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中島美嘉

『LOVE』
歌姫と呼ばれ、今やJ-POPシーンに欠かせない存在となった、中島美嘉の2ndアルバム。僕は今ひとつ、中島美嘉の魅力が分からなかった。正直、ルックスも普通でメチャクチャいいとも思えないし、TVで歌ってるのを見る限り、歌唱力があるとは到底思えない。ところが、このアルバムでは歌っていくうちに本人の歌唱力が上がったのか、はたまた、文明の力なのかは分からないけど、歌の質がグンっと上がっている。作曲やアレンジのほうは大沢伸一や五島良子、松本良喜、COLDFEETなどなど、そうそうたる人たちが手掛けてるだけあって超一級。良質のポップ・アルバムになっている。そして、このアルバムを聴き込んでいるうちに彼女の魅力が分かってきた。僕が歌姫だと思う、UAや元ちとせみたいに、どんな曲でも歌声だけですべてを持っていける力は中島美嘉にはたぶんない。だけど、彼女にはどんな曲にも自然に溶け込むことができる力がある。ジャズだろうが、ラヴァーズだろうが、ソウルだろうが、良質のメロディとアレンジを持つ曲を自然な形で表現できる。それが中島美嘉の最大の魅力だと思う。

今作はホントにいいアルバムだ。シングル以外の曲にも捨て曲がない。外道の加納秀人のスウィンギーかつロッキンなギターとアシッドジャズのビート、軽快なホーンセクション、ソウルフルなコーラスがファンキーに絡み合うM-1『VENUS IN THE DARK』から本当に素晴らしい。続く、大沢伸一プロデュースによる本格的なジャズ・ナンバーM-2『LOVE ADDICT』も最高。五島良子のペンによる温かいジャズ・ソウル・ナンバーM-3『AROMA』も地味だけど、いい曲。そしてM-4『雪の華』は、RUIの『月のしずく』も手掛けていたJ-POP界で注目の作曲家、松本良喜による名曲バラード。ピアノとストリングスもフィーチャーしたアレンジはありがちだけど、そんなことは気にさせない、ただただ単純に良い曲。M-6『FIND THE WAY』もピアノとストリングスをフィーチャーしたバラードなんだけど、こっちはメロディにしてもアレンジにしても少し物足りなかった。そして、M-8『接吻』では初のカバーにも挑戦。あのオリジナルラブの名曲をROCKING TIMEの森俊也プロデュースでラヴァーズ・カバー。オリジナルラブ・ファンには悪いけど個人的にはこっちのほうが好きだな。とってもスウィート。続くM-9『YOU SEND ME LOVE』はなんとNONA REEVESの西寺郷太が曲を提供。彼の起用はちょっと意外だったけど、温かく愛に満ちたAORナンバーで、この『LOVE』という作品に見事にハマっていた。M-11『LOVE NO CRY』はダンスクラシックになり得る超絶品のソウル・ナンバー。SMAPやV6なんかも手掛ける名アレンジャーCHOKKAKUによるアレンジはさすが。そしてM-12『愛してる(ALBUM VERSION)』。これが、このアルバムのハイライト。シングル・バージョンは打ち込みを使ってたんだけど、すべて生演奏に差し替えて、よりダイナミックかつオーガニックな音に生まれ変わっている。極上のラブ・バラード。やっぱり生演奏がいい。

今作は生演奏も多用した良質なアレンジと良質のメロディが出会い、そこに中島美嘉の歌が自然に溶け合った大傑作。間違いなく今作は2003年のJ-POP史に残る作品。名盤と言ってもいいんじゃないかな。シングルはCCCDだったけど、このアルバムはCD-DAなところもいい。ただ1つ残念だったのはアートワーク。もっといい写真ないのかな・・・。
中島美嘉

『MUSIC』
中島美嘉の3作目。今作も相変わらず豪華な作家陣。特にアレンジャーが凄くて、ちょっと意外な葉加瀬太郎から元ピチカートの小西康陽、鬼塚ちひろのブレーン的存在の羽毛田丈史、COCCOからくるり、グレイプバイン、ジャクソンヴァイブなどを手がけポップロックを得意とする根岸孝旨、サザンから浜崎あゆみ、そしてクリモンティーヌまでを手がける島健、ケミストリーなんかも手がけるコールドフィート、キリンジや畠山美由紀からミーシャや平井堅までを手がける富田ラボこと富田恵一、そしてジャニーズのヒット曲の多くを手がけ最近ではトラジハイジなんかで見事な手腕を見せていたCHOKKAKU。

アレンジに関しては言うことなし。演奏では何気にポラリスの脱退を発表した坂田学が参加してたりします。中島美嘉のボーカルも相変わらずな感じで典型的J-POPバラードからジャズやエレクトロっぽい曲、そして新境地とも言えるロックテイストの曲までをサラリと歌いこなしてます。根岸孝旨アレンジのロック風ナンバー『FED UP』もちょっとCOCCOっぽいけど、うまくはまってるしね。個人的には意外なほど小西節から外れた小西プロデュースのジャズポップ・ナンバー『ROCKING HORSE』がベストトラック。前作同様、よくできた作品だと思います。

ただ、イマイチこの作品の向いてる方向が分からないんだよね。シングルになった『桜色舞うころ』なんかはベタベタのJ-POPバラードなんだけど、アルバム曲はアレンジもメロディも前作以上にマニアックなものが多くて、なかなか一般受けはなかなか難しいような。かと言って普段ジャズとかしか聴かない人にアピールするには『桜色舞うころ』みたいなのは邪魔な気がするし、歌の力もまだまだ足りないような。悪い作品ではないけど、誰に薦めたらいいかちょっと分からない作品ですね。
中島美嘉
(NANA starring MIKA NAKASHIMA)

『GLAMOROUS SKY』
映画「NANA」の主題歌。原作も読んでるし映画のほうもちゃっかり観に行ったけど中島美嘉はナナ役にこれ以上ないくらいハマり役だと思います。ただ、この曲はパンクというより普通の・・・というかプロデュースを担当したラルクのハイド節全開のポップロックだよね。(セールス的に)全盛期のラルクを思わせるような大衆受けする曲。原作のファンとしては少し残念だけど、商業映画の主題歌としてはこれで正解だと思います。

ロックっぽい曲はアルバム『MUSIC』でも歌ってたけど全然違和感はないね。こういうアブリルみたいなポップロックを歌ってる女の人って意外と少ないから個人的には嬉しいかも。まあ、バラードのほうが合ってる気もするし、たぶんハイドがこれを歌ってたらもっとしっくりきてたんだろうけどね。
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中村一義

『金字塔』

中村一義の1stアルバム。

3rdアルバム『ERA』も名盤だけど、この1stも素晴らしい名盤。現代のビートルズ的サウンド。基本はアコースティクで極上のメロディのポップス、ブルースなどを基調としたロック。ところどころに打ち込みが導入されてたり、エヴァンゲリオンの音がサンプリングされていたり、こどもの歌の『まる・さんかく・しかく』のカバーがあったりとユーモアもたっぷり。もう曲がメチャクチャ良い。ジャケットは佐内正史。

90年代の日本のロックを代表する1枚。大必聴盤です。

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中村一義

『太陽』

中村一義の2ndアルバム。

サウンド的には前作よりバンドサウンドっぽくなった。少し肩の力を抜いたようなアレンジ。でも、前作と圧倒的に違うところは愛。曲にも、声にも、詩にも、ジャケットにも愛が満ち溢れていて凄く優しいアルバム。

前作に続いて今作も佐内正史が写真を撮っているんだけど歌詞カードの写真が凄く良い。

アレンジのユニークさはあまり無いけどシンプルにいい曲が詰まったアルバム。

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中村一義

『ERA』

中村一義の3rdアルバム。これはホントに名盤。

前作はシンプルなロックだったんだけど今作はブレイクビーツなどを多用して新世代のロックを作り出している。

ポジティブなブレイクビーツ・ロック『1・2・3』、新世紀のロックンロール『ロザリオ』、スペーシーポップ『メロウ』、キュートな『ピーナッツ』中村流パワーポップ『ショートホープ』感動の弾き語り『威風堂々』、中期ビートルズな『虹の戦士』、超名曲『ジュビリー』、弦×ブレイクビーツで感動的な『ゲルニカ』、良質なポップ『君ノ声』祝福に満ちたゴスペル『ハレルヤ』、題名通りロックンロールな『ロックンロール』、サイケデリックな『素晴らしき世界』など。捨て曲無し。全曲メロディもひねくれたアレンジも最高です。音がキンキンしすぎてる気もしますが本当に大名盤です。
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中村一義

『100s』

中村一義の4thアルバム。SUPER BUTTER DOGの池田貴史など6人による100式というバンド形態での作品。『太陽』をさらにバンドっぽくしたソウルやブルースの要素がカナリ強いサウンドになっています。前作『ERA』とは全く別物。

シンプルで力強いロックチューンM-2『キャノンボール』、前作の『ハレルヤ』を滅茶苦茶ハッピーししたようなM-3『グッデイ』、TOPLOADERの『DANCING IN THE MOONLIGHT』的なアレンジの極上のソウルM-4『いつだってそうさ』、『LIFE』の頃の小沢健二っぽいストリングスの入ったソウルM-6『YES』、スマパンっぽい感じのM-9『セブンスター』、レッチリの『UNDER THE BRIDGE』的なM-14『メキシコ』、壮大なロック・バラードM-15『新世界』、極上のソウルバラードM-16『ひとつだけ』などが良かった。やっぱり、この人は曲がいい。

前作とは全く違う音で賛否両論あるだろうけど、これはこれで凄く良いアルバム。





『マラケシの花』
TSUKI NO WAのフミノスケ率いる4人組、棗の1stアルバム。正直言って初めは「棗」が読めませんでした・・・(笑) 「なつめ」です。リリースは、WORLD'S END GIRLFRIEND、テニスコーツなどのNOBLE。帯に「音響フォーク桃源郷」って書いてあるけど、まさにそんな感じの音。「和」や「インド」の雰囲気の漂う音響サイケデリック・フォーク。

フィールドレコーディングや、民族楽器、エレクトロニクスを駆使した極上の演奏に、フミノスケの圧倒的に美しい歌。日本、韓国の民謡やジャズボーカルの日本語カバーをやったりしてるんだけど、どれも本当に素晴らしい。ドップリドップリはまれます。これは名盤。個人的には、TSUKI NO WAよりも好きかな。“うたもの”が好きな人は是非聴いてみてください。
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七尾旅人

『雨に撃たえば…!disc2』

七尾旅人の1st。まず声が凄い。冷たく暖かい声、弱く強い声。そんな声がドラムンベースやエレクトロニカ、ジャズ、ゴスペル、ロックなど、あらゆるジャンルを吸収した音とぶつかり合って凄い音楽を作り出しています。

彼独特の物語性の強い詩も素晴らしいです。9曲目『「思いつき!思いつき!!」なに?「キャトル・ミューティれっるの。」』と10曲目『バニフォーおもちゃ工場の連中だよ!露コナツの日』は大大大名曲。号泣必死です。


独特な曲名や歌詞も素晴らしい。これは日本の音楽史に残るような大名盤かも。声や世界観にクセが強いんで駄目な人は駄目かもしないけど、1度はまるともう抜けれません。エレクトロニカやひねくれポップ、charaなんかを好きな人は聴いてみる価値があるんじゃないかな。

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七尾旅人

『ヘブンリィ・パンク・アダージョ』

七尾旅人の2ndアルバム。2枚組35曲の大作。

初期のようなフォークっぽい曲から完全にエレクトロニカな曲や石野卓球とコラボレートしたテクノな曲、個人的には大正解だと思う渡辺善太郎プロデュースの曲、増子樹プロデュースの曲までバラエティに富んだ壮大なアルバムです。

凄く良いんだけど、2枚通して聴くと2時間半くらいかかるんで、さすがに疲れます・・・欲を言えば前作の『バニフォーおもちゃ工場の連中だよ!露コナツの日』みたいなファンタジックな曲がもっとあると良かったのにな。聴くのはちょっと大変だけど、良い曲がいっぱいなんで是非、聴いてみてください。

七尾旅人

『ひきがたり・ものがたり vol.1
蜂雀(ハミングバード)』
七尾旅人の弾き語りの曲を集めた3rdアルバム。独特の“うたもの”世界。三味線を弾いていたり、エレクトロニクスを導入したり、音響っぽかったりと、ところどころで実験性の高い部分があったりするけど、プロダクションは至ってシンプル。もちろん彼独特の詩世界も健在。シンプルな分、歌や詩が強く響いてきます。

個人的には、空気公団の山崎ゆかりとのデュエット曲M-5『まほろば』が良かった。前作は35曲で約2時間半。今作は7曲で約1時間。やっぱりこのくらいのほうが、まとまりもあって良いな。BRIGHT EYESとかを好きな人にお薦め。100%オレンジによるジャケットもいいな。
七尾旅人

『およそこの宇宙に 存在する万物全てが 【うた】であることの、最初の証明』
七尾旅人のニューシングルのタイトルは『およそこの宇宙に存在する万物全てが【うた】であることの、最初の証明』。途中に句読点があるのは『世界の中心で、愛を叫ぶ』の影響ではないでしょう。とりあえず、『愛を語るより口づけをかわそう』やら『愛のままにわがままに僕は君だけを傷付けない』なんて足元にも及ばない強烈なタイトルです。収録されてる曲のほうも強烈。歌詞にしても歌にしてもアレンジにしても既存の【うた】とは明らかに別世界。○○と□□の融合とか、そんな風に表現できない七尾旅人だけの世界。

行くとこまで行っちゃった感じで、これまでのファンも着いて行けない人が出てくるかもね。だけど、その分、好きになる人はトコトン好きになっちゃうんじゃないかな。僕は気持ち悪さの中に潜む、不思議な気持ちよさに吸い込まれて何度も聴いちゃいました。それにしても、この人の音楽ほど好き嫌いが分かれる音楽はないだろうなあ。なんか宗教的というかクスリ的というか変態的というか・・・引く人はホントに引いちゃうと思う。万人にはお薦めできないんだけど、つまんない毎日とつまんない音楽ばかりで、刺激を求めてる人は一度、聴いてみるのもいいかもね。それがプラスになるかマイナスになるかは分かんないけど、確実に刺激はあると思うよ。
なのるなもない

『MELHENTRIPS』
降神の片割れ、なのるなもないのソロアルバム。詩情たっぷりのリリックは健在。トラックを提供してるのは降神の作品にもトラックを提供してたTEMPLE-ATSの面々プラスアルファ。相方の志人も数曲参加してます。そんなこんなで降神の世界観にはやっぱり近い感じ。

エレクトロニカっぽいトラックに現実とメルヘンの狭間をトリップする詩的なリリック、程よくメロディアスで心地良いフロウ。志人がいない分、少し淡白に感じられることもあるけど、その分、なのるなもない独特の詩世界や声をじっくり堪能できる作品になってると思います。個人的にはなのるなもない1人の曲よりも、SUIKAの紅一点TONOがポエトリーで参加した『まわらないで地球』が一番好きだったりするんだけどね。あと以前、降神名義でアナログがリリースされていた『帰り道』がめちゃくちゃ良い。

カジュアルな感じはほとんどなくて友達と一緒に聴いたり車で聴いたりするような音楽じゃないし、好き嫌いが大きく分かれてしまう作品だと思うけど、詩的な音楽が好きな人、踊るよりも部屋でじっくりドップリ音にはまりたい派の人、あと七尾旅人あたりを好きな人も聴いてみるといいかも。たぶん好きな人はメチャクチャ好きなはず。
なんばあきひろ AND 宇宙船地球号

『夢よ、舞いあがれ/グッドエモーション』
ハイスタの難波章浩のソロです。1曲目『夢よ、舞いあがれ』はTYUNK名義にも少し通じるような打ち込みダンスミュージック。モンゴルの八駿っていう馬頭琴のアーティスト集団をゲストに迎えてモンゴル民謡的な旋律とアッパーな打ち込みビートが融合したテックハウスに仕上がってます。これはハイスタファンには少し辛いかもね。

ただ、2曲目の『グッドエモーション』では難波章浩が歌ってます!アコギとピコピコ電子音をバックに彼ならではのグッドメロディーがキラリと光る歌物ナンバー。歌詞が日本語だったり、歌い方が優しかったり、ハイスタとはやっぱり違うけど、ハイスタファンにはこれが一番馴染みやすい曲かもね。

まあでも、同時発売だったTYUNKと合わせて聴くとハイスタがなかなか活動再開できないのもちょっと納得できるなあ。ソロだから敢えて違うことをやってるってのもあるんだろうけど。
二階堂和美

『たね T』
暖かく美しいアコースティックな演奏に、少しロリっぽい美しい歌声。いい演奏と、いい歌。音響的な味付けもいい感じ。メロディは思わず口ずさみたくなるような感じ。テープ逆回転のインストや牧歌っぽいインストも良かった。

美しく神秘的な声から無邪気なロリータ声まで、変幻自在な彼女の歌が本当に素晴らしい。
万華鏡アシッドフォーク。
二階堂和美

『また おとしましたよ』
イルリメやCINQの作品にも参加してたり、サンガツやTUJIKO NORIKOとも共演したりと幅広く活動する二階堂和美の初のセルフ・プロデュースによるフルアルバム。

メランコリックで、どこかノスタルジック、儚く悲しい。今作では、演奏やアレンジは前作『たね T』よりも至ってシンプル。彼女の変幻自在、存在感抜群な歌声がより際立つ仕上がりになっています。

やっぱり、この人は声の人。本当に素晴らしい声を持っています。
その素晴らしい声を前面に出した、この作品はやっぱり素晴らしい。ただ、M-2『脈拍』みたいなキャッチーな曲がもう少しあっても良かったかなとは思うな・・・
二階堂和美
&
モユニジュモ

『LIVE 08/FEB/2003』
2003年2月8日行われた二階堂和美のライヴに、モユニジュモ(イルリメ)がゲスト参加したライブを音源化したもの。

『流星より愛をこめて』、『カイユボット』、『今日を問う』など、お互いの曲を2人で競演。アコギ弾き語りに二階堂和美の七色の美しい歌声とモユニジュモのラップ。とっても新鮮。とっても素敵。モユジュニモはエレクトリックなトラックをバックにラップしてるイメージしかなかったけど、アコギとの組み合わせもバッチリ。二階堂和美との組み合わせはバッチリすぎ。どの曲もバッチリ。ホントいい。

ライブ盤ってこともあって、M-4『太陽は正午のエール』では歌を間違えてやり直すっていう微笑ましい場面も。スタジオ録音じゃない分、完璧じゃないところもあるけど、これはこれでライブ感があって良い。これが即興だなんて信じれない。ホントに素敵なコラボレーション作品。こんな素敵な作品を聴かされたら、今度はスタジオ録音によるコラボレーション作品が聴きたくて仕方なくなってしまう。
二階堂和美

『ニカセトラ0000001〜卒業編〜』
二階堂和美のカバー・シリーズの第1弾。ontonsonなどで限定200枚で販売されたCD-R。もう完売したみたいで、今から手に入れるのは困難かもしれないけど素敵な作品なんで紹介しときます。

今回カバーしてるのは「卒業」をテーマに斉藤由貴『卒業』、松田聖子『制服』、荒井由実『卒業写真』、童謡の『おもいでのアルバム』(いつのことだか思いだしてごらん あんなことこんなことあったでしょう♪ってやつね。)の歌詞を変えた『一年生』。どれもただ名曲をアコースティック・ギターを弾いて二階堂和美が歌ってるだけ。やってること自体はその辺で歌ってるストリート・ミュージシャンの人たちと大して変わらないんだけど、響いてくる度合いが全然違う。いや、ストリートで歌ってる人たちの中にも「お!」と思わせるような人はいるよ。でも、この人の歌声は「おおおおおお!」って感じで他を超越してる。なんていうかもう素敵すぎるよ。

それで、カバーに選んだ曲がまたいい曲ばっかりなんだ。『おもいでのアルバム』も小学校のときに何回も何回も歌ったりしてたんだけど、こんなにいい曲だったんだって改めて知ったり。二階堂和美が新しく付け加えた歌詞もとっても素敵。斉藤由貴『卒業』と松田聖子『制服』はどちらも松本隆が作詞してるんだけど、こちらの歌詞もホントいいよ。いやはや名曲。そして個人的なベストトラックは荒井由美の『卒業写真』。曲自体も素晴らしいんだけど、二階堂和美らしいカラフルなコーラスワークが美しすぎて思わず涙。
二階堂和美

『ニカセトラ0000002〜夏模様編〜』
二階堂和美のカバー・シリーズの第2弾。今回は「夏模様編」ってことで夏の名曲をカバーしまくってます。カバーしてるのは榊原郁恵『夏のお嬢さん』、サザンオールスターズ『真夏の果実』、『ラジオ体操の歌』、プリンセスプリンセス『世界でいちばん熱い夏』、井上陽水『少年時代』。

前作もそうだったけど改めて原曲の素晴らしさに気付かせてくれます。『夏のお嬢さん』は原曲を知らなかったんだけど、とってもキュートで最高だし、『真夏の果実』はやっぱり桑田さんは凄いやって思わされ、小学校の時に何気なく聞いてた『ラジオ体操の歌』の美しさには目から鱗。『世界でいちばん熱い夏』はプリプリのCDをブックオフで買っちゃうかなって思わせるくらいにグッとくる名曲だし、『少年時代』も言うまでもなく名曲中の名曲。素敵すぎる歌声に素敵すぎる曲たちでもう悪いわけないです。二階堂和美の歌って、なんでこんなにグッとくるんだろ。
にせんねんもんだい

『それで想像するねじ』
メルトバナナやキリヒト、ルインズ、DMBQ、54-71とも共演、HELLAやBATTLESなどのオープニングアクトも務めた東京の女の子3人組、にせんねんもんだいのデビューCD。

容赦ない乱れ撃ちドラムに怖いくらいにウネるベース、凶暴な空間切り裂きギター。3者一体となって繰り出すハードコアでパンクでノイズでエクスペリメンタルなインストゥルメンタル。めちゃくちゃノイズなんだけど、やたらとグルーヴ感があって、ひたすらロック。凄くアバンギャルドな音なんだけど、その中に潜んでるメロディが実はポップで聴きやすくクセになる。かっこいいです。上述した共演バンドが好きな人は騙されたと思って聴いてみて欲しいな。


にせんねんもんだい

『とり』
ひたすらノイズ!アヴァンギャルド!ロック!な女の子3人組、にせんねんもんだいの一部でのみ限定販売されていたCD-Rをリマスターしてライブ映像も追加した作品。あれだけ騒いでたわりには何も起こらず、2000年問題なんてスッカリ忘れかけてたけど、この人たちの強烈な音は一度聴くと忘れられないです。一瞬のうちにズギャー!ガツン!と脳天直撃!頭の中をグルングルンにかき乱されて、気が付けば体中がにせんねんもんだい。

この、そこら辺のファッションハードコアバンドなんて相手にならないくらいの凶暴な音は好き嫌いが大きく分かれちゃうだろうけど、凶暴な音が好きな人、ノイズ好きな人、バトルズが好きな人、昔のソニックユースが好きだった人、最近、刺激が足りないあなたは是非、聴いてみるといいと思うんです。ぶっ飛ぶよ!
にせんねんもんだい

『ろくおん』
女の子3人によるインストバンド、にせんねんもんだいのファーストフルアルバム。反復するビートにノイズギタズギャーン!!!!!!!

生々しいなあ。ヒリヒリするなあ。めちゃくちゃかっこいいです。ミニマルテクノのような高揚感とロックのダイナミズム。ぶっ飛びます!これまでの最高傑作なんじゃないかな。ただ、このスタイルで続けていくとマンネリが来るのが早そうだなあ。フルアルバムじゃなくてミニアルバムくらいでちょうどいい気もする。いや、でも、やっぱかっこよすぎ。展開は少ないんで、そういうのが駄目な人には駄目かもしれないけど、この刺激的な音は体感してみる価値ありだと思います。
ヌンチャク

『ヌンチャク』
千葉県柏市出身の5人組、ヌンチャクのファーストアルバム。95年にリリースされた作品です。グラインドコア経由の速い、重い、激しい演奏をバックに低音ボイスの向、ハイトーンシャウトのクニのツインボーカルが痛快に畳み掛ける。バンド名や『アップ・フロント・ヴァギナ』、『るれくてしラェフ?』、『部屋ト調教師ト私』、『アナル窒息』なんて曲タイトルからも分かるように歌詞の世界はアホアホ変態系。

高校の頃にアホみたいに聴きまくってた作品なんだけど、今聴いても痛快だなあ。何が痛快って向とクニのツインボーカル。このバンドほどツインボーカルの掛け合いがうまく機能してるバンドも珍しいんじゃないかな。僕が知ってる中では日本一、いや世界一。それぞれの個性を分かり合った上でお互いを活かしつつ絶妙に掛け合ってるんだよね。この2人はヒロトとマーシーみたいな1+1=2じゃないバンドマジックを生んでたと思うんだけど、たったアルバム3枚での解散は本当に残念だよ。ああ、ホント、いいバンドだったなあ。


ヌンチャク

『ヌンチャクラ』
96年発表のヌンチャクのセカンドアルバム。この作品で初めてヌンチャクを聴いたんだけど、凄く衝撃を受けたのを今でも覚えてるよ。これまでに聴いたことのない音楽っていうのもあったけど、とにかくカッコいいの。僕にとってはブルーハーツに初めて触れたとき以上の衝撃だったし、同時期にハマってたハイスタよりも魅力的だったり。

そんな今作は前作と比べると歌詞が大きく変わったかな。前作は過激で下ネタ全開だったんだけど、今作は少し控えめ。その代わり、哲学的でシュールな歌詞が増えたかな。1曲目『めおとチック』の「高い屋根から落ちる人を受け止める 可能不可能考えずに なんて事は無い もっとゆっくり考えてみようか これじゃボクらめおとチックおとめチックから1ステップアップ」
なんていうセンス、凄く好きだなあ。『はけ口ドール』の「バカバカバカ・・・」も好きだけど(笑)

あと、ボーカルが少しラップ調の曲が増えたけど、ツインボーカルの魅力は相変わらず。曲も全部いいし、流れもいい。まあ、とにかくカッコいいんです。トータルタイムたった20分ちょっとの大傑作。


ヌンチャク

『都部ふぶく』
97年発表のヌンチャクのサードアルバム。僕は日本のハードコアで1枚、お薦めを教えてって言われたらこの作品を選びます。バリバリのハードコアキッズからしたら、こんなのハードコアじゃないって言うかもしれないけど(僕の友達は言ってた)僕にとっちゃハードコアです。海外のバンドの真似事じゃない、唯一無二のハードコア作品。

ますます不条理になった摩訶不思議な歌詞と重く激走する痛快なハードコア・サウンド、そして、ますます絶好調なツインボーカル。今作は前作と比べると演奏はグッと安定感を増し、曲の展開もよく考えられたものになり、少しだけメロディアスになったような印象。凄い。凄いとしか言いようがないね、これは。前作までの荒々しく勢い全開のヌンチャクが好きな人には賛否両論あるかもしれないけど、個人的には名盤だと思います。


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