺の分かりやすいだけのJ-POPとは一線を画してます。個人的には20回くらい聴くまで良さが分かんなかったです。ちょっとストリングスが前面に出すぎな気がしないでもないけど、今は大好き。聴けば聴くほどクセになる。どんどん気持ち良くなってく。たぶんきっと、そういう風に作られてるんだろうなー。

2曲目に収録されてるエレクトロニカ系のリミックスは別になくても良かった気もするけど、まあ、お得感はあるね。ただ、クラムボンはやっぱりバンドサウンドが一番です。4曲目には以前HMVの特典で付いてたけど尻切れで唖然とした(笑)『アホイ!』の完全版を収録。明るくてキュートなポップナンバー。いろんな音が入ってたり、突然転調してトロピカルになるところとか遊び心いっぱいで楽しいです。5曲目はウォークマンのトリビュート盤に収録されてたアコースティックナンバー『ドブロノッツ』。若干ミックスが違います。これ地味だけど良い曲です。ミトくんのコーラスも良い。

久しぶりにシングルを買ったけど大満足です。おなかいっぱい!ドブロノッツ!(ドブロノッツはチェコ語で「おやすみなさい」)
グループ魂

『RUN魂RUN』
人気脚本家、クドカンこと、宮藤官九郎や俳優の阿部サダヲなどが所属するパンク・コント・バンド。TOKIOのシングル『ラブラブ・マンハッタン』でも、このグループ魂のメンバーが作詞作曲を手掛けてて、非常にコミカルなポップ・ナンバーになってたんだけど、ここで鳴ってる音はもっとコミカルで、もっとパンク。スターリンや外道辺りの80年代ジャパニーズ・パンク・バンドやガレージロック・バンドを思わせるようなロック・サウンドに思わず笑っちゃうような歌詞。M-6『竹内力』なんか本気でかっこいいガレージロック・サウンドに「リキ!リキ!リキ!竹内力!ヒミナミの帝王!」「ショウ!ショウ!ショウ!哀川翔!」などとシャウト!ネタバレになるからあまり書けないけど、本気でバカしてる楽しい曲が盛り沢山。曲や演奏やアレンジがしっかりしてるからこそ、バカがガンガン響いてくる。スネークマン・ショウとか、ダウンタウンブギウギバンドとか、ゲイシャガールズ、氣志團やロマンポルシェなんかを好きな人はきっと気に入ると思うな。

ちなみに、なんとM-23『あの歌の故郷を訪ねて』では惜しくも解散してしまったNUMBER GIRLのメンバーが参加!10分のコントトラックの中でクドカン作詞で向井秀徳作曲の4曲を披露。これまた色んな意味で凄いことになってます。これは聴いてのお楽しみ。でも、あくまでコント内の曲なんでNUMBER GIRLのアルバムに入ってるような曲を期待すると肩透かしを食らうかも。
グループ魂

『荒ぶる日本の魂たち』
飛ぶ鳥を落としてムシャムシャ食べちゃう勢いの阿部サダヲ、宮藤官九郎、村杉蝉之介などによるバンド、グループ魂の3作目。今回は前作以上にロックしてます。パンクしてます。音楽してます。その代わり、お笑い要素はちょっと控えめ。コントも少なめ。楽曲の出来もこれまでは比にならない出来だし、阿部サダヲのボーカルはこれまで以上にハイテンション。3コードパンクを基調としてるんだけど、クラムボンの原田郁子のキーボード&コーラスをフィーチャーしたラウンジテイストの曲や、ラップに挑戦した曲なんかもあったりして音の幅が格段に広がった感じ。TOKIOに提供した『ラブラブ・マンハッタン』のOiパンク調なセルフカバーもいい感じ。普通にロックアルバムとして楽しめます。歌詞の内容は相変わらず面白いんだけど、ロック・サウンドのほうに耳を奪われることもしばしば。その辺のロックと笑いのバランスに関しては残念な人は残念かも。

たしかに笑った回数で言えば前作『RUN魂RUN』のほうが多かった気がするけど、個人的には1つのアルバムとして見ると、笑いの割合はこのくらいのほうが良いと思うな。こっちのほうが何回も聴きそう。
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くるり

『もしもし』

くるりの限定1000枚のインディーズ盤。

M-1『東京』はメジャーデビュー後のバージョンに比べて演奏や歌も粗いんですけど、変なギターの音が入ってたり、メジャーデビュー後のバージョンにはないヴァースがあったりしてアレンジがカッコいいです。僕はこっちのほうが好き。M-2『虹』はアレンジはあまり変わっていません。M-3『夜行列車』はミディアムテンポのポップなロックンロール。M-4『恋するクラゲ』はアップテンポで可愛い、ちょっとスピッツっぽい曲。M-5『スプラッシュ』は変態的なインスト。M-6『蒼い涙』はアコースティックで暗い曲。

凄く良い作品なのに限定1000枚は勿体無いです。再発しないかな。
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くるり

『ファンデリア』

くるりのインディー2枚目。リリースはバッドニュースから。

結構、普通のアレンジの普通の曲が多い。『もしもし』のほうが面白かったかな。

ヘビーなロックンロールM-2『モノノケ姫』、アコースティックな名曲M-6『坂道』、岸田ラップが聴ける、くるり流アブストラクト・ヒップホップM-7『YES MOM I'M SO LONELY』はなかなか良かったけど、それ以外はちょっと僕は駄目だった・・・。バラエティに富んでるのはいいんだけど、楽曲は少し力不足なような。

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くるり

『さよならストレンジャー』

くるりのメジャー1作目。GLAYや黒夢、ジュディマリなども手掛ける佐久間正英のプロデュースっていうこともあってか全体的にフォーキーな曲が多く、聴きやすいロックになっている。やっぱりシングルにもなった『東京』と『虹』は名曲。個人的には『もしもし』収録のバージョンのほうが好きだけどね。『東京』も『虹』もなんかいい子ちゃんになってしまったような印象。

それ以外では後の『青い空』に通じるような疾走感に転調が心地良すぎるロック・ナンバーM-3『オールドタイマー』、ポップなロック・ナンバーM-7『トランスファー』、8分以上に渡る、くるり流のブルースロックM-12『ブルース』などが良かったかな。でも、アルバム全体的に見ると綺麗にまとまりすぎていて、これ以前のくるりやこれ以降のくるりを知ってる人には、どうしても物足りなさのある作品だと思う。もっと変態的な曲と、くるりならではの気持ち悪さがあっても良かった気がするんだけどな。

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くるり

『図鑑』

くるりの2ndアルバム。前作とは打って変わって、くるりの変態的な部分や気持ち悪さが強く出ているアルバム。数曲にJIM O'ROURKEが参加しています。

M-1『イントロ』は一瞬『虹』かと思わせるという遊び心のあるインスト。M-2『マーチ』はエモーショナルなミディアムテンポの曲なんだけどメチャクチャ良い。名曲。M-3『青い空』はアップテンポでエモーショナルな曲。曲の終わりが中華風のメロディで終わるのが面白い。M-4『ミレニアム』はちょっとBECKを思わせるような面白い音がいっぱい入ったかわいい曲。M-5『惑星づくり』はちょっとROVOを思い出すようなインスト曲。途中、ツェッペリンの曲のフレーズが登場したりする。凄くカッコいい。M-6『窓』は切ないアコースティックな曲。QUEENっぽいギターのアウトロがカッコいい。M-7『チアノーゼ』は「ロックンロールという言葉死んでしまえ」と歌う激しめの曲。「ロックンロールという〜」の時に突然入る電子音が面白い。M-8『ピアノガール』はピアノ弾き語りの切ない曲。泣ける。M-9『ABULA』は音響っぽいインスト。M-10『屏風浦』はアコースティックで淡々とした曲。ライブでやってたダブ・バージョンのほうが良かったな。M-11『街』はエモーショナルなロック。いい曲。M-12『ロシアのルーレット』は静かなヴァースから、突然コーラスの変わりに轟音ギターと共に奇妙なシンセのフレーズが登場する変態的な曲。M-13『ホームラン』はシャバダバダ♪というコーラスとQUEENっぽいギターリフが印象的なアップテンポでポップな曲。この曲大好き。M-14『ガロン』はSUPERCARのナカコーのリミックス。面白い音がいっぱい入っている。M-15『宿はなし』はSOUL FLOWER UNIONの奥野さんのアコーディオンをフィーチャーした、ちょっとソウルフラワーっぽい和を感じる曲。凄く良い。

喜怒哀楽、そして変態がいい具合に詰まった作品。各曲が良いのはもちろん、アルバム全体の流れも凄く良い。ポップさで言うと、他のアルバムに負けるかもしれないけど、個人的には超名盤。すごいぞ、くるり。
くるり

『春風』
くるりのシングルは名曲だらけです。『尼崎の魚』、『ハロースワロー』、『サンデーモーニング』、『ハローグッバイ』、『青写真』、『さよなら春の日』などなどカップリングにも隠れた名曲が多いです。で、この今から6年前にリリースされた『春風』もまた素敵な曲なんだけどアルバム未収録ってことで最近ファンになった人は知らないんじゃないかってことで紹介。これを書いてるのもちょうど春だしね。

「揺るがない幸せがただ欲しいのです」なんていうちょっと文学的な匂いのする歌詞と春っぽいメロディに岸田繁の素朴な歌声が見事にマッチしたアコースティックナンバー。くるりの雑多な音楽要素の中でも結構大きなウェイトを占めてる「はっぴいえんど」的要素の集大成的な曲だと思います。とにかく歌詞がいい!

なんでも自分の結婚披露宴で岸田繁はこの曲を歌ったらしいよ。デビュー時からのファンの友達はくるりの中でこの曲が一番好きなんだって。ホント素敵なラブソングなんだ。是非是非、春に聴いて欲しい名曲です。
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くるり

『TEAM ROCK』

3rdアルバム。今作は大幅にエレクトロニクスを導入。前作とはまた違った変態具合を見せる作品となっています。

M-1『TEAM ROCK』はギタギタに刻まれたピアノや色んな音が鳴ってる面白いトラックに岸田繁のラップが乗る曲。M-2『ワンダーフォーゲル』は名曲中の名曲。四つ打ちを用いた曲。めちゃくちゃ良い。この曲以降、この曲の真似をするバンドが増えた。大阪の某CMでもパクってたし・・・。M-3『LV30』は浮遊感のあるマイブラみたいな感じ。M-4『愛なき世界』はスーパーカーを思わせるようなアップテンポでメロディアスなギターロック。M-5『C'MON C'MON』ファンキーな四つ打ちにヴォコーダーヴォイスが乗る曲。M-6『カレーの歌』はピアノの弾き語り。M-7『永遠』は四つ打ちの曲。ピアノのフレーズが凄く良い。M-8『トレインロック』は『モノノケ姫』的なロックンロール。ちょっといまいち・・・。M-9『ばらの花』はポリスを思わせるような名曲。M-10『迷路ゲーム』は海の底で岸田の切ない歌とピアノが鳴っているような感動的な曲。この曲は大好き。M-11『リバー』はバンジョーを用いた軽快な曲。

曲調はバラエティに富んでいて楽しいし、いい曲もいっぱいあるんだけどアルバムをトータルすると『図鑑』のほうが好きかな。シングルにもなった『ワンダーフォーゲル』は日本のロックの歴史に残る名曲だと思うけど、他の実験的な要素の曲なんかはレディオヘッドなんかに比べると、まだまだって感じ。『迷路ゲーム』は好きだけどね。それ以外はシングルのカップリングだった『サマースナイパー』や『青写真』のほうが好きかも。あと、『C'MON C'MON』と『永遠』に関しては限定発売のアナログ盤のほうに収録されてたリミックスのほうが良かったと思う。『ワンダーフォーゲル』や『ばらの花』は文句なしの名曲だけどアルバムとしては個人的にはちょっとイマイチ。

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くるり

『THE WORLD IS MINE』

ギターに大村達身が加入後の通算4枚目のアルバム。今作では音の広がりが圧倒的に大きくなった。

M-1『GUILTY』は静と動のコントラストのかっこいい曲。M-2『静かの海』はちょっとSIRGUR ROSっぽい世界観の曲。シンバルの鳴り方が良い。M-3『GO BACK CJHINA』はシンプルなギターロック。M-4『WORLD'S END SUPERNOVA』は四つ打ちでファンキーなダンスチューン。凄くカッコいい曲。2002年の『今夜はブギーバック』。M-5『BUTTERSAND/PIANORGAN』はM-4のアウトロ的なインスト。M-6『アマデウス』はピアノ、コントラバス、チェロによる感動的な曲。M-7『ARMY』はアコースティックで内省的な曲。M-8『MIND THE GAP』はトラッドなバグパイプをに打ち込みを合わせた曲。M-9『水中モーター』はポップポップ。M-10『男の子と女の子』は久しぶりのシンプルなフォークっぽい曲。M-11『THANK YOU MY GIRL』は初期のSUPERCARのようなストレートなギターロック。M-12『砂の星』はアコースティックな曲。M-13『PEARL RIVER』は別世界に連れて行ってくれる神秘的な曲。ボートを漕ぐ音で終わる。

全体的に暗く重い曲が多い。もう1,2曲『WORLD'S END SUPANAOVA』みたいなダンスチューンがあっても良かったのにな。あと、実験性もポップ性も中途半端でどっちつかずな印象かな。個人的には今作もちょっとイマイチ。
くるり

『HOW TO GO』
ドラムの森信行脱退、新しく3人でスタートした新生くるり初のシングル。

久々のくるりの音は力強く、堂々と、凄くギターバンド然としていた。M-1『HOW TO GO』も実験的な要素を排したシンプルでスロウなギターロック。ヘヴィーなギターがうねるうねる。ゆったりゆったり、そして重く力強い。岸田繁の歌も力強い。この曲は今までのどの曲よりも力強い。最初CSでPVを観たときはいまいちピンとこなかったんだけど、これは聴けば聴くほど良くなる。今じゃ、僕の中では名曲だ。『東京』、『ワンダーフォーゲル』に次ぐ名曲。新たなくるりの始まりだと思う。

M-2『すけべな女の子』は、ライブでは定番だった曲。これは疾走するエモーショナル・ギターロック。『TEAM ROCK』のツアーの頃ライブでやってたアレンジはもっと荒削りでストレートだったんだけど、ここでは声にエフェクトがかかったり、ちょっと凝ったアレンジになってた。あとキーが少し低くなったかな。個人的にはこっちのほうがいいな。

M-3『地下鉄』は、M-1とは少し違うタイプのスロウなギターロック。これがまた本当に良い曲。どれをA面にしても良かったんじゃないかな。この曲では基本はギターロックなんだけど、ほんのちょっと電子音が使われてて、またその使い方が絶妙。あと、このシングル全体に言える事だけど佐藤くんのベースがかっこいい。

M-4は『HOW TO GO』のオリジナル・バージョン。ちょっとテンポ早め。このシングルの全体的なイメージは『図鑑』を力強くシンプルにした感じかな。『図鑑』大好きな僕には堪らない。でも、ピコピコが好きな人には駄目かもしれないな。PAVEMENTやRED HOUSE PAINTERS辺りを好きな人も是非是非。
くるり

『ハイウェイ』
映画「ジョゼと虎と魚たち」の主題歌「ハイウェイ」をシングルカット。

曲を今までのくるりを知ってる人に簡単に説明すると『ばらの花』 meets 『水中モーター』って感じかな。緩やかなバンド演奏と温かい歌、淡々としながらも凄く素敵なメロディ。そして、こう歌う。「僕が旅に出る理由は大体100個くらいあって 一つ目は〜二つ目は〜」。胸の奥をギュッと掴まれる。この曲の歌詞は今まで岸田繁が書いてきた中でもベスト3に入るくらい好きだ。

『東京』や『ワンダーフォーゲル』みたいにガツンとはこないけど、スーッと入ってきてジワジワと染み入る単純にいい曲。くるりは今までテクノやエレクトロニカ的な要素を取り入れたりと色々実験してきた。僕自身も実験的な音が好きだったりするんだけど、結局、最後はこういう飾りにないシンプルなポップソングが一番なのかも。
くるり

『ジョゼと虎と魚たち』
くるりが全編音楽監修を務める、妻夫木聰主演の映画「ジョゼと虎と魚たち」のサウンドトラック盤。

全9曲中7曲がインストで残りの2曲は歌物。まず、インスト曲なんだけど、ダブ処理されたブルージーなギターインストから、カントリー・テイスト、感動的な弦楽曲、トロピカル・・・これまでのくるりのオリジナル作品よりも、もっと雑多な音になっている。インスト曲でも、くるりの持つポップ感やメロディの良さは健在で、じんわりと胸に染み入ります。歌物の2曲はどちらも飾らないポップ・ソング。目新しいところや派手さはないけど、ずっとずっと聴き続けたい良曲だ。同時発売でシングル・リリースもされた『ハイウェイ』もいい曲だけど、もう1曲の歌物M-5『飴色の部屋』もホントいい曲。

正直、聴く前はあまり期待してなかったんだけど、これ良いよ。個人的には『THE WORLD IS MINE』や『TEAM ROCK』よりも好きかもしれない。番外編的な作品にしとくには勿体無いな。これ聴いてると映画のほうも観たくなってくる。きっといい映画なんだろうな。
くるり

『ロックンロール』
くるり、ドラムにクリストファー・マグワイアが正式加入して初めてのシングル。その名も『ロックンロール』。2ndアルバム『図鑑』に収録の『チアノーゼ』の中で「ロックンロールという言葉死んでしまえ」って歌ってたくるりだけど、これはどういう心境の変化なんだろ。その辺は僕には分からないけど一つだけ言えるのは、この曲がただただロックンロールしてるということだけだ。冒頭で「進めビートはゆっくり刻む」ってあるけど、この曲のテンポもゆっくりめ。中村一義にも『ロックンロール』っていう曲があったけど、その曲みたいにチャックベリー的なブルース色の強いベタベタ・ロックンロールをやってるわけでもない。どちらかと言うと『ハイウェイ』や『飴色の部屋』など、最近のくるりの純粋なポップソングの延長線上にある曲だ。このベタベタなロックンロールからは外れたポップソングを「こんなのロックンロールじゃねえええ!」って言う人もいるかもしれないけど、ドラムが、ベースが、ギターリフが、そして歌がロールしている。すべてが気持ち良く転がっている。何気ないように見えて、本当に絶妙の演奏だと思う。その辺のしょぼいギターロック・バンドにはなかなかこんなにロールした音は鳴らせないよ。テクノやエレクトロニカを通過したからこそできる、くるり流のロックンロール。

ベルゼバのプロデュースをしていたTONY DOOGANとの共同プロデュースによるカップリング曲『さよなら春の日』はフィドルもフィーチャーしたアイリッシュ・テイストのミディアム・ナンバーで染み入ります。いい意味でカップリングらしい佳曲。そして初回盤にはくるりの2大名曲『東京』と『ワンダーフォーゲル』のライブ映像を収録したDVDが付いてきます。ピコピコを排した『ワンダーフォーゲル』は『ロックンロール』に通じるような気持ち良く転がるギターロックに生まれ変わっていて観る価値ありです。クリストファーのドラムが最高。『東京』のほうはインディーズ時代の幻の作品『もしもし』に収録されたバージョンに近い感じのアレンジ。達身のギターがこれまた良いんだな。この4人でのアルバムがホント楽しみだ。


くるり

『アンテナ』
『ジョゼと虎と魚たち』のサントラを除くと、くるりのメジャー通産5枚目となるフルアルバム。先行シングル『ロックンロール』もオリコンのシングルチャートでベスト10入りしてたんだけど、この作品もアルバムチャート初登場3位。「めざましテレビ」でも紹介されちゃったり。売れてます、くるり。シングルでは『ハイウェイ』(ここには未収録)、『ロックンロール』とちょっとキャッチーなシングルが続いてたので、リリース前はアルバムもキャッチーなロックンロールがいっぱい詰まった作品なのかなって思ってたんだけど、フタを開けてみると『ロックンロール』がほんのちょっと浮いて聴こえるくらいに重くて濃いロック作品となっていた。有線とかで『ロックンロール』だけを聴いて買った人にとっては「なんじゃこりゃー!」ってなるかもしれないけど、いい意味で期待を裏切る、くるりらしい作品。

シングル『ロックンロール』を聴いたときにも感じたことだけどクリストファーのドラムが半端なく素晴らしい。そして、ボーカルの岸田繁もどこかのインタビューで「クリストファー加入から目覚しい発展をとげて嫉妬を覚えるほど」みたいなことを言ってたけどクリストファーのドラムに絡みつく佐藤征史のベースも凄いことになっている。やっぱ、ロックンロールはリズムがしっかりしてなきゃ。M-2『MORNING PAPER』やM-6『花火』のリズム・アンサンブルなんて、それだけでもう鳥肌もの。岸田繁の詞やソングライティングも相変わらず素晴らしく、前作から加入した大村達身のねばりっこいギターも大活躍。岸田繁のギターとの絡みもこれまた鳥肌もの。これまでの作品はどこか岸田繁のワンマンバンドみたいな印象が強かったけど、今作はくるりの4人のアンサンブルが全開。世の中、歌とキャッチーなメロディーだけのインチキ・ロックが多いけど、ここで鳴ってる音はまさにロックだと思う。エレクトロニクスを用いて巧妙に構築されたダンスビートも最高のロックアンサンブルには敵わない。そう思わせるロック作品。

ちょっとBECKの『SEA CHANGE』を思わせるようなアコースティックな響きとストリングスが印象的な温かく哀愁漂うスロウ・ナンバーM-1『グッドモーニング』、2作目『図鑑』をちょっと彷彿させるような変なコード使いと転調を見せる変態ギターロック・ナンバーM-2『MORNING PAPER』、ツェッペリンとどこぞの民謡が出遭ったようなスロウ・ナンバーM-3『RACE』、くるり流ロックンロールM-4『ロックンロール』、五島良子のコーラスとワウギターが印象的なM-5『HOMETOWN』、題名通り、花火を思わせるようなドラムが心地良すぎるM-6『花火』、8分半に及ぶスロウなブルーズ・ナンバーM-7『黒い扉』、中華風のメロディーとアイアイアイアイホーっていうくるりらしい気持ち悪さ全開の歌が印象的なM-8『花の水鉄砲』、ツェッペリンを思わせるようなアコースティック・ギターをバックに「記憶をなくした山羊さんと」などと岸田節全開で歌うM-9『バンドワゴン』、そしてクリストファーがドラムを叩き、ますますロックに、ますます名曲になったM-10『HOW TO GO (TIMELESS)』。いやはや名曲だらけ。

個人的にはM-5『HOMETOWN』だけは女性コーラスがちょっと受け付けなくて駄目だったけど、それ以外の曲は満点。アルバム製作の途中で加入したせいか数曲でクリストファーがドラムを叩いてないのも残念だけど、それらを差し引いても余りある名盤だと思う。買ってから約2週間、1日に1回は聴いてるけど聴けば聴くほど響いてくる。凄いよ、このアルバム。『ハイウェイ』も入ってたら超が付くくらいの名盤だったのになって思うのは、ちょっと欲張り?
くるり

『BIRTHDAY』
くるりのクリストファー脱退後、再び3人編成になって初のシングル。ライブでもサポートしてる臺太郎がドラムを叩いてます。正直、クリストファー在籍の音とは違います。優しくて柔らかい感じです。キラキラした陽だまりのような春にピッタリのポップナンバー。やっぱり『アンテナ』はクリストファーのアルバムだったのかなあ。カントリー調のようでカントリーでもなく、他のどのバンドにも似てない、くるり以外の何者でもない音なんだけどね。『ロックンロール』からくるりを好きになった人はもしかしたら駄目なシングルかもしれないね。特別切ないメロディがあるわけでもないし、分かりやすい抑揚もない。それほどヒットするようなタイプの曲でもないかもしれない。実は僕も最初は「あれ?」って感じだったんだけどね、聴けば聴くほど染み入ってきて気が付いたら鼻歌を歌ってました。それにしても音が良いなあ。ヘッドホンで大音量で聴くと最高です。

カップリングの『真夏の雨』はふわふわしてて柔らかい感じのスロウナンバーなんだけど、8分の長さを感じさせない素敵な曲に仕上がってます。やっぱりクリストファー在籍時の音とは違うけど、これはこれで好きだなあ。そういえば、歌詞カードにはクリストファーへのメッセージが英語で小さく書いてあるんでお見逃しなく。

ちなみに初回盤には『水中モーター』のライブ音源が入ってて、お得なんだけど、歌詞カードに誤植があるのね。しかも結構、重要なところを間違ってる。確か、以前にもくるりの歌詞カードに誤植があった気がするんだけど・・・。同じレーベルではキセルのCDも酷い誤植があったし、スタッフはもうちょっと気を付けて欲しいなあ。
くるり

『SUPERSTAR』
くるりの『BIRTHDAY』から約半年振りとなるシングル。系統的には『ロックンロール』に近い感じのキャッチーなギターロック。佐藤君のベースが凄くいい感じ。あとイントロがかっこいい。ただ、こういう曲ならクリストファーのドラムのほうが合ってるような気もするなあ。てか、悪くはないけどわざわざシングルにする曲ではないような。

個人的には『BIRTHDAY』もそこまでガツンとこなかったし、『SUPERSTAR』もやや期待ハズレでガッカリしかけてたんだけど、カップリングの『帰り道』は凄く良かったです。轟音ギターにエモーショナルなメロディ、「コンコンカラカラココンコン」っていうサビの歌詞。『図鑑』の頃のひねくれた変態くるりが好きだった人にはたまらない曲だと思います。もう1曲のカップリング『真夏の人魚』は最近のくるりらしい、シンガーソンガーにも通じるようなアイリッシュな雰囲気のファークバラード。いい曲です。くるりのシングルはいつもカップリングが良いんだなあ。
くるり

『赤い電車』
くるりの『SUPERSTAR』から1ヶ月ぶりのシングル。「くるり×京急」夢のコラボレーション!ってことで電車オタクな岸田繁が京浜急行電鉄のテーマソングを書き下ろし。『ハイウェイ』と『ばらの花』を合わせたみたいな肩の力の抜けたピコピコポップソング。京急の発車時のモーター音が歌詞になってたり、間奏でその音が鳴ってたり、遊び心いっぱい。岸田繁の電車愛いっぱい。いい曲だあ。

でも、エイベックスの人たちみたいな分かりやすい抑揚はないんで、一般受けする曲ではないかもね。(なんでこの曲でMステ出演?)カラオケで盛り上がる感じでもない。でも、ついつい何回も聴いちゃう。気が付いたら鼻歌を歌ってる。そんな曲です。カップリングはキュビズモグラフィコとSHIN-SKIのハウスっぽいリミックス。原曲のゆるいピコピコ具合が個人的には一番だなあ。てか、シングル出しすぎじゃない???
くるり

『BABY I LOVE YOU』
『SUPERSTAR』、『赤い電車』に続く、くるりの3ヶ月連続シングルリリース第3弾。どんだけほどシングル出すねん!チャート上位を狙うだけの使い捨てポップスはいらん!とか聴く前は思ってたんだけど・・・これがいい曲なんだわ。「BABY I LOVE YOU」なんていう歌詞はちょっと恥ずかしいと思っちゃう人もいるだろうけど、「究極のラブソング」なんていうキャッチコピーもあながち間違いではないなと。何年後も聴ける、何年後に聴いても心に響いてくるような、とってもとっても素直で純粋なラブソングです。ひねくれくるりを期待してる人には素直すぎるかもしれないけど、そういう不満も飛び越える魅力も十分に持ってる曲だと思います。ラーズっぽいアレンジにニヤリ。

カップリングの『THE VERANDA』はちょっと『さよならストレンジャー』の頃を思わせるようなフォークナンバー。最後、盛り上がるかと思わせて終わるところが好き。こりゃ、アルバム期待していいかも。
くるり

『NIKKI』
くるりの6作目。シングル曲を4曲も収録。アルバム曲はマニアックにくるかなって思ってたんだけど、予想に反して軽快で聴きやすいポップソングがずらり。全部シングルカットできるんじゃないかってくらいの勢いでキャッチーです。ゾンビーズばりのソフトロックだったり、トラッシュキャンシナトラズばりのギターポップだったり、ちょっとバンプっぽいギターロックだったり、ハイロウズばりのブルージーなロックンロールだったり、まんまビーチボーイズなポップスだったり、曲調はさまざまだけど基本はキャッチーな歌物。

『さよならストレンジャー』の頃を思わせるようなバラッド『TONIGHT IS THE NIGHT』やプログレっぽくて前作『アンテナ』に収録されててもおかしくないような『LONG TALL SALLY』の2曲はこれまでのくるりファンも納得の音作りなんじゃないかって思うけど、あとは賛否両論分かれそうだなあ。

ただ捨て曲もないし、これまでのくるりのポップな側面が好きだった人には断然お薦めの作品です。これまでくるりはシングルはいいけどアルバムはちょっと・・・って思ってた人も今作は満足するんじゃないかな。普段ヒットチャート音楽ばかり聴いてる人にも響きやすい作品だと思います。僕は今作は今作で好き!ホントはくるりにはもっとひねくれた音を期待しちゃうけど、こんなメロディや詩を書ける人って他にいないもんね。演奏も凄くかっこいいし、音もいい!『アンテナ』とは真逆な作品だけど、これはこれで傑作だと思います。
くるりとリップスライム

『JUICE』
くるりとリップスライムのコラボ!同時発売の『ラヴぃ』は爽やかなダンスナンバーだったけど、こっちは泥臭いファンクサウンド(ホーンはBBBB!)にリップスライムのテンション高めのラップとサビの岸田繁の美しいハミングがナイスな絡みも見せるナンバー。くるりとリップスライムのコラボと聞いて、ポップでキャッチーでサビはモロに歌物みたいなのを想像してたけど、いい意味で期待を裏切られました。これ、完全に売れる曲じゃないよね。

てか、『ラヴぃ』でも思ったけど、やっぱりくるり色は薄い。どちらかというとリップファンにお薦めです。あ、でも、カップリングの『ナイトライダー』はくるり色全開だよ。まあ、今度出るくるりのベスト盤にも収録されてるんだけどね。
京阪GiRL

『京阪ロック』
最近、関西でブレイクしつつある京都の現役女子高生・有カリン(B, Vo)と大阪の現役OL・マリリン(G, Vo)のガールズ・パンク・デュオ。海遊館(大阪の水族館)、少年ナイフ、鉄腕アトムなど日常的な言葉も飛び出す独特な日本語の歌詞に女性ツインボーカル。歌謡曲テイストのメロディ。ラモーンズばりのキャッチーなパンク・サウンド。GO!GO!7188をもっとポップ・パンクっぽくした感じかな。話題になってるだけあってメロディはやっぱり良い。こういうバンドの中では1つ頭抜けてると思う。全6曲、どれもオリコン上位を狙えるくらいに。

演奏とかは巧くはないいけど、こういうサウンドだったらこんなもんかな。演奏激ウマなポップ・パンクなんて嫌だもんな・・・GO!GO!7188とか少年ナイフとかジュディマリとか好きな人は気に入りそう。でも、同じく関西のギャルバンだったら、もう解散しちゃったけど僕の友達の某バンドOのほうが上だったと思う。あ、言い忘れるところだった。有カリンちゃん可愛いです(笑)
ケツメイシ

『ケツノポリス』
僕が行った野外フェス、モンスターバッシュ2004でも、たぶん一番人気でカナリの盛り上がりを見せてたケツメイシ。レゲエとヒップホップとR&Bという、ちょっとお洒落に興味ありますよ、流行追いかけますよ的な若者にウケが良さそうな音楽を歌謡曲テ