0/A/B/C/D/E/F/G/H/I/J/K/L/M/N/O/P/Q/R/S/T/U/V/W/X/Y/Z/更新履歴
//////////O.S.T./V.A./特集/MUSIC・BBS/MUSIC MENU/TOP


当サイトは「amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。ジャケット画像をクリックするとamazonの通信販売ページにジャンプします。

野狐禅

『鈍色の青春』
某向井氏が日記の中で『自殺志願者が線路に飛び込むスピード』という曲を褒めてたのをきっかけで知った人たち。ボーカルとギター担当の竹原ピストルとピアノ担当の濱埜宏哉による2人組だ。これは彼らのメジャーデビューアルバム。デビューシングルとなった『自殺志願者が線路に飛び込むスピード』や、これより以前にリリースされたインディーズ時代のミニアルバム『便器に頭を突っ込んで』の収録曲も1曲除いて全部収録しています。

サウンドを1言で言うと「パンクな吉田拓郎」もしくは「フォークなブルーハーツ」。70年代フォークを基調としたようなサウンドに竹原ピストルの強烈なまでの個性とメッセージ性を持った言葉が乗っかる。「生きてもないのに、死んでたまるか!」「自殺志願者が線路に飛び込むスピードで生きていこうと思うんです」など、その言葉たちはどこまでもまっすぐで、どこまでも前向き。そして怖いくらいにリアル。竹原ピストルの歌は決してうまくはないけど、何よりも懸命で心にズキズキと響いてくる。くだんない愛の歌をわかりやすく笑顔で歌ってるフォーク・デュオなんかよりも、ずっとずっと何倍も響いてくる。

ここまで読んだ人は竹原ピストルのワンマン・ユニットみたいに思うかもしれないけど、竹原ピストルの歌とアコギと共に全編で流れる濱埜宏哉のピアノもサウンドを引き締める重要な役割をするのと同時に野弧禅に圧倒的なオリジナリティを加えています。あと、歌詞のほうも濱埜宏哉が数曲書いてるんだけど、それは竹原ピストルの詞とは正反対なロマンチックとも言えるような雰囲気の歌詞で、もしかしたら好き嫌いが別れてしまうかも。個人的にはもっと濃くなっても構わないから全曲を竹原ピストルが担当しても良かったような気がした。

とは言え、どの曲も完成度が高く、何度も何度も聴きたくなるような傑作になっています。特にM-1『山手線』からM-4『少年花火』までの流れは秀逸。SIONとかブルーハーツ好きな人は聴いてみてもらいたいな。ブルーハーツは好きだけど、ブルーハーツをそのままコピーしたようなフォロワー・バンドは駄目っていう人もこれはいけるかも。CCCDなことが本当に残念。
野狐禅

『東京23区推奨オモイデ収集袋』
野弧禅のセカンドアルバム。テレビに出て下手に人気出ちゃったことが関係あるのか、売れ線というか何というか普通のフォーク作品な印象。ドラムの入った曲も増えて、確実に音の表面上の厚みは増した。でも、触ったらケガしちゃうようなヒリヒリ感じはどこに行っちゃったの。歌は前作よりも小奇麗にまとまっててメロディは分かりやすくなった。でも、竹原ピストルのあの聴き手の心にズキズキ響いてくるような懸命さはどこに行っちゃったの。

こういうサウンドのほうが売れるかもしれない。売れるかもしれないけど、それが正しい道なの?それは誰にも分からないし、受け取り方も人それぞれ。別に僕は売れることは悪いと思わない。だけど、そういうところから一番かけ離れたイメージだった野弧禅がこうなっちゃったのが僕は残念でならないよ。
安原兵衛

『青春のアウトライン』
七尾旅人や川本真琴、古明地洋哉などのサウンド・プロデュースで知られる安原兵衛の初のソロアルバム。

七尾旅人もゲスト・ボーカルで2曲参加、JOSEPH NOTHINGも1曲参加した今作はエレクトロニカやハウスを通過した新世代のポップス。あまり話題になってないけど、これがなかなか素晴らしい。

ノスタルジックで切ない、そしてドラマチックなインスト・エレクトロニカM-1『DIGITAL9』、七尾旅人の声も見事にはまった、っていうかモロに七尾旅人の曲になってるM-2『TAKE TAKE』、ヴォコーダ処理されたボーカルをフィーチャーしたエレクトロニカ・ゴスペルM-4『祈り』、フリッパーズギターをエレクトロニカのフィルターに通したようなエレクトロニカ・ポップM-7『IDOL OF SURF』、JOSEPH NOTHINGの遊園地エレクトロニカと、キュートなアノラック・ポップが奇跡的に融合した名曲M-8『シー・イズ・ア・ダストマン(With Joseph Nothing)』などは本当に良い。これ以外にもエレクトロニカ以降のハウス・チューンや古明地洋哉を思わせるような歌物もあったりとバラエティに富んだ内容。

七尾旅人やatami、JOSEPH NOTHING辺りを好きな人は気に入ると思うな。良作。もっともっと話題になるべき作品だと思う。
やっほー!バンド

『STEP』
日本語ルーツ・レゲエ・バンド、やっほー!バンドの1stアルバム。MIXエンジニアはDRY&HEAVYの内田直之。

陽気でゆるゆるな日本語レゲエ。FIRE BALL周辺の音や三木道三みたいなのじゃなくて、ほのぼのして楽しいレゲエ。日本語を大切にした暖かい歌がメインで何故か、たまを思い出した。たま meets レゲエって感じ。ROCKING TIMEなんかにも似てるかな。

内田直之によるダブ・バージョンも2曲収録されてて、それも良かったんだけど、とにかくM-4『STEP』がいい。最高にハッピー。心躍って思わず軽快にステップしたくなる。それ以外の曲もなかなか良い。ただボーカルの歌い方にクセがあって、その辺がちょっと好き嫌い分かれるかも。
やっほー!バンド

『あんたらちょっと』
こだま和文も絶賛してる(らしい)レゲエ・バンド、やっほー!バンドの2作目のフルアルバム。前作に引き続き、ドライ&ヘビーの内田直之がエンジニアを務めています。

今作も相変わらずのゆるゆるサウンド。ルーツに忠実なレゲエに乗せて、へろへろな日本語の歌が響いてきます。よく「レゲエに日本語は合わないよ。」とか言う人もいるけど、これは何の違和感もなく日本語がはまってるんだよね。それこそ、レゲエってもともと日本の音楽だっけ?ってくらいに。ケツメイシや湘南乃風みたいなキャッチーさはないけど凄く味わい深くて、聴けば聴くほど心に染みてくる作品です。
矢野顕子

『ごはんができたよ』
矢野顕子の6作目でプロデューサーが「矢野顕子・坂本龍一」になって初のアルバム。80年発表。ピアノポップやジャズポップというより、坂本龍一色が強い、いやYMO色と言ったほうがいいかな。細野晴臣や高橋幸宏も参加してるし、YMOの名曲『東風』に日本語詩を付けて歌ったカバーなんかも入ってるしね。

YMO色が強いんだけど、独特なボーカルや歌詞の存在感はやっぱり矢野顕子。この人の個性はとんでもないです。ポップで聴きやすい作品でありながら、ニューウェーブ童謡みたいな曲があったり、谷川俊太郎の詩にインスパイアされた曲があったりして面白い作品でもあります。色んな人もカバーしてる名曲『ひとつだけ』や『ごはんができたよ』も収録。矢野顕子の傑作オリジナルアルバムのひとつです。とりあえず彼女のオリジナルアルバムを1枚聴くんだったら、これをお薦めします。

ただ、個人的にはどうしてもこの頃の打ち込みの音が古臭く感じてしまって、ちょっと苦手なんだよね。これはこれで古いなりの良さがあるんだろうけど、『また会おうね』みたいに生演奏主体の曲のほうが気持ちよく聴ける。最近のエレクトロニカ要素の強いポップソングも数年後にはこんな風に感じちゃうのかなあ。
矢野顕子

『ピヤノアキコ。』
僕の大好きなクラムボンが大きな影響を受けているのに今まできちんと聴いたことはなかった矢野顕子。彼女の過去に発売されたピアノ弾き語りアルバム3枚から選曲したベスト盤。新録として、くるりの「ばらの花」のカバーや、デビュー作収録の名曲で、ピアノ弾き語りは初録音となる「電話線」も収録。

オリジナル曲は意外と少なくて、THE BOOMの『中央線』、SMAPの『しようよ』、細野晴臣の『恋は桃色』、槇原敬之の『雷が鳴る前に』、ムーンライダーズ『ニットキャップマン』、はっぴいえんど『あしたてんきになれ』、そして、くるり『ばらの花』などカバー曲が多め。THE BOOMの『中央線』はたまにカラオケで歌うし、SMAPの『しようよ』は何故かシングルを持ってたし、槇原敬之は実は昔、大好きで初めて行ったライブも槇原敬之だったりするんだけど『雷が鳴る前に』は彼の作品の中でも大好きな曲だったし、細野晴臣の『恋は桃色』やくるり『ばらの花』も大好きだし、個人的に思い入れが強い曲が多かったんだけど、あの独特の声で歌うとどれも完全に矢野顕子の曲になってた。素晴らしい。圧倒的な歌の力。歌の力が波のようにザバーって押し寄せてくる。胸が張り裂けそうになってしまう。こういうのを聴くと、やっぱり歌の力って凄いんだなって思い知らされる。ずっとずっとCD棚に置いときたくなる。


矢野顕子

『ホントのきもち』
あまりにも多すぎてよく分からないけど矢野顕子の通産25枚目のアルバム・・・になるのかな。くるりの岸田繁とのコラボ曲とレイハラカミとのコラボ曲あり。岸田繁が作詞や作曲に関わった曲が5曲、そのうち矢野&岸田デュエットが1曲、くるりのメンバー、佐藤征史、大村達身も参加。くるりらしいアレンジや演奏、もろに岸田節な歌詞も登場して、くるりファンには堪らない作品になっています。『真っ赤なビー玉』や『おいてくよ』みたいなスロウ・ナンバーもいいけど、変態ロックンロールな『NYC』が最強。アウトロの演奏、かっこよすぎです。

非くるりな曲としてはダブとジャズブルースのミクスチャーあり、軽快なポップナンバーあり、ピアノ弾き語りあり、そしてレイハラカミ以外の何者でもないキラキラふわふわピコピコ曲あり。くるりとのコラボもいいけど、レイハラカミとのコラボがこれまた素晴らしいです。矢野顕子もインタビューで彼のことを天才だって言ってたけど、やっぱこの人は天才だね。そこにバッチリはまり込む矢野顕子の歌声も素敵。この人の歌声やメロディって弾き語りやポップスみたいなサウンドにも、こういうちょっと先鋭的なサウンドにもベストマッチするんだよね。凄いなあ。くるりファンやレイハラカミファンは要注目。クラムボンファンにもお薦めです。この弾けた感じは昔の矢野顕子を好きだった人も気に入るかもね。
矢野顕子

『はじめてのやのあきこ』
矢野顕子のベスト盤的選曲をピアノ弾き語りで、豪華ゲストとデュエットしちゃったっていう企画盤。デュエットの相手は槇原敬之、小田和正、YUKI、井上陽水、忌野清志郎というそうそうたるメンツ。みんなそれなりに素敵なデュエットを聴かせてくれるけど、矢野顕子のソロでも良かったのになーっていうのが正直なところ。小田和正とかメチャクチャ歌もうまいし、いい声してるんだけど、矢野顕子の圧倒的な個性に押されてる感が。井上陽水はさすがだなって思ったけどね。

個人的に今作の聴きどころは最後に収録された上原ひろみのピアノをフィーチャーした『そこのアイロンに告ぐ』。矢野顕子の個性を前にしても全く揺るぐことのない素晴らしい上原ひろみのピアノ演奏。矢野顕子の歌が上原ひろみのピアノを引き立て、上原ひろみのピアノが矢野顕子の歌を引き立てる。理想的なコラボのカタチだね。
山嵐

『COLORS WATER MUSIC』
山嵐のインディーズから含めると5枚目のアルバム。僕はミクスチャー的で初めてハマったのがこの山嵐のインディーズの1st『山嵐』。滅茶苦茶ヘヴィーかつファンキーなバンド・サウンドに躍動感に満ちた2MC。M-1『山嵐』〜M-2『BOXER'S ROAD』の流れは本当に最高だった。今、聴いてもあの個性は薄れちゃいない。山嵐独特のサウンド。揺ぎ無い個性があった。以降、メジャーデビューしたり、メンバーが変わったりして音楽性もジャズっぽかったり民族音楽の要素が加わったりと段々音楽性が変わっていった。

5枚目の今作はNG HEAD、湘南乃風、LEYONA、ラッパ我リヤ、UZI、MOOMIN、SOFFet・・・など全曲にゲストをフィーチャーしたサウンド。他のアーティストの色が加わってるせいもあるのか、今まで以上にありがちなサウンドになってしまっている。NG HEADやラッパ我リヤ、UZIなどをフィーチャーした曲は攻撃的なラップメタルなんだけど、アレンジもリリックも普遍的なラップメタル。『山嵐』の頃の個性はカナリ薄くなってしまっているように感じた。そして今作の特徴はLEYONA、MOOMIN、SOFFetなどをフィーチャーしたメロウな曲。LEYONAをフィーチャーしたM-4『LA LA SINGIN' MUSIC』、MOOMINをフィーチャーしたM-11『CAUSE I LOVE YOU』はメチャクチャいい曲だ。どっちも名曲。他のメロウ系の曲もなかなかいい。いいんだけど、やっぱりこれもドラゴンアッシュやHYなんかがやってそうな、ありがちな曲。山嵐がやる必要はあるんだろうか・・・。

とは言え、演奏は普通に巧いし、2MCのスキルも高い。メロディも良い。山嵐の個性って部分を抜きにするとなかなかいいアルバムだと思う。沖縄発のミクスチャー風アイドル・バンドに比べたら10億倍いい。ただ、個人的には昔の山嵐を知ってるだけに何か物足りない。
山弦

『JOY RIDE』
スタジオミュージシャン、小倉博和と佐橋佳幸の2人によるユニット、山弦の1枚目の作品。

アコースティックギターを中心としたインスト・アルバム。それぞれのギターの音が左右のチャンネルに振り分けれらてるんだけど、それぞれの圧倒的なテクニックと圧倒的な個性、そして圧倒的なアンサンブルに驚かされるばかり。時には激しく、時には優しい。ギターというものの表現力の幅広さを思い知らされる作品でもあります。

ほぼギターのみで作られたこの作品の中で唯一、ホーンを導入して異彩を放っていたM-4『RODEO KING』はアルバムにバラエティ感を出すっていう意味では良いのかもしれないけど、個人的にはホーンが邪魔に感じて駄目だった。ギターだけでも十分良いものが作れると思うんだけどな。まあでも、その点を除いては素晴らしいインスト作品だと思う。晴れの日も雨の日も、家の中でも野外でも、元気なときも落ち込んでいるときにも。生活のあらゆる場面にピッタリな傑作。


山弦

『INDIGO MUNCH』
1stアルバムの後にリリースされたミニアルバム。前作が全部オリジナルだったのに対し、今作は全曲が名曲のカバー。ディズニーの『いつか王子様が』や、はっぴいえんどの『夏なんです』、昌歌『夏の思い出』、サイモン&ガーファンクルの『AMERICA』、ウィリー・ネルソン『CRAZY』などをギター2本でカバー。ギター2本のみで既存の曲をカバーするっていうのは下手すると単調になってしまいがちだと思うんだけど、非常に考え込まれたアレンジ、アンサンブルで決して単調にはなってなく、聴けば聴くほど味の出てくる作品となっています。原曲と同様、もしくはそれ以上に2本のギターが歌っていて胸に響く響く。これは“うた”の入ってない“うたもの”。どのカバーも本当に素晴らしいです。それにしても、『夏の思い出』ってこんなに良い曲だったっけ。

インスト音楽を好きな人は是非是非。MORR MUSICのMANUALのギターで涙した人もいけると思います。あと、“うた”こそ入ってないけれども、ハナレグミやポラリスあたりを好きな人にもお薦めです。
山弦

『HIGH LIFE』
2000年にリリースされた山弦の2ndアルバム。今作はギターに限らず、バンジョーやアイリッシュ・ブズーキなど様々な弦楽器を使用、ホーン隊やストリングス、パーカッションなどもフィーチャーして、これまでよりもカラフルな作風になっています。曲調もこれまでよりも、ずっと幅広い。あのアメリカのBECKのお父さん、デヴィッド・キャンベルによる美しいストリングスと山弦の2人のアコギとが絶妙に絡み合うM-1『LIFE』は涙もの。半音階調で疾走するギターと大石真理恵によるパーカッションによるM-4『クロマ王朝の悲劇』には思わず笑顔。ついつい体が動き出す。そして、次のアイリッシュ・ブズーキと12弦スティールによるM-5『NORTHERN LIGHTS』で神秘的な世界に酔いしれる。

そんな新しい部分も良いことは良いんだけど、個人的にはやっぱり原点に帰ったようなアコギ2本をメインとした切ないインスト・ナンバーM-7『TRIVIA』が一番良かったかな。これを聴くと前作までみたいなほうが良かったなって思ってしまう。
山弦

『HAWAIIAN MUNCH』
ほぼアコギのみの一発録り作品の“MUNCH”シリーズ第2弾。今回は、映画『ティファニーで朝食を』主題歌の『MOON RIVER』、映画『禁じられた遊び』主題歌の『禁じられた遊び』、シュガーベイブ(大貫妙子作曲)の『蜃気楼の街』などをカバー。2人の原曲に対する愛がひしひし感じられるカバーになっています。今作は前作と違って、ほぼアコギだけ(一部、ウクレレ)で録られているんだけど、やっぱりこういうほうがいいな。2人の演奏だけで十分素晴らしいし伝わってくるんで、それを薄めてしまうような余計な装飾はいらないと思う。余計な装飾をなくした今作はやっぱり傑作。ただ、選曲的には前の『INDIGO MUNCH』のほうがいいかな。

余談だけど、近所のレンタル屋ではこのCDがいつも「パンク・ハードコア」のコーナーに置いてある。明らかに間違ってるんで、この前、こっそりと棚の「や」の場所に戻しておいたんだけど、数日後に行くと再び「パンク・ハードコア」のコーナーに・・・。
山嵐とでも間違えてるんだろうか。それとも店員さんは山弦にパンク・スピリットを感じるのか。とっても謎だ。
山弦

『ISLAND MADE』
山弦の通産5作目。直訳すると「島製」っていうタイトル通り、石垣島で作られたそうです。アコギ、エレキ、バンジョー、マンドリンなどの弦楽器で作り出すリゾートミュージック。僕の勝手なこじつけだけど、どこにいてもプレイボタンを押すだけで「ISLAND(島) MADE(まで)」連れて行ってくれる素敵な作品です。

相変わらず彼らの鳴らす弦の音は胸に響きまくり。これまでの作品と違うところは、ほぼ全編バンド編成で作られてることかな。あくまで弦が主役だけど、ベースやドラムもいい感じで作品に色を添えてます。個人的にはシンプルな1枚目やアコギのみで作られたカバーシリーズのほうが好きだけど、これも悪くないよ。島気分に浸りたいけど、島まで行く時間やお金はないよ!って人は聴いてみるといいかも。
noa.jpg

山本精一

『NOA』

山本精一の1stソロアルバム。

ギターメインのインスト・アルバムです。激しいノイズからアコギの綺麗な音、スイッチを切り替える音までバラエティに富んだ色んな音が入っています。実験的な音響が好きな人にお薦め。

noa2.jpg

山本精一

『NOA2』

山本精一の2枚目のソロアルバム。

ギター1本を使ったフリージャズです。前作以上に実験的な音です。そういうのが好きな人にはいいと思うけど、ちょっと僕は付いていけませんでした・・・

fuzzy.jpg

山本精一

『CROWN OF FUZZY GROOVE』

BOREDOMS、ROVO、羅針盤などの山本精一の制作期間5年以上をかけたソロアルバム。

テクノ、ハウス、エレクトロニカ、ブレイクビーツ、アンビエント、音響派、ポストロック、あらゆるジャンルを超越した作品。本人も自信作というだけあって本当に素晴らしいアルバム。ボアともROVOとも羅針盤とも違う全く新しい音の世界。題名どおりファジーな音象とグルーヴ。ただただ気持ちいい極上のチル・アウト・ミュージック。最初から最後まで鳥肌立ちまくり。

これまでのソロは万人受けは無理だと思うけど、今作はいろんな人にアピールできる作品だと思う。大傑作。

山本精一

『NU FREQUENCY』
ジョン・ゾーンのTZADIKからリリースのソロ4作目。

今作はジャズ色強めの完全即興作品。即興なんだけど、曲に展開が結構あったりして割と聴きやすいです。

音は相変わらず気持ちいい。
個人的には、CHINAさんのドラムが参加している曲が良かった。
全体的に悪くはないんだけど、『CROWN OF FUZZY GROOVE』のほうが好きかな。
山本精一

『なぞなぞ』
ボアダムス、ROVO、想い出波止場、羅針盤などでも活躍する山本精一の全編弾き語りによるソロアルバム。これまでのソロは音響っぽいアプローチのインスト作品が多かったんだけど、今作はアコースティックギター1本をバックに歌ってます。山本精一の歌と言えば羅針盤を思い出す人もいるかもしれないけど、あちらよりももっとシンプル。そして内省的で日常的な内容。

正直、この作品は好き嫌いの大きく分かれる作品だと思うな。ボアダムスみたいな壊れっぷりもなければ、ROVOみたいなアゲアゲっぷりもない。想い出波止場みたいな実験性もなければ、羅針盤みたいな叙情性もない。それらを求めてる人にはいまいちピンとこない作品かもしれない。だけど、この作品にはこの作品にしかない魅力もある。

個人的に魅力的だと思ったのはシンプルなアレンジで丸裸になった山本精一の言葉。深いような深くないような意味深で不思議な言葉たちの中に潜む、確信的に核心を突く言葉言葉言葉。過剰な音と馴れ合いの言葉にも慣れた僕の耳に、胸にグサリグサリと突き刺さる。これはちょっと凄いよ。他にはなかなかない。

あと今作には山本精一が1988年から2003年までに関わった作品を網羅した音盤リストが付録として付いてます。山本精一ファンは要チェックかも。
ゆう

『てんのみかく』
GO!GO!7188のボーカル/ギターを担当する“ゆう”(中島優美)のソロアルバム。GO!GO!7188では作詞のほうはアッコが担当してるんだけど、ここでは全曲の作詞作曲を“ゆう”が担当。胡弓を導入したオリエンタルなナンバー『蓮』、ブームの山川浩正による三味線をフィーチャーしたロック・ナンバー『終末』、鈴木正人や名越由起夫らをゲストに迎えたジャズ歌謡『黒蜜』和風のホラー映画を思わせるような『蜜月』、やはり鈴木正人らをゲストに迎えた本格的なジャズ・ナンバー『戦場のチェリー』ちょっとGO!GO!7188に通じるようなプログレッシブさを見せるロック・ナンバー『胡麻擂り』、KONISHI HIROAKIのピアノのみをバックに静かに歌う『甘い水』、歌謡曲風のメロディーを持ったストレートなロック・ナンバー『葉月』、細海魚によるアコーディオンが幻想的な世界を作り出す『天邪鬼』、ストリングスも導入したドラマチックなロック・ナンバー『小豆』など、バラエティに富んだ「10(てん)の味覚(みかく)」を披露。GO!GO!7188では味わえない味覚がたっぷりの作品となっています。

アッコこと浜田亜紀子のソ名林檎。物真似をやってるわけではなく、あくまで“ゆう”の音世界なんだけど、歌いまわし、メロディ、歌詞、アレンジなどに椎名林檎っぽさを感じる。この“ゆう”のソロも浜田亜紀子のソロもGO!GO!7188以上にバラエティに富んだ色んなタイプの曲をやってるけど結局、一番オリジナリティがあるのはGO!GO!7188のような。フォロワーとしては曲もよく出来てるんだけどね。初期の椎名林檎みたいな音が好きな人はきっと気に入ると思う。中にはアレンジが過剰に感じる曲もあるけど、個人的には“ゆう”と共同で鈴木正人がプロデュースを手掛けた『黒蜜』『戦場のチェリー』なんかは好きだな。それでも、やっぱりGO!GO!7188のほうが好き。
湯川潮音

『TIDE & ECHO』
「戦場のメリークリスマス」に使われてた『RIDE,RIDE,RIDE』やビートルズの『BECAUSE』、エンヤの『CHINA ROSES』などなど、名曲たちを湯川潮音がほぼアカペラで歌いましたっていう作品。ところどころフィールドレコーディングの音や弦楽器が入ることもあるけど、基本的には湯川潮音のガールソプラノのみで作られてます。

まさに「声のアルバム」だね。ビョークの『メダラ』が人間の声を最先端技術でエディットした“作られた”「声のアルバム」だったのに対して、こちらは“素の”「声のアルバム」。ホントに美しい声です。ただ今作は美しい声だけを優先してしまったあまり、あまり歌が歌っぽくないんだよね。感情がこもってないというか。それは2作目の『うたのかたち』でも言えることなんだけど、今作は演奏がない分、余計に退屈に感じてしまった。
湯川潮音

『うたのかたち』
ウォルト・ディズニー生誕100周年記念トリビュート・アルバム『DISNEY AGE @ D100 CAFE』の中でPOLARISとNATHALIE WISEのメンバーをバックにディズニーの『WHEN SHE LOVED ME』を歌っていた、湯川潮音の2枚目のアルバム。『WHEN SHE LOVED ME』のカバーでは、その美しく澄んだ高音の“声”が印象的だったけど、その美しい“声”はここでも健在。

POLARISのオオヤユウスケや坂田学など色んな人がそれぞれの曲をプロデュースしてるんだけど、どの曲もバックはほとんどアコギのみ。これ以上ないくらいにシンプル。彼女の美しい“声”を全面に出した作品になっています。何度聴いても、この“声”は素晴らしい。スーっと引き込まれ癒される“声”。オリコン上位では恋愛番組のテーマ曲を歌うユニットが“天使の歌声”なんて宣伝してたけど、湯川潮音の“声”のほうがずっと“天使の歌声”だと思う。その“天使の歌声”で歌われる、くるりのカバー『ランチ』はアレンジはあまり変わってないのに、原曲以上に美しく感動的だった。やっぱり“声”の力は凄い。

WORLD STANDARDの鈴木惣一朗が作曲したM-3『静止画』、POLARISのオオヤユウスケが作曲したM-8『かたち』はホント名曲。全8曲中3曲が彼女の作曲なんだけど、彼女の作曲の曲も良い。確かに他の作家の曲と比べてしまうと多少見劣りはするけど、これだけ作曲できるんだったら全部自分で作っても良かったんじゃって気がしないでもないな。あと、声は確かに素晴らしいんだけど、それイコール歌が素晴らしいわけではないと言うか。なんか声を活かすために歌を殺してしまってる感じがちょっとするんだよね。その辺はちょっと残念。


湯川潮音

『逆上がりの国』
湯川潮音のファースト・フルアルバム。今作はハナレグミや畠山美由紀などのプロデューサーとしても知られるワールドスタンダードこと鈴木惣一郎がプロデュース。リトル・クリチャーズの青柳拓次(ベース)、ハナレグミのライブサポートでもお馴染みの高田漣(ペダルスティール)、フジファブリックの山内総一郎(ギター)、鈴木一郎(ドラム)という素敵なメンバーによる演奏をバックに相変わらず美しすぎる歌声を聴かせてくれます。

いやあ、素晴らしい。まず、全8曲中6曲を湯川潮音が作詞作曲してるんだけど、詞世界はより深く豊かに、曲はより多くの人の心に届くようなものになってます。そして、なんと言っても歌がいい。これまでの作品はどこか美しい声に執着しすぎてた感があったんだけど、今作は美しさはそのままに表情豊かで感情溢れる歌らしい歌になってるんだよね。そして、彼女を絶賛していたハナレグミの音世界にも少し通じるような温かく優しいバックの演奏が、それを最大限に引き立たせる。そのお返しに歌が演奏を引き立てる。いやあ、音楽って本当に素晴らしいね。この感覚はハナレグミ以来かも。もう心を奪われまくりです。
湯川潮音

『緑のアーチ/裸の王様』
湯川潮音のメジャーデビューシングル。『緑のアーチ』はハナレグミこと永積タカシが、『裸の王様』はくるりの岸田繁が曲を書き下ろしてます。アコースティックで緩やかな演奏に湯川潮音の美しい歌声。たぶん世間では癒し系とか言われちゃうんだろうなあ。無駄な装飾のないシンプルな音に淡々とした歌、美しい歌声を活かすのは十分成功してると思うけど、メジャーシーンで成功するのはちょっと難しい気もします。間口はあまり広くない。

『緑のアーチ』なんて凄くいい曲だけどね。普段、ハナレグミとかポラリスとかワールドスタンダードとか聴いてるような人にはお薦めです。歌詞の「マンドリン」って言葉に合わせてマンドリンが鳴るところとか、たまんないなあ。
湯川潮音

『湯川潮音』
湯川潮音のメジャーデビューアルバム。プロデュースはワールドスタンダードこと鈴木惣一郎。ミックスはフィッシュマンズでお馴染みのZAK。作曲でくるりの岸田繁、ハナレグミこと永積タカシ、そして元スマッシングパンプキンズのジェイムス・イハが参加!ってことで力入ってます。

いや、音自体は力を抜いた、柔らかくてゆる〜い音だけどね。ちなみに岸田繁、永積タカシ、ジェイムス・イハが作曲したシングル曲3曲以外は湯川潮音本人が作曲してます。本人作曲の曲も全然悪くないし、シングルも本人の曲でいいのにね。まあ、その辺は大人の事情があるんでしょう。

いや、作品自体は汚れた大人の心も綺麗に浄化してくれるような美しい作品に仕上がってると思います。ゆるいアコースティック演奏に天使みたいな歌声。汚れた社会に疲れた人は聴いてみては?

個人的にはもうちょっと曲にバリエーションが欲しかったかな。サケロックと一緒にライブをやったりもしてるみたいだけど、次はもうちょっとアッパーな曲も聴いてみたいなあ。
ユニコーン

『BOOM』
87年にリリースされたユニコーンのデビュー作。もう解散から10年が過ぎて、そろそろユニコーンって何?って人もいると思うんで一応説明しとくとユニコーンは現在もソロで活躍中の奥田民生を中心に広島で結成された5人組ロックバンド。僕もこの作品はリアルで聴いてたわけじゃないんで知らなかったけど、このデビュー作はメンバーが違うんだよね。キーボードが阿部義晴じゃなくて女の人になってます。当時はアイドル・バンド的なアプローチだったみたいでルックスも後期ユニコーンとはちょっと違う感じ。曲調も普通のビートパンクって感じだし音は薄い。奥田民生の声も若いです。他にも曲名も全部英語だったり、歌詞にも英語が頻繁に登場したりと後期ユニコーンや奥田民生のソロしか知らない人には想像も付かない作品だと思う。

ただ、メロディーの良さは、その後のユニコーンや奥田民生のソロに通じるところがあるんじゃないかな。特にベスト盤にも収録されてた『MAYBE BLUE』や『PINK PRISONER』あたりはいい感じ。とりあえず、この作品を改めて聴いてみて思ったことは今、キャッチーなメロディーと青臭い歌詞と勢いだけがウリの青春パンクをやってるバンドでも後期ユニコーンみたいに大化けする可能性があるんじゃないかなってこと。
ユニコーン

『PANIC ATTACK』
88年リリースのユニコーンのセカンド・アルバム。前作にいた女性メンバーが抜け、この作品は4人編成で録音されてます。まだまだ少しカッコつけてる感はあるものの遊び心が出てきた感じ。

前作に通じるような真面目路線のビートロック・ナンバー『I'M A LOSER』や『SUGAR BOY』なんかと、忍者を思わせるようなコミカルなギターのフレーズをバックにベースのEBIと奥田民生がそれぞれペケペケ男と強い女を演じてデュエットする『ペケペケ』みたいなユーモラスな曲が不器用に混在するこの作品を聴くと、当時はユニコーンらしさを頑張って模索している途中だったんだなっていうのがよく分かる。いや、当時のインタビューとかも見たことないし、ただの僕の思い込みかもしれないけど・・・とにかく真面目路線の曲もユーモラスな曲も一生懸命にやってるのが伝わってくるんだよね。どんな曲でも、とにかく良い音楽を鳴らすんだ!っていう意気込みで模索し続けたからこそ、この後にリリースされる傑作『服部』が生まれたんだと思う。
ユニコーン

『服部』
89年リリースのユニコーンのサード・アルバム。今作から現在は氣志團のプロデュースを手掛ける阿部義晴がキーボードに加入してます。タイトルやジャケットからして前作までとは違う、ふざけた感じだけど音のほうも大分ふざけてます。ふざけてるって言っても真面目に本気でふざけてる感じ。その辺は氣志團なんかに通じるところがあるかもね。そういえば氣志團の3作目『TOO FAST TO LIVE〜』はこの『服部』のジャケットをパロってたね。

この作品、今聴いてもバラエティに富みまくりだしハチャメチャで楽しいなあ。プロデューサー、笹路正徳によるユニコーンの既発曲のオーケストラ・メドレーから始まって、ドラムの川西幸一が作曲して、それを小学生に歌わせた『ジゴロ』、奥田民生のソロにも少し通じるような軽快なロックンロール『服部』、エモーショナルなサビのメロディーが泣ける『おかしな2人』、EBIが1人で歌う不思議な『ペーター』、サンバのリズムの上でEBIと奥田民生の対照的な声が掛け合いする『君達は天使』、新加入の阿部義晴が作った美しいバラード『逆光』、ギターの手島いさむ が作ったレゲエ・ナンバー『珍しく寝覚めの良い木曜日』、チープな打ち込みのビートの上で阿部義晴と奥田民生が壊れまくりな歌を聴かせる『人生は上々だ』、そしてオーケストラとパンクロックをバックにサラリーマンの人生を奥田民生がエモーショナルに歌い上げる名曲『大迷惑』などなど、もうやりたい放題。

ここまでハチャメチャでバラエティに富んだ作品に仕上がったのはメンバー全員が個性出しまくりなところが大きいんじゃないかな。みんなそれぞれ曲を作ったり歌ったり、こういうバンドって今はあまり見かけないよね。このメンバー全員が個性出しまくりでハチャメチャにぶつかってるところが個人的にはユニコーンの最大の魅力だと思う。そして、その魅力がいっぱい出た今作はやっぱりとっても素敵なんです。


ユニコーン

『ケダモノの嵐』
ユニコーンのアルバム、3ヶ月連続リリースの第1弾。通産では4枚目の作品です。個人的にはユニコーンのオリジナル・アルバムではこれが一番好きかな。前作のレビューで書いたユニコーンの魅力が最も爆発してる作品だと思う。とにかく曲調はバラバラ。作詞作曲ボーカルもそれぞれ曲によってバラバラ。メンバー全員の個性が凄い勢いでぶつかり合ってます。個性がぶつかり合うと時にはマイナスに作用することもありそうなんだけど、この作品にはそれが無いんだよね。全部がプラスに作用してるって言っても言いすぎじゃないくらい。

ラグタイムな演奏をバックに女の子をラブホテルに誘うほのぼのナンバーから、教会のミサとビートロックを融合させたり、ビートルズのギターフレーズを引用したロックンロール、ミュージカル風の牧歌ローファイポップ、中期ビートルズを思わせるようなミディアムバラード、サンプリングを使った打ち込みポップ、スラッシュメタルに乗せて事務所の住所をシャウトするだけの曲などなど、1曲1曲に詰め込まれたアイデアの豊富さと実験性の高さは今聴いても十分に新鮮。そして、それを難しくなりすぎずポップに仕上げたバランス感覚が何とも絶妙。

この個性のぶつかり合いと実験性や革新性の高さ。それをまとめる絶妙のポップ感とバランス感覚。ロック感日本のビートルズっていう宣伝文句は割とよく聞くけど、『ケダモノの嵐』こそ日本のビートルズって言葉がピッタリの作品だと思う。『自転車泥棒』、『働く男』、『スターな男』など名曲も多いです。名盤。
ユニコーン

『おどる亀ヤプシ』
ユニコーンの3ヶ月連続リリースの第2弾。前作『ケダモノの嵐』は14曲と盛り沢山だったんだけど、今作は全6曲とコンパクトな内容。これは絵本付きCDという形態で限定発売だったみたいです。じゃあ、今は聴けないのかと言うと・・・今は次作『ハヴァナイスデー』とカップリングで『おどる亀ヤプシ+ハヴァナイスデー』ってタイトルで売ってるんで、ちゃんと聴くことができますよ。あとブックオフなんかでもたまに見かけたりも。

今作はユニコーンの作品の中で最も実験度の高い作品。ポップ感はちょっと薄めだけど遊びまくってます。昔に聴いたときは意味不明だったんだけど、色んな音楽を通過した今聴くと凄く面白いことをやってるなっていう印象。4曲目に収録されてる『ボサノバ父さん』はベスト盤には収録されてなかったけど隠れた名曲だと思う。あと、圧巻なのは5曲目の『PTA 〜光のネットワーク〜』。完全なTMネットワーク(小室哲也がやってたグループね)のパロディ・ソング。編曲で参加してる元ピチカート5の小西康陽の力が大きいんだろうけど、どこからどう聴いてもTMネットワークな曲に仕上がってます。奥田民生の歌い方もTMネットワークの宇都宮隆の完璧なモノマネ。笑えます。まあ、この曲に関しては時事ネタみたいなところもあって当時に聴いてたほうが楽しめたと思うけどね。
ユニコーン

『ハヴァナイスデー』
ユニコーンの3ヶ月連続リリースの第3弾。こちらも6曲入り。もう廃盤になってるけど、今は前作『おどる亀ヤプシ』とカップリングで売られてます。こちらは実験度の高かった『おどる亀ヤプシ』から一転して全編ストレートでシンプルなロックンロール作品になっています。『ケダモノの嵐』でバランスよく同居してた2つの要素をバラバラにしたら『おどる亀ヤプシ』と『ハヴァナイスデー』になる感じかな。

個人的にはその2つの要素がバランスよく同居してるユニコーンが好きなんで、この2作は正直ちょっと物足りないかな。どっちも悪い作品とは思わないし、『おどる亀ヤプシ』のほうは遊びまくりでそれなりに面白かったんだけどね。3ヶ月連続リリース第1弾の『ケダモノの嵐』にすべてを注ぎ込んで、余った力でこの2作を作ったような気がしないでもない。う〜ん、笠置シズ子のカバーは好きなんだけどね・・・。まあ、番外編ってことで。
ユニコーン

『ヒゲとボイン』
91年リリースのユニコーン通産7枚目のアルバムです。今作も沢山のアイデアをポップにまとめたユニコーンらしい作品だと思うんだけど、『ケダモノの嵐』とは少し違う。歌詞と曲がより洗練されたっていうのもあるけど、ハチャメチャさがなくなってるんだよね。たしかに曲はよく出来てるし、演奏や歌の質は向上している。だけど、なんか安定してしまって『服部』や『ケダモノの嵐』の頃にあったバンドの初期衝動みたいなものが失われてる気がするんだよね。まるでカップルの倦怠期を見てるような印象を受ける作品。実際にこの次の作品の製作中にメンバーが脱退してバンドは解散に向かっちゃうわけで、その印象もあながち気のせいでもないと思う。

とまあ、なんかちょっとネガティブな書き方をしてしまったけど決して悪い作品ではないよ。後に奥田民生がソロでセルフカバーする『ターボ意味なし』やELOを彷彿とさせるような『ヒゲとボイン』や『車も電話もないけれど』など素晴らしい曲もいっぱいあるしね。ハチャメチャな楽しさはないけれど、非常に味わい深い作品です。
ユニコーン

『SPRINGMAN』
93年リリースのユニコーンのラストアルバム。製作途中にリーダーでドラムを担当していた川西幸一が脱退してしまったりして、実質的なラストアルバムは『ヒゲとボイン』なのかもしれないけどね。今作はギリギリでユニコーンらしさは保ってるんだけど、メンバーそれぞれのソロ作を集めたような印象を僕は受けた。これまでは曲調がバラバラでも不思議な力で自然とユニコーンの音になってたと思うんだけど、今作はその不思議な力が発動してないような。奥田民生が歌ってる曲の割合が低めで、作詞作曲をした人がその曲を歌うっていうパターンがほとんどっていうのが、そう感じさせるのかな。とにかく無理矢理ユニコーンであることを保ってるような息苦しさが感じられて辛い。

このレビューを書くのにあたって久しぶりに聴いてみたけど『すばらしい日々』は反則だよ。あんな素晴らしいメロディーで奥田民生に「なつかしい歌も笑い顔も、すべてを捨てて僕は生きてる」なんて歌われちゃ泣いちゃうじゃんか。めちゃくちゃ辛いけど名曲中の名曲。曲単体で見ると、その『すばらしい日々』や『与える男』やなんてユニコーンの中でもトップクラスに好きな曲だし、それらの曲の延長線上にある奥田民生のソロも大好きなんだけどね。だけど、ユニコーンはバンドだし、『服部』や『ケダモノの嵐』を知ってるだけに、不思議な力=バンドマジックの消えてしまった今作はやっぱり物足りない作品かな。
横山健

『COST OF MY FREEDOM』
今や説明無用のHi-STANDARD(ハイスタ)のギタリスト、横山健の初のソロアルバム。ハイスタのレビューでも少し書いたけど、ハイスタ本体は2000年のAIR JAMを最後にボーカルの難波章浩が脱退してしまったために活動休止中。ハイスタの魅力といったら、やっぱり何といっても誰もがメロメロになるようなグッドメロディ。ハイスタが活動を休止している間に横山健が突如始めたショート・スラッシュコア・バンド、BBQ CHICKENSやギタリストとして電撃加入した原爆オナニーズでは、そのグッドメロディは封印されてたんだけど、この初となるソロアルバムでは彼が自らギターとマイクを持ち、全く惜しげもなくグッドメロディを奏でている。

バックを務めるのはLOW IQ 01、JAH-RAH、堀江ヒロヒサ(ニール&イライザ)という布陣。ハイスタを彷彿とさせる疾走感満天のメロディックパンクから、これまでの彼にはなかった優しいアコースティック・ナンバー、LOW IQ 01の作品に通じるようなポップ・ナンバー、そして陽気なオルガンもフィーチャーしたBBQ CHICKENの『POPCORN LOVE』のセルフカバーまで、どこを切ってもグッドメロディ、ただただグッドメロディ。

やたらとグッドメロディを強調したけど、この作品は本当にメロディのアルバムだと思う。ひたすらグッドメロディが鳴ってる。メロディ第1主義な人はきっと満足するんじゃないかな。だけど、裏返すとただメロディが良いだけの作品とも言える。いや、アレンジだってハイスタ以上に凝ってるんだけど、何かが足りない。ドライブ感?勢い?深み?やっぱり難波章浩の歌声が足りない。ハイスタとは別物として考えなきゃいけないってのは分かってるけど、この横山健以外の何者でもないメロディを聴くと難波章浩の歌声が恋しくなってしまう。ハイスタと別物として割り切って聴くと普通に良いんだけどね。
横山健

『HOW MANY MORE TIMES』
ハイスタの横山健、初のシングルです。なんかファーストアルバムと比べると歌が力強くなったような印象。そして、よりハイスタっぽくなったような。2曲目なんかほとんどハイスタじゃん。TYUNKを聴いた後に聴いたから余計にそう感じるのかな。とにかく「そうそう!これを待ってたんだ!!」って人は多いと思います。

この疾走感、このエネルギー、このグッドメロディー、しびれるギター!もうたまんないね。前作にあった不満は全部吹っ飛びました。10CCの『I'M NOT IN LOVE』も素晴らしいです。全曲文句なし。ハイスタファンは聴いて損しないんじゃないかな。シャカラビッツとかビークルとか175Rとか聴いてる若い子たちも是非、聴いてぶっ飛んでください。こりゃアルバムが楽しみだ。
横山健

『NOTHIN' BUT SAUSAGE』
KEN YOKOYAMAの2作目。前作はどこか迷いが感じられたけど、今作ではなんか吹っ切れた?歌ってるのが横山健なだけで曲はほとんどハイスタ!!!!!

ギターも大暴れ!グッドメロディがエモーショナルに突っ走ります。お得意の名曲カバーはなんと『君の瞳に恋してる』。『SUMMER OF 99』なんて曲もあったり。『SUMMER〜』ってタイトルと99という数字にドキッ!

もうハイスタを聴いて育ったってバンドもいっぱいいるだろうけど、やっぱ本家本元は違うわ。そう思わせてくれる作品です。ハイスタ世代の人も若い子もモッシュモッシュ!
横山健

『THIRD TIME'S A CHARM』
KEN YOKOYAMAの3作目。もうハイスタのフルアルバムの数に届いちゃいました。もうここまで来たらハイスタの影を追い求めちゃいけないって分かってるけど、ついつい求めちゃうんだよね。ハイスタはやっぱり偉大だし、難波さんは違う方向に行っちゃったし。今作にもあちらこちらにハイスタらしさが見える・・・

けど、やっぱり横山健は横山健でしかないんだよね。ここに難波さんもツネもいない。無難に仕上がったポップパンク作品だと思います。やっぱりグッドメロディ。でも、なんか物足りないなあ。シークレットトラックでバンドのサージがボーカルを取って横山健がコーラスに回ってるんだけど、これを聴くと、やっぱりハイスタが恋しくなっちゃう。難波さんがベース弾きながら歌って、横山健がギター弾きながらコーラスする、あれが最高だったんだなあ。
吉井和哉

『39108』
イエローモンキーの解散、吉井ロビンソン名義で2枚のアルバムを発表後、本名名義になっての1作目。

今作を聴いて思ったこと。吉井ロビンソンは非イエモンな音をやろうと無理してたんじゃないかって。今作は本来の吉井和哉っていうか自分が本当にやりたい素直でポップなロックをやってるような印象。吉井ロビンソンを受け付けれなかったイエモンファンも納得の作品かもね。

シンプルなロックンロールにヘヴィなロックナンバー、疾走感のあるポップロック、しっとりとしたアコースティックナンバーなど、バラエティに富んだ作品。まあ、サウンド、アレンジに関してはどっかで聴いたことあるような感じが多いけど、この吉井節とも言えるような独特のメロディラインと捻りある歌詞はここでしか味わえません。
吉川ひなの

『I AM PINK』
モデルやタレントとして活躍(していた?)の吉川ひなのが98年にリリースした初のフルアルバム。ロリロリキュートなテクノ歌謡の名曲『ハート型の涙』も収録しています。この作品、参加してる人達がバッファロードーターやフィッシュマンズの茂木欣一、HAKASE、リトルテンポの土生剛、元ミュートビートの朝本浩文、コレクターズの古市コータロー、UAやCHARAのバックを務める名越ユキオ、エルマロのアイゴンこと會田茂一、CHARAや七尾旅人などのプロデュースで知られるatamiこと渡辺善太郎、最近は浜崎あゆみのアレンジをやったりもしている元電気グルーヴのCMJKなどなど、ちょっと豪華な感じ。あと懐かしのエルアール黒沢秀樹や藤井フミヤも曲や歌詞を提供してたり。

ちょっとフィッシュマンズを思わすようなアンビエントからギターポップ、オールディーズ風、テクノ歌謡、アコースティック、ソウル、ラウンジ、ポストパンク、そしてダブまで多彩かつ完成度の高いトラックにロリロリキュートな歌詞と吉川ひなのの舌足らずすぎるボーカルが融合して、とびっきりカラフルかつキュートで不思議ちゃん全開なアイドルポップに仕上がっています。初回盤のジャケットみたいにピンクとハートでいっぱい。このロリロリっぷりというかブリッコっぷりには誰も敵わないね。ここまで来ると超下手っぴなボーカルもキュートさの一部になっちゃう。

だけど、このぶっとんだキュートさに着いて行ける人はなかなかいないだろうな。ここまでブリッコに徹底してるのは凄いと思うし、バッファロードーター(&茂木欣一)が手掛けた『ルルル片思い!(BUFFALO DAUGHTER MIX)』なんかは今聴くと80年代リバイバルな感じで普通にカッコいいんだけどね。とりあえず、ロリロリキュートや不思議ちゃん、ブリッコって言葉に興奮した人は聴いてみるといいかも(笑) 

0/A/B/C/D/E/F/G/H/I/J/K/L/M/N/O/P/Q/R/S/T/U/V/W/X/Y/Z/更新履歴
//////////O.S.T./V.A./特集/MUSIC・BBS/MUSIC MENU/TOP